2006年03月13日

Maze Featuring Frankie Beverly『Silky Soul』

亡きMarvin Gayeに捧げる極上のシルキーソウル☆Maze Featuring Frankie Beverly『Silky Soul』
Silky Soul
発表年:1989年
ez的ジャンル:Marvin Gayeオマージュ系シルキーソウル
気分は... :♪I can still here his sweet song♪

このアルバムタイトル『Silky Soul』って、まさにMazeのリーダーにFrankie Beverlyのピッタリの言葉だよね。

Marvin Gayeから大きく影響を受けているFrankie Beverly率いるMazeの音楽は、Marvin Gayeのセクシャルな部分を抑えて、その分メロウネスを増量したような極上のシルキー・ソウルだ。

また、Mazeが1977年『Maze Featuring Frankie Beverly』でメジャーデビュー出来たのは、まさにそのMarvin Gaye本人が彼らの才能に惚れこみ、レコード会社を紹介してくれたおかげだ。また、それまでRaw Soulと名乗っていた彼らが、グループ名をMazeに変えたのもMarvinからのアドバイスだ。その意味でも、MazeはMarvin Gayeスタイルの正統派継承者だと思いマス。

僕はMazeが特別好きだという意識は無かったけど、気付くとCDが増えていたパターンかな。どの作品も派手さはないけど、確実に極上メロウネスの世界へと誘ってくれる安心感があるんだと思う。

そんな僕が初めてMazeのアルバムに出会ったのが本作『Silky Soul』(1989年)でした。僕がMazeを知ったのはCD時代になってからっす。LP時代は全くノーチェックでした。というかMazeのレコードなんてお店でもあんまり置いてなかったんじゃないかなぁ?

試聴した第一印象は“まんまMarvin Gayeスタイルじゃん”と“この時代にこんなスタイルでいいのかなぁ?”だったかなぁ。前者の印象はこれまで述べた通りだけど、後者の印象は当時流行のR&Bのスタイルと比較して、あまりにもオーソドックスだったという意味っす。80年代後半のR&Bって、New Jack Swing(NJS)やJanet Jacksonに代表されるJam & Lewisの絶頂期だったからね。そうしたR&Bと比較した場合、いい意味でも悪い意味でも、あまりにシルキーな音だったよね。

実は、僕がこのアルバムの良さをキチンと認識するようになったのは、90年代初めにフリーソウルにハマるようになってからっす。フリーソウルの持つ心地良さとMazeサウンドの心地良さが、僕の中でピタッと合致したカンジっす。フリーソウルのコンピにもMazeの楽曲が収録されていたしね。そう言えば、フリーソウルの最新シリーズで『Free Soul Driving with Maze』というアルバムも出ましたね。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Silky Soul」
Marvinの名曲「What's Going On」的なメロディに、同じく名曲「Mercy Mercy Me」的なスパイスも効いているMarvin Gayeへのオマージュ・ナンバー。シングルカットもされ、R&Bチャートで大ヒットしまシタ。Frankie BeverlyのMarvinへの想いが伝わってきます。♪I can still here his sweet song♪という歌詞のように、本当にMarvinの名曲の数々が頭を過ぎります。

「Can't Get Over You」
アルバムからの1stシングルであり、R&Bチャート1位に輝いた大ヒット・ナンバー。アーバン・メロウな大人の極上バラード。何度聴いても、とても1989年のヒット曲には思えないなぁ。70年代後半から80年代前半の音だよね。今聴くと、そのカンジがとってもスキなんだけどね。

「Just Us」
これもアーバン・メロウなスロー。Frankie Beverlyの“シルキー”なボーカルの魅力が堪能できるナンバーっす。

「Somebody Else's Arms」
ちょっとオリエンタルな雰囲気もあるこ洒落たアレンジのナンバー。

「Love's on the Run」
80年代後半らしいミディアム・ファンク。この時代らしく軽くハネハネもしてマス。

「Change Our Ways」
「Songs of Love」
この頃の他のR&Bのようにバシバシ鳴る打つ込みサウンドではなく、ピコピコ鳴る打つ込みサウンドの2曲。このピコピコに結構ヤラれます。特に、「Change Our Ways」は「Silky Soul」と並ぶ僕の一番のお気に入りのミディアム・ナンバーっす。

「Mandela」
「Africa」
この時代を感じる2曲。Mandelaは、南アフリカ大統領だったNelson Mandela氏のことっす。考えてみれば、この時彼はまだ投獄されていたんだもんね(Mandela氏は1962年に逮捕され、国家反逆罪で終身刑となり、1990年に釈放されるまで投獄されていまシタ)。

関係ないけど、Mandela氏の釈放を求めたSpecial AKAの大ヒット曲「Free Nelson Mandela」(1984年)はよく聴いたなぁ。この曲のおかげでMandela氏やアパルトヘイトについて詳しく知るようになりまシタ。

Mazeの他の作品もイイっすよ!『Inspiration』(1978年)、『Joy And Pain』(1980年)、『Live In New Orleans』(1981年)あたりがオススメですかね!
posted by ez at 00:33| Comment(2) | TrackBack(1) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする