2006年04月30日

Erykah Badu『Mama's Gun』

オーガニック女性R&Bのパイオニアの真価発揮の2nd☆Erykah Badu『Mama's Gun』♪
Mama's Gun
発表年:2000年
ez的ジャンル:オーガニック女性R&Bのパイオニア
気分は... :筋肉痛〜ぅ!イタッ(T T)

Jay Dee、James Poyser、?uestlove(The Roots)らによるプロデュース集団Soulquarians☆

2000年にSoulquariansは21世紀のR&B/Hip-Hopに幕開けに相応しい3枚のアルバムをシーンにデリバリーしてくれた。それがCommonの4thアルバム『Like Water For Chocolate』D'Angelo『Voodoo』と本作Erykah Badu『Mama's Gun』っす。

D'Angelo『Voodoo』は、僕的2000年代最高傑作R&Bアルバムとして紹介していますよね。21世紀のR&Bの方向を示した男性アーティストがD'Angeloであるならば、女性アーティストでそれを示したのがErykah Baduだと思いマス。

Erykahのデビューアルバム『Baduizm』(1997年)は、D'Angeloのデビュー作『Brown Sugar』と並んでシーンに大きなインパクトを与えた作品でしたね。

二人とも70年代のニューソウル的なサウンドと90年代以降のヒップホップ的なリズムをうまく融合して、オーガニック感覚の新しいグルーヴを提示してくれましたね。共に、デビュー作から間もなく、そのオーガニック感覚をライブ・アルバムというかたちで体感させてくれたあたりもラシイですよね。

ちなみに、Erykah は『Baduizm』発表前に、サントラ『High School High』収録の「Your Precious Love」(Marvin Gaye&Tammi Terrellのカヴァー)でD'Angeloと共演しています。

Erykahの作品は、『Baduizm』(1997年)、『Live』(1997年)、『Mama's Gun』(2000年)、『Worldwide Underground』(2003年)と素晴らしいアルバムばかりだけど、今回は2ndアルバム『Mama's Gun』を紹介しマス。

『Mama's Gun』は、『Baduizm』ほどのインパクトはないけど、Soulquariansの全面的なバックアップにより、よりオーガニックな感覚に磨きがかかっている気がしマス。

また私生活では、Erykah はOutkastのAndre 3000の子を身籠り、出産し、シングルマザーの道を歩んだ。そんな母親の強さと愛情が表現されたアルバムかもしれませんね。その後ErykahはCommonと2002年に電撃入籍しましたが。

オススメ曲を紹介しときやす(殆ど全曲紹介ですが...)。

「Penitentiary Philosophy」
いきなり1stには見られなかったダイナマイトでファンキーなオープニング。女Sly Stoneみたいな風貌が印象的なアルバム・ジャケットの雰囲気をそのままサウンドにしたような70年代風の力強いナンバー。結構ロックっぽいかもね?

「Didn't Cha Know」
「Penitentiary Philosophy」で一発ぶちかました後は、いつものオーガニックなソウル。とってもパーカッシブでユル〜イ感じの仕上がりが僕の好みっす。この作品なんか象徴的だけど、スタイリッシュな作品でも、とってもアフリカン・アメリカンな印象を受けるのがErykahの個性かもしれないね。品

「My Life」
「...& On」
「My Life」は、彼女らしいジャジーでライトなハネハネ・グルーヴ。シームレスに続「...& On」は、『Baduizm』収録の名曲「On And On」の続編的なナンバー。『Baduizm』が好きな人は一安心できる2曲っす。

「Cleva」
クールなメロウ・ジャジー・グルーヴ。?uestloveらしいリズムに、ゲスト参加のRoy Ayersのvibeが絡んできます。Roy Ayersは数日前に紹介したJames Mason『Rhythm Of Life』をはじめ、度々このブログに登場しますね。そろそろRoy Ayers自身の作品も取り上げないとね。

「Booty」
タイトルを見た時、Bootsy CollinsみたいなノリノリのP-Funkでもやるのか!と期待しましたが、それは大ハズレでした(笑)
それでもとってもジャズ・ファンクな仕上がりで新たな側面を見せてくれマス。ホーンセクションとパーカッションがアクセントになってますね。♪あんな男はいらないわよ♪ってお茶目なカンジで歌うErykahがイイ感じっす。母は強し!

「Kiss Me on My Neck (Hesi)」
アーシーなメロウ・グルーヴ。このちょっとお下劣な感じが何とも好きですね。パーカッションのパカポコ感が僕を高揚させることは言うまでもありません。

「A.D. 2000」
マイアミ・ソウルBetty Wrightをゲストに迎えたナンバー。とってもアコースティックな仕上がりがいいですね。ErykahとBettyの歌を堪能しましょう。

「Orange Moon」
アルバム中一番ロマンティックなナンバー。とっても無邪気なカンジのErykahのボーカルが何ともチャーミングですね。

「In Love With You」
Bob Marleyの次男Steven Marley参加曲。二人はBob Marleyのトリビュート・アルバムで共演していましたよね。この曲はBob Marleyテイストの切ないアコースティック・ナンバーに仕上がっていマス。それにしてもStevenは親父さんにソックリの歌い回しだね。

とってもアフリカン・アメリカンなスピリチャルを感じるErykahが、第三世界のカリスマBob Marleyへと向かうのはとても自然な流れですよね。

「Bag Lady」
アルバムからのシングル・カット曲。前向きに力強く生きる女性への応援歌ですね。Isaac Hayes「Bumpy's Lament」ネタというか、それを使ったDr.Dre「Xxplosive」をベースに使っている曲っす。

「Time's a Wastin」
浮遊感漂うジャジーなアレンジが印象的なナンバー。

「Green Eyes」
昨日紹介したSarah Vaughanあたりとセットで聴くとピッタリのようなジャズ・スタンダードな仕上がりの前半から、ニューソウルな後半へと続く10分超の大作ナンバー。

冒頭で示したSoulquariansの話題に戻すと、僕が本ブログでD'Angelo『Voodoo』を紹介した翌日にSoulquariansの一員だったJay Deeが亡くなった。何か虫の知らせがあったのかな?彼はSoulquariansのみならず、プロデュース・ユニットUmmahの一員として僕が大好きなA Tribe Called Questの作品にも関わっていまシタ。

遅くなりましたが心よりご冥福をお祈り致します(‐‐)†
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2006年04月29日

Sarah Vaughan『Sarah Vaughan With Clifford Brown』

バードランドの子守唄を聴きながら、モルトを一杯☆Sarah Vaughan『Sarah Vaughan With Clifford Brown』
サラ・ヴォーン・ウィズ・クリフォード・ブラウン+1
録音年:1954年
ez的ジャンル:ジャズ・ボーカル・クラシック
気分は... :週末、場末のバーで...

武道館のKREVAのライブから帰ってきたところっす。
Hip-Hop系のライブって一本調子にならないか心配だったけど、なかなかエンターテイメントな構成でそれなりに楽しめまシタ。今時のボーイズ&ガールズに混じって、頑張って体動かしてきました♪┌(・。・)┘♪絶対筋肉痛になるねコレは?

となれば、今回はHip-Hopと思いきや、全く関係なくジャス・ボーカル・アルバムっす。

正統派のジャス・ボーカル・アルバムを取り上げるのは、本ブログで初めてですね。
女性ジャズ・ボーカルって馴染みがない人も多いかもしれないけど、たまに聴くとココロが暖まりますよ!

そんな正統派女性ジャズ・ボーカルの最高峰として紹介したいのが1954年録音の本作Sarah Vaughan『Sarah Vaughan With Clifford Brown』

Sarah Vaughan(1924-1990年)は、18歳の時に有名なアポロ劇場のアマチュア・コンテストに優勝し、プロの道を歩み始めた。その以後、Ella Fitzgerald 、Carmen Mcraeと共にジャス・ボーカル御三家と呼ばれ、抜群の声量と暖かい歌声で活躍し続けたシンガーっす。

本作は、SarahとClifford Brown(tp)との共演盤っす。Clifford BrownはLee Morgan『Lee Morgan Vol.3』の記事でも紹介しましたよね。

“不世出のジャズ・ボーカリスト”と呼ばれるSarah のブルージーでソウルフルなボーカルが素晴らしいのは勿論のこと、バックを努める“天才トランペッター”Clifford Brownが目立たないが、シブ〜く存在感を示していマスd(^0^)bC

このアルバムのハイライトは何と言っても1曲目の「Lullaby Of Birdland(バードランドの子守唄)」。♪ラ・ラ・バ・イ・バ〜ドランド〜♪というフレーズを、最近ではV6の岡田准一クン出演のサントリー北杜のCMで聴いたことがある人も多いのではと思いマス。ちなみにあのCMで歌っているのはなんとUAっす。

僕がSarahの「Lullaby Of Birdland」を初めて聴いたのは中学生の時だ。よく聞いていた深夜ラジオの途中で流れるCMにこの曲が使われていた。当時、曲名、アーティスト名もわからなかったが、僕がイメージしていたJazzという音楽ジャンルに見事にマッチしているカンジで強い印象を受けたね。

その後20代半ば頃から本格的にJazzを聴くようになってから、あのCM曲と「Lullaby Of Birdland」およびSarah Vaughanが結び付いた。そして購入したのが本作っす。メンバーは、Sarah Vaughan(vo)、Clifford Brown(tp)、Herbie Mann(fl)、Paul Quinichette(ts)、Jimmy Jones(p)、Joe Benjamin(b)、Roy Hayes(ds)、Ernie Wilkins(arr、cond)。

まさに、前述のサントリーのCMの岡田クンのバーでモルト・ウィスキーをシブ〜く飲むというシチュエーションがピッタリのアルバムですな。「Lullaby Of Birdland」が目玉だけど、それ以外の作品も実にスタンダードで、とってもJazzボーカル気分を満喫できますよ!

全曲紹介しときやす。

「Lullaby of Birdland」
前述の僕にとって究極の子守唄(‐‐)
“最も好きなジャズ・ボーカル曲は?”と聞かれれば、間違いなくこの曲、このバージョンを挙げると思いマス。ゴージャスなカンジの落ち着いたバックのなかで、Sarahの余裕たっぷりのボーカルが堪能できヤス。スキャットなんてたまらんねぇ。

Jazz初心者の方向けに補足すると、Birdlandとは“Bird”こと伝説のジャズマンCharlie Parkerに因んで名付けられた有名なニューヨークのジャズスポットのことっす。

「September Song」
ブラウニー(Clifford Brownの愛称)のリリカルなソロと、Sarahのロマンティックなボーカルが何ともステキなバラード。September生まれの僕にとっては思い入れが強いナンバーっす。

「I'm Glad There Is You」
懐かしの名画を観ているような、とってもモノクロ気分のラブ・バラード。何も言葉はいらない素晴らしい仕上がりっす。

「You're Not the Kind」
ちょっと気取ったJazz独特の気分がイイ感じのナンバーっす。

「Jim」
とってもムーディーでウットリするバラード。そこはまさに二人だけの時間、空間といった趣の曲ですな。

「He's My Guy」
ちょっと勿体ぶったカンジのSarahのボーカルがチャーミングなナンバーっす。ブラウニーもそんな雰囲気にピッタリのソロを聴かせてくれマス。

「April in Paris」
どことなくブルーなカンジが魅力のナンバー。Jimmy Jonesのピアノが好サポートっす。

「It's Crazy」
Jazzボーカルならではのサラっと感が心地良いナンバー(Sarahだけにサラっと...つまんない???)。その分、ブラウニーやHerbie Mannなどのソロが印象に残りマス。

