2006年05月29日

Curtis Mayfield『Superfly』

ニューソウルの旗手による究極のブラック・ムービー・サントラ☆Curtis Mayfield『Superfly』
Superfly (1972 Film)
発表年:1972年
ez的ジャンル:ブラック・ムービー系ニューソウル
気分は... :お見通しだぜぃ!

Curtis Mayfieldを紹介するのは『Curtis/Live!』に続き2回目っす。

『Curtis/Live!』は、究極のライブアルバムとしてを紹介しましたが、今回は究極のブラック・ムービー系サントラ『Superfly』(1972年)デス。この作品をCurtisの最高傑作として推す人も多いのでは?僕もこの作品がCurtisとの出会いでシタ。

『Superfly』は、Curtisのアルバムであると同時に同名映画のサントラでもある。映画『Superfly』は、Ron O'Neal演じる麻薬売人(プッシャーマン)プリーストをめぐるストーリーを描いたアクション・ムービーであり、Issac Hayesが音楽を手掛けた『Shaft(黒いジャガー)』と共に、当時のブラック・ムービー・ブームを代表する作品である。

映画自体はいわゆるB級アクション・ムービーだが、この黒人社会の現実を描いた映画が、Curtis Mayfieldという黒人としての自覚を常に訴えかけてきたニューソウルの旗手と結びつき、映画&音楽『Superfly』というとてつもないブラック・パワーとして結実した点に大きな意義があると思う。

サウンドの方も他のCurtis作品以上と比較して、実にパワフルでスリリングだし、何よりパーカッション大好きの僕としては、強烈なパーカッシヴ・サウンドを堪能できるのが何よりウレシイっす。

この作品からは、「Superfly」、「Freddie's Dead」という大ヒットが生まれ、アルバムも大ヒットした。何よりも、本作がR&Bチャートのみならず、ポップチャートでも大ヒットしたという点が実に興味深いデス。まさに、ブラック・パワーの台頭を象徴する作品なのではと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Little Child Runnin' Wild」
オルガンとコンガが絡む絶妙のイントロ、スリリングなストリングス、ブルージーなサックスで、これから始まる不穏なストーリーの幕開けを告げる。Ludacris「Two Miles An Hour」等の元ネタ。

「Pusherman」
映画の中でCurtis自らがクラブで歌うシーンで使われているナンバー。ヤバさのニオイがプンプンするスリリングな曲。カッチョ良さではアルバム中1、2位を争うのではないかと思いマス。ラテン・テイストのパーカッションが何ともたまりません。Ice-T「I'm Your Pusher」ネタ

「Freddie's Dead」
シングルヒットしたファンク・チューン。♪ヘイ・ヘイ♪ロード・ロード♪Curtis流ファンク全開っす。

本ブログでも紹介したFishboneはじめFrank Owens、The Black Motion Picture Experience、Superdudes等の数多くのアーティストにカヴァーされていますよね。また、Brand Nubian「Gang Bang」、Gang Starr「Gusto」、Master P「Kenny's Dead」、Smoothe Da Hustler「Hustler's Theme」等の元ネタとしても有名ですね。

「Give Me Your Love」
映画の中では官能シーンで使われている、無償の愛を求める切ないラブソング。

この曲もBarbara Mason、Sisters Love、Funk Inc.、Queen Latifah等のカヴァーが多数存在しますね。サンプリング・ネタとしてもMary J. Blige「I'm the Only Woman」Digable Planets「Nickel Bags」Pete Rock & C.L.Smooth「Shine On Me」、EPMD「Can't Hear Nothing but the Music」等大活躍ですね。

「No Thing on Me」
アルバムの中では地味な存在だけど、実は大好きな曲。とっても軽快なミディアム・グルーヴ。スリリングな曲が多い中で、この穏やかさにホッとします。実際は、ドラッグでハイな気分を歌ったあぶない歌詞なんだけね。

「Superfly」
最後は、Curtisを代表する大ヒット・タイトル・チューン。映画でもエンディングで流れていまシタ。今さら説明不要の名曲ですが、何度聴いてもスリリング&ファンキーな気分になりますな。

Beastie Boys「Egg Man」、Nelly Feat.Christina Aguilera「Tilt Ya Head Back」、The Notorious B.I.G.「Ready to Die Intro」等の元ネタ。また、Blow Monkeys、Young Holt Unlimited等がカヴァーしています。Curtis自身もIce-Tを伴って「Superfly 1990」としてリメイクしていますね。

本作でその独自のファンク・サウンドを確立したCurtisは、その後『Back To The World』(1973年)、『There's No Place Like America』(1975年)と、よりメッセージに重き、アメリカ社会の闇に鋭くメスを入れた傑作を発表していく...

Curtisは他にもお気に入り作品が多数あるので、これからも紹介していきますね。
posted by ez at 01:43| Comment(4) | TrackBack(2) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする