録音年:1956-57年
ez的ジャンル:ダンディズム系ウエストコースト・ジャズ
気分は... :ナルシスト気分で!
昨日でW杯決勝トーナメント1回戦終了。
「フランス対スペイン」は見ごたえありましたね。
グループリーグの戦いぶりを観れば、スペイン有利と予想した人が多かったと思うけど、フランスがグループリーグのダメダメぶりから見違えるような素晴らしいサッカーでスペインを圧倒してしまいましたね。僕もかなり予想外でした。個人的には、今大会こそスペインは実力を証明してくれると思ったんだけど...
フランスは、ジダンおよびビエラの復調は勿論のこと、右ウィングのリベリが化けてきたね。グループリーグの頃は、右ウィングにジュリが居れば?なんて嘆いていたが、一戦ごとのもの凄い成長ぶりには驚きました。こういったラッキーボーイの存在とジダンの有終の美を飾るためにチームがまとまりを見せれば、ブラジルもうかうかできないね。相変わらず、ドメネク監督はとても名将には思えないが。
今回は白人アルトサックス奏者の最高峰の一人Art Pepper(1925-1982年)っす。
Art Pepperと言えば、Gerry Mulligan、Chet Baker、Bud Shankらと並ぶ1950年代に流行ったウエストコースト・ジャズを代表するミュージシャンの一人。
ダンディズムに満ちた天才肌の白人ジャズ・ミュージシャンというのが、僕の抱くArt Pepperのイメージだ。実際のArt Pepperは、天才アルトサックス奏者としての名声を手に入れた一方で、麻薬中毒のために刑務所行きを何度も繰り返した自己破滅型のジャズ・ミュージシャンだったらしい。
そんなPepperのピークを伝える作品が50年代後半に録音された『The Art Pepper Quartet』(1956年)、『Modern Art』(1956-57年年)、『Art Pepper Meets The Rhythm Section』(1957年)の3作品だと思いマス。
その中から最もダンディなPepperのアルトサックスを堪能できる作品だと思う『Modern Art』をセレクトしました。
ジャズ評論家によると、本作はPepperの天才的なアドリブ・センスを発揮しまくてっている、まさに“現代アート”な作品らしい。メンバーは、Art Pepper(as)、Russ Freeman(p)、Ben Tucker(b)、Chuck Flores(ds)。Russ Freemanを中心に控え目ながらPepperを好サポートしていヤス。
僕的には、このアルバムを聴いていると、ジャケ写真のPepperのように、眉間にシワを寄せながら、シブ〜い大人を演じて物思いに耽りたくなる。
さぁ、今晩はナルシスト気分なジャズで決めてみよう!
オススメ曲を紹介しときやす。
「Blues in」
Tuckerのベースをバックに、いきなりPepperの少し翳りのある艶やかなアルトを堪能できるナンバー。
「Bewtched」
Freemanのメロウなピアノ伴奏をバックに、「魅せられて」という邦題の通り、ロマンチックなPepperのアルトにうっとりするバラード。
「When You're Smiling」
Pepperのダンディズムぶりが発揮された、軽快で小粋なミディアム・ナンバー。こんなさり気なくオシャレなジャズを聴けば、愛しのアノ娘も微笑むかもね?
「Cool Bunny」
ウエストコースト・ジャズらしいクールネスに満ちたナンバー。このヒンヤリ感がとっても好きですな。
「Dianne's Dilemma」
ジャケ写真のような苦悩するPepperの心情がそのまま音になったようなナンバー。
「What Is This Thing Called Love」
ライトタッチなスウィンギー・ナンバー。ウエストコースト・ジャズって、このキザでクールな軽さが魅力だと思うなぁ。
「Blues out」
「Blues in」で始まり、「Blues out」で閉める。このあたりの構成がPepperらしい気がしマス。
CD化に際して追加された「Summertime」、「Fascinating Rhyth」、「Begin the Beguine」、「Webb City」も素晴らしく、かなり嬉しいボーナストラックっす。