録音年:1954年
ez的ジャンル:ジャズ・ボーカル・クラシック
気分は... :週末、場末のバーで...
武道館のKREVAのライブから帰ってきたところっす。
Hip-Hop系のライブって一本調子にならないか心配だったけど、なかなかエンターテイメントな構成でそれなりに楽しめまシタ。今時のボーイズ&ガールズに混じって、頑張って体動かしてきました♪┌(・。・)┘♪絶対筋肉痛になるねコレは?
となれば、今回はHip-Hopと思いきや、全く関係なくジャス・ボーカル・アルバムっす。
正統派のジャス・ボーカル・アルバムを取り上げるのは、本ブログで初めてですね。
女性ジャズ・ボーカルって馴染みがない人も多いかもしれないけど、たまに聴くとココロが暖まりますよ!
そんな正統派女性ジャズ・ボーカルの最高峰として紹介したいのが1954年録音の本作Sarah Vaughan『Sarah Vaughan With Clifford Brown』。
Sarah Vaughan(1924-1990年)は、18歳の時に有名なアポロ劇場のアマチュア・コンテストに優勝し、プロの道を歩み始めた。その以後、Ella Fitzgerald 、Carmen Mcraeと共にジャス・ボーカル御三家と呼ばれ、抜群の声量と暖かい歌声で活躍し続けたシンガーっす。
本作は、SarahとClifford Brown(tp)との共演盤っす。Clifford BrownはLee Morgan『Lee Morgan Vol.3』の記事でも紹介しましたよね。
“不世出のジャズ・ボーカリスト”と呼ばれるSarah のブルージーでソウルフルなボーカルが素晴らしいのは勿論のこと、バックを努める“天才トランペッター”Clifford Brownが目立たないが、シブ〜く存在感を示していマスd(^0^)bC
このアルバムのハイライトは何と言っても1曲目の「Lullaby Of Birdland(バードランドの子守唄)」。♪ラ・ラ・バ・イ・バ〜ドランド〜♪というフレーズを、最近ではV6の岡田准一クン出演のサントリー北杜のCMで聴いたことがある人も多いのではと思いマス。ちなみにあのCMで歌っているのはなんとUAっす。
僕がSarahの「Lullaby Of Birdland」を初めて聴いたのは中学生の時だ。よく聞いていた深夜ラジオの途中で流れるCMにこの曲が使われていた。当時、曲名、アーティスト名もわからなかったが、僕がイメージしていたJazzという音楽ジャンルに見事にマッチしているカンジで強い印象を受けたね。
その後20代半ば頃から本格的にJazzを聴くようになってから、あのCM曲と「Lullaby Of Birdland」およびSarah Vaughanが結び付いた。そして購入したのが本作っす。メンバーは、Sarah Vaughan(vo)、Clifford Brown(tp)、Herbie Mann(fl)、Paul Quinichette(ts)、Jimmy Jones(p)、Joe Benjamin(b)、Roy Hayes(ds)、Ernie Wilkins(arr、cond)。
まさに、前述のサントリーのCMの岡田クンのバーでモルト・ウィスキーをシブ〜く飲むというシチュエーションがピッタリのアルバムですな。「Lullaby Of Birdland」が目玉だけど、それ以外の作品も実にスタンダードで、とってもJazzボーカル気分を満喫できますよ!
全曲紹介しときやす。
「Lullaby of Birdland」
前述の僕にとって究極の子守唄(‐‐)
“最も好きなジャズ・ボーカル曲は?”と聞かれれば、間違いなくこの曲、このバージョンを挙げると思いマス。ゴージャスなカンジの落ち着いたバックのなかで、Sarahの余裕たっぷりのボーカルが堪能できヤス。スキャットなんてたまらんねぇ。
Jazz初心者の方向けに補足すると、Birdlandとは“Bird”こと伝説のジャズマンCharlie Parkerに因んで名付けられた有名なニューヨークのジャズスポットのことっす。
「September Song」
ブラウニー(Clifford Brownの愛称)のリリカルなソロと、Sarahのロマンティックなボーカルが何ともステキなバラード。September生まれの僕にとっては思い入れが強いナンバーっす。
「I'm Glad There Is You」
懐かしの名画を観ているような、とってもモノクロ気分のラブ・バラード。何も言葉はいらない素晴らしい仕上がりっす。
「You're Not the Kind」
ちょっと気取ったJazz独特の気分がイイ感じのナンバーっす。
「Jim」
とってもムーディーでウットリするバラード。そこはまさに二人だけの時間、空間といった趣の曲ですな。
「He's My Guy」
ちょっと勿体ぶったカンジのSarahのボーカルがチャーミングなナンバーっす。ブラウニーもそんな雰囲気にピッタリのソロを聴かせてくれマス。
「April in Paris」
どことなくブルーなカンジが魅力のナンバー。Jimmy Jonesのピアノが好サポートっす。
「It's Crazy」
Jazzボーカルならではのサラっと感が心地良いナンバー(Sarahだけにサラっと...つまんない???)。その分、ブラウニーやHerbie Mannなどのソロが印象に残りマス。
「Embraceable You」
Gershwin作品をSarahが切々と情感たっぷりに歌い上げマス。
ちなみに、この1954年にブラウニーは、Sarah Vaughan以外にもHelen Merrill、Dinah Washingtonといった女性ジャス・ボーカリストと共演しています。
特に、“ニューヨークのため息”と呼ばれたNY出身のハスキーヴォイスのシンガーHelen Merrillの『Helen Merrill』は本作と並ぶ僕のオススメっす。若き日のQuincy Jonesがアレンジを担当してや〜す。こちらもそのうち紹介しますね。