2006年03月16日

Freddie Hubbard『Hub Tones』

巨匠Reid Milesによる秀逸ジャケット・デザイン☆Freddie Hubbard『Hub Tones』♪
ハブ・トーンズ
録音年:1962年
ez的ジャンル:新主流派Jazz
気分は... :Blue Noteのジャケ・デザインは全てアートだ!

僕がJazzを本格的に聴くようになったのは社会人になってからだが、Freddie HubbardというJazzトランペッターの名は、洋楽を聴き始めて間もない頃から知っていた。リアルタイムで最初にハマったアーティストBilly Joelのアルバム『52nd Street』(1978年)の収録曲「Zanzibar」にHubbardがフューチャーされていたからだ。

Freddie Hubbardは、1960年代初めから活躍する、いわゆる新主流派のJazzミュージシャンであり、Herbie Hancock(p) 、Wayne Shorter(ts,ss) 、Ron Carter(b)、Tony Williams(ds)と共に、Jazz界の黄金メンバーVSOPクインテットの一員としても有名ですよね。

そんなFreddie Hubbardのアルバムの中で印象に残るアルバムが『Hub Tones』(1962年)だ。

このアルバムは音楽もいいのだけど、何よりジャケットが好きだなぁ。ジャケット・デザインは、お馴染みのJazzアルバムのジャケット・デザインの巨匠Reid Milesデス。このブログでも、“Big” John Patton『Let 'Em Roll』Dexter Gordon『Our Man In Paris』Bobby Hutcherson『Happenings』Joe Henderson『Inner Urge』Hank Mobley『No Room For Squares』と数多く彼の作品を紹介していますよね。

僕のJazzコレクションは、名門レーベルBlue Noteの50年代〜70年代の作品の割合が圧倒的に多い。その理由は、音楽的な素晴らしさは勿論だが、それ以上に印象的なアルバムジャケットに魅了され、ジャケ買いしてしまうことが多いためだ。

そんな魅力的なジャケット・デザインの仕掛人こそが、Blue Noteで15年間で約500枚のジャケット・デザインを手掛けたReid Milesです。写真家Francis Wolffとのコンビは、まさにJazzジャケット・デザインの最強タッグだったと思います。

Reid Milesのデザインって、シンプルだけど強烈なインパクトがあるよね。この『Hub Tones』も、縦長長方形を水平線に並べて、その中の1つだけ段下げをし、Francis Wolff撮影のHubbardの写真をはめ込んだだけのものだ。

しかし、規則的に並んだ長方形の中で、1つだけ不規則な長方形がヤケに目立つし、さらにその中の黒+赤のデュオ・トーンでプリントされたHubbardの写真から、もの凄い緊迫感をカンジますよね。また、Freddie Hubbardという名前の赤いフォントは、その配置も含めて、緊迫感をさらに増幅させてくれる。

この不規則で緊迫感のあるデザインは、Jazzの重要な要素であるアドリブや、そのアドリブがカッチョ良いHubbardの音楽性とも合致していたのではと思いマス。

Blue Noteはジャケットの印刷において、4色刷りの予算がなく、2色刷りしか出来ないケースが多かったらしい。Reid Milesは、その制約を逆手にとり、モノクロ写真を黒+赤、黒+青などのデュオ・トーンでプリントすることで、独特の雰囲気を出すことに成功していた。そのあたりの発想もお見事と言うほかない。

中身の方は、Hubbard(tp)以外は、James Spaulding(as,fl)、 Herbie Hancock(p)、Reginald Workman(b)、 Clifford Jarvis(ds)というメンバーで、若々しい演奏を披露してくれていマス。

全曲紹介しときヤス。

「You're My Everything」
新主流派らしい気品のあるスウィンギーなナンバー。歌心のあるHubbardのプレイを聴くことができマス。何とも粋な雰囲気がとってもスキっす。

「Prophet Jennings」
James Spauldingのフルートが印象的なナンバー。地味だけど洒落た演奏っす。

「Hub-Tones」
まさに、ジャケ写真のHubbardの姿にピッタリの、ハードでスリリングで演奏が聴けマス。アルバムで一番のお気に入りっす。

「Lament For Booker」
タイトルの通り、若くして亡くなった天才トランペッターの一人Booker Littleに捧げられた美しいバラード。ある意味では、アルバム一番の聴きものかもね。Booker Littleと言えば、Eric Dolphyとの白熱した演奏ができるEric Dolphy『Eric Dolphy at the Five Spot, Vol.1』(1961年)も大好きなJazzアルバムの1枚っす。

「For Spee's Sake」
テンポの良いブルージーなナンバー。James Spauldingのサックスがイイっす。

他のアルバムでは『Breaking Point』(1964年)もスキっす。あとは『Open Sesame』(1960年)、『Red Clay』(1970年)あたりもコレクションに加えたいっすね。あと他のプレイヤーのアルバムでは、新主流派の代表作Herbie Hancock『Maiden Voyage』(1965年)あたりのプレイがイイカンジだと思いマス。
posted by ez at 01:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする