2006年06月20日

Bill Evans Trio『Waltz For Debby』

ジャズ史上に残るピアノ・トリオによるロマンティックなライブ録音☆Bill Evans Trio『Waltz For Debby』
Waltz for Debby
録音年:1961年
ez的ジャンル:絶品インタープレイ系ピアノ・トリオ・ジャズ
気分は... :アロマな気分o(*^o^*)o

最近、縁あってアロマテラピー検定試験というものを受験し、合格したので、せっかくだからアロマーな生活でも送ろうと思っていマス。

野郎しかもオヤジの分際でアロマなんてキモイと思っている人もいるでしょ?
でも、人の心身の癒しを科学するという意味では、アロマテラピーは結構面白かったりする。あとは女性とコミュニケーションするためのネタが増えた!って喜んでいるのはオヤジ発想か( ̄◇ ̄;)

さて、今回は繊細なピアノタッチでアロマテラピー同様に人の心を癒してくれるジャズ・ピアニストBill Evansっす。

最も大好きなジャズ・ピアニストBill Evansの作品は、本ブログを立ち上げて間もない頃にピアノ・ソロ作品『Alone』(1968年)を紹介しまシタ。

個人的には『Alone』を聴く頻度が一番多いんだけど、でもBill Evansと言えば、定番はピアノ・トリオによる作品ですよね。特に、帝王Miles Davisのグループ在籍後の1959年に結成したScott LaFaro(b)、Paul Motian(ds)とのトリオは、ジャズ史上に語り継がれる黄金トリオとして名高いですよね。

一般には、このトリオの魅力と言えば、そのインタープレイの見事さということになる。確かに、それまでのピアノをサポートするベース/ドラムといった主従関係ではなく、ピアノ、ベース、ドラムが三位一体となって互いに影響し合う演奏は、楽器を弾けない僕のような素人耳にも実に息の合ったきめ細やかな演奏に聴こえる。

実際、このトリオによる『Portrait In Jazz』(1959年)、『Explorations』(1961年)、『Sunday At The Village Vanguard』(1961年)、『Waltz For Debby』(1961年)あたりをEvansのベストに挙げる人は多いのでは?

そんな黄金期の作品の中から『Waltz For Debby』(1961年)をセレクト。

この作品は1961年6月にニューヨークの名門ジャズクラブVillage Vanguardにおけるライブ録音。ちなみに『Sunday At The Village Vanguard』(1961年)も同じ日のライブ録音っす。スタンダード曲を中心としたスロー、ミディアム中心の構成は、このトリオの作品の中でも最もロマンティックなムードに溢れており、そのあたりが僕好みっす。

悲しいことに、このライブ録音の直後にベースのScott LaFaroが自動車事故で死亡してしまい、黄金トリオはその幕を閉じることになる。その意味では、黄金トリオの最高のライブ演奏を聴ける貴重な作品と言えるのでは?

全曲紹介しときやす。

「My Foolish Heart」
オープニングは実にロマンティックなスタンダード・ナンバー。オリジナルは作詞Ned Washinton、作曲Victor Youngによる映画『My Foolish Heart』(1949年)の主題歌。Evansのリリカルなピアノにただただウットリするのみ。繊細なカンジがたまりませんな。

「Waltz for Debby」
Evansが彼の姪に贈った、極上に可愛らしいワルツ。この曲や『Sunday At The Village Vanguard』収録の「Alice in Wonderland(不思議な国のアリス)」を聴いていると、童心に戻れるカンジがいいねぇ!CD化の際に別テイクが追加。

メンバーが異なりますが、Bill Evans Trioとスウェーデンの歌姫Monica Zetterlundとの共演作『Waltz For Debby』における歌入りヴァージョンもグッときヤス!

「Detour Ahead」
邦題「恋の回り道」で知られるLou Carter/Herb Ellis/John Freigo作曲によるスタンダード。ホント、このトリオの演奏って、静寂の中に日本人的なわび・さびの感覚やあうんの呼吸ってやつを感じヤス。この曲もCD化の際に別テイクが追加。

「My Romance」
お馴染みRichard Rodgers作曲によるスタンダード。オリジナルはミュージカル『Jumbo』の主題歌。このトリオの代名詞とも言うべきインタープレイの妙を堪能できマス。この曲もCD化の際に別テイクが追加。

あと、このスタンダード曲については、個人的には笠井紀美子さんのバージョン(アルバム『My One and Only Love』収録)が好きでよく聴いていたなぁ。

「Some Other Time」
巨匠Leonard Bernsteinによるスタンダード。この曲も含めて、Evansのリリカルなピアノを聴いていると、鎌倉へ寺巡りでもしたくなる情動に駆られる。ちょうどあじさいの時期だし、明月院なんかピッタリだね。

「Milestones」
本ブログでも紹介したMiles Davisのお馴染みスタンダード。Miles Davisの演奏を聴き慣れている僕にとっては、このトリオによる演奏は実に新鮮だし、モーダルでスタイリッシュですな。この曲はCD化に際してのボーナス・トラックです。

「Porgy (I Loves You, Porgy) 」
皆さんご存知のGeorge Gershwin作曲のスタンダード。この曲もCD化に際してのボーナス・トラックです。

本作に興味のある方は、姉妹盤『Sunday At The Village Vanguard』もどうぞ!同じ時のライブ録音ですが、こちらは亡くなったScott LaFaroをより大きくフューチャーした内容になっていマス。
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2006年06月19日

A Tribe Called Quest『The Low End Theory』

Hip-Hopのジャズ的アプローチを明示した金字塔的アルバム☆A Tribe Called Quest『The Low End Theory』
The Low End Theory
発表年:1991年
ez的ジャンル:Jazzy系Hip-Hop
気分は... :E組が面白い!

先ほどクロアチア戦終了。
引き分けの瞬間、手を叩いて喜んでいる(アホな)日本人の女性サポーターの姿が実に印象的だったね。

これで日本のグループリーグ敗退はほぼ決定的であろう。でも、日本は決勝トーナメント進出に値するサッカーはしていないから、この結果はわりと冷静に受け止められる。ブラジル戦は過度の期待をせず、世界最強チームに日本のサッカーがどの程度通用するのかを楽しんで観戦したいと思いマス。

それよりも日本が属するF組が決勝トーナメント1回戦で当たるE組(イタリア、チェコ、アメリカ、ガーナ)の大混戦ぶりが面白い。この組のレベルの高さを観れば、日本のグループリーグ敗退は当然の結果だと思う。

特に、昨日期待のコメントをしたガーナが強豪チェコ相手に鮮やかな勝利を飾ったのは嬉しかったね。個人的には、イタリア、ガーナの2チームが残って欲しいですね。もし、イタリアが2位通過なんて状況になれば、多分F組1位通過が予想されるブラジルとイタリアがいきなり激突なんてことになる☆実現して欲しいなぁ〜!

さて、今日はクロアチア戦の結果を引きずらないように、オトボケ系Hip-Hopでも?ということでA Tribe Called Questっす。

最近、発表されたレア・トラック集『The Lost Tribes』が現在の僕のiPodヘビロテになっているA Tribe Called Quest☆今回は、そんなA Tribe Called Questの作品の中から傑作2nd『The Low End Theory』(1991年)をセレクト。

A Tribe Called Quest(ATCQ)は、昨年9月に投稿した3rdアルバム『Midnight Marauders』(1993年)以来っす。ATCQは、僕が本ブログで最初に投稿したHip-Hopアーティストであり、今でもマイ・フェイバリットHip-Hopアーティストっす。

特に、本作『The Low End Theory』は、Hip-HopにおけるJazzテイスト導入を強烈に意識させた名盤だと思いヤス。僕もこの作品でATCQを知り、翌年出たRemixアルバム『Revised Quest for the Season』(1992年)でずっぽりハマリ、デビュー作『People's Instinctive Travels and the Paths of Rhythm』(1990年)に遡り、3rdアルバム『Midnight Marauders』で昇天したパターンでシタ。

『Midnight Marauders』の記事投稿でも書いたけど、カラフルなトラックが印象的な3rd『Midnight Marauders』に対して、極力無駄な音を排除したシンプルなトラックを聴かせる2nd『The Low End Theory』は、モノクロのイメージがありマス。

本作『The Low End Theory』発表前に Jarobiが脱退し、Q-Tip、Phife Dawg、Ali Shaheed Muhammadの3人体制になった。本作では、ゲストとして、ジャズ界の大物ベーシストRon Carterをはじめ、Brand Nubian、Leaders Of The New School(Busta Rhymes在籍のグループ)などがフィーチャーされていマス。

個人的には、ATCQの最高傑作は『Midnight Marauders』だけれども、それはこの2nd『The Low End Theory』があったからこそだと思いマス。その意味で、Hip-Hop史上に残る作品は『The Low End Theory』かもね!

「Check the Rhime」、「Scenario」、「Jazz (We've Got) 」の3大クラシックをはじめ名曲揃いっす。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Excursions」
いきなりジャジーなムード満点な、ドラムとベースによるシンプルなトラックによるオープニング。この激シブのトラックに案外Q-Tipの個性的な声質が案外マッチするところが妙ですな。The Last Poets「Time Is Running Out」、Art Blakey and The Jazz Messengers「A Chant for Bu」ネタ。

「Buggin' Out」
この曲も低音のジャズ・ベースでグイグイ押しまくるトラックが印象的な曲。Jack DeJohnette's Directions「Minya's the Mooch」、
Lonnie Smith「Spinning Wheel」ネタ。

「Rap Promoter」
ジャズ・ファンク・テイストのシンプルなトラックがカッチョ良い曲。Eric Mercury「Long Way Down」ネタ。

「Verses From the Abstract」
Ron Carterがアコースティック・ベースで参加のホンワカ・ムードのピースフルなナンバー。Heatwave「Star of the Story」、Joe Farrell「Upon This Rock」 ネタ。

「Show Business」
Brand Nubianをフィーチャーしたパーティー・チューン。激シブ・トラックもいいけど、やっぱりこの手の楽しい系もないとATCQらしくないよね。James Brown「Funky President」ネタ。

「Vibes and Stuff」
僕の大好きなジャズ・ギタリストGrant Greenの「Down Here on the Ground」ネタのトラックを使ったナンバー。この曲収録のGrantのアルバム『Alive!』はぜひ本ブログで取り上げたい1枚っす。

「Check the Rhime」
アルバムからの1stシングルとなったクラシック・ナンバー。ATCQ得意のオトボケのフリースタイルが何ともイイ感じ!本ブログでも紹介したThe Average White Band「Love Your Life」ネタのホーンセクションも印象的っす。ラップパートはMinnie Riperton「Baby, This Love I Have」ネタっす。

「Everything Is Fair」
Funkadelic「Let's Take It To The People」ネタのファンク・テイストのナンバー。

「Jazz (We've Got) 」
アルバムからの3rdシングルとなったクラシック。本作一番の聴きどころなのでは?タイトルもそうだが、このジャジーなトラックこそ本作を象徴するものだと思う。この激シブ・トラックを最初に聴いた時には、結構興奮して、何度もこの曲ばかりリピートして聴いた記憶がありマス。先にも書いたけど、Q-Tipの声がこのジャジーなトラックにヤケに馴染むのが不思議だね。

「What?」
ATCQらしいコミカルなオトボケ・ナンバー。Paul Humphrey「Uncle Willie's Dream」ネタ。

「Scenario」
アルバムからの2ndシングルであり、これまたクラシック・ナンバー。Busta RhymesをはじめとするLeaders Of The New Schoolのメンバーが参加しています。Brother Jack McDuff「Oblighetto」、Jimi Hendrix「Little Miss Lover」ネタの何か不穏な雰囲気漂うトラックと、ハイテンションのマイクリレーがいいカンジっす。僕はBusta Rhymesは特別好きではないけど、Leaders Of The New Schoolの2ndアルバム『T.I.M.E.』(1993年)はよく聴きました。

本作収録のオリジナルもいいですが、個人的には『Revised Quest for the Season』収録のYoung Nation Mixが好きですね。『The Lost Tribes』収録のリミックスも最近よく聴いていマス。

この後、「韓国対フランス」戦。日本とは対照的に初戦勝利の韓国が強豪フランス相手にどんな戦いぶりをするのか、アジア全体のサッカーのレベルを知る意味でも、今大会のフランスを占う意味でも楽しみですね。
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2006年06月18日

Keni Burke『Changes』

クラブ・クラシック「Risin' To The Top」収録☆Keni Burke『Changes』
チェンジズ
発表年:1982年
ez的ジャンル:アーバン・メロウ・ファンク/ソウル
気分は... :コートジボワール!魅力的だった☆

結果だけ見ると、強豪国が順調に決勝トーナメントを進出を決めているドイツW杯。

そんな中、死のC組で早々に脱落したコートジボワールは、称賛に値する実に魅力的なチームだった。アルゼンチン、オランダといった優勝候補をそれなりに慌てさせた戦いぶりと、メンバーの潜在能力の高さに改めて感心してしまった。アフリカびいきの僕としては、十分楽しませてもらいまシタ。これだからW杯は面白い!コートジボワールと並ぶ、アフリカ期待の星ガーナにも頑張ってもらいたいと思いマス。

一方で強豪国の中で唯一不安を残すのがフランス。ジダン現役最後の大会を好成績で終えたいところだが、初戦のスイス戦を観た限りでは難しいだろうね。

一番問題なのはドメネク監督の采配。選考の段階からベストメンバーを集めたと言い難く、疑問符の残る監督だったが、初戦の采配でその思いは強くなった。なんでアンリ、トレセゲの2トップを採用しないのかね。逆に、1トップのシステムにこだわるならば、なぜ、うってつけのウィングであるジュリ(バルセロナ)を選考しなかったのかね?

今回は、クラブ・クラシック「Risin' To The Top」収録のKeni Burke『Changes』(1982年)っす。

1990年代になって、Hip-Hopアーティストが続々とサンプリングし、フリーソウルの定番曲として、突如として注目されるようになったKeni Burkeと「Risin' To The Top」。僕もその流れで認知しまシタ。

1953年生まれのKeni Burkeのキャリアは案外長い。兄弟5人で結成したFive StairstepsがCurtis Mayfieldの目に留まり、1966年にデビューを飾った。1970年にはシングル「Ooh Child」がポップチャートでTop10に入るヒットとなった。1976年には元BeatlesのGeorge HarrisonのレーベルDark Horseへ移籍し、「From Us To You」のヒットを放つ。その後、Five StairstepsはInvisible Man's Bandへと名を変え、ディスコ/ファンク・バンドへと変貌していった。

また、その傍らKeni Burkeはベーシストとして、Curtis MayfieldSly & The Family StoneRamsey LewisEmotions、Smoky Robinson、Diana Rossなど数多くのセッションに参加している。

本作『Changes』は、『Keni Burke』(1977年)、『You're The Best』(1981年)に続くKeniのソロ3作目となる。

同じ1982年の作品でも、数日前に投稿したGeorge Clinton『Computer Games』の初期エレクトリック・ファンクと比較すると、対照的なアーバン・ファンク・サウンドに仕上がっていマス。

「Risin' To The Top」が注目されがちだけど、それ以外にもアーバンでメロウなグルーヴを楽しめマス。

全曲紹介しときやす。

「Risin' To The Top」
説明不要のアーバン・メロウ・チューン。

一部にはRick James作のThe Mary Jane Girlsの大ヒット曲「All Night Long」(1984年)は、この曲のパクリ!みたいな意見もあるみたいですね。確かにベースラインはそっくりだけど、「All Night Long」自体はRick自身の1978年ヒット曲「Mary Jane」の流れを汲む作品だと思いマス。僕自身は「Risin' To The Top」、「All Night Long」、「Mary Jane」の3曲とも大好きっす。

サンプリングネタとして大人気を誇ったこの曲ですが、主なところを挙げておくと、Doug E. Fresh「Keep Rising to the Top」、Father MC「Red Lace Lingerie」、Brothers Like Outlaw「Trapped Into Darkness」、Lost Boys「Straight From The Ghetto」、Mary J. Blige「Love No Limit」、Redman「How to Roll a Blunt」、Pete Rock & C.L. Smooth「Take You There」、MC Shan「I Pioneered This」、LL Cool J「Around The Way Girl」、LL Cool J feat. Amerie「Paradise」、O.C.「Born 2 Live」、Ali「Feelin' You」など。

Bobby Konders & Massive Soundによるラヴァーズ調のレゲエ・カヴァーなんていうのも我が家にはありマス。ラヴァーズがなかなかハマった好カヴァーですね。

「Shakin'」
「Changes」
ベーシストとしてのKeniのファンク魂を堪能できるファンク・チューン。前述の話と関連させれば、このあたりは逆にRick Jamesのファンク・チューンっぽいかもね?

「Hang Tight」
アーバン・ファンクらしいメロウなミディアム・チューン。セクシーなKeniのボーカルを堪能できます。

「Can't Get Enough (Do It All Night)」
Earth,Wind & Fireあたりを彷彿させる軽快なダンス・チューン。女性コーラスとホーンセクションが盛り上げてくれます。

「Who Do You Love」
「One Minute More」
ロマンティックなスロー2曲。「Who Do You Love」はエレピの伴奏をバックに切々と歌うKeniのボーカルがイイ感じ。「One Minute More」は、アーバン・ソウルらしいスタイリッシュなバラード。

「All Night」
実にオシャレなファンク・チューン。とても洗練されたメロウ&グルーヴっす。個人的には「Risin' To The Top」の次に好きな曲。

明日の記事投稿の頃には「日本対クロアチア」戦は終わっていると思いマス。客観的に分析すると、4-4-2へのシステム変更には大反対だし、日本のグループリーグ敗退という結論しか導かれないので、ただ一言“奇跡を起こせ!”とだけ述べておきマス。
posted by ez at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月17日

Paul Weller『Illumination』

Paul兄貴!イングランド代表チームに気合いを入れてくれ〜☆Paul Weller『Illumination』
Illumination
発表年:2002年
ez的ジャンル:ネオ・モッズ兄貴系骨太UKロック
気分は... :アルゼンチン凄すぎ〜☆☆☆

たった今「アルゼンチン対セルビア・モンテネグロ」終了!
アルゼンチン凄すぎ〜☆前半のクレスポ、サビオラも素晴らしかったけど、後半に僕の夢だったリケルメ、メッシ、テベスの揃い組みが実現したのが嬉しかったね。メッシはやっぱり伝説の選手になるだろうね。さらに控えにはアイマールもいる!ある意味ブラジルのカルテット・マジコよりも魅力的かもしれない?

そのアルゼンチンとは対照的に、イングランドはあの豪華メンバーであのお寒い戦いぶりにはホントがっかりしたね。

何しろ、ベッカム、ランパード、ジェラード、ジョー・コールの自慢の中盤が全く機能していない。特に、真ん中のランパード、ジェラードが守備を意識して、ゴール前に顔を出す機会が少なすぎる。MFでありながらFW並みの得点能力を持つ二人なのに、宝の持ち腐れだよね。

さてさてさて、今回はそんなイングランドに気合いを入れる意味で、イケてるイングランド人の典型ということでPaul Weller『Illumination』(2002年)をセレクト!

Paul兄貴関連では、これまでThe Jam『Setting Sons』(1979年)、Style Council『Our Favorite Shop』(1985年)を紹介してきましたが、ソロ作は初めてになりマス。

Paul Weller信奉者である僕は、基本的にPaul Weller作品は何でもOKなのだが、Style Councilの後期にはその方向性に迷いの見えるPaul兄貴に一抹の不安を覚えた。その意味で、ソロになって吹っ切れたカンジの兄貴に安堵したものだ。

しかしながら、一作ごとに達観したような落ち着きと余裕を増していく兄貴に、キホンは無条件に受け入れてきた僕だったが、どこか物足りなさを感じていたかもしれない。

そんな中届けられたのが『Illumination』(2002年)だった。Jam時代のエッジの効いたサウンド、Style Council時代のスタイリッシュなサウンド、ソロになってからの円熟したサウンドがうまくブレンドしたバラエティに富んだ作品になっていると思いマス。

メンバーは、Steve Cradock、Damon Minchellaといった弟分のOCS(Ocean Colour Scene)勢、OasisのNoel Gallagher、Gem Archer、元Young DisciplesCarleen Anderson、ハウス・ディーバJocelyn Brown、Style CouncilファミリーSteve White、Stereophonicsのkelly jones等々。

イングランドに気合いを入れるべく、Paul兄貴のガッツ溢れる1枚デス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Going Places」
アコースティックな味わいが何ともイイ感じなナンバー。落ち着いた中にも、力強いものを感じマス。

「A Bullet For Everyone」
弟分Ocean Colour Sceneのメンバーが大活躍のナンバー。サウンドもどことなくOCSっぽい?とにかくカッチョ良いの一言に尽きる男臭いナンバー。アルバム中一番好きかも?

「Leafy Mysteries」
シングルカットもされたナンバー。結構ハードでエッジが効いたサウンドが聴けてウレシイ限りっす。

「It's Written In The Stars」
アルバムからの先行シングルとなったヒット曲。Style Council+サイケ・サウンドみたいな不思議な魅力を持った曲。ブラスセクションのループが実に印象的ですな。

「Who Brings Joy?」
「Now The Night Is Here」
「Bag Man」
かなりフォーキーな3曲。このあたりはアコースティック・ライブ『Days Of Speed』(2001年)の影響かもね?

「One x One」
OasisのNoel Gallagher、Gem Archer参加曲。Oasis嫌いの僕だが、皮肉にもNoel Gallagher絡みの曲が案外好きだったりする。この曲やThe Chemical Brothers「Setting Sun」なんかそう。

「Call Me No.5」
Stereophonicsのkelly Jonesとの共演ナンバー。熱くブルージーなカンジが何ともたまりません!「A Bullet For Everyone」と同じくらい好きですね。

「Standing Out In The Universe」
Carleen Anderson、Jocelyn Brownという豪華な女性バックコーラスを従えたソウルフルなミディアム・ナンバー。こういったソウルフルなPaul兄貴もイイっす。

「Illumination」
このタイトルにPaul兄貴は“一筋の希望”という意味を込めているらしい。一人ひとりの“一筋の希望”が連鎖して、世界中を包むことができれば..そんな思いを巡らせながら聴くと感動が増してきマス。

昨年も『As Is Now』を発表し、その健在ぶりを示してくれたPaul兄貴だが、個人的にはその前のカヴァー集『studio 150』(2004年)が本作と同じくらい大のお気に入りっす。こんなセンス溢れるカヴァー集ならば、じゃんじゃんリリースして欲しいっす!
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2006年06月16日

Rufus(featuring Chaka Khan)『Ask Rufus』

Chaka KhanのRufus時代のイチオシ作品☆Rufus(featuring Chaka Khan)『Ask Rufus』
Ask Rufus
発表年:1977年
ez的ジャンル:ダイナマイト・ボーカル系R&B
気分は... :エクアドル侮れない!

W杯ネタ再開しまシタ。

昨日までで全32 チームが出揃ったけど、一番印象に残ったチームはエクアドルかな。
初戦のポーランド戦もえらく感心したが、たった今終わった第2戦もホントお見事だったね。楽々グループリーグ突破してしまった☆

南米予選でブラジル、アルゼンチンに勝利したことがフロックではないことを証明したと思う。特別強いという印象はないけど、実に試合運びが巧い!現在の日本代表に最も足りないものだよね。エクアドル、メキシコこの2チームあたりの試合巧者ぶりこそが、今後の日本代表がお手本にすべきものだと思う。

選手で言えば、昨年から記事投稿で活躍を期待していたロッペン(オランダ)、ドログバ(コートジボアール)あたりが予想通りのプレーを魅せてくれたのはウレシイ限りですね。それにしてもロッペンは凄すぎるね。各チーム初戦終了段階でMVPを選べるならば、間違いなくロッペンだと思う。彼がドリブルを仕掛けるだけでワクワクしてくる!

さてさてさて、久々にChaka Khanのアルバムということで、Rufus時代のお気に入り作品『Ask Rufus』(1977年)っす。

Chakaを取り上げるには、本ブログを立ち上げて間もない頃に投稿したソロ3作目『What Cha Gonna Do For Me』以来になりマス。

その時の記事にも書いたが、僕にとって女性R&Bボーカルの象徴と言えばChaka Khanかもしれない。学生時代に「What cha' Gonna Do For Me」を初めとするパワフルなダイナマイト・ボーカルを聴いた感動は今も忘れられない。はるか昔にChakaのライブへ行ったことがあるけど、そのダイナマイト・ボーカルで聴衆を圧倒していまシタ。

個人的には、『Chaka』(1978年) 、『Naughty 』(1980年)、『What Cha Gonna Do For Me』(1981年)という最初のソロ3枚が大好きなんだけど、Rufus時代ならば『Rufusized』(1974年)、『Rufus featuring Chaka Khan』(1975年)、『Ask Rufus』(1977年)あたりがお気に入りデス。

Rufusについて簡単に説明しておくと、American breedという白人ロック・グループのメンバー3人が結成したAsk Rufusというグループがその前身である。そこへChaka Khanが加わり、バンド名もRufusとし、サウンドも様々な音楽のミクスチャー的なものから、そりファンク色の強いものへと変貌していった。

1973年にデビューアルバム『Rufus』を発表後、2ndアルバム『Rags To Rufus』からStevie Wonderの提供曲「Tell Me Something Good」が大ヒットした。

Chaka Khanの加入で、ブレイクしたRufusだったが、皮肉にもChaka Khanばかりが注目されるようになり、3rdアルバム『Rufusized』(1974年)からはRufus featuring Chaka Khanと表記され、『Masterjam』(1979年)の頃にはRufus & Chaka Khanとなり、徐々にChaka Khanのバックバンドのように見られがちになったのは少し可哀想だね。これもChakaの個性がインパクトありすぎだったのか?

『Rufusized』(1974年)からギターにTony Maiden、ベースにBobby Watsonが加わり、よりブラック・フィーリングに磨きがかかってきたグループが1つのピークに達したアルバムが本作『Ask Rufus』(1977年)だと思いマス。

前身グループ名をタイトルにしたこの5thアルバムは、ファンクネスと都会的なスタイリッシュ・サウンドがうまくバランスされているあたりが魅力の1枚だと思いマス。Chakaらしくない妙に可愛いカンジのジャケも好きです(笑)

オススメ曲を紹介しときやす。

「At Midnight (My Love Will Lift You Up) 」
R&Bチャートで大ヒットしたブリブリのファンク・ナンバー。Chakaのダイナマイト・ボーカル炸裂っす!前作から参加のTower Of Powerのホーン部隊も盛り上げてくれマス。

「Close the Door」
僕のダントツのお気に入りナンバー。正統派Rufusファンから見ると邪道かもしれないけど、Rufus時代から1曲と言われれば、迷わずこの曲をセレクトするね☆フリーソウル好きの人が喜ぶ実にスタイリッシュなメロウ&グルーヴ。Chakaの抑え気味のボーカルも実にオシャレですな。

「Earth Song」
ファンキーなイントロから、一転メロウ・ミディアムへの展開が印象的なナンバー。

「Everlasting Love」
シングルカットされた実に心地良いミディアム・ナンバー。Vanessa Williams等のカヴァーやCoolio「Can-O-Corn」のサンプリング・ネタとしても使われていマス。

「Hollywood」
「Close the Door」の次にお気に入りの曲。シングルカットもされました。聴き込むほど魅力が増してくる名曲ですね。近年だとErykah BaduのカヴァーやIndia Arie「Little Things」の元ネタとして聴いている人もいるのでは?

「Magic in Your Eyes」
Chakaのボーカルを堪能できるメロウ・バラード。抑え目ながらも実にオシャレな演奏がイイ感じっす。

「Better Days」
落ち着いたカンジの中にも実にファンキーなフィーリング溢れるミディアム・グルーヴ。

この後、Chakaはソロ・アーティストとしての活動も開始し、ソロとRufusの活動を並行することになる。しかし、1983年にRufusが解散し、てソロに専念する。『Chaka』(1978年) 、『Naughty 』(1980年)、『What Cha Gonna Do For Me』(1981年)という最初のソロ3枚の充実ぶりを考えると仕方ないかもね!
posted by ez at 00:48| Comment(2) | TrackBack(1) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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