2006年03月16日

Freddie Hubbard『Hub Tones』

巨匠Reid Milesによる秀逸ジャケット・デザイン☆Freddie Hubbard『Hub Tones』♪
ハブ・トーンズ
録音年:1962年
ez的ジャンル:新主流派Jazz
気分は... :Blue Noteのジャケ・デザインは全てアートだ!

僕がJazzを本格的に聴くようになったのは社会人になってからだが、Freddie HubbardというJazzトランペッターの名は、洋楽を聴き始めて間もない頃から知っていた。リアルタイムで最初にハマったアーティストBilly Joelのアルバム『52nd Street』(1978年)の収録曲「Zanzibar」にHubbardがフューチャーされていたからだ。

Freddie Hubbardは、1960年代初めから活躍する、いわゆる新主流派のJazzミュージシャンであり、Herbie Hancock(p) 、Wayne Shorter(ts,ss) 、Ron Carter(b)、Tony Williams(ds)と共に、Jazz界の黄金メンバーVSOPクインテットの一員としても有名ですよね。

そんなFreddie Hubbardのアルバムの中で印象に残るアルバムが『Hub Tones』(1962年)だ。

このアルバムは音楽もいいのだけど、何よりジャケットが好きだなぁ。ジャケット・デザインは、お馴染みのJazzアルバムのジャケット・デザインの巨匠Reid Milesデス。このブログでも、“Big” John Patton『Let 'Em Roll』Dexter Gordon『Our Man In Paris』Bobby Hutcherson『Happenings』Joe Henderson『Inner Urge』Hank Mobley『No Room For Squares』と数多く彼の作品を紹介していますよね。

僕のJazzコレクションは、名門レーベルBlue Noteの50年代〜70年代の作品の割合が圧倒的に多い。その理由は、音楽的な素晴らしさは勿論だが、それ以上に印象的なアルバムジャケットに魅了され、ジャケ買いしてしまうことが多いためだ。

そんな魅力的なジャケット・デザインの仕掛人こそが、Blue Noteで15年間で約500枚のジャケット・デザインを手掛けたReid Milesです。写真家Francis Wolffとのコンビは、まさにJazzジャケット・デザインの最強タッグだったと思います。

Reid Milesのデザインって、シンプルだけど強烈なインパクトがあるよね。この『Hub Tones』も、縦長長方形を水平線に並べて、その中の1つだけ段下げをし、Francis Wolff撮影のHubbardの写真をはめ込んだだけのものだ。

しかし、規則的に並んだ長方形の中で、1つだけ不規則な長方形がヤケに目立つし、さらにその中の黒+赤のデュオ・トーンでプリントされたHubbardの写真から、もの凄い緊迫感をカンジますよね。また、Freddie Hubbardという名前の赤いフォントは、その配置も含めて、緊迫感をさらに増幅させてくれる。

この不規則で緊迫感のあるデザインは、Jazzの重要な要素であるアドリブや、そのアドリブがカッチョ良いHubbardの音楽性とも合致していたのではと思いマス。

Blue Noteはジャケットの印刷において、4色刷りの予算がなく、2色刷りしか出来ないケースが多かったらしい。Reid Milesは、その制約を逆手にとり、モノクロ写真を黒+赤、黒+青などのデュオ・トーンでプリントすることで、独特の雰囲気を出すことに成功していた。そのあたりの発想もお見事と言うほかない。

中身の方は、Hubbard(tp)以外は、James Spaulding(as,fl)、 Herbie Hancock(p)、Reginald Workman(b)、 Clifford Jarvis(ds)というメンバーで、若々しい演奏を披露してくれていマス。

全曲紹介しときヤス。

「You're My Everything」
新主流派らしい気品のあるスウィンギーなナンバー。歌心のあるHubbardのプレイを聴くことができマス。何とも粋な雰囲気がとってもスキっす。

「Prophet Jennings」
James Spauldingのフルートが印象的なナンバー。地味だけど洒落た演奏っす。

「Hub-Tones」
まさに、ジャケ写真のHubbardの姿にピッタリの、ハードでスリリングで演奏が聴けマス。アルバムで一番のお気に入りっす。

「Lament For Booker」
タイトルの通り、若くして亡くなった天才トランペッターの一人Booker Littleに捧げられた美しいバラード。ある意味では、アルバム一番の聴きものかもね。Booker Littleと言えば、Eric Dolphyとの白熱した演奏ができるEric Dolphy『Eric Dolphy at the Five Spot, Vol.1』(1961年)も大好きなJazzアルバムの1枚っす。

「For Spee's Sake」
テンポの良いブルージーなナンバー。James Spauldingのサックスがイイっす。

他のアルバムでは『Breaking Point』(1964年)もスキっす。あとは『Open Sesame』(1960年)、『Red Clay』(1970年)あたりもコレクションに加えたいっすね。あと他のプレイヤーのアルバムでは、新主流派の代表作Herbie Hancock『Maiden Voyage』(1965年)あたりのプレイがイイカンジだと思いマス。
posted by ez at 01:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月15日

Zhane『Pronounced Jah-Nay』

JeanとReneeの女性デュオによる90年代を代表する傑作R&Bアルバム☆Zhane『Pronounced Jah-Nay』
Zhane Pronounced Ja-Nay
発表年:1994年
ez的ジャンル:Smooth Groove系R&B
気分は... :イナバウワー、ジャック・バウワー(;¬_¬)

ここ数日、知人に借りたまま全然観れずにいた、『24』のseason2、3をまとめて観ている最中っす(今頃?とか笑わないでね)。
面白いけど、2シリーズ合わせて48時間はなかなかの体力勝負っす。

そんな状況なので、最近さんまがよくやるネタ☆イナバウワ〜☆ジャック・バウワ〜☆がお気に入りっす!(ちなみにジャック・バウワーは『24』の主人公っす。)

さて、今回は90年代を代表するR&Bアルバムの1枚☆Zhaneの傑作デビューアルバム『Pronounced Jah-Nay』デス。

Zhaneは、Jean Norris、Renee Neufvilleの二人による女性R&Bデュオっす。
このデビューアルバムはかなり聴いたなぁ。このアルバムは当時流行っていた他のR&Bアルバムと決定的に違う何かをカンジたねぇ。

Mary J. Bligeが切り開いたHip-HopモードのR&B路線という点では他のR&Bと同じだけど、他のアルバムとは異なる“イナバウワー”のようなしなやかさと気品があると思います。

メロディ、ボーカル、グルーヴ...全てにおいて“しなやか”という言葉がピッタリな気がするなぁ。ティーンエイジR&Bファンではなく、大人のR&Bファンが楽しめるHip-HopモードのR&Bってカンジだったかなぁ。

Kay Gee (Naughty By Nature)の好プロデュースも忘れてはいけませんね。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Hey Mr. D.J.」
アルバムの先行シングルとして大ヒットしたZhaneの代表曲と呼べるクラシック・ナンバー。フリーソウル・ファンにはお馴染みMichael Wycoff「Looking Up To You」ネタのループが実に気持ちイイっす。

「Groove Thang」
アルバムからの2ndシングルであり、これもクラシックと呼ぶにふさわしいSmooth Grooveナンバー。僕はこの曲が一番のお気に入りかなぁ。この淡々としていけるけど、メロウなカンジが何ともスキっす。ボーカル・デュオとしての魅力も堪能できマス。Patrice Rushen「Haven't You Heard」をサンプリング。

「Vibe」
George Benson「Love X Love」ネタのループが、アーバンでアダルトなカンジを醸し出している、これまたシングル・ヒットしたナンバー。

「Sending My Love」
メロウで切ないカンジのミディアム・グルーヴ。この曲もシングルカットされていマス。

「Sweet Taste Of Love」
タイトル通り、スウィートな美メロ・ラブソング。ヒットシングルもいいけど、こういった胸キュン・ナンバーにこそ、彼女達の魅力が詰まっている気もしマス。

「Changes」
「Groove Thang」と並ぶ僕のお気に入り曲。クールでしなやかなSmooth Grooveですな。今聴き直すと、少しグラウンド・ビート(Ground Beat)っぽいところがスキかも?

「La, La, La」
アルバムの後半はバラード曲が多いんだけど、その中のお気に入りの1曲デス。彼女たちがしっかりとしたボーカル・グループであることを認識できマス。

「For A Reason」
ピアノの伴奏のみで二人が歌い上げる美しいバラード。僕が最も好きな90年代女性R&BグループBrownstoneばりに素晴らしい歌を聴かせてくれマス。

2ndアルバム『Saturday Night』(1997年)もイイっすよ。このデビューアルバムほど注目されなかったけど、全体の完成度は『Saturday Night』の方が上かも?
posted by ez at 00:04| Comment(2) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月14日

T.Rex『Electric Warrior』

Tレクスタシー旋風を巻き起こしたエレクトリック・ブギ☆T.Rex『Electric Warrior』
電気の武者+8 30thアニヴァーサリー・エディション [でかジャケCD]
発表年:1971年
ez的ジャンル:エレクトリック・ブギ系グラムロック
気分は... :真剣勝負って何よ?

やっぱり今日はWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)ですかねぇ。
「日本対アメリカ」のあまりの茶番劇にガッカリしました。世界一決定戦に値しない、こんなくだらない大会はもう観ません。

D.Leeのホームランを呼び込んだ清水の動揺を誘うしつこい注意、西岡のタッチアップのセーフを覆した判定...アメリカチームの危機を尽く救った球審が間違いなく、“アメリカチーム”のMVPだよね(笑)

でも、スポーツに誤審やホームチーム・アドバンテージはつきものだから、それを必要以上に責めるつもりはありません。
最大の問題点は、あの主審がアメリカ人だったこと!

主審が第三国の人だったならば、今回の件もそれほど大騒ぎに値しないと思う。結果がどうあれ、アメリカの試合の審判をアメリカ人が努めている時点で、試合の公平さが欠落しているもんね。

サッカーW杯で自国の試合を自国の審判が担当することなんてあり得ない。この審判の1件だけでも、WBCが国同士の威信を賭けた真剣勝負の場としてふさわしくない大会であること露呈しているよね。

それ以外にもWBCには???なことだらけだもんね。一番笑えたのがMike Piazza等のイタリア系アメリカ人による急造チームだったイタリアだね。多分、イタリア国民の99%が自国がこの大会に参加していることすら知らなかったんじゃないかなぁ。仮に知っていても無関心だろうしね。

アメリカが決勝までドミニカ、キューバ、プエルトリコらと対戦しなくて済むトーナメントの仕組みもインチキだよね。こんなアメリカ有利のトーナメント方式に他国からクレームが出ないのも(出せないのかも?)、ベースボールという競技が世界的なスポーツではないことを物語っていると思いマス。

まぁ、アメリカはMLBの優勝決定戦を“ワールドシリーズ”と呼んでしまう国だから仕方ないけどねぇ(フツーに考えれば、“アメリカ&カナダシリーズ”でしょ)。

参加している選手が真剣なことは認めるけど、こんな中途半端な時期、メンバーで開催されている大会、しかもあらゆる面でアメリカを優勝させる大会が“真の世界一決定戦”とは到底思えないよねぇ(? ?)

だからこそ、僕はアメリカを優遇しないサッカーという真の世界的なスポーツや、サッカーW杯という“真の世界一決定戦”にふさわしい大会に惹かれるのだということを確信できまシタ。

今日は何となく気分的にアメリカ人アーティストは控えておきます。
ということで、70年代UKロック・シーンを語る上で欠かせないグループT.Rexの代表作『Electric Warrior』っす。

今は亡きMarc Bolan(1977年交通事故死)率いるT.Rexは、David Bowieと並ぶグラムロック(グリッターロックとも呼ばれていた)を代表的なアーティストっす。

グラムロックというジャンルは、サウンド面での特徴というよりも、ビジュアル面でラメやスパンコールがギラギラ光るド派手な衣装でパフォーマンスしていたロック・アーティストの総称っす。

1960年代後半から活動していたギターとパーカッションという風変わりなデュオTyrannosaurus Rexが、1970年代に入りエレクトリック・サウンド化し、グループ名もT.Rexを名乗るようになった。同時にMarc Bolanは白塗りの化粧をするなど、ビジュアル面でも目立つようになってきた。

2ndアルバム『Electric Warrior』(1971年)は、そんな彼らがグラムロックの雄としての地位を確立した作品であり、Tレクスタシーと呼ばれる熱狂的なT.Rexブームを巻き起こしたアルバムっす。

サウンド的には、Tyrannosaurus Rex時代からのフォーク・サウンドと、彼らの代名詞とも言えるエレクトリック・ブギが混在した過渡期的なアルバムだと思いマス。案外、パーカッシブな仕上がりもお気に入りっす。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Get It On」
「Telegram Sam」(『The Slider』収録)と並ぶ彼らの代表曲。シングルカットされ、UKチャートで第1位を獲得していマス。なお、同じ年にChaseの同名曲「Get It On」がヒットしていたため、アメリカでは「Bang a Gong」のタイトルで発売されまシタ。

ザ・エレクトリック・ブギってカンジの実にシンプルだけど、ノリノリのグルーヴ感がたまりません。何かイェーイ!って叫びたくなるよね。ディスコ・ナンバーを聴いていると沸き起こるおバカな気分と同じものを感じるよね。

僕と同年代の人は、The Power Stationによるスタイリッシュなカヴァー(1985年)も忘れられないですよね。

「Jeepster」
これもシングルカットされ、UKチャートで大ヒットを記録したナンバー。エレクトリック・ブギなんだけど、パーカッションによるグルーヴがいいアクセントになっていマス。パーカッション好きの僕にとっては案外ハマる曲ですね!

「Mambo Sun」
アルバムのオープニングを飾るブギ・ナンバー。かなり抑えたカンジの演奏が逆にMarc Bolanの怪しげなボーカルを際だ立たせてイイカンジっす。

「Cosmic Dancer」
「Planet Queen」
とっても宇宙的なイメージの2曲。David Bowieもそうだけど、グラムロックって宇宙的なテーマの歌が多いよね。グラマラスなビジュアル・イメージと未知の宇宙世界というのが相性いいのかもね。まぁ、アポロ11号の月面着陸(1969年)から間もない時代だったしね。ただし、2曲ともサウンド的にはTyrannosaurus Rex時代を彷彿させるアコースティックな仕上がりっす。

「Monolith」
これまたスペイシーで神秘的で切ないナンバー。詳しくは知らないけど、多分、『2001年宇宙の旅』(スタンリー・キューブリック監督)に登場する謎の黒石板“モノリス”のことだよね。モノリスはThe Who『Who's Next』のアルバムジャケットのモチーフにもなっていますよね!

「Motivator」
「Get It On」を少しパーカッシブにしたカンジのカッチョ良いナンバー。密かなお気に入り曲デス。

「Rip Off」
ちょっと他の曲と異なる雰囲気のハードでフリーキーのナンバー。ゲスト参加のIan McDonaldのサックスがKing Crimson「21st Century Schizoid Man (Including Mirrors)」を彷彿させマス。

T.Rexの他の作品では、本作と並ぶ代表作『The Slider』(1972年)、T.Rexサウンドの完成形『Tanx』(1973年)も必聴だと思いマス。
posted by ez at 00:22| Comment(0) | TrackBack(1) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月13日

Maze Featuring Frankie Beverly『Silky Soul』

亡きMarvin Gayeに捧げる極上のシルキーソウル☆Maze Featuring Frankie Beverly『Silky Soul』
Silky Soul
発表年:1989年
ez的ジャンル:Marvin Gayeオマージュ系シルキーソウル
気分は... :♪I can still here his sweet song♪

このアルバムタイトル『Silky Soul』って、まさにMazeのリーダーにFrankie Beverlyのピッタリの言葉だよね。

Marvin Gayeから大きく影響を受けているFrankie Beverly率いるMazeの音楽は、Marvin Gayeのセクシャルな部分を抑えて、その分メロウネスを増量したような極上のシルキー・ソウルだ。

