2006年06月09日

Modern Jazz Quartet『Django』

ジャズ史に残る名コンボの代表作☆Modern Jazz Quartet『Django』
Django
録音年:1953-55年
ez的ジャンル:室内楽的系ジャズ
気分は... :お上品に!

ここ2日間ほど夜はしゃぎすぎて、少々グロッキー気味。
9日からのワールドカップ開幕にも備えて、昨日は大人しくしていまシタ。

そんなアルコールだらけの体内を浄化する音楽として、Modern Jazz Quartetの名作『Django』をセレクト。

Modern Jazz Quartet(MJQ)と言えば、1952年にJohn Lewis(p)、Milt Jackson(vibe)、Percy Heath(b)、Kenny Clarke(ds)の4人により結成され、長年ジャズ界に君臨した屈指の名コンボですね。

個人的にvibe好きの僕としては、Milt Jacksonのファンなのですが、やっぱりMJQの肝はJohn Lewisですね。クラシックの要素を取り入れたLewisの作・編曲能力が、しばしば室内楽的と称されるMJQならではの個性的なジャズ構築に大きく貢献していますよね。

とにかくMJQのジャズってスマートで上品だよね。Lewisによるクラシック的センスに加え、ホーンレスのコンボという構成も、MJQらしい優雅でヨーロピアン的なテイストをもたらしてくれるのかもしれない。あとはジャズ・ミュージシャンらしからぬ、いつもピシッとした服装も印象に残るよね。

そんなMJQの代表作と言えば、やはり『Django』ということになるのでは?
このアルバムは1953年、1954年、1955年の3回のセッションを収めたものであり、意外なことにオリジナル・メンバーによる唯一のアルバムだ(その後ドラマーのKenny Clarkeが脱退し、代わりにConnie Kayが加入)。

僕が普段ジャズに求めているものは、もっとブルージーでグルーヴ感のあるものだが、たまにはこうした優雅なジャズもいいもんですね。あと今回聴いて思ったけど、案外ラウンジ・ミュージック的な聴き方もできるのがこのアルバムだ。

全曲紹介しときやす。

「Django」
MJQの代表曲と呼べる永遠の名曲。ジプシーの血を引くベルギー出身の名ギタリストDjango Reinhardtの死(1953年)を悼んでJohn Lewisが作ったもの。深い悲しみに満ちながらも、その優雅な演奏はMJQならではのもの。特に、Milt Jacksonのvibeは実にオシャレですな。

この曲はHip-Hop世代にも受け入れられ、例えば約1週間前に紹介したFugees「Ready or Not」のClark Kent/Django Remix等でサンプリング・ネとしても使われていマス。

「One Bass Hit」
Dizzy Gillespie/Oscar Pettifordの作品。タイトルの通り、Percy Heathのベースがヒットしまくりマス。

「Ronde Suite」
John Lewis作曲によるA)Piano、B)Bass、C)Vibes、D)Drumsの4部構成の組曲。タイトルの通り、リードする楽器が次々と代わり、各メンバーの個性やアンサンブルの素晴らしさを堪能できる作品だ。でも、この曲って本ブログで紹介したMiles Davis『Milestones』(1958年)に収録されているJohn Lewis & Dizzy Gillespie作品「Two Bass Hit」と同じ曲だと思うんだけど...詳しい事情は僕は知りません。

「Queen's Fancy」
これもJohn Lewis作曲による上品なナンバー。バロック音楽なテイストが女王様の気品を高めてくれマス。

「Delaunay's Dilemma」
フランス人の有名ジャズ評論家にちなんだ曲だとか。そういえばどことんばくパリのセーヌ川の情景が浮かんでくる?

「Autumn in New York」
有名なスタンダード・ナンバー。ちょっと季節外れだけど、梅雨のジメジメ空模様にはこの哀愁感はピッタリかも。この曲を聴きながら、雨の午後に家で読書でもするなんてなかなかいいんじゃないかな。

「But Not for Me」
これもGeorge Gershwinによる超有名スタンダード。この曲あたりを聴いているとMJQってラウンジ・ミュージックな気がしてくる。

「Milano」
John Lewisがタイトル通りイタリアのミラノに捧げた作品。Milt好きにはvibeを堪能できまぁ〜す。

John Lewis(2001年死去)、Milt Jackson(1999年死去)、Percy Heath(2005年死去)、Kenny Clarke(1985年死去)、Connie Kay(1994年死去)とメンバーは誰もこの世にいない。

でも、この『Django』は今後もホーンレス・ジャズの名作として語り継がれていくであろう。先にも書いたけど、個人的にはラウンジ的な聴き方をすると面白い気がしマス。

さてさて、明日からいよいよW杯!
ここ1ヶ月は連日W杯ネタが続くと思いますがご勘弁をm(_ _)m
posted by ez at 00:55| Comment(3) | TrackBack(0) | 1950年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする