録音年:1957年
ez的ジャンル:キザ男系天才肌Jazz
気分は... :キザだけどカッチョええねぇ〜!
1950年代カテゴリー第2弾は、“天才”トランペッターのお気に入りアルバムLee Morgan『Lee Morgan Vol.3』(1957年)っす。
Jazzに詳しくない、Jazzアルバム・コレクターを自認する(?)僕のイメージでは、Jazzの花形プレイヤーはトランペットっす。やはり、これは帝王Miles Davisの存在が大きいのかな?野球で言えば長嶋茂雄の影響でサードが花形ポジションと思えるのと同じかもね。
トランペットという花形ポジションのプレイヤーで、Miles Davisという別格の存在を除いて、僕の一番お気に入りのトランペッターがLee Morganだ。実際、Milesを除けば、一番コレクション数が多いのがLee Morganっす。
Lee Morgan(1938-1972年)は、Dizzy Gillespie Orchestraでのプレイで注目を集め、18歳の時に1stリーダー作『Indeed!』(1956年)を発表。その後1972年に愛人に射殺され33歳の若さでこの世を去るまで“天才”トランペッターと呼ばれ続けていた。
帝王Miles以外にもDizzy Gillespie、Chet Baker、Freddie Hubbard、Booker Little、Donald Byrdなどの巨人が居並ぶトランペッターという土俵で、“天才”と呼ばれたのは、長い歴史の中でもClifford Brown、Lee Morgan、Wynton Marsalisの3人くらいじゃないかな?
誤解を承知で言ってしまえば、Morganの魅力はそのダンディズムにあると思う。要は、キザ野郎だからこそ彼のプレイは首尾一貫してカッコ良いのだ〜(  ̄∇ ̄)σ
一般的にMorganの最も有名な作品は、“ジャズ・ロック”と称されたタイトル曲がヒットした『The Sidewinder』(1963年)だけど、僕が勝手に描くLee Morgan像を最も象徴する作品は、若干18歳にして破竹の勢いを感じる本作『Lee Morgan Vol.3』(1957年)っす。
メンバーは、Lee Morgan(tp)、Gigi Gryce(as)、 Benny Golson(ts)、Wynton Kelly(p)、Paul Chanbers(b)、Charlie Persip(ds)。特に、 Dizzy Gillespie Orchestraの先輩Benny Golsonは全作品を提供し、ディレクター役で大活躍してマス。
ヒップなJazzがココにある!
全曲紹介しときやす。
「Hasaan's Dream」
タイトルから想像できるいうに、アラビアの宮殿での出来事を夢でみる少年のことを曲にしたもの。イントロのアラビックな雰囲気がいいですな。Morganのトランペットに加え、Gigi Gryceのフルートがイイですな。儚い夜の夢といったカンジの演奏が、僕的には新宿歌舞伎町あたりの夜の光景をイメージしてしまう?
「Domingo」
キザ野郎Morganの本領発揮の演奏。ホント、この疾走感にゾクゾクするね。このカッチョ良さがあるから、僕はMorganに惚れ込むんだよね。個人的にはJazzのとっておきの1曲の1つっす。
「I Remember Clifford」
このアルバムのハイライト曲。タイトルの通り、前年に自動車事故にて25歳の若さで他界した“初代天才”Clifford Brownへの追悼曲だ。夕陽を眺めながら物思いにふけるのにピッタリの曲、演奏文句ナシの絶品Jazzバラード。でもそれ以上に、天才Cliffordを永遠に失ってしまった悲しみと、“天才トランペッター”の称号を敬愛するCliffordから引き継ぐMorganの複雑な思いを考えるだけで胸打たれてしまうよねo(≧ ≦)o
「Mesabi Chant」
これもMorganらしいハードボイルドな雰囲気のクールな演奏を堪能できマス。「Domingo」と並んで、このアルバムのカッチョ良さを象徴するナンバーっす。
「Tip Toeing」
ライトタッチの演奏が特徴のCharlie Persipのドラミング・スタイルからインスピレーションを得てGolsonが作曲したナンバー。抜き足差し足なカンジが実にいいですな。
本作以外のMorganリーダー作のオススメ作品は、『City Lights』(1957年)、『The Cooker』(1957年)、『Candy 』(1958年)、『Here's Lee Morgan』(1960年)、『Expoobident』(1960年)、『The Sidewinder』(1963年)、『The Rumproller』(1965年)、『The Gigolo』(1965年)、『Cornbread』(1965年)、『Delightfulee』(1966年)、『Charisma』(1966年)、『Lee Morgan Live At The Lighthouse』(1970年)、『Lee Morgan』(1971年)といったあたり...全然絞り込めてないね(笑)
また、Morganの場合は自身のリーダー作以外でも存在感たっぷりのトランペットを聴かせてくれヤス。僕のコレクションの中では、John Coltrane『Blue Train』(1957年)、Art Blakey And The Jazz Messengers『Moanin'』(1958年)、Jimmy Smith『The Sermon!』(1958年)、Hank Mobley『No Room For Squares』(1963年)、『Dippin'』(1965年)、Joe Henderson『Mode For Joe』(1966年)あたりがオススメっす。