また、Mazeが1977年『Maze Featuring Frankie Beverly』でメジャーデビュー出来たのは、まさにそのMarvin Gaye本人が彼らの才能に惚れこみ、レコード会社を紹介してくれたおかげだ。また、それまでRaw Soulと名乗っていた彼らが、グループ名をMazeに変えたのもMarvinからのアドバイスだ。その意味でも、MazeはMarvin Gayeスタイルの正統派継承者だと思いマス。

僕はMazeが特別好きだという意識は無かったけど、気付くとCDが増えていたパターンかな。どの作品も派手さはないけど、確実に極上メロウネスの世界へと誘ってくれる安心感があるんだと思う。

そんな僕が初めてMazeのアルバムに出会ったのが本作『Silky Soul』(1989年)でした。僕がMazeを知ったのはCD時代になってからっす。LP時代は全くノーチェックでした。というかMazeのレコードなんてお店でもあんまり置いてなかったんじゃないかなぁ?

試聴した第一印象は“まんまMarvin Gayeスタイルじゃん”と“この時代にこんなスタイルでいいのかなぁ?”だったかなぁ。前者の印象はこれまで述べた通りだけど、後者の印象は当時流行のR&Bのスタイルと比較して、あまりにもオーソドックスだったという意味っす。80年代後半のR&Bって、New Jack Swing(NJS)やJanet Jacksonに代表されるJam & Lewisの絶頂期だったからね。そうしたR&Bと比較した場合、いい意味でも悪い意味でも、あまりにシルキーな音だったよね。

実は、僕がこのアルバムの良さをキチンと認識するようになったのは、90年代初めにフリーソウルにハマるようになってからっす。フリーソウルの持つ心地良さとMazeサウンドの心地良さが、僕の中でピタッと合致したカンジっす。フリーソウルのコンピにもMazeの楽曲が収録されていたしね。そう言えば、フリーソウルの最新シリーズで『Free Soul Driving with Maze』というアルバムも出ましたね。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Silky Soul」
Marvinの名曲「What's Going On」的なメロディに、同じく名曲「Mercy Mercy Me」的なスパイスも効いているMarvin Gayeへのオマージュ・ナンバー。シングルカットもされ、R&Bチャートで大ヒットしまシタ。Frankie BeverlyのMarvinへの想いが伝わってきます。♪I can still here his sweet song♪という歌詞のように、本当にMarvinの名曲の数々が頭を過ぎります。

「Can't Get Over You」
アルバムからの1stシングルであり、R&Bチャート1位に輝いた大ヒット・ナンバー。アーバン・メロウな大人の極上バラード。何度聴いても、とても1989年のヒット曲には思えないなぁ。70年代後半から80年代前半の音だよね。今聴くと、そのカンジがとってもスキなんだけどね。

「Just Us」
これもアーバン・メロウなスロー。Frankie Beverlyの“シルキー”なボーカルの魅力が堪能できるナンバーっす。

「Somebody Else's Arms」
ちょっとオリエンタルな雰囲気もあるこ洒落たアレンジのナンバー。

「Love's on the Run」
80年代後半らしいミディアム・ファンク。この時代らしく軽くハネハネもしてマス。

「Change Our Ways」
「Songs of Love」
この頃の他のR&Bのようにバシバシ鳴る打つ込みサウンドではなく、ピコピコ鳴る打つ込みサウンドの2曲。このピコピコに結構ヤラれます。特に、「Change Our Ways」は「Silky Soul」と並ぶ僕の一番のお気に入りのミディアム・ナンバーっす。

「Mandela」
「Africa」
この時代を感じる2曲。Mandelaは、南アフリカ大統領だったNelson Mandela氏のことっす。考えてみれば、この時彼はまだ投獄されていたんだもんね(Mandela氏は1962年に逮捕され、国家反逆罪で終身刑となり、1990年に釈放されるまで投獄されていまシタ)。

関係ないけど、Mandela氏の釈放を求めたSpecial AKAの大ヒット曲「Free Nelson Mandela」(1984年)はよく聴いたなぁ。この曲のおかげでMandela氏やアパルトヘイトについて詳しく知るようになりまシタ。

Mazeの他の作品もイイっすよ!『Inspiration』(1978年)、『Joy And Pain』(1980年)、『Live In New Orleans』(1981年)あたりがオススメですかね!
posted by ez at 00:33| Comment(2) | TrackBack(1) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月12日

LA Stylez『The LA Style Project』

Nuyorican SoulへのLAからの回答☆LA Stylez『The LA Style Project』♪
The LA Style Project
発表年:2006年
ez的ジャンル:ハウス・ミーツ・80年代R&B/Funk/Fusion!
気分は... :歓喜の雄叫びワォーε=ε=(*ノ~∇~)ノ

先日、仕事帰りに久々に渋谷タワーレコードへ行った。
いつもは4FのR&B/Hip-Hopコーナーを中心に回っているんだけど、何となく3FのClub Musicコーナーへ足を運んだ。そこで3枚ほど思いがけない収穫があった。

その3枚とは、Latrice『Illuminate』Luisito Quintero『Percussion Maddnes』LA Stylez『The LA Style Project』っす。

特に、Luisito Quintero、LA Stylezをゲッチュした共通点は、クラブ・ミュージックを牽引し続けるDJ/プロデュースコンビMasters At Work(MAW)の1人としてお馴染みの大御所“Little”Louie Vegaの名を目にしたからデス。2枚とも僕がかなり惚れ込んだNuyorican Soul『Nuyorican Soul』を思い出させる何かを感じたのが購入の決め手となりまシタ。

ベネズエラ出身のパーカッション奏者で『Nuyorican Soul』にも参加していたLuisito Quinteroのソロアルバムは、“Louie Vegaプレゼンツ”というカタチで全面的に関わっていマス。

UKで活躍するプロデューサー/コンポーザーLA Stylezによる『The LA Style Project』には、『Nuyorican Soul』に参加していたガラージュ・ファンにはお馴染みの女性ボーカリストJocelyn Brownをフューチャーした「Saturday」のRemixとして参加してマス(相棒のKenny Dopeも参加)。

その2枚のうち、今回取り上げるのはLA Stylez『The LA Style Project』♪久々にClub Musicで歓喜してしまいまシタ!

このアルバムは、先に示したNuyorican Soul『Nuyorican Soul』をかなり意識したアルバムっす。Nuyorican Soulは、Nuyorican(ニューヨーク在住のプエルトリカン)が、自らのルーツであるラテン・ミュージックと最先端のダンス・ミュージックの融合を試みたMAWの二人が、ジャンルを超えた豪華ミュージシャンを集めて、NYスタイルのダンス・ミュージックとして結実させた1大プロジェクトだった。

そんな『Nuyorican Soul』のウエストコースト版を目指したのが、この『The LA Style Project』ということらしい。NYスタイルのダンス・ミュージックに対するLAスタイルのダンス・ミュージックというのがタイトルからもわかりますよね。

NYスタイルのダンス・ミュージックが、ハウス・ミーツ・ラテンだったのに対し、LAスタイルのダンス・ミュージックは、ハウス・ミーツ・80年代R&B/Funk/Fusionらしい。“ウエストコースト産の80年代R&B/Funk/Fusionを現代に甦らせた”というキャッチで、ライナーノーツやタワーのPOPに説明してあったが、僕には80年代R&B/Funk/Fusionとウエストコーストというのがイマイチ結び付きませんでシタ。

80年代のR&B/Funk/Fusionはかなり聴いてきたつもりだけど、それをNYやLAといった東西にカテゴライズして聴いたことなんて殆ど無かったもんね!結果出来上がったサウンドは、ジャケットにあるようなLAの情景に見事にマッチしているけどね!

まぁ、東西云々は関係なく80年代のR&B/Funk/Fusionに愛着を持つ音楽ファンならば、間違いなく歓喜する内容だと思いマス。“○○っぽい”ってカンジで、どのあたりの音楽を意識しているのかがわかるのが実に楽しいっす。『Nuyorican Soul』同様に豪華なゲストも嬉しい限りデス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Saturday」
オープニングは、前述の女性ボーカリストJocelyn Brownの登場。この曲を試聴して、“このアルバムは只者ではない”と確信しました!ただし、この曲に限って言えば、かなりパーカッシブなラテン・テイストでNuyorican Soulっぽい!って言ったら怒られるかな?

「This Time」
Norman Cookが率いるFatboy Slim Boomの別プロジェクトPizzamanのフロントマンBoomのボーカルをフィーチャー。Michael Jacksonスタイルということらしいっす。そう言われてみると、そんなカンジもする?UKのプロデューサーらしい作品っす。とってもおバカなカンジがたまりません!

「LA Love」
Mtume『Juicy Fruit』あたりを思い出すエレクトリック・ファンクっす。まぁ、Tawatha(Mtumeのボーカル)のようなフェロモン出まくりではないけど、UKハウスシーンで活躍するボーカリストDeborah Frenchがフューチャーされ、素晴らしいボーカルを披露していマス。。

「True Colours」
これは気持ちいいエレクトロ・ダンスってカンジのナンバー。ライナーノーツにS.O.S Bandの「The Fineest」(アルバム『Sands Of Time』収録)を彷彿させるって書いてあるけど、S.O.S Band大ファンの僕としては、あまりそうは思わなかったね。多少「The Fineest」のイントロを思い出させる部分はあったけど...。でも、楽曲自体はいいカンジのダンスナンバーに仕上がっていマス。

ドラムンベースの大御所4heroのフィーチャリング・ボーカリストJ.B.Roseがボーカルを努めていマス。そう言えば、4heroって懐かしいですね(って僕だけかな?)。CD何枚か持っているけど、多分5年以上は聴いていないかな?

「It's The Right Time」
Incognitoのメイン・ボーカルMaysa Leakをフィーチャーしたナンバー。この曲こそ、『Sands Of Time』の頃のS.O.S Bandスタイルのナンバーっす。打ち込みがモロにJam & Lewisスタイルっす。S.O.S Bandファンならば、誰しも歓喜すること間違いありません!Maysa LeakのボーカルもMary Davis(S.O.S Bandのボーカル)には及びませんが、それっぽくてイイっす。

「Sunset」
Herb Alpertスタイルのラテンなインストナンバー。Herb Alpertは最近Sergio Mendes & Brasil'66の記事投稿で紹介しましたよね。まさにジャケ写真のようなサンセットが思い浮かぶアーバン・サウンドっす。

関係ないけど、Sergio Mendesの最新作『Timeless』もいいですな。Black Eyed Peasをフューチャーした2006年版「Mas Que Nada」は、Jungle Brothersの最新曲「Funky Magic」(ゴダイゴ「モンキーマジック」ネタ)と並んで、最近の僕のiPodのヘビロテ曲っす。

「Laidback Aphrodisiac」
このアルバム最大の大物ゲストEarth,Wind & FireのMaurice Whiteをフィーチャーしたナンバー。アフロ・ラテン・テイストですがかなりクールな仕上がりっす。心地良いけだるさみたいなものを感じるね。ただし、Maurice Whiteでノリノリ・パターンの曲も聴きたかった気もしマス。

「Anything Is Possible」
Tommy Blaizeという人のボーカルをフィーチャーしたナンバー。Santanaスタイルとライナーノーツには書いてありマス。

「Electribe Funk」
ファンキーでフリーキーなインスト・ナンバー。このブログでも最近紹介した白人ファンク・グループTower Of Powerスタイルだそうデス。

「He Sayz」
波の打ち寄せる音にオシャレなサウンド、まさにベタベタにアーバンなハウス・ナンバーっす。前述のJ.B.Roseのボーカルをフィーチャー。全然タイプが違うんだけど、この曲を聴いていたら、Ultra Nateのヒット曲「Rejoicing」(1992年)を思い出してしまいまシタ。

「Saturday(Louie Vega Roots Mix)」
エンディングは、オープニング・ナンバーのLouie Vegaによるリミックス。NYスタイルに対抗したLAスタイルのダンス・ミュージック作品のエンディング曲をNYスタイルの雄Louie Vegaが担当しているのが何とも興味深いっす。ライナーノーツによれば、LA Stylezの意図を察したLouie Vegaが予想外のLAスタイルな仕上がりにしたらしいっす。

Latrice『Illuminate』、Luisito Quintero『Percussion Maddnes』もぜひオススメしたい2枚です。改めて紹介しますね!
posted by ez at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする