2006年06月02日

Joni Mitchell『Court And Spark』

孤高の女性シンガー・ソングライターがカラフルに昇華☆Joni Mitchell『Court And Spark』♪
Court and Spark
発表年:1974年
ez的ジャンル:クロスオーバー系シンガー・ソングライター
気分は... :クセになりそ〜う!

Joni Mitchellは、Aretha FranklinChaka Khan(Rufus時代も含めて)と並んでCDを10枚以上コレクションしている数少ない女性アーティストだ。女性シンガー・ソングライターで言えば、Carole Kingあたりも結構持っているつもりだったんだけど、今回数えてみたら2桁の大台には届いていませんでした。

僕にとってJoni Mitchellは、好きな女性アーティストと言うよりも、存在感のある女性アーティストってカンジかな?
正直、最初にJoni Mitchellを聴いた頃は、クセがありすぎて、少し苦手だったなぁ。なので学生時代はそれほど熱心には聴かなかったね。同じ女性シンガー・ソングライターならばCarole Kingのようなソフトな印象のアーティストを好んで聴いていた。

Joni Mitchellに興味を持つようになったのは、社会人になってからかな。何か一筋縄では行かないカンジが、ある時ヤケに魅力的になってきたんだろうね。

そんなJoni Mitchellの作品から1枚となると、かなり迷うね。
とりあえず、『Clouds』(1969年)、『Blue』(1971年)、『Court and Spark』(1974年)、『Hejira』(1976年)、『Don Juan's Reckless Daughter』(1977年)あたりが思い浮かぶけど、入門的なアルバムということで今回は『Court and Spark』デス。

『Court and Spark』は、それまでのフォーク的なアプローチから、ジャズ、フュージョン、ロックなどの要素を取り入れて、一気にサウンドがカラフルになったアルバムだ。

そのため、Jose Feliciano、Graham Nash、David Crosby、Robbie Robertson、Wilton Felder、Larry Carlton、Victor Feldman、Joe Sample、Tom Scottといった豪華なメンバーがレコーディングに参加していマス。特に、アレンジ面で多大な貢献をしているTom Scottの存在が大きかったみたいっす。

結果として、それまでの孤高かつやや暗めのイメージを覆し、かなり明るいイメージのアルバムに仕上がりとなり、これが市場にも受け入れられ、全米アルバム・チャートの第2位まで昇る大ヒット・アルバムとなった。

優れたシンガー・ソングライターJoni Mitchellが、様々なミュージシャンとの交流を通じて、よりトータルな音楽づくりへと向かわせたアルバムだと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Court and Spark」
ピアノの弾き語りから始めるタイトル曲は、まだ従来のJoni Mitchellの雰囲気に近いかもね。でも、いい曲っす。

「Help Me」
アルバムからの2ndシングルで、全米チャート第7位という彼女最大のヒットとなった曲。この曲の明るさ、キャッチーさは従来のイメージを明らかに覆すものだね。Tom Scottのホーン、Larry Carltonのギター、Joe Sampleのエレピがとても心地良く、フォーク+ソウル+フュージョン的なカンジが魅力のナンバーっす。

そう言えば、Princeの『Sign O' The Times』で一番好きな曲である「Ballad of Dorothy Parker」の歌詞は、「Help Me」の1節が引用されているという記事を読んだことを思い出しまシタ。

「Free Man in Paris」
「Help Me」に続くアルバムからの3rdシングル。この曲も多忙な生活から逃れたい逃避願望の歌詞を明るいノリで歌っていマス。Jose Felicianoがギター、Graham Nash、David Crosbyがコーラスで参加。隠し味でエスニックなテイストも漂ってきマス。

「Same Situation」
「変わらぬ事情」というストレートな邦題がヤケに説得力があるナンバー。Joni Mitchellらしい浮遊感が引き立つアレンジがいいカンジです。

「Car on a Hill」
実にソウルフルでジャジーな仕上がりのナンバー。コーラスのアレンジがいいカンジっす。この曲は少しCarole Kingっぽいかもね。

「Down to You」
曲もいいけど、ピアノ弾き語りに絡むハープ、オーボエ、ホルンなどのアレンジが秀逸のナンバー。このあたりはTom Scottの貢献が大きいのでしょう。

「Just Like This Train」
個人的に一番お気に入りのナンバー。シンプルなアレンジだけど、さり気にオシャレっす。何より曲がいいね!晴れた日の朝に眠い目をこすりながら聴きたいカンジの曲。

「Raised on Robbery」
アルバムからの先行シングル。かなりロック色の強いナンバーっす。この曲も従来のイメージを払拭するインパクトがあったのでは?Robbie Robertsonがギターで参加していマス。

「Trouble Child」
ソウル・テイストのナンバー。静かなるファンキー・ソウルってカンジですね。ホーンアレンジが激シブでいいカンジ。

「Twisted」
モロにジャズなナンバー。この曲のみがオリジナルではありません。必死にジャズ・シンガーしているカンジがいいっす。

それにしても、Amazonのジャケ写真は何でこんなピンボケ使っているのかね。
実際は彼女自身が描いたイラストがもっとクッキリ☆ハッキリしていマス。

名曲「Both Sides, Now(青春の光と影)」収録の『Clouds』、印象的なジャケ写真と共に当時の彼女自身の内面を赤裸々に歌った『Blue』、Jaco Pastorius等参加の2枚組大作『Don Juan's Reckless Daughter』など他にも紹介したいだらけのJoni Mitchellデス。
posted by ez at 02:21| Comment(4) | TrackBack(1) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする