2006年05月11日

Alzo & Udine『C'mon And Join Us!』

12弦ギター&コンガが生み出す黄金のワンパターン・フォーキー☆Alzo & Udine『C'mon And Join Us!』
カモン・アンド・ジョイン・アス+2(紙ジャケット仕様)
発表年:1968年
ez的ジャンル:ピースフル・フォーキー
気分は... :黄金のワンパターン\(^ ^)/

サッカー・ファンにとっては、各国の代表23名が続々と発表され興味津々の日々デス。
中でもイングランドの代表発表はかなりのサプライズでしたね。

その中心は何といっても17歳ウォルコットの選出!
ケガにも関わらず選出されたルーニーの話題を忘れてしまうほどの驚きだった。
“ウォルコットって誰!”これが僕の正直な感想だった。

しかも、記事でウォルコットの所属クラブを見るとアーセナルになっている!
アーセナルは大好きなチームで、今シーズンも20試合位はアーセナルの試合を観たが、ウォルコットのプレーを一度も見たことがない。僕的には、今シーズンのプレミア・リーグのTV観戦は、アーセナルよりチェルシー中心だったので、驚異の新星を見逃していたのか...

でも、記事を読み進めるとさらなる驚きが...何とウォルコットはプレミアリーグの出場経験ナシ<(゚∇゚;)>日本で言えば、Jリーグの試合に出たことがJリーガーを代表選出したようなものだ。

それほどウォルコットはスゴイのか!それとも、そんな経験の少ない選手を選ばざるを得ないほどイングランドの選手層は薄いのか?

僕は後者だと思う。だって、代表のエリクソン監督は、直接ウォルコットのプレーを視察したことはなく、ビデオでしかプレーをチェックしていないんでしょ!何かイングランド協会のドタバタぶりが窺えるよね。

僕はイングランドを優勝候補の一角に挙げていたが、今回のメンバー発表で優勝はムリだと思えてきた。ランパード、ジェラード、ジョー・コール、ベッカムのMF4人は世界トップクラスの布陣だし、ファーディナンドとテリーのCBコンビも強力だけど、それ以外のポジションが不安だし、控えの駒があまりに貧弱だよね。う〜ん残念!もっと別の23名の選び方があったように思いマス。

さて、今回は同じサプライズでもウレシイ驚きを僕に与えてくれたアルバムAlzo & Udine『C'mon And Join Us!』っす。

12弦ギターとコンガという異色&謎のデュオAlzo & Udineを知ったのは、大方のAlzo & Udine好きの人と同じくフリーソウルのコンピ『Free Soul Lights』っす。このアルバムに収録された「Hey Hey Hey She's O.K.」を聴いて、一撃必殺でO.KならぬK.Oされた。

この「Hey Hey Hey She's O.k.」を含む本作『C'mon And Join Us!』はAlzo & Udineの唯一のアルバム。

まず驚かされたのは、このアルバムが1960年代(1968年)に制作されたということ。僕はてっきり1970年代のアルバムだと思っていまシタ。まだ、サイケデリックでヒッピー・ムーヴメントな60年代後半に、80年代のネオアコを先取りしたようなアルバムを作っていたんだからね。

爽やかで、グルーヴィーなフォーキー・サウンドという意味では、以前に紹介したThe Fifth Avenue Bandに通じるものがあると思いマス。
これから夏にかけてピッタリのアルバムですよ!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Something Going」
Alzo & Udineの魅力である、Alzoの涼しげなギター、Udineの軽快なコンガ、胸キュンのコーラスを堪能できるオープニング。夕方、海を眺めながら浜辺で聴きたくなる曲。

「Hey Hey Hey She's O.K.」
ホント、ミラクルなフリーソウル・クラシック。このフォーキー・ナンバーに僕はゾッコン惚れてマス(*^ ^*)どんな状況でもこの1曲聴いただけで幸せ気分ですね♪ヘイ・ヘイ・へ〜イ♪コーネリアス「パーフェクト・レインボウ」にインスピレーションを与えた曲としても有名ですよね。

「Rain」
「I Can't Belive It」
正直、「Something Going」、「Hey Hey Hey She's O.K.」そして「Rain」、「I Can't Belive It」は同じパターンの曲の4連発なんだけど、僕的には全然OKっす。アルバム全曲この黄金のワンパターンで構わないくらいっす。「Rain」はアレンジやテンポの緩急が特徴のナンバー。「I Can't Belive It」は、少しテンポアップして、よりグルーヴィーな仕上がりになってマス。

「Want Your Love」
5曲目でやっと別パターンの曲(笑)この曲はバロック調ソフト・ロックといった趣の哀愁ナンバー。チェンバロ&ストリングスにコンガが絡むところがこのアルバムらしいっす。

「This Room」
黄金のワンパターン以外では一番のお気に入りのナンバー。とってもロマンティックでステキな曲。

「You've Got Me Going」
黄金のワンパターンのフォーキー強めバージョンといった仕上がり。

「Define」
彼らのファルセット・コーラスを堪能できる、Love,Love,Loveなナンバー。

「C'mon & Join Us! 」
黄金のワンパターンのソウルフル・バージョンといったカンジのタイトル曲。Archie Bell & The Drells「Tighten Up」あたりとの相性が良さそうだね。

日本でのAlzo & Udine人気の高まりは、2003年末にAlzoの1stソロ『Alzo』(1972年)のCD化をもたらした。しかし、その数ヵ月後にAlzo本人が心臓発作で他界するという悲報が飛び込んできました。残念な限りデス。その後幻の2ndソロ『Takin' So Long』(1973年)もCD化されていマス。
posted by ez at 01:19| Comment(5) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月10日

Janet Jackson『Rhythm Nation 1814』

Jam & Lewisの健在ぶりを示した大ヒット・アルバム☆Janet Jackson『Rhythm Nation 1814』
Rhythm Nation 1814
発表年:1989年
ez的ジャンル:Jam & Lewis系エレクトリック・ダンス
気分は... :Jam & Lewisサウンドの完成形☆

久々に大好きなJam & Lewis(Jimmy Jam & Terry Lewis)プロデュース作品を!
ということで、今さら説明不要のJanet Jacksonの大ヒット作『Rhythm Nation 1814』デス。やっぱりJam & Lewisを聴くと一番ハートが高ぶりますね。

本ブログで何度も書いてきた通り、僕にとっての最高のJam & Lewisプロデュース作品はS.O.S Bandの『On The Rise』(1983年)、『Just The Way You Like It』(1984年)、『Sands Of Time』(1986年)の3枚だ。

でも、都会的なクールネス&メロウネスを兼ね備えた独特のエレクトリック・ダンス・サウンドの完成形ということになれば、Janet Jackson『Rhythm Nation 1814』Karyn White『Ritual of Love』だと思う。

Janet JacksonとJam & Lewisのタッグによる『Rhythm Nation 1814』は、前作『Control』(1986年)に続くもの。『Control』からは、『Control』は、「What Have You Done For Me Lately」(全米4位) 、「Nasty」(全米3位) 、「When I Think Of You」(全米1位) 、「Control」(全米5位) 、「Let's Wait A While」 (全米2位) は5曲の大ヒット・シングルが生まれ、Janet JacksonおよびJam & Lewisを一気にブレイクさせやシタ。

そうした大ヒット・アルバムに続く作品ということで、かなりのプレッシャーの中で制作された作品がこの『Rhythm Nation 1814』だったと思います。しかし、結果として前作を凌ぐ大ヒットとなり、商業的にも最も成功を収めたJam & Lewisプロデュース作として名を残すことになりまシタ。

何たって、「Miss You Much」、「Rythm Nation」、「Escapade」、「Alright」、「Come Back To Me」、「Black Cat」、 「Love Will Never Do (Without You)」 といった7曲の全米Top5ヒットを生み、そのうち4曲がNo1ヒット。

この頃のJam & Lewisは、前年に出たNew Edition『Heart Break』以外は、やや地味目のプロデュース作が続いていた。また、世間ではTeddy Riley率いるGuyを初めとするNew Jack Swing(NJS)が大ブレイク中で僕もそっち方向にかなり気持ちが傾いていた。しかし、このアルバムの大ヒットで、やっぱり僕はJam & Lewis好きなんだと納得したのでシタ。

オススメ曲を紹介しときやす。シングル7曲のテンコ盛り状態ですね。

「Miss You Much」
アルバムからの1stシングル(全米1位)。Jam & Lewisらしい硬質な打ち込みサウンドがズシリと響くダンス・ナンバー。この重いビートで一気に押し切られてしまいマス。

「Rhythm Nation」
アルバムからの2ndシングル(全米2位)となったタイトル曲。Jam & Lewis独特のどこか近未来チックなファンク・サウンド全開のナンバー。ちなみにバックコーラスで参加しているLisa KeithはJam & Lewisお抱えの女性シンガー&ライター。彼女のソロ作『Walkin' In The Sun』(1993年)も大好きな Jam & Lewisプロデュース作品っす。

「Escapade」
アルバムからの3rdシングル(全米1位)。Janetのキュートなカンジがうまく引き出されているポップ・ダンス・チューン。シングル曲の中ではこの曲が一番好きだななぁ。ハンドクラップしながら、♪レッツ・ゴ〜ッ♪Es・ca・pade♪we'll have a good time〜♪と口ずさんでしまいマス。

この曲は、当時JALのCM曲で使われていましたよね。確かJanet本人と当時サッカー界のスーパースターだったACミラン所属・オランダ代表グーリット(当時はフリットって日本語表記だったかも?)が出演していたと思いマス。

「Alright」
アルバムからの4thシングル(全米4位)。僕的には、同じくJam & Lewisによる大ヒット曲Karyn White「Way I Feel About You」あたりと一緒に聴きたい気分のナンバー。

「Come Back to Me」
アルバムからの5thシングル(全米2位)。Jam & Lewisのもう1つの魅力である絶品スロー。この胸キュンの打ち込みサウンドは誰にも真似できない彼ら独自のものですな。Janetの声質もこのメロメロ・サウンドにピッタリっす!

「Black Cat」
アルバムからの6thシングル(全米1位)。こうしたロック色を強調したナンバーでアクセントをつけるあたりは、マーケティング的にもよく考えられていますね。TimeファンにはウレシイJesse Johnsonのギターがカッチョ良いっす。

「Love Will Never Do (Without You)」
アルバムからの7thシングル(全米1位)。少しリラックス気分のミディアム・ナンバー。それにしても、7曲目のシングルカットで全米1位なんて信じられないよねっ!

「State of the World」
シングル曲以外にもいい曲揃ってマス。僕の一番のお気に入りはこの曲。Jam & Lewis好きならば、思わずニンマリするキャッチーなファンク・チューン。僕ならば、迷わずこの曲をシングルカットしたと思いマス。

「Livin' in a World (They Didn't Make)」
打ち込み中心のサウンドの中でアコースティックな雰囲気がホッとするバラード。

「Lonely」
Jam & Lewisの原点とも呼べるS.O.S Bandの名曲「Tell Me If You Still Care」を彷彿させる絶品スロー。「Tell Me If You Still Care」は以前にMonicaのカヴァーを紹介しましたね。

Jam & Lewis好きならば、本当は『Janete』(1993年)以降の作品もプロデュースしているのでご執心になるべきなんだけど、なぜだかそれほど思い入れはありません。僕的にはJam & LewisとJanetのタッグは『Control』、『Rhythm Nation 1814』の2枚が全てというカンジっす。何故なんだろうね?

正直Janet Jacksonには、それほど興味がないからなのかなぁ。そう言えば、一昨年のスーパーボウルのハーフタイムショーでの例のポロリ事件はかなりドン引きで観ていまシタ(¬_¬)
posted by ez at 00:21| Comment(5) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月09日

Sonny Rollins『Sonny Rollins Vol.2』

最強布陣によるハード・バップ☆Sonny Rollins『Sonny Rollins Vol.2』
Sonny Rollins, Vol. 2
録音年:1957年
ez的ジャンル:最強布陣ハードバップ系Jazz
気分は... :男の世界...

僕がイメージするジャズは、無骨で男臭いジャズだ。
本作Sonny Rollins『Sonny Rollins Vol.2』はそんなジャズを堪能できるアルバムっす。きっと、ジャズ初心者の方がジャズの熱気を感じるには絶好の作品だと思いマス。

社会人になってからJazzを本格的に聴くようになったが、その時最初に聴いたのが、1950年代後半あたりのMiles DavisJohn Coltrane、Art Blakey、Bill Evans、そしてSonny Rollinsらの作品だった。これらは主に“ハード・バップ”あるいは初期の“モード・ジャズ”だ。ビ・バップをさらにハードでホットにしたジャズ・スタイルであるハード・バップは、僕的には一番ジャズのイメージに近いジャズ(意味の不明の表現かな?)デス。

テナー・サックスの巨人Sonny Rollinsは、そんなハード・バップ期のプレイヤーの中で、“ハード・バップ”という形容詞がとても似合う人だと個人的には思いマス。

僕がSonny Rollinsの演奏を初めて聴いたのは、The Rolling Stonesの80年代の代表作『Tattoo You』(1981年)からのシングルヒット「Waiting On A Friend」だった。とてもリラックスした雰囲気のこのナンバーで、ゲスト参加のRollinsはとても印象に残る豪快なブロウを披露してくれている。

一般的なRollinsの代表作と言えば、カリプソ・フレイヴァーの人気曲「St. Thomas」を含む不滅の名盤『Saxophone Colossus』(1956年)、ピアノレスのトリオによる奔放な演奏が印象的な『Way Out West 』(1957年)、ビレッジバンガードでの歴史的初ライブ録音『A Night At The Village Vanguard 』(1957年)あたりになるのかな。

でも、僕が一番好きなRollins作品は今回紹介する『Sonny Rollins Vol.2』デス。この作品は、先日の『GW特別企画☆どっちのジャケット・ショー!本物はどっち?』の記事でも、Joe Jackson『Body & Soul』(1984年)がこのジャケをモチーフにしていることで紹介しましたよね。

このジャケ写真は、Joe Jacksonが真似したくなるのも納得できるほど、ハード・バップのイメージにピッタリだと思う。そして、ジャケ写真のみならず、演奏もハード・バップの雰囲気を堪能できる内容になっていマ〜ス。

この作品の目玉の1つは、その布陣の豪華さっす。Sonny Rollins(ts)を筆頭に、トロンボーンの不動の第一人者J.J.Johnson(tb)、ジャズ史上最も個性的なプレイヤーThelonious Monk(p)、ファンキージャズの教祖Horace Silver(p)、Milesのグループでお馴染みPaul Chambers(b)、そして、ハード・バップ・ゴッドファーザーArt Blakey(ds)という最強メンツ。これで悪いはずがありません!

全曲紹介しときやす。

「Why Don't I」
軽快なオープニング・ナンバー。ジャズの曲って難しいイメージがあるかもしれませんが、とってもキャッチーで初心者でも楽しめるナンバーっす。Rollinsのソロがカッチョ良いのですが、後半のソロで入りのタイミングを間違えているというのが定説らしいっす。僕にはわかりませんが。でも、それをそのままレコードにしちゃうのがジャズらしいね。

「Wail March」
タイトルとは裏腹に、陽気な行進曲。ここではJ.J.Johnsonのトロンボーンがマーチの雰囲気にピッタリっす。これにSilverとBlakeyというファンキー・コンビが加わり、徐々にヒートアップしていくカンジがいいですな。

「Misterioso」
Thelonious Monkの作品。Monk自身のリーダー作『Misterioso』(1958年)も有名ですよね。Monkらしいまさにミステリアスな曲ですね。特に冒頭のどことなく調子っぱずれなカンジがMonkらしくで大好きデス。ここでは、何とMonkとSilverが1台のピアノを連弾していマス。前半のMonkと後半のSilverの演奏を聴き比べるのも面白いかもしれませんね。Monkへの配慮か、SilverやRollinsの演奏が抑え目なカンジなのが面白いですけど。

「Reflections」
これもMonk作品。こちらはブルージーなしっとりとした雰囲気のバラードっす。Monkのピアノが独特のムードを醸し出し、そこに絡むRollinsのサックスとの微妙なバランスが聴き応え十分デス。

「You Stepped Out Of A Dream」
スタンダード・ナンバーをハード・バップらしい演奏で聴かせマス。各々のソロがみんなカッチョ良いですな。このメンツの中でやや地味なChambersも存在感出してマス。

「Poor Butterfly」
ラストは哀愁バラード。切ないムードだけど、あんまり湿っぽくなりずぎないのがイイカンジですね。

本作や前述の代表作3作品がオススメですが、それ以外だとRollinsのかつてのニックネーム“Newk's”をタイトルにした『Newk's Time』(1958年)も僕の愛聴盤です。何でも、当時の大リーグのチーム、ブルックリン・ドジャーズの投手に似ていることから、このニックネームがついたらしいとか。
posted by ez at 01:37| Comment(2) | TrackBack(0) | 1950年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月08日

Exit 9『Straight Up』

ヤングパワー炸裂!熱気ムンムンのファンク☆Exit 9『Straight Up』
ストレイト・アップ(紙ジャケット仕様)
発表年:1975年
ez的ジャンル:未成年系大所帯ファンク
気分は... :ヤングパワー大爆発!

そろそろ、サッカーW杯の各国メンバー発表が近づいてきました。
お気に入りの選手が代表入りできるかが注目ですな。僕的には、W杯で次世代スーパースターのプレーを観たい思いが強いですね。そんな中で注目しているのが二人の10代プレイヤー、メッシ(アルゼンチン)とセスク(スペイン)っす。

メッシは、先のアルゼンチンの第1次メンバー発表16名に入っていたので一安心。あとはケガの完治を祈るのみデス。セスクも5/5発表のスペイン代表候補27名に残っていたので、何とか入れそうかなぁ。

この二人は5/17にUEFAチャンピオンズリーグ決勝「アーセナル対バルセロナ」で激突っす。メッシ(バルセロナ)はケガで出場が微妙ですが、セスク(アーセナル)には活躍して欲しいっす。

ところでイングランドはルーニーのケガが気になりますね。特別好きな選手じゃないけど、彼抜きのイングランドは考えられません。奇跡が起きてメンバー入りし、W杯のピッチに立っいることを願うばかりです。

さて、今回は脅威の若手ファンク・グループ(だった)Exit 9の紹介デス。
Exit 9『Straight Up』は、レア・グルーヴのムーブメントの中で再評価されたアルバム。

Exit 9は、(多分)東海岸出身の9人組ファンク・バンド。このグループが発表したアルバムは本作『Straight Up』の1枚のみ。詳しくは知らないけど、多分全然売れなかったアルバムなんだろうね。でも、そんな幻の作品がレア・グルーヴのムーブメントの中で発掘され、クラブ系リスナーに大歓迎を受けた。

僕がExit 9を知ったのは、フリーソウルのコンピ『Free Soul.the classic of Brunswick』。名前の通りこのコンピはソウルレーベルの老舗Brunswickの作品集っす。少し脱線すると、このコンピの1曲目に収録されたBarbara Acklin「Am I the Same Girl」という曲がメチャ好きっす(Swing Out Sisterがカヴァーが有名ですね)。

Brunswickと言えば、Chi-Lites、Directionsといったソウルのイメージが強いし、このコンピも躍動感のあるソウル・ナンバーが中心なのだが、その中で、ひときわ元気なファンキー・チューンで目立っていたのがExit 9だった。ということで、Exit 9の唯一のアルバム『Straight Up』はBrunswickから発表されたものデス。

アルバム全体の印象は、とにかく熱気ムンムンのファンキー・グルーヴのオンパレードとってカンジですな。クラブ系リスナーが熱狂するはずですわな。そして、驚かされるのが、このゴキゲンな演奏を繰り広げたメンバーはこの作品発表時16歳〜20歳だということ。メンバーの大半が未成年だったんですね。それにしても、その若さでこの演奏は信じられませんね!<(゚∀゚;)>

ジャケ写真のイメージがそのままサウンドになったカンジのアルバムです。
メンバーが写真からそのまま飛び出して演奏してくれそうですよね!
初期のKool & the Gangあたりが好きな人は気に入るのではと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Jive man」
いきなりヤングパワー大爆発のノリノリのファンク・チューンでスタート。僕の一番のお気に入りナンバーっす。Doobie Brothersの名曲「Long Train Runnin'」を超ファンキー・グルーヴにしたカンジかも?

「Straight up」
さらにたたみ掛けるように2曲目も「Jive man」同様のファンキー・グルーヴ。間奏のホーンセクションがどことなくKC & the Sunshine Band「That's the Way (I Like It)」を思い出させマス。

「Julie I love you」
ノリノリの2曲は、小ブレイクでロマンティックなスロー。ファンク・グループのバラードにヤラれやすい僕としては、このギャップ感がいいですな。

「Fly」
前述の『Free Soul.the classic of Brunswick』に収録されていた人気ナンバー。ホーンセクションのフレーズがとっても印象的っす。あとパーカッション大好きの僕としては、コンガがパカパカ鳴りまくりなのがウレシイ限りっす。

「Miss funky fox」
最初の10秒のカッチョ良さでノックアウトされるファンク・ナンバー。♪Miss!funky!fox!♪ってコーラスがやたら気合い入っていて好きデス。

「Thoughts of you」
驚きの絶品スロー。エレピの音色がとってもメロウでいいカンジっす。甘〜いメロメロ・ボーカルもたまりませ〜ん。

「I love you! I love you completely」
ホーンセクション大活躍のファンキー・チューン。ラテン・フレイヴァーも加わり、熱気を高めてくれマス。

「M.F.B」
スリリングなグルーヴ感が魅力のファンキー・チューン。「Jive man」と並ぶお気に入り曲デス。

恐るべしヤングパワー!そしてこんな才能を持つグループが1枚しかアルバムを発表できないのがアメリカの音楽業界なのか...
posted by ez at 01:05| Comment(2) | TrackBack(1) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月07日

Jurassic 5『Quality Control』

LAの元気印6人組によるXXHip-Hop☆Jurassic 5『Quality Control』
Quality Control
発表年:2000年
ez的ジャンル:ハッピー系元気印Hip-Hop
気分は... :ヤル気、元気、●●気???

僕のお気に入りHip-Hopアーティストは、本ブログで扱ってきたようにA Tribe Called QuestDe La SoulJungle BrothersPharcydeといったユーモアたっぷり、ハッピーで楽しく、おとぼけ系のアーティストだ。Jurassic5もそんな流れを汲むHip-Hopグループですよね。

Jurassic 5は、1995年に結成されたLAをベースとするHip-Hopグループ。メンバーは、Chali 2Na、Akil 、Zaakir 、Marc 7evenのMC4人とCut Chemist、Nu-MarkのDJ2人から成る6人編成。僕はグループ名からずっと5人組だと思っていまシタ。本作のジャケット見れば、一発で6人組だってわかるのにね。ジャケ好きの僕ですが、CD時代になってから、ジャケをしっかり眺めることが少なくなっているのかも?

デビュー・ミニ・アルバム『Jurassic 5 EP』(1997年)でJurassic 5が一発で気に入ったね(その後曲を追加して『Jurassic 5 LP』としてリリース)。特に「Jayou」は今でもよく聴く超お気に入りの曲だ。ちょうど同じ西海岸出身のPharcydeが2ndアルバム『Labcabincalifornia』(1995年)をリリース後ご無沙汰状態だったので、その空白を埋めてくれるように登場してきたのがPharcydeと同じ肌触りを持つJurassic 5だった。

元気でハッピーなHip-Hopという点でJurassic 5はPharcydeと同様であるが、Jurassic 5がPharcydeと大きく異なる点は、とってもオールドスクール的なノリを持ったグループである点かもね。Pharcydeが変化球で勝負するタイプなら、Jurassic 5は案外直球勝負ってカンジかも?

今回紹介する『Quality Control』(2000年)は、メジャー第1作。「Quality Control」、「Improvise」、「Swing Set」といった名曲が収録されていマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「The Influence」
Hi-Lo's「Some Minor Changes」ネタのドゥーワップ・ノリのトラックが何ともスカッとするナンバー。♪パッパ〜パ♪

「Great Expectations」
これも直球ノリのストレートなナンバーだね。パーカッシブなグルーヴが僕の好みっす。Larry Coryell「The Great Escape」ネタ。

「Quality Control」
「Lausd」
シンプルだけど、重心の低いグルーヴのトラックと、マイクリレーの楽しさを満喫できるナンバー2曲。「Quality Control」は、Trinikas「Remember Me」 、Blowfly「One Less Dick」ネタ。「Lausd」は、Cold Blood「I Just Want To Make Love To You」、Brian Auger's Oblivion Express「john Brown's Body」ネタ。

「W.O.E. Is Me (World of Entertainment)」
ジャスファンクなトラックと涼しげなマイクリレーの実にマッチしたナンバー。かなりお気に入りの曲デス。Thomas Clausen「Bio Rhythm #9」ネタ。

「Monkey Bars」
とってもパーカッシブでアイランドなカンジなトラックが気持ちイイ曲。Rufus feat.Chaka Khan「Somebody's Watching You」ネタ。

「Jurass Finish First」
ノスタルジックなムード漂うナンバー。なんかセピア色の映像が思い浮かぶね。Shelly Manne「Flip」ネタ。

「Twelve」
彼らのマイクリレーのカッチョ良さを最も堪能できるナンバーかも?

「Improvise」
かつてNikeのCMにも使われていた本アルバムの目玉曲。「Jayou」と並ぶ僕のJurassic 5お気に入り曲。彼らのユニゾンでのラップって何ともカッチョ良いねぇ。Quincy Jones 「The Hot Rock」ネタ。

「Swing Set」
Jazz系DJに人気のナンバー。スウィンギーなトラックに、ヤンチャなMCが絡む実に華やかなムードが楽しくてオシャレですな。タップのリズムも実に気が効いているよね。ある意味アルバム中最もJurassic 5らしい曲かも?Sandy Nelson「Big Noise from Winnetka」ネタ。

何と『Power in Numbers』(2002年)以来の久々の新作『Feedback』が6月に発売される予定らしいっす。楽しみですね!彼らには永遠のヤンチャ坊主でいて欲しいね。
posted by ez at 01:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。