発表年:1975年
ez的ジャンル:ウェルウェル系ファンク&バラード
気分は... :やっぱり熱いハート!
昨日、一昨日と村上ファンドの村上代表の逮捕前の会見を何度となくTVで観た。その中であるワイドショーの女性コメンテーターが“とにかくこの人偉そうなところがイヤ!まだホリエモンの方がカワイイ!”みたいな発言をしていた。単純だけど、ある意味実に的を得ていると思った。
村上氏本人は、“儲けてすぎているから私は嫌われる”と発言していたが、それは違うと思うなぁ。きっと、彼の高慢な態度に対して、みんな嫌悪感を抱いているのだと思う。(高学歴の)頭の良い人って、頭の良い=魅力的な人間と勘違いしているケースがしばしば見受けられるよね。
先のコメンテーターではないが、人間やはり多少のダメダメ部分が見える方が魅力的だ。きっと魅力的な人って、長所だけではなく、短所も含めてチャーミングな気がする。どんなに頭の良い人間でも全知全能の神ではない。人間何事も謙虚さが大事なのだと思う。
さて、大ベテランになっても、新作『Baby Makin Music』で相変わらずのエロエロぶり健在を示してくれているThe Isley Brothers。Isley's好きの僕のiPodでも『Baby Makin Music』はヘビロテ中っす。前にも書いたけど、R&B系アーティストで最も多くCDを持っているがIsley Brothersっす。
今回はそんなIsley Brothersの70年代黄金期の1枚『The Heat Is On』(1975年)デス。Isley Brothersの紹介は、官能のエロエロ・アルバム『Between The Sheets』(1983年)に続き2回目になりますね。
『Between The Sheets』が、O'Kelly Isley、Rudolph Isley、Roland Isleyのボーカル隊とErnie Isley、Marvin Isley、Chris Jasperのリズム隊による、いわゆる「3+3」時代のラスト作品であったのに対して、『The Heat Is On』は『3+3』(1973年)、『Live It Up』(1974年)に続く、「3+3」時代の第3作目でIsley流ファンクが確立したアルバムではないかと思いマス。
LPで言うA面がパワフルなファンク・チューン、B面がメロウなバラードという分かりやすい構成っす。全6曲とやや物足りなさを感じる方もいるかもしれませんが、なかなか少数精鋭の布陣っすよ!
全曲紹介しときやす。
「Fight the Power」
Isley'sを代表するファンク・チューン。この暑苦しいグルーヴ感がIsley'sらしいよね。あとは、“Fight the Power”というメッセージが決定的に重要なんだと思いマス。
Hip-Hopファンの方はご存知の通り、以前紹介したPublic Enemyによる黒人社会へ権力との闘いを訴えたHip-Hopクラシックの同名曲「Fight the Power」は、本曲がモチーフですよね。他にもCypress Hill「Phuncky Feel One」、WC & the Madd Circle「Back on the Scene」等のサンプリング・ネタにもなっている名曲っす。
「Heat Is On(Part1 & 2)」
Stevie Wonder顔負けにブイブイ唸るムーグが大活躍のタイトル・チューン。この曲も直球ど真ん中ってカンジで押しまくりなところがいいね。
「Hope You Feel Better Love(Part1 & 2)」
『3+3』収録の名曲「That Lady」と同タイプのナンバー。ギターのカンジがどことなくDoobie Brothers「Long Train Runnin'」あたりに近いかも?ここまでがA面のファンク・サイドっす。
「For the Love of You(Part1 & 2)」
ここからがB面バラード・サイド。この曲は説明不要の超有名クラシック・ナンバーですね。淡々とした中にも、何とも言えない濃厚なコクがある。
以前にJoss Stoneによる絶品カヴァーを紹介したことがあるけど、他にもDr. Dre and Ed Lover、Whitney Houston、Hil St. Soul等のカヴァーも有名ですね。さらに、Big Mike「Ghetto Love」、Common「Puppy Chow」、Smooth「Mind Blowin」、Master Ace「The I. N. C. Ride」、The DOC「From Ruthless 2 Death Row」、Thug Life (2pac) 「Bury Me a G」、Slick Rick「Sittin' in My Car (Remix)」等のサンプリング・ネタとしても定番ですよね。
「Sensuality(Part1 & 2)」
アルバムの中では地味な存在だけど、じんわり染み渡ってくる味わい深いバラード。
「Make Me Say It Again Girl(Part1 & 2)」
これはAaliyahのカヴァーでも有名な『Harvest for the World』収録の名曲「At Your Best (You Are Love)」あたりを彷彿させる絶品バラード。この曲も定番サンプリング・ネタですね。Naughty By Nature「Hip Hop Horay」 、Raja-Nee「Turn It Up」、Coolio「For My Sistas」、Mario Winans「Every Now And Then」、Bone Thugs-N-Harmony「Crossroads」 等
本作に限らず、『3+3』(1973年)、『Live It Up』(1974年)、『Harvest for the World』(1976年)、『Go for Your Guns』(1977年)、『Showdown』(1978年)、『Winner Takes All』(1979年)という70年代の諸作はどれもオススメっす。
70年代Isley'sに外れなし!