発表年:2006年
ez的ジャンル:ジャジー系アンダーグランドHip-Hop
気分は... :ジャジーでメロメロ(☆_☆)
今回は、知ってる人には“今頃遅い!”、知らない人には“誰それ?”と言われそうなアンダーグランドHip-HopアルバムLushlife『Order Of Operations』っす。
僕はコアなリスナーほどにはHip-Hopの新譜を数多くチェックしている訳ではないけど、今年1月から3月まで聴いた新譜Hip-Hopの中では、本作Lushlife『Order Of Operations』とSounds Good『Midnight Music』の2枚が同点で個人的なベストっす。これら2枚に共通しているのは、丁寧に作り込まれたジャジーHip-Hopという点デス。
Lushlifeは、New Jersey出身のMC/プロデューサーっす。10代初めからターンテーブルに慣れ親しむ一方で、クラシックピアノやジャズドラムを長年学び、ジャズバンドでの演奏活動の経験も持つ人らしいっす。
Lushlifeについてまず取り上げるべきは、プロモ用に制作された作品『West Sounds』ですね。これはタイトルから察しがつくように。Beach Boysの実験的ポップの名盤『Pet Sounds』(1966年)とスーパーHip-Hopプロデューサー/アーティストKanye Westの1st『The College Dropout』(2004年)および2nd『Late Registration』(2005年)のマッシュアップっす。
このマッシュアップ作品は、昨年8月にネット上にアップされるや、わずか1ヶ月で20万以上のダウンロード数を記録し、Lushlifeの名を一躍有名にしましたね。僕もこの作品でLushlifeの名を知ると同時に、恥ずかしながら“マッシュアップ”という言葉も初めて知りやシタ。
でもって、Lushlifeのデビューアルバム『Order Of Operations』っす。一番好きなHip-HopがA Tribe Called Quest(ATCQ)で、最近はLightheadedやOthelloあたりのアルバムを好んで聴いている僕にとって、この落ち着いたジャジーさはたまりません。これだからたまにはアンダーグラウンドHip-Hopをチェックしないとね!
正直、こうしたアングラHip-Hopの中には、購入当初は良かったけど数ヵ月後には飽きてCD棚の奥の方へ...ってパターンもありマス。でも、この作品は数ヶ月聴き続けていますが、全然飽きがきませんよ!特に、僕が購入した国内盤には、ナント『West Sounds』のCD付きという至れり尽くせりで、とってもお得気分っす。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Drifting」
オシャレなピアノ(Ahmad Jamal「Dolphin Dance」ネタ)が印象的なオープニングナンバー。1分にも満たないけど満足感一杯っす。
「The Deepest Concentration」
サックスのループが激シブのディープなナンバー。アンダーグランド気分を満喫できるトラックがイイっす。国内盤には、ボーナストラックとしてK.D'MelloによるInnocentBoy Fakevinyl Remixが収録されてマス。僕はこのRemixの方がダントツでお気に入りデス。何たってSadeネタがウレシイ限りっす。
「No Fundation」
デビューシングルにもなったオススメ曲。メロウ好きならば、このキャッチーなメロウ・グルーヴに歓喜するにちがいありません。国内盤には、謎の覆面ユニットYam Who?によるエレクトロ・テイストのRemixも収録されてマス。こちらも要チェックですよ!
「Mellow, Mellow」
タイトル通りのメロメロ・ナンバーっす。僕はこの曲を聴いて、Acid Jazz好き必聴のUrban Speciesの名曲「Spiritual Love」(1994年)を思い出しまシタ。「Spiritual Love」をもっとクールにしたカンジをイメージしてもらうといいかも?トラックばかりに注目してしまいますが、この曲では早口のフロウも聴きどころデス。
「Order of Operations」
不穏なカンジのへヴィーで攻撃的なトラックとフロウが印象的なタイトル曲。アルバムにはあと「Order of Operations (Sunday Mahogany Reprise)」というノスタルジックで幻想的なリミックスも収録されてマス。さらに国内盤にはShin-Skiによる秀逸リミックスも収録されてマス。僕はVibeが心地良く響き渡るこのShin-Skiバージョンがメチャお気に入りっす。
「The Claremont Shuffle」
オシャレなトラックと軽快なフロウが実に気持ちイイ曲。僕はこの手のジャズ・ギターものにはすぐヤラれちゃうんだよねぇ。
「Dryad's Bubble」
Lone CatalystsのJ.Sandsをフィーチャーしたこれまたメロメロ路線のキラー・チューン。De La Soulファンならば最初の♪Break Down〜♪と聴いてピンときますよね。そうです!Michael Jackson「I Can't Help It」ネタ使いの名曲「Breakadawn」(アルバム『Buhloone Mind State』収録)が元ネタですね。「I Can't Help It」、「Breakadawn」共に大好きな僕にとっては、ヨダレ出まくりのオイシイ曲っす。極楽☆極楽☆
「The Day The Universe Changed」
アルバム中異色なエレクトロニカ・ナンバー。同じジャジーでもフューチャー・ジャズってカンっす。
「Canary Rock Pretty」
けだるいムードが魅力の国内盤オンリーのボーナストラックっす。
捨て曲ナシのアルバムですが、「The Deepest Concentration(nnocentBoy Fakevinyl Remix)」、「Mellow, Mellow」、「Dryad's Bubble」が僕のオススメベスト3かなぁ。あとは「Order Of Operations(Shin-Ski's In A Wrong Order Remix)」が別扱いってところでしょうか。
前述のお気に入りのもう1枚もSounds Good『Midnight Music』も紹介したいのですが、Amazonでは取扱いされていないため、ジャケ画像がなく待ち状態っす。ゴメンナサイm(_ _)m
あと『West Sounds』で気付いたけど、Beach Boysを本ブログで紹介していませんでしたね。こちらも近々に紹介しますね。