発表年:2000年
ez的ジャンル:オーガニック女性R&Bのパイオニア
気分は... :筋肉痛〜ぅ!イタッ(T T)
Jay Dee、James Poyser、?uestlove(The Roots)らによるプロデュース集団Soulquarians☆
2000年にSoulquariansは21世紀のR&B/Hip-Hopに幕開けに相応しい3枚のアルバムをシーンにデリバリーしてくれた。それがCommonの4thアルバム『Like Water For Chocolate』、D'Angelo『Voodoo』と本作Erykah Badu『Mama's Gun』っす。
D'Angelo『Voodoo』は、僕的2000年代最高傑作R&Bアルバムとして紹介していますよね。21世紀のR&Bの方向を示した男性アーティストがD'Angeloであるならば、女性アーティストでそれを示したのがErykah Baduだと思いマス。
Erykahのデビューアルバム『Baduizm』(1997年)は、D'Angeloのデビュー作『Brown Sugar』と並んでシーンに大きなインパクトを与えた作品でしたね。
二人とも70年代のニューソウル的なサウンドと90年代以降のヒップホップ的なリズムをうまく融合して、オーガニック感覚の新しいグルーヴを提示してくれましたね。共に、デビュー作から間もなく、そのオーガニック感覚をライブ・アルバムというかたちで体感させてくれたあたりもラシイですよね。
ちなみに、Erykah は『Baduizm』発表前に、サントラ『High School High』収録の「Your Precious Love」(Marvin Gaye&Tammi Terrellのカヴァー)でD'Angeloと共演しています。
Erykahの作品は、『Baduizm』(1997年)、『Live』(1997年)、『Mama's Gun』(2000年)、『Worldwide Underground』(2003年)と素晴らしいアルバムばかりだけど、今回は2ndアルバム『Mama's Gun』を紹介しマス。
『Mama's Gun』は、『Baduizm』ほどのインパクトはないけど、Soulquariansの全面的なバックアップにより、よりオーガニックな感覚に磨きがかかっている気がしマス。
また私生活では、Erykah はOutkastのAndre 3000の子を身籠り、出産し、シングルマザーの道を歩んだ。そんな母親の強さと愛情が表現されたアルバムかもしれませんね。その後ErykahはCommonと2002年に電撃入籍しましたが。
オススメ曲を紹介しときやす(殆ど全曲紹介ですが...)。
「Penitentiary Philosophy」
いきなり1stには見られなかったダイナマイトでファンキーなオープニング。女Sly Stoneみたいな風貌が印象的なアルバム・ジャケットの雰囲気をそのままサウンドにしたような70年代風の力強いナンバー。結構ロックっぽいかもね?
「Didn't Cha Know」
「Penitentiary Philosophy」で一発ぶちかました後は、いつものオーガニックなソウル。とってもパーカッシブでユル〜イ感じの仕上がりが僕の好みっす。この作品なんか象徴的だけど、スタイリッシュな作品でも、とってもアフリカン・アメリカンな印象を受けるのがErykahの個性かもしれないね。品
「My Life」
「...& On」
「My Life」は、彼女らしいジャジーでライトなハネハネ・グルーヴ。シームレスに続「...& On」は、『Baduizm』収録の名曲「On And On」の続編的なナンバー。『Baduizm』が好きな人は一安心できる2曲っす。
「Cleva」
クールなメロウ・ジャジー・グルーヴ。?uestloveらしいリズムに、ゲスト参加のRoy Ayersのvibeが絡んできます。Roy Ayersは数日前に紹介したJames Mason『Rhythm Of Life』をはじめ、度々このブログに登場しますね。そろそろRoy Ayers自身の作品も取り上げないとね。
「Booty」
タイトルを見た時、Bootsy CollinsみたいなノリノリのP-Funkでもやるのか!と期待しましたが、それは大ハズレでした(笑)
それでもとってもジャズ・ファンクな仕上がりで新たな側面を見せてくれマス。ホーンセクションとパーカッションがアクセントになってますね。♪あんな男はいらないわよ♪ってお茶目なカンジで歌うErykahがイイ感じっす。母は強し!
「Kiss Me on My Neck (Hesi)」
アーシーなメロウ・グルーヴ。このちょっとお下劣な感じが何とも好きですね。パーカッションのパカポコ感が僕を高揚させることは言うまでもありません。
「A.D. 2000」
マイアミ・ソウルBetty Wrightをゲストに迎えたナンバー。とってもアコースティックな仕上がりがいいですね。ErykahとBettyの歌を堪能しましょう。
「Orange Moon」
アルバム中一番ロマンティックなナンバー。とっても無邪気なカンジのErykahのボーカルが何ともチャーミングですね。
「In Love With You」
Bob Marleyの次男Steven Marley参加曲。二人はBob Marleyのトリビュート・アルバムで共演していましたよね。この曲はBob Marleyテイストの切ないアコースティック・ナンバーに仕上がっていマス。それにしてもStevenは親父さんにソックリの歌い回しだね。
とってもアフリカン・アメリカンなスピリチャルを感じるErykahが、第三世界のカリスマBob Marleyへと向かうのはとても自然な流れですよね。
「Bag Lady」
アルバムからのシングル・カット曲。前向きに力強く生きる女性への応援歌ですね。Isaac Hayes「Bumpy's Lament」ネタというか、それを使ったDr.Dre「Xxplosive」をベースに使っている曲っす。
「Time's a Wastin」
浮遊感漂うジャジーなアレンジが印象的なナンバー。
「Green Eyes」
昨日紹介したSarah Vaughanあたりとセットで聴くとピッタリのようなジャズ・スタンダードな仕上がりの前半から、ニューソウルな後半へと続く10分超の大作ナンバー。
冒頭で示したSoulquariansの話題に戻すと、僕が本ブログでD'Angelo『Voodoo』を紹介した翌日にSoulquariansの一員だったJay Deeが亡くなった。何か虫の知らせがあったのかな?彼はSoulquariansのみならず、プロデュース・ユニットUmmahの一員として僕が大好きなA Tribe Called Questの作品にも関わっていまシタ。
遅くなりましたが心よりご冥福をお祈り致します(‐‐)†