2006年06月15日

Astrud Gilberto『Talkin' Verve』

“ボサノヴァの女王”のオシャレな60年代後半作品集☆Astrud Gilberto『Talkin' Verve』
Talkin' Verve: Roots Of Acid Jazz
発表年:1998年
ez的ジャンル:カフェ・ミュージック系ボサノヴァ
気分は... :さりげなく...

今日はさりげにオシャレなカフェ・ミュージック気分!
ということで、Astrud Gilberto『Talkin' Verve』をセレクト!

Astrud Gilbertoと言えば、“ボサノヴァの女王”と呼ばれたブラジル人歌手ですね。
17歳の時にボサノヴァ創生メンバーの一人であるJoao Gilbertoと結婚(何でもNara Leaoの紹介だったとか)。

それまで歌手として活動をしていたわけではないAstrudだったが、夫Joao Gilbertoとサックス奏者Stan Getzによるボサノヴァを世界中に知らしめた会心作『Getz/Gilberto』(1963年)が彼女の運命を変えた。

プロデューサーのCreed TaylorがAstrudの歌声にピピンと来て、永遠のボサノヴァ・ナンバー「The Girl From Ipanema(イパネマの娘)」(Antonio Carlos Jobim作品)のボーカルをAstrudに託したのだった。結果として、「The Girl From Ipanema」はグラミー賞の年間最優秀レコードに選ばれる大ヒットとなり、Astrudは一躍“ボサノヴァの女王”として注目される存在となったのだった。

今回紹介するのは、1998年に編集されたAstrudのヴァーヴ時代(60年代後半)のベスト・アルバム『Talkin' Verve』っす。
具体的には、『Look To The Rainbow』(1966年)、『A Certain Smile A Certain Sadness』(1966年)、『Beach Samba』(1967年)、『Windy』(1968年)、『I Haven't Got Anything Better To Do』(1969年)、『September 17, 1969』(1969年)の5作品からのセレクトっす。

僕は『Getz/Gilberto』『Gilberto With Turrentine』(1971年) の2枚のアルバムは持っていたけど、それ以外のAstrudって殆ど聴いたことがなかった。そんな中、渋谷のタワーレコードで偶然試聴して一発で気に入ったのがこのアルバムだった。初めは、Astrudの作品だとも、60年代の作品を集めたベスト盤だとも全く気付かなかった。ジャケの雰囲気や、そのサウンドから結構最近のアーティストの作品だとばかり思っていまシタ。

『Getz/Gilberto』の「The Girl From Ipanema」あたりと比較すると、格段にモダンなサウンドになっていヤス。軽薄な言い方かもしれないけど、まさにカフェ・ミュージックってカンジのオシャレなボッサ作品集です。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Beginnings」
僕が試聴して一発で気に入ったというのがこの曲デス。キャッチーなメロディ、Astrudの涼しげな声、そしてAlzo & Udineあたりに通じるフォーキーなグルーヴ感...サイコーの1曲デス。しかも8分以上の長尺ナンバー。なんか12インチ・シングルを先取りしていたような作りですな。ファンの方ならピンとくるかもしれませんが、Chicagoのデビューアルバム『Chicago Transit Authority』に収録のアノ曲のカヴァーです。

「On My Mind」
Eumir Deodatoのアレンジによるオーケストラが実に優雅なナンバー。

「Maria Quiet」
出だしがDeep Purple「Smoke On The Water」にソックリなのが笑えるボッサ・ナンバー。

「Wailing Of The Willow」
Harry Nilssonの隠れた名曲のカヴァー。このAstrudのキュートさはたまりませんね。聴いているだけで恋心が湧き出てきマス。

「Crickets Sing For Anamaria」
この曲もEumir Deodatoのアレンジが光る軽快なボッサ・ナンバー。

「Windy」
ソフトロック・ファンにはお馴染みAssociationによる大ヒット曲のカヴァー。このAstrudのバージョンは、かなりグルーヴィーな仕上がりになっていマス。

「Holiday」
続いてはBee Geesの名曲のカヴァー。軽快ながらもオリジナル同様にどこか物悲しげな仕上がりデス。

「Stay」
疾走感あるリズムととフルートやビブラフォンの怪しげな音色が60年代後半のサントラを彷彿させるナンバー。

「She's A Carioca」
Jobim作品をGil Evans' Orchestraが見事なアレンジで聴かせてくれマス。

「So Nice (Summer Samba)」
Marcos Valleの名曲カヴァー。60年代のB級お色気&アクション・シネマあたりのバックに流れているとピッタリだね。オルガンの音色が何ともイイっす。

「Nao Bate O Corocao」
Eumir Deodato作品。この曲も聴いているとルパン三世の不二子ちゃんのお色気シーンが思い浮かぶ。なぜだろうね?

ボサノヴァ・ファンもそうだけど、60年代B級シネマのラウンジ感覚のサントラあたりが好きな人なんかにピッタリかも?
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2006年06月14日

George Clinton『Computer Games』

定番サンプリングネタ「Atomic Dog」収録のエレクトリック・“P”ファンク☆George Clinton『Computer Games』
Computer Games
発表年:1982年
ez的ジャンル:エレクトリック・“P”ファンク
気分は... :「Atomic Dog」だね!

しばらくはスポーツ新聞の記事あたりの知識を総動員して、日本国民全体がにわかサッカー評論家状態だと思うので今日はW杯ネタは控えてきます。スポーツ新聞の受け売りはウンザリなので。

今日の気分はおバカ状態なので、ピッタリなのがP-Funk☆ということでP-Funkの総帥George Clintonの初のソロ・アルバム『Computer Games』(1982年)っす。

このアルバムはClinton流エレクトリック・ファンクってカンジの打ち込みサウンドを主体としたアルバムっす。

1970年代は破竹の勢いであったGeorge Clinton総帥率いるP-Funk軍団だったが、70年代後半あたりからBootsy Collins、Bernie Worrell、Eddie Hazelらがソロ活動を開始し、同時に契約上のトラブルも抱え、その求心力を失いかけていた。

また、P-Funk軍団に限らず大所帯ファンクバンドは経費削減のアオリを受けて、グループのスリム化を余儀なくされた。そうした閉塞状態を打破する手段として生まれたのが、シンセサウンド主体のファンクであるエレクトリック・ファンクである。

このアルバムと言えば、何はともあれ「Atomic Dog」ですね。
記憶が定かではないが、多分この曲が最初にリアルタイムで聴いたP-Funkだったように思う。

今のようにR&Bチャートがポップチャートと同じように大きく取り上げられることがなかった時代において、George Clinton、Funkadelic、ParliamentBootsy CollinsといったP-Funk軍団の名前は雑誌か何かで見かけたことがあったが、殆どその音を聴くことがない、謎の存在だったね。

そんな中でFMラジオで聴いたのが「Atomic Dog」だったと思う。何の番組だったか思い出せないけど、多分NHKのサウンド・ストリートだったかな??

2つの意味でインパクトがあったね。1つは噂のP-Funkの総帥の曲を聴けたこと、1つはエレクトリック・ファンクのカッチョ良さ。

少し脱線するけど、この同じ1982年に購入した最もガッカリしたLPの1つにNeil Young『Trans』がある。これはNeil Youngがテクノ・サウンドに挑戦した意欲作だったんだけど、結果は実に味気ないつまらないアルバムだった。

それとほぼ同時期に「Atomic Dog」のホットでグルーヴ感のあるシンセサウンドを聴いたのはショックだったね。なので「Atomic Dog」は思い出深い1曲っす。

また、「Atomic Dog」以外にもご機嫌のエレクトリック・“P”ファンクを堪能できます。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Atomic Dog」
まずはこのR&BチャートNo1の大ヒットを☆重心の低くうねるファンク・ビート、シンセによるスペーシーな雰囲気、♪Ha ha ha ha ha...♪といった犬の息遣いの下品さ等サイコーの1曲デス。

この曲はHip-Hop世代の支持も高く、数多くサンプリングされていますね。P-Funkのサンプリングネタと言えば、以前に紹介したParliament「Flash Light」あたりが有名だけど、この「Atomic Dog」も負けてないと思いマス。

主なところを挙げると、Snoop Doggy Dogg「Who Am I (What's My Name)?」、Dr. Dre「Fuck Wit Dre Day」、Public Enemy「Brothers Gonna Work It Out」、「Can't Truss It」、Ice Cube「Ghetto Bird」、「Man's Best Friend」、Ice-T「Funky Gripsta」、Pete Rock & C.L. Smooth「The Basement」、Digital Underground「Doowutchyalike」、DJ Jazzy Jeff & The Fresh Prince「A Dog Is a Dog」、Scarface「Diary Of A Madman」、Guy「D-O-G Me Out」、「Teddy's Jam」Blackstreet「Booti Call」、Erick Sermon「Hittin' Switches」、Kris Kross「Party」、Biz Markie「The Dragon」、2pac「Holler If You Hear Me」、Redman「Watch Yo Nuggets」、Nuttin' Nyce「Froggy Style」、Paris「Coffee, Donuts & Death」、Schooly D「Where'd You Get That Funk From」等

「Get Dressed」
Bootsy Collinsも共同プロデュースで参加のこのオープニング・ナンバーも「Atomic Dog」に負けず劣らずご機嫌なファンクっす。この曲はホーンセクションもバリバリ鳴って従来からのP-Funkのカンジですね。

「Man's Best Friend/Loopzilla」
これもP-Funk全開のメロディー。「Man's Best Friend」はボコーダーなども交えてとってもエレクトリック・“P”ファンクらしい曲。「Loopzilla」はモータウンやファンクの名曲をつまみ食いしている(?)楽しいナンバー。

「Computer Games」
想像通りゲーム・サウンドのチープなピコピコ音が挿入されているけど、案外フツーにP-Funkしてます(笑)

「Free Alterations」
何とClinton総帥がレゲエやってマス。とっても不思議なカンジ。

「One Fun At A Time」
シンセサウンドが印象的なファンキーながらも、どこか哀愁感も漂うファンク。

Clinton総帥のソロ作品としては、80年代後半にPrince殿下のPaisley Parkへ移籍して発表した『The Cinderella Theory』(1989年)、『Hey Man, Smell My Finger』(1993年)あたりも当時は良く聴いたなぁ。でも、何はともあれ「Atomic Dog」収録の本作を聴くことをオススメします。
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2006年06月13日

Sam Prekop『Sam Prekop』

Sea and CakeのリーダーSam Prekopによるボッサな1stソロ☆Sam Prekop『Sam Prekop』
Sam Prekop
発表年:1999年
ez的ジャンル:シカゴ音響派系モダン・ソフト・ロック
気分は... :妥当な結果!早く忘れましょ!

「日本対オーストラリア」戦は実に残念な結果でしたね。
でもこれは妥当な結果。オーストラリアの方が明らかに実力は上だった。
1点目にしても、正直未熟な主審のミスジャッジだったしね。

何より、暑くなれば日本の方が有利という予想に反して、後半途中から日本のイレブンの足が完全に止まっていたね。中田英が言っていたように走り勝つことができなかった。中村なんかは完全にバテバテだったよね。

ジーコの采配にも疑問が残った。ジーコには悪いけど、ヒディングとジーコの采配の差が最終的な勝敗を分けたと思う。

相手の攻撃的な選手交代に対応する手を打たなかったよね。あの時間帯で中盤の選手を投入するならば、小野ではなく稲本のような守備的な選手でしょ!中村なんかも真っ先に交代すべきだったよね!また、カウンターを狙える時間帯に、なんで大黒、玉田のような選手を投入しなかったのかね。逆転されてから投入しても遅い。

でもって、今回は傷心のハートを癒す作品としてSam Prekop『Sam Prekop』(1999年)をセレクト。嫌なことはいい音楽を聴いて、さっさと忘れましょ!ポジティブ・シンキング☆

シカゴ音響派系の作品を紹介するのは、The Aluminum Group『Happyness』(2002年)以来久々ですね。

本作は、Sea and CakeのリーダーSam PrekopがJim O'rourkeのプロデュースにより制作した1stソロっす。本当は、Sea And Cakeの『Oui』(2000年)あたりを紹介してもいいんだけど、今日の気分に合っているのは、Sea And Cakeよりもボッサでシンプルな『Sam Prekop』だなぁ。

メンバーは、Sam Prekop(vo、g、p)、Archer Prewitt (g、p)、Jim O'Rourke(g、org、b)、Julie Pomerleau (violin,、viola)、Josh Abrams(p、b)、Rob Mazurek(cornet)、Chad Taylor(per)、John McEntire(per)。

前述のようにボッサでクールなモダン・ソフト・ロックに仕上がっていマス。60年代ソフト・ロックとは趣を異にするけど、こういった進化形のソフト・ロックを聴くのもオツだよね。しかも、過度にポップすぎたり、甘すぎたりしないのが、このアルバムの魅力デス。

当時、Tortoise『Tnt』(1998年)、Gastr Del Sol『Camoufleur』 (1998年) 、Jim O'Rourke『Eureka』(1999年)あたりのシカゴ音響派系のど真ん中の作品にもかなりハマっていた。でも、今聴くならば、Sea and CakeSam PrekopThe Aluminum Groupあたりの方がイチオシですね。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Showrooms」
このアルバムを象徴するスタイリッシュなライト感覚のボッサ・ナンバー。でもサウンドはちゃんとシカゴ音響派してマス。後半のストリングスのアレンジがどことなくLou Reed「Walk on the Wild Side」っぽく聴こえるのは僕だけか?と思っていたら、ライナーノーツにも指摘してあった(笑)

「Company」
ミステリアスな浮遊感を持つナンバー。とってもシンプルなのに、奥深い絶妙なアンサンブル。ボーナス・トラックの別バーションでは、vibの音色も聴けて、よりポップな仕上がりになっていマス。

「Practice Twice」
アルバムで一番のお気に入り。繊細で消え入りそうなボーカルと少しひねくれ風味のアコースティック・サウンドのバランスが最高。結果、他では聴けないスタイリッシュな仕上がりになっていマス。

「Cloud to the Back」
どってことないようなんだけどクセになるピアノが印象的なミニマル・ナンバー。

「Faces and People」
シカゴ音響派らしいサウンドが満喫できるジャジーなインスト・ナンバー。この独特の音空間は何とも言えないね。僕的にはMiles Davis『In A Silent Way』的な世界観も感じるのだが?

「On Such Favors」
切なさ漂うボッサ・ナンバー。今回聴いていて思ったけど、このポストロックなボッサ感覚って、Arto Lindsayあたりと近いかもね。

「Shadow」
哀愁のポップ・ソング。それにしても曲も詞もクールネス一筋。特に、詞のシニカルさは一貫している。サウンド的には後半のChad Taylorのサンバ・テイストのパーカッションがカッチョイイ!

「So Shy」
アルバム中一番ポップでキャッチーな曲かも。シンプルなアレンジが多いなか、この曲だけはかなり音数多い、ゴージャスなサウンドになっています。ストリングスの優雅さが何ともお見事!ここでも「Walk on the Wild Side」的ストリングスが聴けます。

「Triple Burn」
「Practice Twice」と並ぶお気に入り曲。幻想的なキーボードの音色が印象的なボッサ・ナンバー。

昨年6年ぶりのソロ・アルバム『Who's Your New Professor』(2005年)を発表したSam Prekopだけど、まず1枚と言うのであれば本作もしくはSea And Cake『Oui』(2000年)あたりがいいのでは?

まぁ、終わったことをグダグダ言っても仕方がない。
気分を切り換えて、次のクロアチア戦(18日)に頑張ってもらいましょ!
posted by ez at 00:21| Comment(4) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月12日

Aretha Franklin『Young, Gifted And Black』

“クイーン・オブ・ソウル”によるニューソウル☆Aretha Franklin『Young, Gifted And Black』
Young, Gifted and Black
発表年:1972年
ez的ジャンル:アレサ流ニューソウル
気分は... :いよいよ明日!

いよいよ明日(正確には今日だね)はサッカーW杯「日本対オーストラリア」戦ですね。

気温上昇が予想される中、中田英が強調するように、走りまくって、日本らしいテンポの良いパスワークで圧倒し、勝利して欲しいですね。ただただ祈るばかりデス。

それにしても、ここまで6試合を観た限りでは、強豪国と呼ばれていた国とそれ以外の国との実力差は確実に縮まっているカンジがする。結果は順当でも、中身はスリリングな試合が多い。つまらない試合が多かった日韓大会よりは楽しめそうな予感っす。

今回は“クイーン・オブ・ソウル”Aretha Franklinの70年代イチオシ作品『Young, Gifted And Black』(1972年)デス。

Aretha Franklinの作品を紹介するのは、絶対外せないマストな名曲「Respect」収録の出世作『I Never Loved a Man the Way I Love You』以来2回目になりマス。

『I Never Loved a Man the Way I Love You』(1967年)、『Lady Soul』(1968年)といった作品で“クイーン・オブ・ソウル”の地位を確立したArethaは、その後70年代前半まで黄金時代を駆け抜けた。

60年代後半の作品の中では前述の2枚がイチオシだが、1970年代前半の作品でダントツで好きなのが本作『Young, Gifted And Black』(1972年)。

このアルバムは、女王Aretha Franklinによるニューソウル・アルバムと位置づけられるのではないかと思いマス。『黒人讃歌』という邦題あたりからも、そのニューソウル的アプローチを察することができるし、サウンド的にもアトランティック的な南部サウンドから、都会的なニューソウル・サウンドに仕上がっています。

バック陣も、お馴染み南部系ミュージシャンはAl Jackson Jr.、Memphis Hornsは一部の曲で参加しているくらいで、それ以外はDonny Hathaway、Billy Preston、Cornell Dupree、Hugh McCracken、Eric Gale、Chuck Rainey、Bernard Purdie、Ray Lucas、Hubert Lawsといった都会派サウンドを期待させるメンツです。

全曲紹介しときやす。

「Oh Me Oh My (I'm A Fool For You Baby) 」
シングル「Rock Steady」のB面曲ながらチャートインしたナンバー。力強いAretha節が聴ける胸に響くバラード。ストリングスの盛り上がりがイイ感じ。後半の展開はニューソウルしてマス。

「Day Dreaming」
全米R&Bチャート第1位、ポップチャート第5位となった大ヒット曲。文句ナシの絶品ニューソウル。Donny Hathawayらしいイントロのエレピが印象的ですな。

Grover Washington Jr.、Bernard Purdie、Penny Ford、Mary J. Blige、Will Downinなどがカヴァーしていマス。またCam'Ron feat.Tiffany「Daydreaming」などでサンプリングネタとしても使われていマス。

「Rock Steady」
これも全米R&Bチャート第2位、ポップチャート第9位となった大ヒット曲。ご機嫌なファンキー・グルーヴですよね。ニューソウル的と言いながら、この手の曲ではやっぱりMemphis Hornsのホーンが欠かせませんな。

本ブログで紹介したJackson Sistersのカヴァー以外にもJade、Dawn Robinson(元En Vogue)、Patti AustinDaryl Hall & John Oatesなどがカヴァーしていマス。また、EPMD 「I'm Housin'」などのサンプリングネタとしてもお馴染みですね。

「Young,Gifted And Black」
Nina Simone作のタイトル曲。黒人への差別に対するプロテスト・ソングであり、Donny Hathawayがカヴァーしたことでも有名ですね(アルバム『Everything Is Everything 』収録)。

この曲名をアルバムタイトルにするあたりに、このアルバムへのArethaの思いが伝わってくるし、サウンド面のみに止まらないニューソウルのアルバムになっているのだと思いマス。作者のNina Simoneのアルバムもそのうち紹介したいですね。

「All The King's Horses」
全米R&Bチャート第7位、ポップチャート第26位となったヒット曲。しみじみとする味わい深いバラード。本ブログではJoss Stone(アルバム『The Soul Sessions』収録)によるArethaへの憧れ一杯のカヴァーを紹介しましたね。他にもGrover Washington Jr.、Randy Crawfordなどがカヴァーしていマス。

「A Brand New Me」
Simon & Garfunkelの名曲をカヴァーしたシングル「Bridge Over The Trouble Waters」(アルバム未収録)のB面曲。ジャズ・テイストのノリがいい感じ。

「April Fools」
Burt Bacharach & Hal David作品。オリジナルは1969年の映画「幸せはパリで」のエンディングテーマに使われたDionne Warwickのバージョン。その後も数多くのアーティストがカヴァーしていますね。実はアルバム中の一番のお気に入り曲っす。このグルーヴ感はメチャ格好いいっす!

「I've Been Loving You Too Long」
伝説の男性ソウルシンガーOtis Reddingのカヴァー。Arethaの代表曲「Respect」もOtisのカヴァーでしたね。当然ながらディープっす。

「First Snow In Kokomo」
アルバム中一番地味な曲かもしれないけど、心温まるバラード。タイトル通り、本当はこの時期よりも冬にピッタリの曲だけど...

「The Long And Winding Road」
Beatles不朽の名曲のカヴァー(アルバム『Let It Be』収録)。こうした超有名をカヴァーしても、完全Aretha版「The Long And Winding Road」にしてしまうところが、やっぱり女王のスゴイところだね。Beatlesのオリジナルを見事にソウルフルに仕上げてみせてマス。

「Didn't I (Blow Your Mind This Time)」
大好きなスウィート・ソウルのグループThe Delfonicsのカヴァー(アルバム『The Delfonics』収録)。オリジナルが大好きなので、勿論これもお気に入りっす。本ブログではRegina Belleのカヴァーも紹介しましたね(アルバム『Reachin' Back』収録)。

「Border Song (Holy Moses) 」
Elton Johnの初期の代表曲(アルバム『Elton John』収録)のカヴァー。勿論Bernie Taupin & Elton Johnの黄金コンビの作品。全米R&Bチャート第5位、ポップチャート第37位となったヒット曲。これもBeatlesのカヴァー同様に、名曲を堂々と自分のモノにしてマス。お見事の一言。

こうやって書いていても捨て曲ナシの名盤だと思いマス。

明日は、ぜひ日本快勝!の記事を投稿したいですね。
posted by ez at 00:53| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月11日

Hanna Hais『Rosanova』

フランス人ボーカリストによるオシャレなディープハウス☆Hanna Hais『Rosanova』♪
ロザノヴァ
発表年:2006年
ez的ジャンル:フレンチ系ディープハウス
気分は... :野暮なんだよね!

僕は野暮なことが大キライだ。

野暮なことをする人(=野暮天)はキホン的に以下のような習性を持つ。
 ・空気を読めない!(アンタのその行為で場の雰囲気ぶち壊し!)
 ・思い込みが激しい!(そう思うのはアンタだけなんじゃない?)
 ・自分優先!相手の立場で考えない!(こっちはそんなこと期待していない!)
 ・しつこい(だからますます嫌われる!)

こんなことを書いても、野暮な人はそれが自分だとは気付かない。
だって野暮天だから...オレ自身がそうだったりして(笑)

さて、今回はそんな野暮天に邪魔されたくないオシャレなディープハウスHanna Hais『Rosanova』(2006年)デス。

Hanna Haisは、南フランス出身のボーカリスト。2002年にChristoph Kardekプロデュース作品「Je sens」、Larry Heardプロデュース作品「Il Parlait Pas Francais」で注目を集め、その後はMasters At Work(MAW)の作品などでもフューチャーされていたようです。

ちなみにMr. Fingers(Larry Heardの別名)のアルバム『Introduction』(1992年)は、マイ・フェイバリット・ハウス・アルバムっす。現在、廃盤のようなので本ブログでは紹介できていませんが(;_;)

本作『Rosanova』はそんなHannaの1stアルバム。フランス語独特の語感が醸し出すクールネスが魅力のボーカルと、かなりラテン、ブラジリアン、アフロ、エレクトロニカなど多彩なハウス・サウンドの組み合わせが何ともオシャレっす。しかも、収録曲のリミックスやダブを収めたボーナスCDも付くお得な2枚組。

何ともトレビア〜ンなアルバムです。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Parfum Chic」
Matthias Heilbronnプロデュース曲。僕好みのパーカッシブなトラックと、アルペジオのギターの音色が何ともスタイリッシュですな。

「3 Notes Pour Dire Je T'aime」
W杯開催中のドイツを拠点とするRalf Gumプロデュースの曲。涼しげなシャーベットのようなディープ・ハウス。

「Il Parlait Pas Francais」
前述のLarry Heardプロデュース曲。Larry Heardらしく実にクールで気持ちイイ曲なのだが、このバージョンには愛を囁く日本人男性の声が入っているのだが、日本人が聴くとちょっと恥ずかしい(>o<)。なので、僕はこの部分がカットされているボーナスCD収録の別バージョンの方が好きだ。

「Desire」
Christoph Kardekプロデュース曲。ボコーダー使いがウレシイっす。全体的なヒンヤリ感が好きデス。

「Rosa Nova」
ヒットしたタイトル曲。パリのオシャレなアコーディオンの音色と、リオあたりのカーニバルの光景を思い浮かべるブラジリアンなサンバのリズムが合体した絶品ナンバー。一番のお気に入りっす。

「Doucement」
Matthias Heilbronnプロデュース曲。ソウル・テイストなファンキーなUSハウスなナンバー。とっても優雅なカンジでいいね。

「De Toi a Moi」
エレクトロニカなナンバー。うねるシンセベースが印象的だね。

「Bel Amant」
パーカッションがトライバルなアフロ・ハウス。ワールド・ミュージックの時にも思ったが、アフロ・サウンドとフランス語って相性がいいよね。

「Je Sens」
前述のChristoph Kardekプロデュース曲。実に気だるく、ドライなカンジが夏向きかもね?

先ほどW杯「イングランド対パラグアイ」が終了したが、イングランドは勝ったけど、中盤が全く機能していなかったね。特に、積極的に攻撃参加できない守備的な役割のランパード、ジェラードなんて観たくなかったなぁ。

やっぱりベッカム、ジェラード、ランバート、ジョー・コールという黄金の中盤4人を機能させるには、数日前にも書いたキャラガーを4人のDFの前に守備的MFとして配置する4-1-3-1-1の布陣がいいと思う。

さぁ、今日の明け方の「アルゼンチン対コートジボワール」も楽しみ。
死のグループC組はどうなるのか?
posted by ez at 00:23| Comment(2) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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