「Embraceable You」
Gershwin作品をSarahが切々と情感たっぷりに歌い上げマス。

ちなみに、この1954年にブラウニーは、Sarah Vaughan以外にもHelen Merrill、Dinah Washingtonといった女性ジャス・ボーカリストと共演しています。

特に、“ニューヨークのため息”と呼ばれたNY出身のハスキーヴォイスのシンガーHelen Merrill『Helen Merrill』は本作と並ぶ僕のオススメっす。若き日のQuincy Jonesがアレンジを担当してや〜す。こちらもそのうち紹介しますね。
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2006年04月28日

Fishbone『Truth and Soul』

破天荒なミクスチャー・ブラック・ロック☆Fishbone『Truth and Soul』
Truth and Soul
発表年:1988年
ez的ジャンル:破天荒系ブラック・ロック
気分は... :スカッとしようぜ!

サッカーUEFAチャンピオンズリーグ準決勝「バルセロナ対ミラン」は、スコアレス・ドローでバルサが見事勝ち上がり!決勝は「バルセロナ対アーセナル」☆久々にお気に入りチーム同士の決勝となり、ウレシイ限りっすd(^ ^)bグッ!

さて、今日は何かスカッとしたい気分...で、Fishbone『Truth and Soul』(1988年)にしまシタ。

LAで結成された黒人6人組のFishboneは、現在でもブラック・ロックの最高峰と評価されるグループ。

元々はFunkadelic/Parliamentあたりのファンクに影響を受けていたグループだったが、その後スカ、レゲエ、パンク、へヴィ・メタル等のミクスチャーな音楽スタイルを構築していきやシタ。

僕はデビュー・ミニ・アルバム『Fishbone』(1985年)の破天荒さとストリートなカンジを相当気に入っていたので、この(ミニ・アルバムを含めた)3rdにもかなりワクワクしていたね。同時期の作品だとPrince殿下の『Lovesexy』(1988年)と同じくらいの期待度だったと記憶してヤス。黒人音楽の枠に収まらない黒人ミュージシャンという意味では殿下とFishboneは共通していると思います。

僕がこのアルバムを購入した頃、黒人音楽と白人音楽のミクスチャー・スタイルこそがこれからのミュージック・シーンに旋風を起こすと思っていやシタ。そしてのその急先鋒こそがFishboneだった。

しかし、結果としてFishboneは商業的には全く成功しなかった。きっと黒人からも白人からも異質な音楽とイメージされてしまったのだろう。黒人から見ると、“何で黒人がロックやるのよ!”とHip-Hopの方へ流れ、白人から見ると、“所詮キワモノ系ロックでしょ!”と敬遠されたってカンジでしょうか?白人ロックがファンク的なアプローチをして大成功を収めたRed Hot Chili Peppersなどと比較すると対照的な姿かもしれないね。

でも、それは単に商業的には成功しなかったというだけで、音楽的には素晴らしい作品を残してくれた。特に、この『Truth and Soul』は、彼らの破天荒なエナジーと高い音楽性がうまくバランスした作品に仕上がっていると思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Freddie's Dead」
いきなりオープニングはCurtis Mayfieldの名曲のカヴァー。ここではかなりロック・テイストを強調したへヴィーな仕上がりにしていマス。今振り返ると、ジャンキーとなり死んでいった黒人のことを歌ったこの曲をオープニングに持ってきたあたりに、このアルバムのメッセージ性を強くカンジますな。

「Ma and Pa」
シングルにもなったスカ・ナンバー。彼ららしい勢いのある演奏を聴くことができマス。ノーテンキなスカのリズムとは裏腹に家族の崩壊がテーマのシリアスな曲デス。

「Question of Life」
ホーンセクションが実にファンキーでカッチョ良いグルーヴィーなスカ・ナンバー。このタイプの曲は黒人音楽ファンからも支持されるのではと思うのですが。

「Pouring Rain」
少しエナジーを抑え気味ながら、スケールの大きな演奏を聴かせてくれるナンバー。彼らが単に勢いだけのバンドではないことを実感できマス。

「Mighty Long Way」
ファンキーで切れ味鋭い彼らのロック的なカッチョ良さを堪能できるナンバー。

「Bonin' in the Boneyard」
とってもロックで、とってもファンクなまさにミクスチャーな彼らの魅力一杯のナンバー。僕のダントツのお気に入りっす。もの凄いエナジーをカンジます。ライブで聴いたら大盛り上がり間違いナシの曲ですね!ベースがメチャカッチョ良いっす。

「Slow Bus Movin' (Howard Beach Party)」
ボードヴィル調なカンジが少しお遊びなカンジに聴こえるが、公民権運動のことを歌ったマジメなナンバーっす。

「Ghetto Soundwave」
これもファンキーかつ力強いナンバー。粘り腰のホーンセクションが印象的ですね。だんだんと高揚感が増してくたところで、軽くハズしてくれるあたりも彼ららしい。

「Change」
エンディングは、それまでのアルバムの雰囲気を一気に覆すような美しく、力強く、スピリチュアルなアコースティック・バラード。この曲を聴いた途端、一瞬ハッとした記憶がある。これをFishboneの曲だと主張してもなかなか信じてもらえないかもね。

他の作品では、前述の『Fishbone』(1985年)、『Reality of My Surroundings』(1991年)あたりがオススメっす。

ブラック・ロックで言えば、Living Colour、Bad Brainsあたりも当時注目されていましたよね。久々にCD聴いてみようかな?
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2006年04月27日

James Mason『Rhythm Of Life』

アーバンな夜にピッタリの大人気レア・グルーヴ☆James Mason『Rhythm Of Life』
Rhythm of Life
発表年:1977年
ez的ジャンル:アーバン系ジャズ・ファンク/レア・グルーヴ
気分は... :チェケラッチョ!!(=^ェ^=)

昨日はサッカーUEFAチャンピオンズリーグ準決勝「ビジャレアル対アーセナル」がありましたね。結果はスコアレス・ドローでアーセナルが見事勝ち上がり!初の決勝進出ですね。

僕も2、3年前まではイングランド・プレミアではアーセナルのサッカーがダントツで好きだったんだけど、ここ1、2年はすっかりチェルシーに浮気していまシタ。ベンゲル監督ゴメンなさいm(_ _)mそれにしてもリーグ戦ではサッパリなのに、チャンピオンズリーグでの変貌ぶりはミラクルですな。

アーセナルはベンゲル監督をはじめ、アンリ、ピレス等のフランス人が多いので、パリでの決勝はホームの雰囲気で戦えるかもしれませんね!

そして、いよいよ数時間後にはもう1つの準決勝「バルセロナ対ミラン」のキックオフっす。バルサの勝利を信じてマス。ロナウジーニョの体調が万全になっていることを願うばかりっす。

今回はフリーソウル、レア・グルーヴ方面のファン方に大人気のアルバムJames Mason『Rhythm Of Life』っす。

James Masonは、Roy Ayersのバンドのギタリストとして活躍していた人っす。僕がJames Masonのことを知ったのは、多くの人と同じようにフリーソウルのコンピアルバムっす。『Free Soul Visions』に「Slick City」、『Free Soul Impressions』に「Good Thing」が収録されてまシタ。

ホント、こういうアルバムはフリーソウルのムーヴメントが無かったら、絶対出会うことのないアルバムだったろうね。Free Soulに感謝!感謝っすねぇ。

中身は、とってもクールでフュージョンなジャズ・ファンク。僕的には絶頂期のStevie Wonderをアーバンかつグルーヴィーにしたカンジのサウンドがとっても気に入りまシタ。あとこの手のアルバムって、サウンド的にはバッチリだけどボーカルものが2、3曲で残念なんてパターンが多いけど、このアルバムは全編に女性ボーカルがフューチャーされているのが何ともウレシイですね。

メンバーは、James Mason(g、key、vo)、Gene Torres(b)、Mustafa Khaliq Ahmed(ds、conga)、Narada Michael Walden(ds)、Dwayne Perdue(ds)、Justo Almario(s)、Philip Woo(p)、Clarice Taylor(vo)、Mbewe Ninoska Escobar(vo)。Narada Michael Waldenがドラムというのが興味深いですね。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Sweet Power Your Embrace」
多くのDJ御用達のレア・グルーヴ・クラシックですね。クールだけどエキサイティングなサウンドに思わず体が動いてしまうジャズ・ファンク・ナンバー。

「Good Thing」
前述のフリーソウルで人気のミディアム・ナンバー。甘く危険な都会の夜なカンジが何とも好きですねぇ♪

「Free」
ハウス・ファンに人気のブラジリアン・フュージョン・テイストなナンバー。この曲は確かにフロアで盛り上がりそうな、長回しで踊りたい曲だよねぇ。Cosmic Villageがカヴァーしていますよね。

「Funny Girl」
密かにお気に入りのMasonのギター・カッティングとNaradaのドラムがカッチョ良いグルーヴ・ナンバー。週末にオールナイトでまったりと飲んでいる時に聴きたい曲。

「Slick City」
説明不要のフリーソウル・クラシック。僕も思わず手拍子したくなる!この曲にはStevie Wonderのミラクルな作品群に通じる完璧さを感じヤス。

「Rhythm of Life」
これも人気の高速フュージョン・グルーヴ。疾走感がたまりませんね。グイグイ引っ張るカンジの女性ボーカル(Clarice Taylor)もいいですね。

「Hey Hey Hey」
Mason自身もボーカルを披露してくれるミディアム・グルーヴ。タイトルが似ている訳じゃないけど、何となくPaul McCartney & Wings「Hi Hi Hi」とセット聴きたくなってきまシタ。♪へ〜イ、へ〜イ、へ〜イ♪に続いて♪ハ〜イ、ハ〜イ、ハ〜イ♪なんてイイ感じなのでは?

「I've Got My Eyes on You」
実はアルバムで一番のお気に入りナンバー。この曲を聴いていると否応なく気持ちが高揚してきます。ワクワク感に満ち溢れたグルーヴですな。

「Dreams」
アルバムのラストはほのぼのナンバー。アルバムの最後にこの曲を聴くととってもホッとします。

こんな完璧なアルバムが売れなかったのも不思議だし、こんな素晴らしい作品をクリエイトできるアーティストがその後コンスタントに作品を発表していないのも不思議ですね。

そう言えば、Amazon.co.jpの本作レビュー欄に、レビュアー名:James Mason、タイトル:I am James Masonのレビューがあった(勿論全部英語っす)。James Mason本人なのか?
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2006年04月26日

The Dave Pike Set『Noisy Silence-Gentle Noise』

クラブでも大人気のシタール名曲「Mathar」収録のヨーロッパJazz☆The Dave Pike Set『Noisy Silence-Gentle Noise』
ノイジー・サイレンス-ジェントル・ノイズ(紙ジャケット仕様)
録音年:1969年
ez的ジャンル:ジャーマン系クラブJazz
気分は... :ワクワクしてる?

最近、仕事でもプライベートでもワクワク感を大事にしている。

ワクワクする場所には、ワクワクして行動している人がいる。
ワクワクして行動している人に出会うと、その人に会った他人もワクワクする。
だからワクワクする場所には必ず人が集まる。

単純な三段論法だけど、案外コレを理解・実践できない人は多い。

僕が言うワクワク感というのは、単純に楽しいことだけを意味するのではない。
そこには新しいこと、難しいことへのチャンレンジ精神という意味も含まれる。
つまり、ワクワク感があれば、新しいことも、困難なことも何とか乗り越えられる。
あるいは一緒に楽しみ、苦しみながらその困難に付き合ってくれる仲間を得られる。
なんて考えるわけであります。

これ以上書くと、オヤジの愚痴っぽいのでこれでオシマイ!

今日のワクワクする音楽はThe Dave Pike Set『Noisy Silence-Gentle Noise』(1969年)っす。

The Dave Pike Setは、1968年にドイツで結成されたJazzグループであり、『Noisy Silence-Gentle Noise』はドイツの名門ジャズレーベルMPSから発売された彼らのデビュー・アルバムっす。メンバーは、Dave Pike(vib)、Volker Kriegel(g、sitar)、Hans Rettenbacher(b) 、Peter Baumeister(ds)の4人。

よっぽどコアなJazzファンでない限り、このグループを聴くきっかけはフリーソウルやクラブJazz・ファンに大人気のナンバー「Mathar」が目当てだと思いマス。勿論、僕もそのパターンっす。Volker Kriegelのシタールが印象的なこのサイケデリックなナンバーは一度聴いたら忘れられないですよね。

正直、シタールを用いたナンバーは「Mathar」1曲のみ。でも、このアルバムを侮るなかれ!「Mathar」以外のナンバーもなかなか粒揃いっす。基本的にはJazzなんだけど、僕がこのブログで紹介してきた60年代Jazzとは明らかに肌触りが違うかもね!ヨーロッパ的な郷愁感が漂う点や、とってもスムース&メロウってあたりが大きな違いかもね!

僕的には、なんか曇り空がやけにハマるJazzってカンジかなぁ?

全曲紹介しときやす。

「I'm On My Way」
軽やかでキャッチーなvibeが印象的なオープニング。Jazz特有の小難しいカンジがしないのがこのアルバムの魅力かもね。結構グルーヴ感もあってイイっすよ。演奏がワクワクしてます(笑)

「Regards From Freddie Horowitz」
少しスパニッシュなテイストがスパイスのワルツ調のナンバー。少し気取ったカンジがカッチョ良いねぇ。

「Somewhat, Somewhere, Somehow」
「Vian-De」
フランス人の作家、詩人、ミュージシャンだったBoris Vianに捧げられた哀愁のバラード2曲。僕はBoris Vianってよく知らないけど。セーヌ川の辺がイメージされます?vibeの音色が何とも悲しげでステキですな。

「Noisy Silence-Gentle Noise」
静と動のコントラストが魅力のタイトル曲。決して重くなりすぎないのがいいね。

「Mother People」
Frank Zappa & The Mothers Of Inventionの迷曲(?)のカヴァー。Zappaを取り上げるあたりに単なるJazzグループではないクセ者ぶりが窺えますね。演奏もフリーキーなジャズ・ロックってカンジっす。

「Mathar」
前述のこのアルバムのハイライト。サイケデリック・シタール・ジャズ・ロック・なんば〜ぁ!シタール好きにはたまりませんなぁ。ちなみにMatharとは、シタール奏者の大家であり、最近ではNorah Jonesの父親としても有名なRavi Shankarが修業を積んでいた北インドの村の名前らしいっす。

Paul Weller絡みの謎のグループ(?)Indian Vibesがこの曲をカヴァーしていますよね。あるいはMantraによるアッパーハウスのカヴァーなんていうのもあるみたいっすね。

以前にも書いたけど、本作とIndian Vibes「Mathar」、Volker Kriegelのソロ作「Zoom」、Chemical Brothers「The Private Psychedelic Reel」の4曲セットが僕のシタール満喫パターンっす。

「Teaming Up」
とっても幻想的でスリリングなナンバー。何か危険な罠が潜んでいるカンジのヤバさがいいですな。

「Walkin' Down The Highway In A Red Raw Egg」
「Mathar」を除けば、アルバムで一番お気に入りの曲。あんまりJazzを聴いているカンジがしない、カッチョ良くてアブナイ曲。

前述の「Zoom」を含むVolker Kriegelのソロ・アルバム『Spectrum』(1971年)も僕の愛聴盤っす。あとはシタール関連では、Ravi Shankarの甥Ananda Shankarのアルバム『Ananda Shankar』(1970年)あたりも持っていヤス。シタールでStonesDoorsのカヴァーなんかやってて面白いっすよ!
posted by ez at 01:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする