発表年:1981年
ez的ジャンル:ニューウェイヴ系ポップ・ダンス
気分は... :お茶目な魔女と戯れたい!
最近、JTのCMで使われていたM「Pop Muzik」(1979年)や、ホンダのCMで使われていたLips Inc.「Funkytown」(1980年)など80年代前後のチープなピコピコ・サウンドを聴くと、やけに気持ちがワクワクする。また、今週になってiPodでGeorge Clinton総帥のピコピコP-Funk「Atomic Dog」をよく聴いている。
以前にも書いたが、僕はたまに、美味くないラーメン屋でつまみメンマでビール、新橋の小汚い飲み屋でやきとんでビールみたいな気分になる。そんな気分とこのピコピコ・サウンドを欲する気持ちは似ているのかも?
Clinton総帥「Atomic Dog」と並び今週良く聴いているのがTom Tom Club「Genius Of Love」だ。若い音楽ファンは、この曲はHip-Hopのサンプリングネタとして聴いている方が多いかもね!
Tom Tom Clubは、NYニューウェイヴを代表するバンドDavid Byrne率いるTalking HeadsのメンバーであるTina WeymouthとChris Franzを中心としたプロジェクト。Talking Headsの記事投稿でも書いた通り、僕は当時全米Top40を中心に洋楽を聴いていたので、Talking HeadsよりもTom Tom Clubに親近感を持っていたね。
「Genius Of Love」収録のTom Tom Clubのアルバムが『Tom Tom Club』(1981年)。まず、『おしゃべり魔女』という邦題のイメージがピッタリなジャケットの印象が強かったよね。内容もジャケット同様にTalking Headsにはない楽しさ満載の実験的ダンス・ポップってカンジが好きだったなぁ。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Wordy Rappinghood」
「Genius Of Love」と並ぶアルバムからのシングルカット曲。「おしゃべり魔女」の邦題の通り、TinaのラップとTinaの妹たちのドシロウトみたいなコーラスが魔女の呪文のように聴こえるファンク・ナンバー。今聴くと、Hip-Hopとニューウェイヴとファンクの感覚が実にうまくまとめられている気がしマス。タイプライターの音で始まるイントロも印象的ですな。
「Genius Of Love」
「悪魔のラブソング」と題されたHip-Hopファンの定番ネタとして超有名なヒット曲。Mariah Carey「Fantasy」、Grandmaster Flash「It's Nasty」、Busta Rhymes feat.Erykah Badu「One」など数多くの曲でサンプリングされていマス。独特のユルユルな脱力系グルーヴが強烈なインパクトを与えてくれマス。
「Tom Tom Theme」
1分弱のアフロ・グルーヴ。このあたりはTalking Heads『Remain in Light』の世界と共通しているよね。
「L'Elephant」
Weymouth姉妹のキュートなカンジが魅力のリラックス・ムード満点のアフロ・グルーヴ。タイトルそのままの“エレファント”ギターを炸裂させるのはTalking HeadsやKing Crimsonでお馴染みの個性派ギタリストAdrian Belew。以前にも書いたけど、結構僕はAdrian Belew好きだったりする。
「Lorelei」
ニューウェイヴ・ラテン・グルーヴといった趣きのナンバー。「Wordy Rappinghood」、「Genius Of Love」と並ぶ魅力的なダンス・ナンバー。
「On, On, On, On...」
Talking Heads的サウンドとWeymouth姉妹のドシロウト・コーラスのミスマッチなカンジが逆に面白い曲。
「Under The Boardwalk」
CD化に伴うボーナストラック。「渚のボードウォーク」の邦題でお馴染み、The Drifters(「Stand By Me」のBen E.Kingも在籍)の大ヒット曲のカヴァー。
でも、80年代後半の打ち込みサウンドって今聴くと多少厳しいカンジがするものが多いけど、80年代前半の打ち込みは今聴いても全然イケてる気がする。何か不思議だね!