2006年03月06日

Ambitious Lovers『Greed』

ブラジリアン・テイストのアヴァンギャルド・ロック☆Ambitious Lovers『Greed』
Greed
発表年:1988年
ez的ジャンル:ブラジリアン系アヴァンギャルド・ロック
気分は... :まじめ風貌でアヴァンギャルド!

Ambitious Loversは、Arto LindsayとPeter Schererのユニット。
1984年発表のアルバム『Envy』では、Art LindsayとAmbitious Loversの名が併記されていたので、Ambitious Loversのアルバムと呼ぶべきかビミョーだけど、『Greed』(1988年)はそれに続くアルバムっす。

Arto Lindsayは、最近でこそブラジル的なサウンドのイメージが強いかもしれないが(彼はアメリカ生まれだが3歳から17歳までをブラジルで過した)、D.N.AのメンバーとしてNYアンダーグラウンドの金字塔的アルバム『No New York』(1978年)へ参加し、その後もLounge Lizards、Golden Palominos等で活躍してきたフリーキーで個性的なギタリストだ。

一方のPeter Schererはスイスのプログレ・バンドIslandでの活動や、NY進出後はCameoやDaryl Hall & John Oates等とのセッションにも参加した経緯を持つキーボード奏者。

『Greed』は、そんな多彩な活動歴を持つ二人にふさわしい濃縮されたアルバムっす。パンク、ファンク、ジャズ、ブラジルなどさまざまな音楽がカオス状態で詰め込まれているカンジっす。また、アルバムの中で動と静のコントラストがはっきり分かれている点も面白いっす。

John lurie、John Zorn、Bill Frisell、Vernon Reid(元Living Colour)、Melvin Gibbs、Nana Vasconcelosといったゲスト陣も好サポートをしていマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Copy Me」
NYらしいホワイト・ファンクのオープニング・ナンバー。Artoの軟弱クールネス・ボーカルとうねりまくるファンク・サウンドが妙にマッチする点が面白いねぇ。Melvin Gibbsのベースがメチャカッチョ良いっす。途中のVernon Reidのギター、Nana Vasconcelosのパーカッションによる好サポートもイイっす。

「Privacy」
ノイジーでアヴァンギャルドなシンセ・ファンク。この硬質なサウンドは、80年代後半らしいですな。

「Caso」
一転して、Artoらしいボッサなナンバー。ボッサな音なんだけど、サウダージなカンジがしないのが不思議だね。むしろ、NYらしい都会の愁いを感じます。

「King」
アヴァンギャルドとブラジリアン・テイストが融合した不思議なナンバー。エッジの効いた心地よさってカンジかな?

「Omotesando」
表記の通り「表参道」のことです。曲としては実験的・インタールード的な作品デス。そう言えば、表参道ヒルズにまだ行っていないなぁ。もう少し暖かくなった晴れた日にでも行ってみようっと!

「Love Overlap」
アルバムで一番のお気に入り、ブラジリアンでファンクでジャズな、これぞAmbitious Loversと呼べるオシャレだけどアヴァンギャルドな傑作。

「Admit It」
怪しげなジャジー・ナンバー。何かこのチープでいかがわしいカンジがいいですなぁ。

「Para Nao Contraria Voce」
ブラジル人シンガー/ギタリストPaulinho Da Violaの作品のカヴァー。「Caso」とは異なり、コチラはサウダージ気分たっぷりの仕上がりデス。

「Quasi You」
ブラジリアン・テイストのファンク・ナンバー。この曲も含めて、このアルバムって女性コーラスがいいアクセントになっていて、作品のオシャレ度とまろやかさのアップに貢献していると思いマス。

「It Only Has to Happen Once」
哀愁のブラジリアン・テイストのナンバー。何とも言えない愁いがいいですなぁ。

Arto Lindsayのソロ・アルバムって、自宅のCD棚の置き場所が一定しない。その時の気分でUSロックとブラジル/ラテンのコーナーを行き来している。Arto Lindsayって、まさにオルタナティヴな存在なんだなぁと実感しマス。
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2006年03月05日

Andrea Martin『The Best Of You』

R&B界の才能溢れるソングライターの唯一のアルバム☆Andrea Martin『The Best Of You』
The Best of Me
発表年:1998年
ez的ジャンル:天才ソングライター系R&B
気分は... :地味だけど感動的デスd(^ ^)bグッ!

スポーツ観戦好きの僕にとって、NFLもオリンピックも終わってしまい、残るはサッカーのみか?

サッカーは3月7日にUEFAチャンピオンズリーグBEST16の2ndleg「バルセロナvsチェルシー」がありマス。おそらく今シーズンの年間ベストゲームになると思う。劣勢の中、アウェイでモウリーニョ監督がどんな手を打つのか楽しみっす。まぁ、バルサの誇るロナウジーニョ、エトー、メッシの最強トリオの爆発を観たいっす!

そう言えば、オリンピックのアイスホッケーは痛快だったね!NHLのスター選手の単なる寄せ集めと化した、本場カナダと米国が早々と敗退し、決勝はスウェーデン対フィンランドの北欧ライバル対決。地味だったけど、チームワークに優れたチーム同士の闘志むき出しのぶつかり合いは実に感動しまシタ。

ということで、今回は地味だけど感動的なR&BアルバムAndrea Martin『The Best Of You』

Andrea Martinは1974年生まれのR&Bシンガーであると同時に、数多くのR&Bアーティストに楽曲を提供してきた優れたソングライターである。このブログで紹介したアルバムの中でもMonica「Before You Walk Out Of My Life」Braxtons「Only Love」SWV「You're The One」といった曲はAndreaの作品である。それ以外にもToni Braxton、En Vogue、Angie Stoneなどの大物アーティストに楽曲を提供してきた。

そんな裏方として活躍してきたAndreaが発表した唯一のアルバムが『The Best Of You』(1998年)っす。Andreaのソングライティングの才能の高さは勿論のこと、シンガーとしても魅力的であることを確認できます。

特に、女性は絶対気に入るアルバムだと思いますよ〜d(^ ^)bグッ!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Let Me Return the Favor」
Rodney Jerkinsプロデュースのミディアム・ナンバー。途中のラガっぽい展開が面白いデス。

「Baby Can I Hold You」
Wyclef Jeanプロデュース参加曲。この曲だけ他人(Tracy Chapman)の作品デス。Wyclefらしく気持ちイイほんわかムード満点のトラックに仕上がっています。

「Share the Love」
哀愁ムード漂うミディアム・グルーヴ。トラックの作りがカッチョ良いっす。

「Steppin'」
「Breaking of My Heart」
Andreaのソングライティングの才能を存分に知ることができるCutfather & Joeプロデュースの美メロ2曲。「Steppin'」は僕の一番のお気に入りナンバー。実にウットリする胸キュンのメロウ・ナンバーっす。「Breaking of My Heart」は、AndreaとIvan Matiasのデュエット。こちらもメロウ&スムースな絶品ソング。

「The Best of You」
Soulshock And Karlinプロデュースのタイトル曲。正統派のR&Bバラードに仕上がっていマス。シンガーとしての彼女の魅力を堪能できマス。

「Set It Off」
Organized NoizeとQueen Latifahをフィーチャーしたナンバー。Queen Latifahも出演している映画『Set It Off』のサントラにも収録されていマス。ミディアム・グルーヴの落ち着いたカンジのHip-Hopナンバー。

「Dear Lord」
ジーンと胸にくる感動のバラード。ホント、こういった曲を作らせたら天下一品ですな!

「The Best of You(I-Boogie Mix)」
タイトル曲のリミックス。手掛けているのはなんとLauryn Hill。レゲエ/ダブ風の仕上がりになっていマス。

こんな素晴らしい楽曲と歌を披露できるんだから、第2作も出して欲しいですよね!粘り強く待ちマス。
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2006年03月04日

Ramsey Lewis『Sun Goddess』

EW&Fファン必聴の「Sun Goddess」収録☆Ramsey Lewis『Sun Goddess』
Sun Goddess
発表年:1974年
ez的ジャンル:裏EW&F系フュージョン
気分は... :太陽が眩しすぎる!

先週末に続き、朝までコースで飲み明かし、只今起床っす。
正直太陽が眩しすぎる!かなりグロッキー状態っす。
いい加減、自分がオヤGであることを自覚せねばいけませんなぁ(≧_≦)

さて、今回は荒川静香さん金メダルあめでとう(遅いかな?)&浅田真央チャン世界ジュニア金メダル祈願(4回転ループ成功して欲しいね)ということで、ゴールド・ムード満点のジャケットが印象的なアルバムRamsey Lewis『Sun Goddess』(1974年)っす。

『Sun Goddess』は、Jazz界の大物キーボード奏者の一人であるRamsey Lewisによる70年代を代表するJazzファンク/フュージョン・アルバムっす。で何よりこのアルバムの興味は、Earth,Wind & FireのMaurice Whiteがプロデュースで参加し、Philip Bailey、John Graham、Verdine Whiteといったメンバーも含めて、裏EW&Fとも呼べるEW&F色の強いナンバーが収録されている点だと思いマス。

ご存知の通り、Maurice WhiteはEW&F結成前にドラマーとしてRamsey Lewis Trioに参加していまシタ。そんな経緯で師匠への恩返し的なプロデュースだったのかもね。また、EW&F勢参加アルバムということでは『Routes』 (1980年)も見逃せませんね。同アルバム収録の「Whisper Zone」もEW&Fファン必聴の1曲だと思いマス。

実際には本アルバムでのMaurice Whiteプロデュース曲は2曲のみなんだけど、かなりインパクトがありマス。

全曲紹介しときやす。

「Sun Goddess」
Maurice Whiteプロデュースのタイトル曲。この1曲のみでも、このアルバムを聴く価値がありマス。Maurice White、Philip Baileyのボーカルを聴いていると、EW&Fの作品を聴いているように錯覚してしまうよね。John Grahamのギターカッティングもカッチョ良いっす。

EW&Fのライブ・レパートリーでもあり、EW&Fバージョンは傑作ライブ『Gratitude』(1975年)に収録されていマス。Pete Rock & C.L. Smooth「Escapism」、Potna Deuce「Fiasco」、Detroits Most Wanted「All about Ya Yo」、Mr.Complex「Visualize」ネタ。

「Living for the City」
Stevie Wonderの名曲のカヴァー(オリジナルはアルバム『Innervisions』収録)。Jazzファンクなカヴァーに仕上げています。こうやって聴いてみると『Innervisions』をはじめとする絶頂期のStevieのアルバムとJazzファンクって結構接点があるんだなぁ!って改めて気付きますねぇ♪

「Love Song」
いきなりのストリングスな展開に、一瞬Donald Byrdでお馴染みSky High Productionを思い出させるメロウなJazzファンク。

「Jungle Strut」
タイトルの通り、ジャングルの雰囲気たっぷりのアフロ・テイストな曲。

「Hot Dawgit」
この曲もMaurice Whiteプロデュース作品。出だしはブルージーに始まるが、程なくファルセット・ボイスでEW&Fワールドへ突入しマス。EW&Fファンとしては、もっとEW&F色が強くてもイイカンジっす。Public Enemy「Yo' Nigga」、Paris「Long Hot Summer」ネタ。

「Tambura」
とっても70年代フュージョンらしいキーボードを堪能できるナンバー。Cannibal Ox「Battle For Asgard」、Company Flow「Linoleum」、Rahzel「Bubblin, Bubblin (Pina Colada)」、The Coup「Fuck a Perm」ネタ。

「Gemini Rising」
目まぐしく展開が変化するジャス・テイスト濃い目のナンバー。70年代のブラック・ムービーのサントラなんかに合いそうなカンジっす。

他のRamsey Lewis作品では、『The In Crowd』(1965年)、『Tequila Mockingbird』(1977年)あたりが愛聴盤デス。あとは大好きな「Something About You」収録の『Don't It Feel Good』(1975年)と前述の『Routes』あたりがが欲しいんだけど、CD化されていないみたいですね。残念!
posted by ez at 14:52| Comment(8) | TrackBack(1) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月03日

Timbaland & Magoo『Under Construction Part II』

スーパーHip-Hop/R&BプロデューサーTimbalandがMagooとコンビを組んだ第3弾☆Timbaland & Magoo『Under Construction Part II』
Under Construction, Pt. II
発表年:2003年
ez的ジャンル:エスニック風味の変態ビートHip-Hop
気分は... :刺激テキ〜ィ!

昨晩は、エスニックな食事だったので、気分がエスニック・ムードっす。
そこで、エスニック風味の変態ビートHip-HopアルバムTimbaland & Magoo『Under Construction Part II』を紹介しマス。

言わずと知れたスーパーHip-Hop/R&BプロデューサーTimbaland、盟友Missy Elliottと共に例の変則(変態)ビートで90年代のHip-Hop/R&Bシーンに大旋風を巻き起こしたのは周知の通りですよね。

でも、Missyがソロ・アーティストとしても不動の地位を築いたのに対して、Magooと組んだTimbaland自身の活動ってそれほどパッとしないよね!アーティストとしても大ブレイクしたKanye Westあたりとも、かなり対照的なカンジがします。相棒(Magoo)がイマイチなのかなぁ?でも、この二人はかなりのマブダチみたいだから、そう簡単にコンビ解消できないのかな?

TimbalandとMagooって、TimbalandがAaliyahやGinuwineでブレイクする前からの仲間なんだってね。NeptunesのPharrellも一緒だったとか...最近まで知らなかった。

『Under Construction Part II』は、Timbaland & Magooのコンビによる第3弾アルバムっす。このタイトルって、Missy Elliott『Under Construction』(2002年)とどう関係しているのかねぇ?Missyのアルバムとの連作ってカンジなのかなぁ??僕はそのあたりの事情をよく知らないんだけど???

このアルバム自体はHip-Hopの最新モデルとは言えないかもしれないけど、刺激的な変態ビートはやっぱり中毒になりマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Cop That Shit」
Missy Elliottをフィーチャーしたクラブヒット・ナンバー。Timbalandらしい怪しげな変則ビートを堪能できマス。Eric B. & Rakim「I Know You Got Soul」、Mc Lyte「Paper Thin」ネタ。

「Leavin'」
インド風味のループがクセになるナンバー。Peter, Paul, & Mary「Leavin' On A Jet Plane」ネタ。

「Don't Make Me Take It There」
フィーチャーしたFrank Lee Whiteのフロウにグイグイと引っ張られるナンバー。

「Indian Flute」
「Naughty Eye」
インド路線を強調した2曲。「Indian Flute」は、タイトルの通り、インディアンなフルートのループが脳裏を離れなくなるエスニックなナンバー。シングルカットもされまシタ。「Naughty Eye」は、Timbalandらしいビートとインド・テイストがうまく融合しているナンバー。2曲ともインド系シンガーRaje Shwariをフィーチャーしていマス。

「Can We Do It Again」
密かに好きな、重心の低い変態ビートが脳ミソをユルユルにしてくれるナンバー。ヤバさがプンプン臭ってくるカンジが好きだなぁ。

「N 2 Da Music」
Brandyをフィーチャーしたナンバー。アルバムで一番のお気に入りっす。やや抑え目の変則ビートにBrandyのボーカルが絡むと、それだけで全体が華やかになるから不思議っす。特別Brandyが好きってワケじゃないけど、Timbalandもプロデュースで参加している2004年発表のアルバム『Afrodisiac』はかなりお気に入りのアルバムでした。この曲も『Afrodisiac』の番外編ってカンジで、1セットで聴いていまシタ。

「Hold On」
Wyclef Jeanをフィーチャーしたナンバー。Wyclef絡みならば、もう少しカリビアン・テイストなビートあたりを期待するってのはダメかな??

「Throwback」
鳥の鳴き声のループが印象的なナンバー。L.L. Cool J「Jingling Baby」ネタ。

「I Got Luv 4 Ya」
Heavy D.(懐かしい☆と思うのは僕だけ??)がプロデュースしているナンバー。彼らしいメロディアスでキャッチーな作りになっていマス。アルバム中唯一メロウな曲。

「Naughty Eye II(“Hips”)」
「Naughty Eye」の別バージョン。コチラはBeanie Manをフィーチャーし、とってもジャマイカンな変態ビートが刺激的デス。

全然関係ないけど、昨朝サッカーの国際親善試合「クロアチア対アルゼンチン」をTV観戦した。いやぁ、クロアチアはメチャ強かったねぇ。日本はかなりの覚悟で戦わないと相当厳しいカンジだねぇ。ポイントは相手のサイド攻撃をどう封じるか!そう考えると、左サイドは三都主じゃなくて、中田浩二でしょ!あと、負けたけど、アルゼンチンのリケルメ、テベス、メッシのトリオは魅力的だったねぇ。特に、メッシ、テベスのコンビはW杯本番でも観たいね。
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2006年03月02日

Procol Harum『A Whiter Shade Of Pale』

永遠の名曲「青い影」を含むProcol Harumのデビュー・アルバム☆『A Whiter Shade Of Pale』
青い影+4(K2HD/紙ジャケット仕様)
発表年:1967年
ez的ジャンル:クラシック+ブルース系UKロック
気分は... :人生って...

ロック・ファンならば誰もが知っている「A Whiter Shade Of Pale(邦題:青い影)」♪
Bach(バッハ)のCantata14番をモチーフにしたProcol Harumの名曲中の名曲☆

僕がこの曲を聴いたのは、ロックに目覚めて、ロック史研究にのめり込んでいた中学生の頃だったかなぁ。

ホント、この曲にはかなりの衝撃を受けまシタ。よくわからないけど、初めてロックにアート的なものを感じたねぇ。その衝撃はBeatles、Rolling StonesWho、Cream、Jimi HendrixDoorsといった60年代を代表するアーティストの名曲、名アルバム以上だったかもしれない。

「A Whiter Shade Of Pale」はProcol Harumの1stアルバム『A Whiter Shade Of Pale』(1967年)に収録されている。メンバーは、Gary Brooker(vo、p)、Matthew Fisher(org)、Robin Trower(g)、David Knights(b)、B.J. Wilson(ds)、Keith Reid(words)の6人。

何と言っても、Gary Brookerのボーカルが魅力的デス。そのRay ChaelesばりのボーカルにはSteve Winwoodも真っ青だよねぇ。そして、Matthew Fisherの教会的なオルガン・プレイも特徴的っす。当時のロック・バンドのオルガンってジャズ的なオルガン・プレイが主流だったので、かなり異彩を放っていたのではと思いマス。そして、Robin Trowerのブルースを基調としたギターもイイっす。あと、当時ピアノ(Brooker)とオルガン(Fisher)が両方居たロックバンドってかなり珍しかったんじゃないかなぁ??

「A Whiter Shade Of Pale」が突出して素晴らしいのは事実だけど、アルバム全体としてもかなり充実していマス。この頃はまだプログレッシブ・ロックというスタイルは無かったけど、ロックとブルース、ジャズ、クラシックの融合した音楽は、まさにプログレッシブ(先進的)なロックだと思いマス。作詞専門のメンバー(Keith Reid)がいた点も、King Crimsonの一歩先を行っているしね!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Whiter Shade of Pale」
まずは何よりこの曲を紹介しないとね。今聴いても胸の高鳴りが抑えられない名曲っす。先に述べたように、この曲は、Bach(バッハ)のCantata14番をモチーフにしており、クラシックとロックの融合として説明されることが多い。でも、この曲を最も魅力的にしているのはBrookerのソウルフルなボーカルではないかと思いマス。その意味では、クラシック、ロック、ソウルの融合がこの曲の名曲たる所以では?

中学生の時、この曲を聴いているうちに自分の人生について真剣に悩んだ記憶がある。多分、この曲の持つ荘厳だけど儚いムードから、人生は永遠に続くものではなく、自分もいつかは死ぬということをリアルに感じて、そんな事を考えてしまったのだろう。そんな事もあって、僕にとってこの曲は衝撃的な1曲だったねぇ。まぁ、現在の僕は、そんなことクヨクヨ考えても仕方ない、なるようになるさ!って、かなり楽観的な人間になってしまったけどねっ!

「She Wandered Through the Garden Fence」
BrookerのボーカルとFisherのオルガンがグイグイと引っぱってくれる不思議なナンバー。サイケなようで、サイケでない点がこのバンドの不思議なところデス。サイケのカラフルさが無いんだよね。うまく表現できないけどブルージーなモノクロ・サイケ(何じゃそりゃ?)ってカンジかな??

「Something Following Me」
「Cerdes (Outside the Gates Of)」
Brookerのボーカルを堪能するにはうってつけのブルージーなナンバー2曲。Brookerのボーカルって、他のUKロック・グループのボーカリストのように無理やり黒人シンガーっぽくしているのではなく、実に自然にソウルフルな味わいを表現できている点がスゴイね!当時の白人シンガーでこんなに自然にソウルフルな表現をできるのは、Steve WinwoodとBrookerくらいしかいなかったんじゃないかなぁ?

「Kaleidoscope」
アルバム中一番ロックしているナンバー。当時の表現で言えば“ニュー・ロック”っぽいかもね!僕にはキーボード類が活躍するCreamってカンジがしマス。

「Repent Walpurgis」
アルバムのラストを飾るインスト曲。全体的には「Whiter Shade of Pale」の雰囲気に似ているかも?この曲って、何となく以前紹介したプログレ・ロックの記念碑的アルバムKing Crimson『In The Court Of The Crimson King』(1969年)の序章っぽいカンジがする!

ちなみに、「Whiter Shade of Pale」と並んで、当時中学生の僕に“人生とは何ぞや”と考えさせた曲がBilly Joel「Summer, Highland Falls」(アルバム『Turnstiles』収録)だった。別にそんな曲じゃないんだけどねぇ。

1週間ほど学校から帰ると、部屋でこの2曲を何度も繰り返し聴きながら、自分もいつかは死んでしまうことにものすごい恐怖を感じ、怯えていた日々を思い出す(笑)。“そんな事考えてる暇があるならば、人生を楽しめ!”って、あの頃の自分に説教してやりたいねっヾ(`0´)ノ
posted by ez at 00:59| Comment(4) | TrackBack(1) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする