2006年05月21日

Sade『Stronger Than Pride』

ソフィスティケートされた極上UKソウル☆Sade『Stronger Than Pride』
Stronger Than Pride
発表年:1988年
ez的ジャンル:クール&ジャジー&エキゾティックUKソウル
気分は... :♪クールダウン♪

昨日は汗ばむ暑さでしたね。
思わず、ひんやり、さっぱりと久々にそうめんを食しまシタ。

音楽もひんやりクールダウンできる音楽ということでSadeをセレクト。
Sadeは、ナイジェリア生まれのSade Aduを中心とした4人組グループ。デビュー当時、グループではなくSadeという女性シンガーだとずっと勘違いしていた。

振り返ると、1984年のデビュー作『Diamond Life』から数えて発表したオリジナル・アルバムは、『Promise』(1985年)、『Stronger Than Pride』(1988年)、『Love Deluxe』(1992年)、『Lovers Rock』(2000年)のわずか5枚のみ。でも、この5枚はいつでも手元に置いておきたい、極上のUKソウルだ。

Sadeの魅力は、何といっても、Sade Aduのクールでエキゾティックなハスキー・ボイスと、そのボーカルの魅力を最大限に引き出すために、極端に音数の少ないバックが生み出す独自の音空間だ。このグループが生み出すクールネスは、他のグループにはない唯一無二のものだと思いマス。

基本的には、Sadeの作品は全てオススメですが、個人的にSadeがその独自のサウンドを確立したと思っている3rdアルバム『Stronger Than Pride』(1988年)をプッシュしておきマス。。

今でこそ、UKソウルという括りで紹介されるSadeだけど、デビュー作『Diamond Life』の頃はUKソウルという感覚では聴いていなかった。そもそも、その当時UKソウルなんてジャンル名はあまり使われていなかったしね。僕的には、Style CouncilEverything But the Girlあたりと同じ括りのオシャレなUKポップってカンジで聴いていたかな。その名残りで、我が家のCD棚で、Sadeの作品群はR&B/Soulコーナーではなく、UKロックのコーナーに置いてありマス。

『Diamond Life』、『Promise』もオシャレで洗練されたお気に入りの作品だったが、本作『Stronger Than Pride』でSadeにしか生み出せない音世界を確立したんじゃないかと個人的には思いマス。「Love Is Stronger Than Pride」、「Paradise」、「Nothing Can Come Between Us」という3曲のシングル・ヒットを生みまシタ。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Love Is Stronger Than Pride」
この静寂のオープニング・ナンバーを初めて聴いた時、その音数の少なさと、それに反比例するように心に響くボーカルに衝撃を受けた。打ち込みサウンドに、派手なサウンドが主流の時代において、このシンプルな蜃気楼のようなサウンドは際立っていたよね。

「Paradise」
大ヒットしたグループを代表するナンバー。このアルバムは、バハマ、南フランス、パリでレコーディングされたが、まさにカリブの開放感と南フランスのオーガニック感とパリのスタイリッシュさが反映されたような、クールなミディアム・グルーヴ。

「Nothing Can Come Between Us」
清涼感と爽快さに溢れたジンシャーエールのような(?)シングル・ヒット。Sadeほど歌いすぎない、抑えたボーカルがハマる人もいないよね!

「Haunt Me」
アコギのメランコリックな響きが印象的なバラード。愁いのあるハスキーボイスが曲のムードにピッタリですね。

「Keep Looking」
「Give It
パーカッションを前面に出したグルーヴ感が僕好みの2曲。抑えたサウンドのなかでパーカッションのパカポコが実に気持ちイイ。

「Clean Heart」
密かにお気に入りの1曲。なんかとっても落ち着く曲。スタイリッシュな曲なんだけど、僕的には南フランスののんびりした田舎町の情景が浮かんできます。

「I Never Thought I'd See the Day」
独自の音世界を堪能できる曲。とにかく、音の鳴らない空間や音の残響を巧みに使うサウンドに脱帽っす。

