発表年:1977年
ez的ジャンル:クロスオーバーAOR系ウエストコースト・ロック
気分は... :反省\(-_-;)
昨晩、プライベートで、ちょっとした失敗をやらかして反省中\(T◇T )ハンセイ
そんな時の気分転換に聴いた1枚がThe Doobie Brothers『Livin' On The Fault Line』っす。
Doobie Brothersと言えば、Eaglesと並ぶ70年代ウエストコースト・ロックを代表するグループですよね。ちょうど僕がリアルタイムで洋楽を聴き始めた頃、この両グループの人気は絶頂期だった。僕の周囲の洋楽少年連中は圧倒的にEagles好きが多かったけど、僕はDoobiesの方が全然好きだったね。これは今でも変わらない。Eaglesも決してキライという訳ではなく、殆どの作品を持っているけど....やっぱりDoobiesだね!
Doobiesの場合、一般的には、Tom Johnstonがフロントマンだった前期だと、「Long Train Runnin'」収録の『The Captain and Me』(1973年)、Michael McDonaldがフロントマンとなった後期だと、グラミー受賞曲「What A Fool Believes」収録の『Minute by Minute』(1978年)あたりが代表作ということになるんじゃないかなぁと思う。
でも、僕が一番お気に入りのDoobiesのアルバムは『Livin' On The Fault Line』(1977年)っす。
6thアルバム『Takin' It to the Streets』(1976年)のレコーディングを前に、Tom Johnstonが病に倒れ、急遽グループに加入したのがMichael McDonaldだった。Tomの不在というグループの窮地を救ったと同時に、後期Doobiesの特徴であるクロスオーバー・サウンドをグループに持ち込んだMichaelであったが、『Takin' It to the Streets』の時点では、まだフロントマンという存在までには至らなかったカンジかなぁ。
続く7thアルバム『Livin' On The Fault Line』こそが、Michael McDonald色が全面に出た最初のアルバムだと思いマス。実際にMichaelの楽曲提供は全10曲中4曲程度なのだが、サウンド的には都会的なクロスオーバー色が完全に全体を支配している。また、このアルバムはTom在籍の最後のアルバムともなった。
このアルバム時点のメンバーは、Patrick Simmons(g、vo)、Tom Johnston(g、vo)、Michael McDonald(key、vo)、Jeff Baxter(g)、Tiran Porter (b)、John Hartman(ds)、Keith Knudsen(ds)っす。
クロスオーバーやAOR好きにとっては、『Minute by Minute』よりもハマるアルバムだと思いますよ!
オススメ曲を紹介しときやす。
「You're Made That Way」
後期Doobiesのサウンドを象徴するようなクロスオーバー感覚のAORナンバー。もちろんMichaelの作品。Michaelのオシャレなエレピに、魅惑のスモーキー・ボイス、ジャス/クロスオーバー的なリズム隊、Jeff Baxterの洒落たギター等々僕のど真ん中なサウンドっす。
「Echoes of Love」
アルバムの中の一番のお気に入り。これはMichaelではなく、Patの作品っす。Patらしい陽気なウエストコースト・サウンドっす。でも、前期Doobiesと異なり、スタイリッシュに仕上がっていマス。曲もいいけど、何と言っても、Doobiesらしい高揚感溢れるコーラスがたまりません。何か、真夏のビーチでコーラを飲みながら聴きたい曲っす。
「Little Darling (I Need You)」
シングルカットもされた、Michaelのブルー・アイド・ソウル的なセンスを堪能できるナンバー。実は、モータウン無敵のソングライティング・トリオH-D-H(Brian Holland、Lamont Dozier、Edward Holland,Jr.)によるMarvin Gayeの1966年の作品のカヴァーっす。
「You Belong to Me」
Doobiesの代表的ナンバーの1つに数えられるMichaelとCarly Simonの共作。淡々として雰囲気が都会のクールネスってカンジだね。Carlyのバージョンはアルバム『Boys in the Trees』(1978年)に収録されていマス。
「Livin' on the Fault Line」
とってもSteely DanなナンバーなんだけどPatの作品っす。前期Doobiesのダイナミズムを残しつつ、後期Doobiesならではのクロスオーバー・サウンドが展開されていマス。後半のギター・カッティングなんかは明らかにDoobiesっぽいんだけどねぇ...
「Nothin' But a Heartache」
「There's a Light」
『If That's What It Takes』等のMichaelのソロ作品を予感させるメロウネスたっぷりのスロー2曲。「Nothin' But a Heartache」はMichael独特のコード展開がクセになりマス。「There's a Light」は、Michaelお得意の夕陽の海岸で聴きたくなるロマンティックなナンバー。
「Chinatown」
オリエンタルな雰囲気漂うPatの作品デス。途中、とっても和風な展開も聴かせてくれマス。とってもミステリアスな雰囲気ですな。
「Larry the Logger Two-Step」
アルバムのラストを飾るのは、前期Doobiesを思わせるPatとJeffによる1分強のアコースティックギターによるインスト・ナンバー。Patの作品デス。アルバム全体の雰囲気と明らかにミスマッチのこの曲が、Patから本作を最後にグループ去っていくTomへの惜別のように聴こえてなりません。
本作でMichael体制を確立したDoobiesは、翌年にグループ最大の成功作となる8thアルバム『Minute by Minute』(1978年)を発表することになる。