2006年04月10日

Crystal Waters『Storyteller』

90年代のハウス・ディーヴァによる聴けるダンス・アルバム☆Crystal Waters『Storyteller』
Storyteller
発表年:1994年
ez的ジャンル:強力声キャラ系House Diva
気分は... :100% Pure Love!

今年、久々にハマったハウス・アルバムが以前に紹介したLatrice『Illuminate』っす。

僕がハマるハウスは基本的にクール&エレガント&スタイリッシュなDiva系歌モノなので、それにピッタリはまったのがLatrice『Illuminate』だった。家でも聴ける、アルバム単位でも聴けるってカンジがイイっす。

でも振り返ると、90年代初めって、そんなハウス・シーンで輝く個性的なDivaが結構いた気がします。僕的には、Crystal Waters、Ultra Nate、Ce Ce Penistonという3人が特にお気に入りでシタ。この3人については、アルバムのみならず、シングルCDもかなり購入しまシタ。

その中で最も完成度が高いと思うアルバムがCrystal Waters『Storyteller』っす。Crystal Watersと言えば、当時の売れっ子ハウス・プロデュース・チームBasement Boys(Teddy Douglas、Thommy Davis、Jay Steinhourの3人)に見出され、1991年に呪文のようなフレーズで大ヒットした「Gypsy Woman」が有名ですよね。

本作『Storyteller』は1stアルバム『Surprise』(1991年)に続く2ndアルバムっす。1st同様Basement Boysがプロデュースしています。

Crystal Watersと言えば、やはり強力な声キャラの持ち主っていうのが最大の魅力かな。決して、上手いシンガーじゃないけど、クセのあるクールでアンニュイなボーカルは、とても個性的で印象に残るし、クラブミュージックとの相性もバッチリだよね!

同じくBasement Boysに発掘されたUltra Nateあたりと比較すると、Ultra Nateの方がよりブルージーでアンダーグラウンド、Crystal Watersの方がよりポップでキャッチーってカンジかな。要は、Crystal Watersのアルバムは、ハウス・ファンではなくR&Bファンが聴いても十分楽しめるってカンジでしょうか?

オススメ曲を紹介しときやす。

「100% Pure Love」
「Gypsy Woman」と並ぶ彼女の代表曲であるクラシック・ナンバー。このズンドコしたグルーヴ感がたまりません!今も記事を書きながら♪ワン・ハンドレット・パ〜セント☆ピュ〜ア〜ラブ♪と叫んでいマス(多少字余り?)。僕の愛はいつだって100% Pure Loveなんだよ〜っ!わかってるっ!(意味不明)(;¬¬)

「Ghetto Day」
グラウンド・ビートっぽいUKクラブミュージック仕様のミデゥアム・ナンバー。名前の通りとってもクリスタルでカンジっす。こうした曲を聴いていると、彼女がアメリカよりもUKやヨーロッパで人気があるのがわかる気がしマス。

「Regardless」
「I Believe I Love You」
エレクトロHip-Hopテイストなナンバー2曲。このあたりのバラエティがこのアルバムが飽きない要因だと思いマス。彼女がヘタウマなボーカルが、実にHip-Hopのグルーヴ感と実にマッチしてやす。

「Relax」
ポップでキャッチーなアゲアゲ・ナンバー。ほんとモヤモヤしている時には、リラックス気分で踊りまくりましょ!

「What I Need」
Basement Boysらしい正統派ハウス・ダンスナンバー。個人的にはUltra Nate「Rejoicing」あたりとセット聴きたい気分ですな。

「Is It for Me」
とってもスウィンギーでジャジーなミディアム・ナンバー。こうしたジャジーなテイストもBasement Boysの得意技ですね。

「Daddy Do」
とってもクラブ仕様のディープでアッパーなハウス・ナンバー。部屋の明かりを暗くして、踊りたくなりますねぇ♪└|∵ |┐♪

ホント、彼女の声質や歌い回しって、ホント個性的でキュートだと思う。不思議キャラ好きの僕は、声も個性的な女性が好きなのかも???
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2006年04月09日

Donald Fagen『The Nightfly』

Steely Danの中心人物による“オシャレな音楽”の代名詞のようなAOR名盤☆Donald Fagen『The Nightfly』
The Nightfly
発表年:1982年
ez的ジャンル:オシャレなキザ男系AOR
気分は... :ボギ〜!

『Kamakiriad』(1993年)以来13年ぶりのソロ『Morph the Cat』を発表したばかりのSteely Danの中心人物Donald Fagen

僕は学生時代にSteely DanおよびDonald Fagenに相当ご執心だった。そんな僕が昨日CDショップで『Morph the Cat』を試聴したけど、感動は少なく、購入を見送り、代わりにVan Huntの新作を購入してしまいまシタ。

きっと、僕の中のSteely DanおよびDonald Fagenは、今回紹介する1982年発表のFagenの1stソロ『The Nightfly』までで完結しているからだと思う。一応、『The Nightfly』以降もSteely DanやDonald Fagen、Walter Becker関連の新作は全て購入しているけど、正直お付き合いってカンジで、あまり思い入れはありませんm(_ _)m

本ブログを初めて間もない頃に投稿したSteely Dan『Aja』の紹介でも書いたように、高校時代に僕の自宅のターンテーブルを最も占領したアルバムが本作『The Nightfly』(1982年)っす。この作品はオシャレなアルバムの代名詞みたいなもんだったね。

この年(1982年)は、Donald Fagen『The Nightfly』、Joe Jackson『Night And Day』Tom Petty & The Heartbreakers『Long After Dark』という3枚のアルバムをやたら聴いていた記憶があるね。

僕が最初に出会ったSteely Danのアルバムが発表から2年位後追いで聴いた『Aja』(1977年)だった。中学生の時に聴いたこのアルバムのせいで、AOR(Adult Oriented Rock)というジャンルを強く意識するようになり、Steely DanBobby CaldwellBoz Scaggsあたりにハマっていった。

でもって、リアルタイムで新作として聴いた最初のSteely Danの作品が彼らの実質的ラストアルバム『Gaucho』(1980年)っす。『Gaucho』は、今ではとても好きな作品だけど、当時は『Aja』との比較でインパクトが弱く、やや物足りなさも感じたなぁ。その後Steely Danの解散を知り、もう『Aja』のような新作を聴けないのかと残念に思ったなぁ。

そんな中、届けられたのがFagenの自叙伝的アルバム『The Nightfly』(1982年)っす。

時は1950年代、田舎のラジオ局の気取ったDJが、タバコ片手に次のオンエア曲を紹介する...まずはこのジャケットに完全にノックアウトされたねぇ。数日前に紹介したRickie Lee Jones『Rickie Lee Jones』と一緒に長らく、僕の部屋の大事なインテリアとして大活躍でシタ。

このジャケットのDJを演じるのはFagen自身だが、僕はこのDJ役はハンフリー・ボガートがピッタリだと思い込み、勝手に彼の姿をこのジャケットにダブらせていたなぁ(当時、映画『カサブランカ』のボガートの格好良さに憧れていまシタ)。

内容は、Steely Dan同様に多数の腕利きミュージシャンを贅沢に使った完璧なクロスオーバー・サウンドを展開していマス。

主なところを挙げると、Hugh McCracken、Larry Carlton、Rick Derringer、Steve Khan、Anthony Jackson、Chuck Rainey、Marcus Miller、Will Lee、Michael Omartian、Greg Phillinganes、James Gadson、Jeff Porcaro、Roger Nicholas、Randy Brecker、Michael Brecker等々。

ジャケットはモノクロだけど、サウンドは実にカラフルで〜す。

全曲紹介しときヤス。

「I.G.Y.」
アルバムからの1stシングルにもなったオープニング・ナンバー。一時期IBMのCMにも使われていましたね。ほんわかレゲエ・テイストの落ち着いたミディアム・ナンバーに仕上がってマス。

I.G.Y.とは、International Geophysical Year(国際地球観測年)のことっす。国際地球観測年は、1957年7月1日から1958年12月31日まで続いた、国際科学研究のプロジェクトっす。このプロジェクトは、1882年に行われた第一回国際極年(I.P.Y)、その50年後の1932年に行われた第二回国際極年に続くものであり、本来は1932年から50年後の1982年、すなわち本作の発表年に行われるはずだったが、その間の科学の目覚しい発展のため、前倒しで1957年にI.G.Yと名称を変えて実施されたというもの。

こうした科学の進歩を♪What a beautiful world this will be〜♪What a glorious time to be free〜♪と歌うFagenの歌詞は実にシニカルですな。

「Green Flower Street」
とってもSteely Danらしいナンバー。Fagenの鼻づまりのキザ声がとってもオシャレっす。都会的で洗練されているんだけど、ノスタルジックってカンジがたまらなくいいね!Larry Carltonのギター・ソロもいいっすね。

「Ruby Baby」
黒人ボーカルグループThe Driftersの1955年のヒット曲のカヴァー。ある意味のこのジャケ写真から流れてくる音楽のイメージに最も近いのがこの曲かもね。アルバムからの3rdシングルにもなりまシタ。

「Maxine」
キザ男の本領発揮のオシャレ絶品バラード。僕が学生時代に編集していたカセットの定番でシタ。前述のように僕はこのアルバムからハンフリー・ボガートを連想してしまうのだが、その大きな要因がこの曲のせいだと思いマス。

「New Frontier」
アルバムからの2ndシングル。当時この曲こそオシャレサウンドの極みだと思い、何度もこの曲をリピートして聴いていたなぁ。今聴くと、多少カチッとしすぎている感じもしなくはないけど...でも、この華麗なサウンドはさすがFagenならではっす。

「The Nightfly」
アルバムで一番のお気に入りのタイトル曲。この曲を聴いた時、『Aja』を聴いて以来、多少消化不良気味だった僕のSteely Danへの期待を全て受け止めてくれたカンジがしたなぁ。まさに歌詞にある通りのSweet musicですね。

「The Goodbye Look」
僕がすぐにハマるパターンのラテン・テイストのナンバー。この曲とBilly Joel「Rosalinda's Eyes」、「Don't Ask Me Why」の3曲をまとめて1セットで聴くのが一時期僕の定番でシタ。

「Walk Between Raindrops」
なんかミュージカルの1シーンを思い浮かべるエンディング曲。僕的にはジーン・ケリー主演のミュージカル映画の名作『雨に唄えば』あたりのイメージがピッタリっす。

Steely Danに関して、『Aja』を初めとする後期の作品ばかりが注目されるけど、70年代前半の作品もいい作品が多いので改めて紹介しますね。個人的には、1st『Can't Buy A Thrill』(1972年)、3rd『Pretzel Logic』(1974年)あたりがLP時代から聴き続けている愛聴盤っす。
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2006年04月08日

Wynton Kelly Trio with Wes Montgomery『Smokin' At The Half Note』

Jazzギターの開拓者による魅力満載のアルバム☆Wynton Kelly Trio with Wes Montgomery『Smokin' At The Half Note』
ハーフ・ノートのウェス・モンゴメリーとウィントン・ケリー・トリオ (紙ジャケット仕様)       
録音年:1965年
ez的ジャンル:絶品Jazzギター
気分は... :『Kill Bill』最高!

大してJazzに詳しくない僕の中で、Jazzギタリストと言えば、Wes MontgomeryとGrant Greenという名前が真っ先に思い浮かぶ。George BensonPat Methenyといった人たちは、単にギタリストというよりも、もっと総合的なミュージシャン/アーティストってカンジかなぁ。それに比べると、Wes MontgomeryとGrant Greenは職人タイプのギタリストってカンジですよねぇ。

この二人のうち、好きなギタリストという意味で、相当頻繁に聴くのはGrant Greenなんだけど、Jazzギターの道を切り開いたと偉大なギタリストという点では、やっぱりWes Montgomery(1925-1968年)を押さえておくべきだよね。

1959年に36歳で初リーダー作を発表し、1968年に心臓麻痺で45歳という若さで他界するまで、その暖かく、歌心のあるプレイでJazzギターというものをグッとポピュラーな存在にした。まさに、Jazzギターの開拓者でしたね。

僕が持っているWesのアルバムは、『Incredible Jazz Guitar』(1960年)、『Full House』(1962年)、『Smokin' At The Half Note』(With Wynton Kelly Trio)(1965年)、『Dynamic Duo』(With Jimmy Smith)(1966年)、『A Day In The Life』(1967年)、『Willow Weep For Me』(1969年)あたりっす。

一般的には『Incredible Jazz Guitar』か『Full House』がWesの代表作として取り上げられることが多いけど、個人的に一番のお気に入りは、Wynton Kelly Trioとの共演作『Smokin' At The Half Note』(1965年)っす。何故だかわからないけど、ふと“Jazzギターが聴きたいなぁ?”と思った時に、無意識にCD棚からこのアルバムを探していることがあるんだよねぇ。

Wynton Kelly(1931-1971年)は、10代前半にデビューし、その後Gizzy GillespieやMiles Davisといった大物のバンドで活躍したピアニストっす。僕も50年代後半から60年代前半のMilesのアルバムを通じてKellyの名を知りまシタ。彼の代表作『Kelly Blue』(1959年)も結構好きっす。

本作は、タイトルにあるようにHalf Noteというクラブでのライブ・アルバムなんだけど、実際にライブは前半2曲のみで、後半3曲はスタジオ録音になっています。メンバーは、Wes Montgomery(g)、Wynton Kelly(p)、Paul Chambers(b)、Jimmy Cobb(ds)の4人っす。僕の中では、一番ノッているWesがこのアルバムの中に居るような気がしマス。

全曲紹介しときヤス。

「No Blues」
Kellyのかつてのボスである帝王Milesの作品。この作品はKellyがMilesのバンドに在籍中の得意レパートリーだったそうっす。ブルースではない(?)新しいブルースとでも言いたげな、Wesの小気味良く、自由なギター・ソロが艶やかでメチャカッチョ良いっす。13分近くある長尺ナンバーですが、飽きることなく聴けます。勿論、Kellyのピアノ・ソロも聴きごたえ十分っす。

「If You Could See Me Now」
アルバムで一番のお気に入りの美しくロマンチックなバラード。Jazz特有のロマンチズムが十二分に堪能できマス。まずはKellyのピアノにウットリっす。この頃のKellyは下降気味だったと聞くけど、この演奏は絶好調なカンジがします。そして、Wesのソロがさらに魅惑の世界へと誘ってくれマス。これぞ歌うギターってカンジですな。

「Unit 7」
ここからはスタジオ録音っす。この曲は、一言“いかした”アップ・ナンバー。リズム感溢れるグルーヴィーな演奏で一気に聴かせマス。

「Four on Six」
Wesの代表作『Incredible Jazz Guitar』にも収められていたナンバー。ノリノリのWesのギターはもう手の付けようがないカンジですな。カッチョ良さではアルバム中一番かも?絶品っす。

「What's New?」
お馴染みのスタンダード。本ブログでは、これまでJohn ColtraneJimmy Smithの「What's New?」を紹介しましたが、それらとはまた違った味わいっす。
まさにWhat's New?ってカンジかな?

今、WOWOWで『Kill Bill』のVol.1 & Vol.2を観て大興奮中!
何度も観て、ストーリーもわかっているし、この馬鹿馬鹿しさもわかっているんだけど、観るたびに笑えるし、興奮するし、新しい発見がある。この劇画チックな展開が何とも言えませんな。やっぱりタランティーノは天才ですね。

Wes Montgomery聴きながら、『Kill Bill』観賞なんて、Wesに失礼だね。ゴメンナサイm(_ _)m
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2006年04月07日

Rickie Lee Jones『Rickie Lee Jones』

異色シンガーソングライターの浪漫溢れるデビュー作☆Rickie Lee Jones『Rickie Lee Jones』
Rickie Lee Jones
発表年:1979年
ez的ジャンル:異色系シンガーソングライター
気分は... :浪漫ねぇ〜!

ここ数日、日本のスポーツ新聞は日本人プレイヤーの大活躍でMLBだらけだったけど、僕的にはサッカーUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝2ndlegで大興奮の2日間でした。

4カードのうち、「リヨン対ミラン」、「ベンフィカ対バルセロナ」が面白かったね。結果は、ミラン、バルセロナという実力的に上と見られていた2チームが勝利したけど、リヨン、ベンフィカという敗れた2チームが実に印象的だったね。“美しき敗者”2チームにサッカーというスポーツの浪漫を感じたなぁ。

特に、リヨンはスーパースターはいないけど、実に攻撃的で面白いサッカーをしていたね。個人的には今大会のベストチームとしてリヨンを挙げたいっす!準決勝で「リヨン対バルセロナ」というカードを観たかったなぁ。

ベンフィカは優勝候補バルサをこんなに苦しめるとは思わなかったねっ。バルサのホームであるカンプノウに、ベンフィカの監督として凱旋した、かつてのバルサのスター☆クーマン監督の姿も感動的だったね。きっと彼は将来バルサの監督として、またカンプノウに戻ってくるだろうなぁ!

準決勝も楽しみっす!

さて、今回はRickie Lee Jonesのデビューアルバム『Rickie Lee Jones(邦題:浪漫)』(1979年)っす。

ここ数年、Rickie Lee Jonesを聴くことが多くなった。その理由は、以前に紹介したNorah Jones『Come Away With Me』(2002年)のおかげだ。このNorahの大ヒット・アルバムを聴くたびに、Rickie Lee Jonesを思い出す。何となく、ジャズ/カントリー/フォーク/ソウル/ポップスのクロスオーバー加減と声質のカンジが似ているんだよね。そんなことから、『Come Away With Me』と『Rickie Lee Jones』をセットで聴くのが、僕のお気に入りパターンだ。

Rickie Lee Jonesは、本作でデビューした女性シンガーソングライター。本アルバムとシングルカットした「Chuck E.'s in Love」が共に大ヒットし、その名を一躍有名しまシタ。

何たって、有名なフォトグラファーNorman Seeff撮影のこのジャケットだけでも魅力的だよね。いかにも頼りになる姉御ってカンジがイイよねぇ!一時期、僕の部屋のインテリアとして、このLPをずっと部屋の目立つ場所に飾っていたなぁ。

あとはRickie姉さんの下に集合したメンツがスゴイっす。ざっと挙げてもSteve Gadd、Andy Newmark、Jeff Porcaro、Willie Weeks、Buzzy Feiten、Neil Larsen、Randy Newman、Dr. John、Nick DeCaro、Michael MacDonald、Tom Scott、Ernie Watts等々。プロデューサーはRickie姉さんの幼馴染であるRuss TitelmanとLenny Waronker、エンジニアはRoger Nicholsといったように、デビュー作にしてこのメンバーを集めてしまう姉さんの豪腕に驚くばかりっす。

音楽的には、先のNorah Jonesを引き合いに出せば、自由奔放で、色っぽくて、可愛くなったNorah Jonesってカンジかな。今思うと、この時代にこのジャズ/カントリー/フォーク/ソウル/ポップスのクロスオーバー感覚は、かなり異色だったと思うね。

オススメ曲を紹介しときやす。全曲Rickie姉さん自身の作品っす。

「Chuck E.'s In Love」
前述の大ヒット・シングル。邦題「恋するチャック」と言った方がピンとくるかもね!ウエストコーストらしい軽快なナンバーっす。Rickieの個性的で可愛いセクシー・ボイスを堪能できマス。余裕たっぷりの堂々とした歌いっぷりがお見事!

「On Saturday Afternoon In 1963」
とってもノスタルジックな雰囲気が魅力のナンバー。シンプルなピアノの伴奏と浪漫チックなストリングスをバックが、Rickieの歌を際立たせてくれマス。

「Night Train」
素朴なアコースティック・ナンバー。この素朴かつロマンティックなカンジがNorah Jonesと似ている気がするねぇ。

「Young Blood」
楽しくリズミカルなナンバー。アレンジの秀逸な曲で、このアルバムのクロスオーバー感覚を満喫できます。

「Easy Money」
Little FeetのLowell Georgeもソロアルバム『Thanks I'll Eat It Here』でカヴァーしていたナンバー。このオリジナルは、かなりジャズ色を強くした仕上がりになってマス。

「Danny's All-Star Joint」
これもかなりジャズしているナンバーっす。Rickieのかつての恋人Tom Waitsあたりの影響もあるかもね!

「Weasel And The White Boys Cool」
Rickieの奔放な歌いっぷりが印象的な曲。ドラマティックな曲展開も飽きさせません。この雰囲気は同時代の女性シンガーでもRickieにしか出せないんじゃないかね!

「Company」
「After Hours」
名作映画のエンディング・テーマのような感動的なバラード「Company」。そして、アルバムの余韻を楽しめる小品「After Hours」 。昔、好きだった女の子にプレゼントしたカセットテープのラスト2曲がこの2曲だった。我が青春の思い出っす(笑)

LPの裏ジャケット(CDだと開いた1ページ目)にあるRickieとプロデューサーのRuss Titelman、Lenny Waronkerの3人が子供時代に撮ったスナップショットがとっても微笑ましいっす。未来の名プロデューサー2人を子分のように両側に従え、中央で親分面しているRickieが何とも印象的ですな。
*追記
よく考えれば、この写真って合成もしくはRuss、Lenny以外の誰かと撮ったものですよね。この三人が幼馴染みだったって話は聞いたことがないし、そもそも年齢が違うはずだし...
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2006年04月06日

Lushlife『Order Of Operations』

今年一番のオススメHip-Hopアルバム☆Lushlife『Order Of Operations』
オーダー・オブ・オペレーションズ
発表年:2006年
ez的ジャンル:ジャジー系アンダーグランドHip-Hop
気分は... :ジャジーでメロメロ(☆_☆)

今回は、知ってる人には“今頃遅い!”、知らない人には“誰それ?”と言われそうなアンダーグランドHip-HopアルバムLushlife『Order Of Operations』っす。

僕はコアなリスナーほどにはHip-Hopの新譜を数多くチェックしている訳ではないけど、今年1月から3月まで聴いた新譜Hip-Hopの中では、本作Lushlife『Order Of Operations』Sounds Good『Midnight Music』の2枚が同点で個人的なベストっす。これら2枚に共通しているのは、丁寧に作り込まれたジャジーHip-Hopという点デス。

Lushlifeは、New Jersey出身のMC/プロデューサーっす。10代初めからターンテーブルに慣れ親しむ一方で、クラシックピアノやジャズドラムを長年学び、ジャズバンドでの演奏活動の経験も持つ人らしいっす。

Lushlifeについてまず取り上げるべきは、プロモ用に制作された作品『West Sounds』ですね。これはタイトルから察しがつくように。Beach Boysの実験的ポップの名盤『Pet Sounds』(1966年)とスーパーHip-Hopプロデューサー/アーティストKanye Westの1st『The College Dropout』(2004年)および2nd『Late Registration』(2005年)のマッシュアップっす。

このマッシュアップ作品は、昨年8月にネット上にアップされるや、わずか1ヶ月で20万以上のダウンロード数を記録し、Lushlifeの名を一躍有名にしましたね。僕もこの作品でLushlifeの名を知ると同時に、恥ずかしながら“マッシュアップ”という言葉も初めて知りやシタ。

でもって、Lushlifeのデビューアルバム『Order Of Operations』っす。一番好きなHip-HopがA Tribe Called Quest(ATCQ)で、最近はLightheadedやOthelloあたりのアルバムを好んで聴いている僕にとって、この落ち着いたジャジーさはたまりません。これだからたまにはアンダーグラウンドHip-Hopをチェックしないとね!

正直、こうしたアングラHip-Hopの中には、購入当初は良かったけど数ヵ月後には飽きてCD棚の奥の方へ...ってパターンもありマス。でも、この作品は数ヶ月聴き続けていますが、全然飽きがきませんよ!特に、僕が購入した国内盤には、ナント『West Sounds』のCD付きという至れり尽くせりで、とってもお得気分っす。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Drifting」
オシャレなピアノ(Ahmad Jamal「Dolphin Dance」ネタ)が印象的なオープニングナンバー。1分にも満たないけど満足感一杯っす。

「The Deepest Concentration」
サックスのループが激シブのディープなナンバー。アンダーグランド気分を満喫できるトラックがイイっす。国内盤には、ボーナストラックとしてK.D'MelloによるInnocentBoy Fakevinyl Remixが収録されてマス。僕はこのRemixの方がダントツでお気に入りデス。何たってSadeネタがウレシイ限りっす。

「No Fundation」
デビューシングルにもなったオススメ曲。メロウ好きならば、このキャッチーなメロウ・グルーヴに歓喜するにちがいありません。国内盤には、謎の覆面ユニットYam Who?によるエレクトロ・テイストのRemixも収録されてマス。こちらも要チェックですよ!

「Mellow, Mellow」
タイトル通りのメロメロ・ナンバーっす。僕はこの曲を聴いて、Acid Jazz好き必聴のUrban Speciesの名曲「Spiritual Love」(1994年)を思い出しまシタ。「Spiritual Love」をもっとクールにしたカンジをイメージしてもらうといいかも?トラックばかりに注目してしまいますが、この曲では早口のフロウも聴きどころデス。

「Order of Operations」
不穏なカンジのへヴィーで攻撃的なトラックとフロウが印象的なタイトル曲。アルバムにはあと「Order of Operations (Sunday Mahogany Reprise)」というノスタルジックで幻想的なリミックスも収録されてマス。さらに国内盤にはShin-Skiによる秀逸リミックスも収録されてマス。僕はVibeが心地良く響き渡るこのShin-Skiバージョンがメチャお気に入りっす。

「The Claremont Shuffle」
オシャレなトラックと軽快なフロウが実に気持ちイイ曲。僕はこの手のジャズ・ギターものにはすぐヤラれちゃうんだよねぇ。

「Dryad's Bubble」
Lone CatalystsのJ.Sandsをフィーチャーしたこれまたメロメロ路線のキラー・チューン。De La Soulファンならば最初の♪Break Down〜♪と聴いてピンときますよね。そうです!Michael Jackson「I Can't Help It」ネタ使いの名曲「Breakadawn」(アルバム『Buhloone Mind State』収録)が元ネタですね。「I Can't Help It」、「Breakadawn」共に大好きな僕にとっては、ヨダレ出まくりのオイシイ曲っす。極楽☆極楽☆

「The Day The Universe Changed」
アルバム中異色なエレクトロニカ・ナンバー。同じジャジーでもフューチャー・ジャズってカンっす。

「Canary Rock Pretty」
けだるいムードが魅力の国内盤オンリーのボーナストラックっす。

捨て曲ナシのアルバムですが、「The Deepest Concentration(nnocentBoy Fakevinyl Remix)」、「Mellow, Mellow」、「Dryad's Bubble」が僕のオススメベスト3かなぁ。あとは「Order Of Operations(Shin-Ski's In A Wrong Order Remix)」が別扱いってところでしょうか。

前述のお気に入りのもう1枚もSounds Good『Midnight Music』も紹介したいのですが、Amazonでは取扱いされていないため、ジャケ画像がなく待ち状態っす。ゴメンナサイm(_ _)m

あと『West Sounds』で気付いたけど、Beach Boysを本ブログで紹介していませんでしたね。こちらも近々に紹介しますね。
posted by ez at 00:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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