本作で独自の世界を築き上げたSadeは、次作『Love Deluxe』(1992年)でその絶頂に達したのではないかと思いマス。
これから暑くなるほど、このサウンドは手放せなくなりますね。
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2006年05月20日

Malo『Malo』

Carlos Santanaの弟Jorgeによる躍動のラテン・ビート☆Malo『Malo』
Malo
発表年:1972年
ez的ジャンル:チカーノ系ラテン・ソウル/ロック
気分は... :アミーゴ☆

最近の僕にとってのメキシカンな話題3つ。

最近久々に奇才Robert Rodriguez監督の映画「デスペラード」を観た。メキシコ国境の町サンタ・セシリアに現れた、一人の黒いギターケースを下げたマリアッチ(ミュージシャン)が麻薬組織のボスに復讐する映画だ。マリアッチを演じるAntonio Banderasがカッチョ良すぎマス。「デスペラード」を含む「エル・マリアッチ」「レジェンド・ オブ・メキシコ/デスペラード」というRodriguez監督のエル・マリアッチ三部作はイイですね☆

今週初め、「ブッシュ米大統領は不法移民対策のために、メキシコ国境警備隊員を最大6,000名増の18,000名体制に強化することを表明」とのニュースを目にした。“アメリカ社会の底辺を支えているのかこうした移民なのに”と支持率低下が著しいブッシュのみえみえの中間選挙対策に冷ややかな視線をおくる僕ですが...

5月15日にW杯出場32チームのメンバー登録が締め切りとなった。その中で第1シード国にも関わらず、登録メンバーを見ても、知らない名前ばかりの謎の強豪国メキシコ。正直、登録23名中所属クラブでのプレーを観たことがあるのは、一昨日欧州No1に輝いたバルセロナ所属の守備の要マルケスと、中田英と同じボルトン所属のエースFWボルヘッティの2人ぐらい。アステカの神の御加護がありそうな不気味なチームだ。

洋楽ファンにとって、メキシコと聞いて思い浮かべるのは、チカーノ・ロックだと思う。
チカーノ(メキシコ系アメリカ人)のロックと聴くと、大抵の人はSantanaと言うことになると思う。それに続くのが前述の「デスペラード」でも音楽を担当したLos Lobosといったカンジかな?

SantanaのリーダーCarlos Santanaは確かにチカーノ・ロックが生んだ最大のスターであり、彼が居なければチカーノ・ロックもここまでポピュラーにならなかったであろう。でも、僕的にSantanaのアルバムを振り返ると、チカーノ・ロックってカンジがするのは1stから3rdアルバムまでかな。あとは“Santana”という独自のジャンルだと思いマス。

AztecaMaloは、Santanaフォロワーのチカーノ・サウンドとして紹介されることが多いグループだ。Aztecaは、Santanaのサポート・メンバーとしても活躍したパーカッション奏者Coke Escovedoを中心に結成されたグループ。Maloは、Carlos Santanaの弟Jorge Santanaをリーダーとして結成されたグループ。

この2つのグループは、Santana以上にラテン・ビートが炸裂するチカーノらしいサウンドを披露しれくれる。彼らにEl Chicanoを加えた3グループこそが、正統派チカーノ・サウンドとして紹介されるべきと思うのですが...

ということで、チカーノ・サウンドの真髄を堪能できるMaloの1st『Malo』デス。
個人的には、チカーノ系のアルバムで一番のお気に入りっす。

このアルバムは、チカーノ・ロックというよりも、チカーノ+ブーガルー、サルサのラテン・ロック/ソウルと呼んだ方がいいかもね!実際、チカーノであるJorge Santana以外は、プエルトリカン、フィリピン人、ニカラグア人といった多国籍軍グループだったので。なんか、70年代前半のサルサ・ブームの火付け役Fania All Starsの大傑作『Live at the Cheetah』あたりと一緒に聴きたくなりマス。

全曲紹介しときやす。

「Pana」
いきなり躍動のラテン・ビート炸裂デス。トランペットのLuis Gascaをはじめとするパワフルなホーンセクションも印象的デス。この曲は映画にもなったFillmore Eastの最終ライブ『フィルモア最後の日』での演奏でも有名ですよね。

「Just Say Goodbye」
目まぐるしい展開が見事なナンバー。メロウなイントロから一転して魅惑のラテン・グルーヴへ☆ヒートアップしたところで、Jorgeのギターが兄貴に負けず唸りマス。“インストナンバーなんだ”なんて思っていると、後半は意表を突かれ、またロマンティックなスローへ戻っていきマス。

「Cafe」
前述の映画エル・マリアッチ・シリーズあたりにピッタリなカンジの曲。多少Santanaの影響が見え隠れしますね。

「Nena」
クラブ系リスナーに大人気のラテン・グルーヴ。アッパーなブーガルー・ダンスのこの曲を聴いて、踊らないわけにはいかなでしょう!英語とスパニッシュのバイリンガル・ボーカルがイイカンジっす。

「Suavecito」
アルバム中一番お気に入りのメロウ・ナンバー。まさに真夏の浜辺で二人夕陽を眺めながら...といったカンジの僕の夏の大定番っす。この曲目当てで本作を購入しまシタ。

「Peace」
アルバム中最もロックしているナンバー。この曲だけは全然ラテンじゃありません。70年代初めの西海岸のロック・グループらしいアプローチですな。

Mako同様にラテン・ソウルなフィーリング溢れるAztecaや、フリーソウルで大人気だったダンス・テイストのCoke Escovedoのソロ作も愛聴盤っす。
Santanaについては改めて紹介しますのでお楽しみに!
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2006年05月19日

Raphael Saadiq『Instant Vintage』

これぞネオ・ソウルのヴィンテージ品☆Raphael Saadiq『Instant Vintage』
Instant Vintage
発表年:2002年
ez的ジャンル:ヴィンテージ・ネオ・ソウル
気分は... :祝バルサ欧州No1☆

UEFAチャンピオンズリーグ決勝「アーセナル対バルセロナ」は、見事バルサの逆転勝利でした。

正直内容はイマイチだったけど、両者の意地のぶつかり合いはなかなか興奮しまシタ。前半にGKレーマンの退場で10人になったアーセナルだったけど、後半30分過ぎまでリードするとは大健闘っす。それにしても、バルサは途中投入のラーションがマーベラスだったね。今シーズン限りでチームを去るけど、最後の最後に大仕事をしてくれました。W杯スウェーデン代表での戦いぶりも楽しみですね。

今回は、元Tony! Toni! Tone!(通称トニーズ)のリーダーRaphael Saadiqの1stソロ『Instant Vintage』デス。

以前にも投稿したように、僕はトニーズのファンだったので、Raphaelのこの1stソロもかなりの期待で購入した記憶がありマス。

当時のRaphaelと言えば、トニーズの活動休止後に元A Tribe Called QuestのAli Shaheed Muhammad、元En VogueのDawn Robinsonと話題のトリオLucy Pearlを結成し、2000年にアルバム『Lucy Pearl』を発表していた。僕的には大好きなATCQTony! Toni! Tone!の合体のようなLucy Pearlがとても気に入っていた。シングルの「Dance Tonight」なんて、ツボのナンバーだったしね。

なので、Lucy Pearlの2ndなんて期待していたんだけど、そんな矢先に発表されたのが『Instant Vintage』(2002年)だった。

このジャケ写真の雰囲気とアルバムからの1stシングル「Be Here」はD'Angeloをフューチャーしていたことなどから、Raphaelの魅力の1つであるスウィート・ソウルなテイストが後退して、もっとリズム重視R&Bのような方向に進むのかな?なんて思ったが、やっぱりRaphaelはRaphaelでした。彼らしいソウル・テイストに溢れたアルバムに仕上がっていマス。

彼自身は、自らのサウンドを“ゴスペルデリック”と呼んでいる。これはゴスペル+ファンカデリック+サイケデリックらしいが、そこにはファンキーで、リアルで、リラックスできるサウンドという意味が込められているようだけど、何かよくわからん(笑)

Raphael本人はネオ・ソウルという呼ばれ方は、あまり歓迎していないようだ。僕的には、本人が否定してもRaphaelほどネオ・ソウルって言葉が似合うアーティストはいないと思うんだけどね。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Doing What I Can」
実にドラマティックで、優雅なストリングスが印象的なオープニング。インスタントでヴィンテージ(意味不明?)な1stソロ・アルバムのイントロダクション的な曲デス。

「Be Here」
前述のD'Angeloフューチャーの1stシングル。D'Angelo色が出た、わりと単純な展開でたたみかける極上クールネスに仕上がってマス。

「Still Ray」
Raphaelらしい哀愁のネオ・ソウルっす。物悲しげなピアノの響きが印象的ですね。

「You're The One I Like」
これは実にTony! Toni! Tone!な曲。『Sons Of Soul』の頃を思い出しマス。

「Excuse Me」
Angie StoneとCalvin Richardsonをフィーチャーした曲。Angieのダイナマイト・ボイスとCalvinのソウルフル・ヴォイスとRaphaelのスウィート・ボイスの絡みがいい感じっす。

「Different Times」
TLCのT-Bozをフィーチャーしたナンバー。TLCに通じるグルーヴィーなミデゥアム・ナンバーに仕上がっていマス。この年はLeft-eyeの交通事故死というTLCにとっては悲運の年でしたよね。この曲もどこか悲しい?

「Tick Tock」
Raphaelならではのコクと深みを感じるネオ・ソウル。ソウルへの愛情がヒシヒシと伝わってくるのがこの人の魅力だと思うな。

「Faithful」
アルバム中一番のお気に入りのファンキー・ナンバー。彼自らが呼ぶ“ゴスペルデリック”というサウンドのイメージに近いカンジがしマス。結構、ストリングスの使い方がカッチョ良いんだよね。

「Uptown」
ネオ・ソウルならではのソウル・バラード。ロマンティックなスウィート・ソウルもRaphaelの得意技ですよね。

「What's Life Like」
Curtis MayfieldIsley Brothersを彷彿させる哀愁グルーヴ。シンプルなバッキングがヤケに決まってマス。

「Skyy, Can You Feel Me」
実に心地良いメロウ&グルーヴ。この曲はCD上は全体で約14分30秒の1つの曲になっているけど、実は3曲構成デス。後半の2曲はボーナストラックorシークレット・トラックっす。でもこの2曲が結構聴きどころだったりしマス。

Raphaelの2ndソロ『Ray Ray』もRaphaelらしい良質のネオ・ソウル・アルバムっす。Tony! Toni! Tone! & Lucy Pearlをフィーチャーした曲や、大好きなTeedra Mosesのフューチャー曲などもあり、お楽しみ満載っす。
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2006年05月18日

Lalo Schifrin『Mission:Impossible』

『M:I:III』よりも『スパイ大作戦』だよね☆Lalo Schifrin『Mission:Impossible』
Music From Mission: Impossible (1966-1973 Television Series)
発表年:1967年
ez的ジャンル:TVサントラ定番クラシック
気分は... :おはようフェルプス君☆

あと数時間後でUEFAチャンピオンズリーグ決勝「アーセナル対バルセロナ」っす。
世間はW杯モード一色ですが、今シーズンのヨーロッパ・サッカーの締めくくるこの大一番を見逃すわけにはいけません。

「アンリ対ロナウジーニョ」のエース対決、「セスク対メッシ」の次世代スーパースター候補対決、W杯登録メンバー最大のサプライズ☆イングランド代表17歳ウォルコットは?等々興味は尽きません。続きはまた明日に...

さて、Tom Cruise主演のシリーズ第三作目『M:I:III』が公開間近ですね(7月公開予定)☆でも、個人的には映画の『M:I』シリーズよりも、アメリカで1966〜1973年に放映されていたオリジナルのTVシリーズの方が遥かに面白いと思いマス。

子供から学生の時分にかけて、何度か日本の民放でもこのTVシリーズを放映していたが、正直断片的な記憶しかなかった。しかし、この5〜6年程でこの全シリーズを通しで2回以上は観ていると思う。

実は、加入しているケーブルTVの海外TVドラマシリーズ専門チャンネルで2年に1回位の割合で毎日このTVシリーズを放送していたのだ。しかも、同じ回を同日再放送するので、同じ回を日に2度観ることも多々あった。そのせいで結構Mission:Impossible通になりまシタ。

そして、このTVシリーズを人気を盛り上げるのに大きく貢献しているのが、TV/映画音楽の巨匠Lalo Schifrinによるあの有名なテーマ曲。このテーマ曲のインパクトは大きく、さすがの『M:I』シリーズもテーマ曲はTVシリーズのものを継承するほかなかった。

テーマ曲以外にもTVシリーズの音楽は実に60分のドラマにマッチし、カッチョ良く、印象深い。そんな音源をまとめたアルバムが『Mission:Impossible』デス。

TVシリーズでは約7年の間に出演メンバーが何度がチェンジしているが、このアルバムのインナーを見ると1967年から1968年までの第2シリーズの以下のメンバー5人が紹介されていマス。*カッコ内は俳優名

 ジム・フェルプス(Peter Graves):IMF(Impossible Mission Force)のリーダー
 ローリン・ハンド(Martin Landau):変装の名人
 シナモン・カーター(Barbara Bain):紅一点、お色気作戦担当(?)
 バーニー・コリア(Greg Morris):作戦に必要な装置を巧みに操るメカの天才
 ウイリー・アーミテージ(Peter Lupus):ムキムキ筋肉の力仕事担当

多分、このメンバーがシリーズ史上最強かもね。次シリーズでローリン・ハンドがLeonard Nimoy(スタートレックのスポック役で有名)演じるパリスに代わるメンバー構成も僕は好きっす。

そんなメンバーの大活躍を盛り上げるサントラは、TVシリーズを知らなくてもメチャ恰好いいし、TVシリーズを観ていると楽しさ倍増ってカンジっす。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Mission: Impossible」
『M:I』シリーズでもお馴染みのテーマ曲。でも、このオリジナルのアレンジがダントツでカッチョ良いよね!CDで聴くと、間奏でのハープシコード、パーカッシヴなグルーヴ感、オーケストラの厚みのあるサウンドがアップしていてサイコーですな。

オープニングでこのテーマ曲と共に流れるタイトルバックがまたオシャレなんだよね。導火線に火が付き、ハイライトシーンのフラッシュが次々と流れ、そして大平透さん(ってわかる?)のナレーションと共に“スパイ大作戦”の日本語タイトルがアップになる。この日本語タイトルがまた味があって好きなんだなぁ。

「Jim on the Move」
多分、ドラマの最初で、ジムがテープで例の“おはようフェルプス君”とミッションを指示される前の移動シーンの音楽だと思いマス。ドラマでは部分的にしか使われていなかったけど、曲全体はとっても、ファンキーなジャズ・ナンバーに仕上がっていマス。

「Operation Charm」
作戦実行前の束の間の休息のような優雅なナンバー。

「The Sniper」
ドラマチックかつスリリングなスパイ・アクションらしいナンバー。シタールが使われていて、エキゾチックな雰囲気もありマス。

「Rollin Hand」
変装の名人ローリン・ハンドのテーマ。演じるMartin Landauは華麗な曲者のイメージがあり、そのキャラが浮かぶ曲デス。

「Cinnamon (The Lady Was Made to Be Loved)」
紅一点のメンバーお色気ムンムンのシナモンのテーマ。そんな彼女の上品なお色気が伝わってくるナンバー。ちなみに、ローリン役のMartin Landauとシナモン役のBarbara Bainは実の夫妻っす。

「Barney Does It All」
装置担当バーニーのテーマ。唯一の黒人メンバーの彼らしく、ソウルフルなテイストも散りばめられたゴージャスな仕上がりっす。

「Wide Willy」
どこから見てもボディビルダーのウィリーのテーマ。パワフルなホーン&オーケストラが印象的な曲デス。各メンバーのテーマものでは、この曲が一番カッチョ良いかも?

「Plot」
「More Mission」
ドラマの最後に、ミッション完了の証として流れる第二テーマ曲とも呼べるエンディング・ナンバー。この曲と共に最後にエグゼクティブ・プロデューサーBruce Gellerの名がクレジットされて60分の番組は終了する。この曲もCDで聴く以上に、グルーヴィーなンナンバーだね。ハープシコードの音色がカッチョ良いっす。

Lalo Schifrinは、本TVシリーズ以外にも『ダーティハリー』シリーズ、『燃えよドラゴン』など数多くの有名サントラを手掛けていますよね。

結構60年代、70年代のサントラも好きなので、ボチボチ紹介していきますね。
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2006年05月17日

Arrested Development『3 Years, 5 Months & 2 Days in the Life Of...』

大地のHip-Hop☆Arrested Development『3 Years, 5 Months & 2 Days in the Life Of...』
3 Years, 5 Months & 2 Days in the Life Of...
発表年:1992年
ez的ジャンル:オーガニック系Hip-Hop
気分は... :土臭いけど知的なHip-Hopだよ〜ん!

とうとうW杯出場32ヶ国の出場メンバーが出揃いましたね!
各国それなりのサプライズもあり、メンバー登録だけでもかなり楽しめました。
登録メンバーを見た限りでは、個人的には本命ブラジル、対抗アルゼンチン、ダークホースでオランダ、スペインってカンジですかね。

ブラジルのロナウド、アドリアーノ、ロナウジーニョ、カカのカルテットに注目が集まるけど、アルゼンチンのメッシ、テベス、リケルメのトリオもぜひ観てみたいなぁ。スペインは先日イチオシしておいた10代プレイヤーのセスクが無事選出されて一安心デス。

今回はArrested Developmentっす。先日、何気に自宅のCD棚のHip-Hopコーナーを眺めていて気付いたのだが、Arrested DevelopmentとそのリーダーSpeechのアルバムを合わせて10枚も持っていた。

実際彼らのオリジナル・アルバムは2枚のみだけど、ライブやリミックス・アルバム、再結成アルバムなんかを小まめにコレクションしていまシタ。さらにシングルCDも数枚あった。多分、僕が他に10枚もアルバム持っているHip-Hopアーティストはいない。まぁ、SpeechのソロはHip-Hopというよりもオーガニック・ソウルのアルバムだけどね。

Arrested Developmentは、ジョージア州アトランタでリーダーのSpeechを中心に結成されたグループ。彼らは単にHip-Hopグループというよりも、ダンサーやスピリチュアル・アドヴァイザーもメンバーに配し、生楽器を多用した演奏や、ライブでは植物や洗濯物を並べた生活感溢れたステージを演出するなど一大パフォーマンス集団と呼んだ方がいいのかもしれない。

そんなArrested Developmentのデビューアルバム『3 Years, 5 Months & 2 Days in the Life Of...』は、全世界で700万枚以上を超す大ヒットを記録し、「Tennessee」、「People Everyday」、「Mr. Wendal」という3曲の全米Top10ヒットを送り込んだ。

とにかく、彼らの作り出したHip-Hopは、当時大流行のギャングスタ・ラップとも、僕の大好きだったDe La SoulA Tribe Called QuestJungle BrothersといったNative Tongues一派の脱力系Hip-Hopとも異なる、新しいタイプのHip-Hopって印象が強かったなぁ。

南部のアーシーで大らかな雰囲気がそのままライムやトラックになった“大地のHip-Hop”ってカンジだったよね。当時はHip-Hopと言えば、“ウエスト”や“イースト”であって、“サウス”なんてなかったもんね。

今でこそアトランタと聞けば、Outkast、Goodie Mob、Cee-Lo、Ludacris、Lil Jonなど数多くのHip-Hoアーティストの名前が思い浮かぶけど、そうした現在のサウス・シーンを代表するHip-HopアーティストとArrested Developmentが全く結び付かないところがまた面白い。

結局、Arrested Developmentは2ndアルバム『Zingalamaduni』(1994年)を発表するが翌1995年には解散し、Speechはソロ活動に入る。

多分、その特異性からコアなHip-HopファンほどArrested Developmentって敬遠される存在だと思うけど、アーシーでオーガニックなHip-Hopの原点として聴けば、今でも十分に楽しめるアルバムだと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Mama's Always on Stage」
Buddy Guy「Snatch It Back and Hold It」ネタのハーモニカがアーシー&ブルージーでいいカンジのトラックに仕上がっている曲。このあたりの野暮ったさが逆に当時は新鮮だったね。Buddy Guyなんて激シブだよなぁ。

「People Everyday」
アルバムからの2ndシングル。タイトルからわかるようにSly & the Family Stone「Everyday People」ネタですが、全体はアーシーで少しラガ・テイストなトラックっす。地元新聞で黒人問題のコラムを書いていたSpeechらしく、アフリカ系アメリカ人の現状を辛辣なメッセージでえぐりマス。ライムには“俺はIce Cubeじゃないんだぜ!”なんて一節もありヤス。

「Mr. Wendal」
これもシングルヒットした軽快なナンバー。陽気でポップな雰囲気と裏腹に人種差別へのシニカルな目メッセージが印象的っす。

「Fishin' 4 Religion」
「Give a Man a Fish」
「U」
実にファンクなトラックがカッチョ良いナンバー3曲。このあたりはSly & the Family StonePrinceに影響を受けている気がしマス。

「Fishin' 4 Religion」は、信仰心の深い南部で、教会への信仰を皮肉ったビミョーなナンバー。Sly & the Family Stone「Stand」の♪ナ・ナ・ナ・ナ〜♪のフレーズなんかも飛び出してきマス。「Give a Man a Fish」はMinnie Riperton「When It Comes Down To It」ネタ。「U」はRamsey Lewis「Mighty Quinn」ネタのピアノループが印象的デス。

「Natural」
Earth,Wind & Fire「Sunshine」ネタのイナたいトラックと、大地のスピリットを感じるライムが彼ららしいナンバー。

「Tennessee」
グループの名を一躍有名にした大ヒット・シングル。Prince「Alphabet Street」ネタのトラックは、まさにオーガニックHip-Hopと呼ぶにふさわしい衝撃的なものでシタ。フィーチャーされているDionne Farrisのボーカルもいいですね。名曲「I Know」を含む彼女のソロ作『Wild Seed-wild Flower』(1994年)も隠れた逸品アルバムですよ!

「Washed Away」
不思議な浮遊感を持ったトラックが印象的なナンバー。The Persuaders「Thin Line Between Love and Hate」ネタ。

Speechのソロ作品は、Hip-Hop/R&Bのメインストリームとは無関係なカンジだけど、個人的にはオススメの作品ばかりっす。特に『Speech』(1996年)、『1998 Hoopla』(1998年)、『Spiritual People』(2000年)は今でも良く聴く愛聴盤っす。
Fugees、Erykah BaduD'Angeloあたりが好きな人にはオススメだと思いマス。
posted by ez at 01:21| Comment(3) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする