発表年:1972年
ez的ジャンル:アレサ流ニューソウル
気分は... :いよいよ明日!
いよいよ明日(正確には今日だね)はサッカーW杯「日本対オーストラリア」戦ですね。
気温上昇が予想される中、中田英が強調するように、走りまくって、日本らしいテンポの良いパスワークで圧倒し、勝利して欲しいですね。ただただ祈るばかりデス。
それにしても、ここまで6試合を観た限りでは、強豪国と呼ばれていた国とそれ以外の国との実力差は確実に縮まっているカンジがする。結果は順当でも、中身はスリリングな試合が多い。つまらない試合が多かった日韓大会よりは楽しめそうな予感っす。
今回は“クイーン・オブ・ソウル”Aretha Franklinの70年代イチオシ作品『Young, Gifted And Black』(1972年)デス。
Aretha Franklinの作品を紹介するのは、絶対外せないマストな名曲「Respect」収録の出世作『I Never Loved a Man the Way I Love You』以来2回目になりマス。
『I Never Loved a Man the Way I Love You』(1967年)、『Lady Soul』(1968年)といった作品で“クイーン・オブ・ソウル”の地位を確立したArethaは、その後70年代前半まで黄金時代を駆け抜けた。
60年代後半の作品の中では前述の2枚がイチオシだが、1970年代前半の作品でダントツで好きなのが本作『Young, Gifted And Black』(1972年)。
このアルバムは、女王Aretha Franklinによるニューソウル・アルバムと位置づけられるのではないかと思いマス。『黒人讃歌』という邦題あたりからも、そのニューソウル的アプローチを察することができるし、サウンド的にもアトランティック的な南部サウンドから、都会的なニューソウル・サウンドに仕上がっています。
バック陣も、お馴染み南部系ミュージシャンはAl Jackson Jr.、Memphis Hornsは一部の曲で参加しているくらいで、それ以外はDonny Hathaway、Billy Preston、Cornell Dupree、Hugh McCracken、Eric Gale、Chuck Rainey、Bernard Purdie、Ray Lucas、Hubert Lawsといった都会派サウンドを期待させるメンツです。
全曲紹介しときやす。
「Oh Me Oh My (I'm A Fool For You Baby) 」
シングル「Rock Steady」のB面曲ながらチャートインしたナンバー。力強いAretha節が聴ける胸に響くバラード。ストリングスの盛り上がりがイイ感じ。後半の展開はニューソウルしてマス。
「Day Dreaming」
全米R&Bチャート第1位、ポップチャート第5位となった大ヒット曲。文句ナシの絶品ニューソウル。Donny Hathawayらしいイントロのエレピが印象的ですな。
Grover Washington Jr.、Bernard Purdie、Penny Ford、Mary J. Blige、Will Downinなどがカヴァーしていマス。またCam'Ron feat.Tiffany「Daydreaming」などでサンプリングネタとしても使われていマス。
「Rock Steady」
これも全米R&Bチャート第2位、ポップチャート第9位となった大ヒット曲。ご機嫌なファンキー・グルーヴですよね。ニューソウル的と言いながら、この手の曲ではやっぱりMemphis Hornsのホーンが欠かせませんな。
本ブログで紹介したJackson Sistersのカヴァー以外にもJade、Dawn Robinson(元En Vogue)、Patti Austin、Daryl Hall & John Oatesなどがカヴァーしていマス。また、EPMD 「I'm Housin'」などのサンプリングネタとしてもお馴染みですね。
「Young,Gifted And Black」
Nina Simone作のタイトル曲。黒人への差別に対するプロテスト・ソングであり、Donny Hathawayがカヴァーしたことでも有名ですね(アルバム『Everything Is Everything 』収録)。
この曲名をアルバムタイトルにするあたりに、このアルバムへのArethaの思いが伝わってくるし、サウンド面のみに止まらないニューソウルのアルバムになっているのだと思いマス。作者のNina Simoneのアルバムもそのうち紹介したいですね。
「All The King's Horses」
全米R&Bチャート第7位、ポップチャート第26位となったヒット曲。しみじみとする味わい深いバラード。本ブログではJoss Stone(アルバム『The Soul Sessions』収録)によるArethaへの憧れ一杯のカヴァーを紹介しましたね。他にもGrover Washington Jr.、Randy Crawfordなどがカヴァーしていマス。
「A Brand New Me」
Simon & Garfunkelの名曲をカヴァーしたシングル「Bridge Over The Trouble Waters」(アルバム未収録)のB面曲。ジャズ・テイストのノリがいい感じ。
「April Fools」
Burt Bacharach & Hal David作品。オリジナルは1969年の映画「幸せはパリで」のエンディングテーマに使われたDionne Warwickのバージョン。その後も数多くのアーティストがカヴァーしていますね。実はアルバム中の一番のお気に入り曲っす。このグルーヴ感はメチャ格好いいっす!
「I've Been Loving You Too Long」
伝説の男性ソウルシンガーOtis Reddingのカヴァー。Arethaの代表曲「Respect」もOtisのカヴァーでしたね。当然ながらディープっす。
「First Snow In Kokomo」
アルバム中一番地味な曲かもしれないけど、心温まるバラード。タイトル通り、本当はこの時期よりも冬にピッタリの曲だけど...
「The Long And Winding Road」
Beatles不朽の名曲のカヴァー(アルバム『Let It Be』収録)。こうした超有名をカヴァーしても、完全Aretha版「The Long And Winding Road」にしてしまうところが、やっぱり女王のスゴイところだね。Beatlesのオリジナルを見事にソウルフルに仕上げてみせてマス。
「Didn't I (Blow Your Mind This Time)」
大好きなスウィート・ソウルのグループThe Delfonicsのカヴァー(アルバム『The Delfonics』収録)。オリジナルが大好きなので、勿論これもお気に入りっす。本ブログではRegina Belleのカヴァーも紹介しましたね(アルバム『Reachin' Back』収録)。
「Border Song (Holy Moses) 」
Elton Johnの初期の代表曲(アルバム『Elton John』収録)のカヴァー。勿論Bernie Taupin & Elton Johnの黄金コンビの作品。全米R&Bチャート第5位、ポップチャート第37位となったヒット曲。これもBeatlesのカヴァー同様に、名曲を堂々と自分のモノにしてマス。お見事の一言。
こうやって書いていても捨て曲ナシの名盤だと思いマス。
明日は、ぜひ日本快勝!の記事を投稿したいですね。