2006年07月26日

Johnny Hammond『Gears』

Mizell兄弟のSky High Productionの魅力を満喫できる1枚☆Johnny Hammond『Gears』
Gears
発表年:1975 年
ez的ジャンル:スカイ・ハイ系ジャズ・ファンク
気分は... :ジメジメ・モード...除湿しなきゃ!

なんかジメジメした日が続き、気分もイマイチ晴れませんね。
僕は湿気にめっぽう弱いタイプの人間なので、今のような天候が続くと、どんどん体が弱ってくるカンジっす。

この間の土日も2日連チャンでウナギ食べたけど、全然パワーが湧かない(´_`)
やっぱりウナギはもっと晴れた日に、気持ちいい汗をかきながら食べたかったよね。

音楽の方も本当は夏気分で思いっきりサマーなアルバムをいくつも紹介したいんだけど、そんな気分じゃないので、みんな先延ばしですな。

ということで、久々に迷った末、約2年ぶりくらいにCD棚で発見したJohnny Hammond『Gears』をセレクト。

本作はファンキーなジャズ・オルガン奏者として活躍してきたJohnny Hammondが、クラブ系リスナーに大人気のSky High ProductionでLarryとFonceのMizell兄弟のプロデュースのもとで制作されたアルバムっす。

Sky High Productionの作品を紹介するのはDonald Byrd『Places and Spaces』以来ですかね。正直、Johnny Hammondについてはあんまり知りません。このアルバムもSky High Productionというだけで購入してしまった記憶があります。

中身は、とってもSky High Production的な仕上がりなので、そういったニーズの方には期待通りのジャズ・ファンク作品になっていると思いますっ!ジャケを見る限りでは、この時点でかなり年配なカンジのHammondですが、オルガンのみならずエレピ、シンセを駆使して、オシャレかつグルーヴィーな演奏を聴かせてくれマス。

ジメジメモードを除湿してくれる心地良いジャズ・ファンクですよ!

全曲紹介しときヤス。

「Tell Me What to Do」
Sky Highらしいサウンドのオープニング。このメロウでスペイシーなSky Highサウンドを聴くと、とっても爽やかモードで湿度が一気に下がる気がするよね。

「Los Conquistadores Chocolates」
クラブ系リスナーの方にはお馴染みのクラシック・ナンバー。最初聴いた時は変テコなラテン・グルーヴだなと思ってたんだけど、聴く度にだんだんクセになってきまシタ。徐々に前のめりに盛り上がってくるカンジがいいですね。Harvey Masonのドラムが目立ってますね。

「Lost on 23rd Street」
地味なナンバーかもしれないけど、いいカンジのスローです。後半のファンキーな展開から一転して、またメロウ・モードに戻る瞬間が大好きだなぁ。

「Fantasy」
フリーソウルのコンピ『Free Soul Wind』にも収録されてるナンバー。僕はこの曲が一番スキかなぁ。メロウ&グルーヴなノリにストリングスとコーラスが絡んで、いかにもSky Highってカンジだよね。ワンパターンなんだけど、このコーラスに毎度ヤラれてしまいますな。ここではHammondのその名に恥じないファンキーなオルガンを堪能できマス。

「Shifting Gears」
これも人気のナンバーですね。Chuck Raineyのベースがメチャいいですね。カッチョ良さ言えば、この曲のジャズ・ファンクなノリが一番かもね。

「Can't We Smile?」
ミステリアスな雰囲気のスロー。バイオリンも加わり、とっても不思議なスペイシー・サウンドに仕上がっていマス。

今回、久々に聴いて、自分がSky High作品にハマる最大の要因がMizell兄弟のアノ軟弱コーラスであることを再認識しました。
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2006年07月25日

Kierra KiKi Sheard『This Is Me』

日本でも大人気!次世代ゴスペル・シンガーKiki嬢の新作☆Kierra KiKi Sheard 『This Is Me』
This Is Me
発表年:2006年
ez的ジャンル:キュート系アーバン・ゴスペル
気分は... :第2弾もいいよ!

今回は、日本独自編集アルバムKiki『Let Go』(2005年)でブレイクしたKiKiことKierra KiKi Sheard の2ndアルバム『This Is Me』デス。

とにかKiki『Let Go』は日本では思わぬ大人気となりましたよね。1月の記事投稿のあと、TVのCMでやたらシングル「Let Go」が流れているのには驚いたよね。僕の周囲でも、普段洋楽の新譜なんかノーチェックの女性が、しっかりこの曲だけは携帯にダウンロードしているのにはビックリしたね。

本ブログでも1月に『Let Go』の記事投稿をしたところ、瞬く間に大人気となり、本ブログの2006年1月-3月アクセス数Top10では、Pretty Ricky『Bluestars』(2005年)と並びダントツの人気でシタ。

日本では少しアイドルR&Bシンガー的な売れ方になってしまったが、本来、Kierra Kiki Sheardは、2004年に弱冠17歳でデビューアルバム『I Owe You』が全米ゴスペル・チャートで1位を記録した期待の若手ゴスペル・シンガーである。伝説的ゴスペル・グループClark Sistersのオリジナル・メンバーであり、ソロ・シンガーとしても活躍するKaren Clark Sheardを母親に持つ本格派なのだ。

そんなKiKi嬢の2ndアルバム『This Is Me』がリリースされまシタ。

『Let Go』に続く二匹目のドジョウを狙ってか、国内盤はジャケや曲順・曲目も変更して先行リリースされた。僕はキホン的に売る気満々のこうした国内盤の企画がキライなので、輸入盤でゲット。

国内盤のセクシーな雰囲気と比較すると、ずいぶん垢抜けない輸入盤のジャケだけど、この雰囲気こそが本来のKierra KiKi Sheardなのではと思う。実際の彼女は大学でエンターテイメント・ビジネスを学ぶ学生さんだ。

肝心の中身は、相変わらずのR&B路線。「Let Go」のような決め球には欠けるものの、作品はなかなか粒揃いだと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Yes」
アルバムからのリード・シングル。「Let Go」と同じWarren Campbellによる作品。Amerieの大ヒット「1Thing」にソックリと話題だけど、確かに似てるよね。若い女性が大好きそうなアゲアゲなナンバーっす。

「It Is What It Is」
個人的にはこの切ないメロウ・ナンバーがダントツで好き!僕の胸キュン・バロメータが一気に跳ね上がりまシタ。本曲を手掛けたFred Jerkinsを中心としたDarkchildがアルバム全体を通じて大活躍デス。

「You're The Only One」
Fred Jerkinsの息子Lil Freddieが制作にクレジットされ、Lil Freddieの妹Beyonceがイントロに登場するというFred Jerkinsファミリー総動員のアップ・ナンバー。

「Have What You Want」
Kikiが初ラップに挑戦したナンバー。一緒にラップするのはKikiの弟J.Drew。この曲でラップ以外にプロデュース、演奏もマルチにこなした、この16歳の弟も音楽一家の血筋でなかなかの才能の持ち主みたいです。

「You」
ファンの間では人気の高いナンバー。ラテン・フレイヴァーも効いていて夏向きのアゲアゲ・ナンバーだね。僕もアップものではコレが一番スキかも?Warren Campbellによる作品。

「This Is Me」
Darkchildが手掛けたタイトル・ナンバー。落ち着いた雰囲気のスロー。Kikiの場合、こうした歌唱力を堪能できるナンバーも外せないよね。

「Wrong Things」
前作にも参加していたPAJAMが手掛けたナンバー。聴き重ねるごとにクセになる曲。

「Why Me?」
これもDarkchildプロデュース曲。なかなかキャッチーなミディアム・チューン。

「No, Never」
弟J.Drewのプロデュース曲。実にアレンジがカッチョ良いミディアム。「It Is What It Is」、「You」と並ぶ僕の本アルバムBest3かな。この弟はやはり只者ではないね!

「Hear This」
しっとりとしたアコースティックなスロー。夏の夜にピッタリなメロウネス溢れる1曲。

日本でのアイドル的な扱いに惑わされず、次世代を担うゴスペル・シンガーの才能をご堪能あれ!
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2006年07月24日

Beastie Boys『Paul's Boutique』

悪ガキ3人組による緻密なHip-Hop☆Beastie Boys『Paul's Boutique』
Paul's Boutique
発表年:1989年
ez的ジャンル:悪ガキ系Hip-Hop
気分は... :サンプリングの嵐☆

今回は永遠の悪ガキどもBeastie Boysの2nd『Paul's Boutique』(1989年)デス。

以前にも書いたように、僕が最初に購入したHip-HopアルバムはDe La Soul『3 Feet High And Rising』(1988年)だった。

そんな僕にとって、Hip-Hopがアンダーグラウンドな音楽ではなく、メジャーなものであると印象づけてくれたのが、Run DMC『Rising Hell』(1986年)、Beastie Boys『Licensed to Ill』(1986年)の2枚デス。

Beastie Boysは、Mike D、MCA、John Berry、Kate Schellenbach(後にLuscious Jacksonへ加入)の4人で1981年に結成された。当初はハードコア・パンクのバンドであったが、プロデューサーRick Rubinとの出会いが、彼らをHip-Hopグループへと転身させ、Mike D、MCA、Ad-Rockの3人体制となり、Def Jamから発表したデビューアルバム『Licensed to Ill』(1986年)が大ヒットした。

しかし、その後契約のゴタゴタが訴訟問題へと発・し、Def Jamを離れ、新たにCapitolと契約を交わすこととなった。拠点もニューヨークからロサンゼルスへと移し、Dust Brothersをプロデューサーに揃えて、制作された作品が本作『Paul's Boutique』(1989年)である。

大ヒット作『Licensed to Ill』は、悪ガキの勢いをパンクとHip-Hopをミクスチャーしたようなサウンドで結実させた作品だった。それに対して、本作『Paul's Boutique』(1989年)は、緻密に作り込まれたトラックにより、サンプリングの醍醐味が味わえるアルバムだ。

残念ながら、僕は本作はリリース時には結局聴かずじまいで、その後90年代に入り、本格的にHip-Hopを聴くようになってから、後追いで聴いた。

本来、彼らの代表作と言えば、彼ららしいスタイルを確立した3rd『Check Your Head』(1992年)、4th『Ill Communication』(1994年)あたりかもしれないけど、個人的にはこの2ndも捨て難いっす。

特に、BeatlesPaul McCartney、Eaglesといったロック・ネタも多く、普段Hip-Hopを聴かないロック好きの人もネタ使いにニヤリとする作品も多いと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Shake Your Rump」
Alphonse Mouzon「Funky Snakefoot」のドラムブレイクがメチャかっちょ良い、シングルカット曲。Rose Royce「6 O'clock DJ (Let's Rock)」ネタのダークなサウンドも印象的ですね。この1曲で1st『Licensed to Ill』からの進化を明らかに感じることができますね。Dust Brothersの手腕はお見事ですな!

他にJames Brown fest. Afrika Bambaata「Unity」、Afrika Bambaataa「Jazzy Sensation」、Harvey Scales「Dancing Room Only」、Rose Royce「Born To Love You」、Rose Royce & Norman Whitfield「Yo Yo」、Ronnie Laws「Tell Me Something Good」、Funky 4 Plus 1「That's The Joint」、Sugarhill Gang「8th Wonder」ネタ。

「Johnny Ryall」
Paul McCartney「Momma Miss America」のドラムブレイクがBeatlesファンにはウレシイ限り。シンプルでストレートなトラックがかえっていいカンジかも?

他にDonny Hathaway「Magnificent Sanctuary Band」、Jean Knight「Mr. Big Stuff」、David Bromberg「Sharon」、DJ Grand Wizard Theodore「Military Cut (Scratch Mix)」ネタ。

「Egg Man」
名曲Curtis Mayfield「Superfly」をベースに、ヒッチコック監督の名作映画『サイコ』の有名なシャワーシーンで使われたBernard Herrmann「A Suite For Strings」ネタが絡んでくるトラックはかなり強烈だよね。かなり好きだね!

他にCommodores「I'm Ready」、Lightin' Rod「Sport」、Tower of Power「Drop it in the Slot」、Elvis Costello「Pump it Up」、Sly & The Family Stone「Dance To The Music」ネタ。

「Sounds Of Science」
「Johnny Ryall」以上にBeatlesファンを歓喜させる曲。なんと「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」、「When I'm Sixty-Four」、「The End」というBeatlesネタ3連発。特に「The End」の使い方はカッチョ良いよね☆他にJames Brown「Get Up, Get into It, Get Involved」、Isaac Hayes「Walk from Regio's」、Boogie Down Productions「My Philosophy」ネタ。

「High Plains Drifter」
The Fatback Band「Put Your Love (In My Tender Care)」ネタの官能トラックが印象的なナンバー。他はEagles「Those Shoes」、Loggins & Messina「Your Mama Don't Dance」、Ramones「Suzy is a Headbanger」といったロックネタ。

「Hey Ladies」
アルバムで一番好きなシングルカット曲。やんちゃなBeastie'sの魅力と緻密でファンキーなトラックが実にうまくまとめ上げられていると思いマス。

大好きなZapp「Dance Floor」をはじめ、James Brown「Ain't it Funky」、「Funky President」、Commodores「Machine Gun」、Bar-Kays「Holy Ghos」、Cameo「Shake Your Pants」、Jeanette 'Lady' Day「Come Let Me Love You」、Kool and the Gang「Jungle Boogie」、P-Funk All Stars「Pumpin it Up」、Roger「So Ruff, So Tuff」、Edwin Starr「Involved」といったネタをお気に入りデス。

「Car Thief」
これもファンキーかつミステリアスなトラックが魅力のナンバー。Funk Factory「Rien Ne Va Plus」、Funkadelic「I Bet You」、Jackson 5「I'll Bet You」、Trouble Funk「Drop the Bomb」、Donovan「Hurdy Gurdy Man」ネタ。

「What Comes Around」
Gene Harris & the Three Sounds「Put on Train」ネタの重く引きずるようなトラックが印象的ですね。Alice Cooper「It's Hot Tonight」、Led Zeppelin「Moby Dick」ネタ。

「Shadrach」
これもシングルカットされたナンバー。Rose Royce「Do Your Dance」、Sly Stone「Loose Booty」、Black Oak Arkansas「Hot and Nasty」ネタの絡みによるファンキーかつエッジの効いたトラックがカッチョ良いナンバー。

James Brown「Funky Drummer」、Trouble Funk「Good to Go」、Ballin'jack「Never Let'em Say」、Spoonie G & the Treacherous Three「SugarHill Groove」ネタ。

もしかしたら、ネタは一部あやしいものもあるかも?間違っていたらゴメンナサイ。
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2006年07月23日

Clifford Brown『Study In Brown』

25歳で逝った天才ブラウニーが残してくれた宝物☆Clifford Brown『Study In Brown』
Study in Brown
録音年:1955年
ez的ジャンル:天才トランペッター系ハードバップ
気分は... :マジメにお勉強しましょ!

久々に50年代ジャズを!
今回は天才トランペッターClifford Brownの作品『Study In Brown』(1955年)デス。

Clifford Brownについては、これまでLee MorganSarah VaughanArt Blakey Quintetの記事投稿の中で紹介してきまシタ。

1956年6月に交通事故のため、わずか25歳でこの世を去った“ブラウニー(Clifford Brownの愛称)”。

彼がジャズ・シーンで活躍した期間はわずか4年足らずだ。しかし、その間にモダン・ジャズのトランペット・スタイルを築き上げ、帝王Miles Davisも賛辞を惜しまなかったというあたりがブラウニーの天才たる所以だ。

1951年にジャズ・シーンにデビューし、1952年に初レコーディングを行い、1954年には本ブログでも紹介したArt Blakey Quintetによる歴史的ライブ『A Night at Birdland』へ参加。そして、Max Roach(ds)と出会い、名コンボClifford Brown=Max Roach Quintetが結成された。

このMax Roachとの双頭クインテットにおいて録音された諸作こそがブラウニーが我々に残してくれた宝物の数々である。

『In Concert』(1954年)、『Clifford Brown & Max Roach』(1954年)、『Clifford Brown With Strings』(1955年)、『Study In Brown』(1955年)あたりがオススメ作。

そんな中から今回は『Study In Brown』(1955年)をセレクト。

タイトルからもClifford Brownという人のトランペットの技巧を究めようとする真摯な姿勢が窺えますよね。この頃の有名ミュージシャンって、破天荒、不健康、ドラッグ漬け、ワガママ、無愛想といった問題児のイメージが強いけど、ブラウニーだけは、健康的で、優しく、微笑みを絶やさないジェントルマンなミュージシャンという印象を受ける。

クインテット結成から約1年が過ぎ、グループの絶頂期に録音されたハードバップの名盤が本作です。

メンバーは、Clifford Brown(tp)、Max Roach(ds)、Harold Land(ts)、George Morrow(b)、Richie Powell(p)の5人。このうち、Richie Powellはブラウニーと同じ事故で死去してしまう。ちなみにRichieは大物ジャズ・ピアニストBud Powellの弟。

全曲紹介しときヤス。

「Cherokee」
Indian Love Songの副題を持つスタンダード。Charlie Parkerの十八番として有名な曲ですね。この曲はアドリブの超絶テクお披露目のスタンダードとしても有名らしいです。その意味では、ブラウニーの高速ソロは圧巻ですね。ハイテンポでも余裕しゃくしゃくな感じがします。Max Roachのまさにインディアンなドラミングも印象的ですね。

「Jacqui」
Richie Powellの作品。小粋なムードが魅力の演奏ですね。

「Swingin'」
実にスリリングな演奏で3分弱を一気に聴かせてくれマス。単純にカッチョ良い!

「Land's End」
Harold Land作品のブルージーなナンバー。哀愁漂う少しダークなアドリブがいいカンジです。

「George's Dilemma」
ブラウニーの作品の中でも名作の誉れ高い1曲。ラテン・テイストのグルーヴィーなリズムをバックに、ブラウニーの魅惑のソロを堪能できマス。本作のハイライトと言える1曲だと思いマス。僕もこの曲が一番スキかな?

「Sandu」
全体的にリラックスした雰囲気がとっても楽しそうなミディアム・ナンバー。

「Gerkin for Perkin」
3分弱の中にこのクインテットの魅力が凝縮されているような気がしマス。ブラウニー、Harold Land、Richie Powell、Max Roachのソロも堪能できマス。

「If I Love Again」
とってもキャッチーな演奏が魅力のナンバー。ブラウニーのソロがカッチョ良いの一言デス。

「Take the "A" Train」
Duke Ellingtonでお馴染みのスタンダード。列車が動き始めて、徐々にスピードアップする様を音にしたグループの表現力がお見事ですね。この曲がこんなスリリングになるなんて少し驚きデス。

リーダー作以外であれば、本ブログで紹介したArt Blakey Quintet『A Night at Birdland, Vol.1-3』Sarah Vaughan『Sarah Vaughan With Clifford Brown』Helen Merrill『Helen Merrill』あたりが僕の愛聴盤デス。
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2006年07月22日

Daryl Hall & John Oates『Abandoned Luncheonette』

80年代最高のポップデュオの初期のアコースティックな名作☆Daryl Hall & John Oates『Abandoned Luncheonette』
Abandoned Luncheonette
発表年:1973年
ez的ジャンル:アコースティック・ブルー・アイド・ソウル
気分は... :心の赴くままに...

雨の日が続きますね。
本当に7月下旬なのか?って感じだよね。

今回はDaryl Hall & John Oatesの初期の名作『Abandoned Luncheonette』(1973年)です。

Hall & Oatesと言えば、1980年代に「Kiss On My Lis」、「Private Eyes」、「I Can't Go For That (No Can Do)」「Maneater」、「Say It Isn't So」、「Out Of Touch」といった大ヒットを連発し、80年代最高のポップデュオとして大活躍したグループですね。

アルバム単位での彼らの代表作と言えば、本ブログでも紹介した「Private Eyes」、「I Can't Go For That (No Can Do)」というNo1ヒット2曲を含む『Private Eyes』(1981年)だと思うけど、個人的にダントツで好きなアルバムは『Abandoned Luncheonette』だ。

80年代の諸作はリアルタイムで聴いていた僕だが、そうした流れとは全く別に、90年代前半のフリーソウルにハマっていった流れの中で出会ったアルバムが『Abandoned Luncheonette』である。

『Abandoned Luncheonette』は、1973年に発表された2ndアルバム。この前年にArif Mardinプロデュースにより、デビューアルバム『Whole Oats』を発表している。このデビュー作は、シンガーソングライター的な仕上がりで、彼らの持ち味であるブルー・アイド・ソウル的な側面はかなり控え目であり、セールス的にも成功作とは言えないものであった。

そうした反省から、よりブルー・アイド・ソウル的な作品を意識して制作されたのがこの『Abandoned Luncheonette』っす。やっぱりプロデューサーもAretha Franklinらを手掛けたArif Mardinなんだし、R&B路線に進んでもらわないと困るよね!

ということで、Arifが集めたメンツが、Hugh McCracken(g)、Richard Tee(key)、Gordon Edwards(b)、Rick Marotta(ds)Bernard Purdie(ds)、 Ralph MacDonald(per)といった豪華メンバー。

そして出来上がったのが、アコースティックな味わいのブルー・アイド・ソウル・アルバムである。80年代以降の大ヒット作のようなポップさには欠けるが、フォーキーな味わいと彼らのブルー・アイド・ソウルの遺伝子が見事に融合したアルバムだと思います。

オススメ曲を紹介しときやす。

「When the Morning Comes」
ブルー・アイド・ソウル的なアルバム全体の雰囲気を感じることができるオープニング。フォーキーなサウンドながらも、Daryl Hallのソウルフルなボーカルの魅力がうまく引き出された曲デス。KalapanaやFifth Dimensionといったアーティストによってカヴァーされていマス。

「Had I Known You Better Then」
John Oatesによるフォーキーなナンバー。純粋に曲がいいって感じだね。Johnの優しく柔らかいボーカルがいいカンジですな。

「Las Vegas Turnaround (The Stewardess Song)」
僕がHall & Oatesの全作品の中で一番好きな曲がコレ。このアコースティックなメロウ&グルーヴはフリーソウル・ファンにはたまらない心地良さだよね。DarylとJohnのボーカルの掛け合いもサイコー。Joe Farrellのテナーサックスも盛り上げてくれマス。アコースティック・ブルー・アイド・ソウルの名曲としてイチオシ☆

「She's Gone」
Hall & Oatesの初期代表曲の1つですね。彼らのブルー・アイド・ソウルの遺伝子が爆発したカンジのメロウでコクのあるソウル・バラード。リリース直後は不発だったが、1976年に再ヒットし、見事トップ10入りしまシタ☆

この曲を有名にするキッカケとなったのがソウルグループTavaresによる1974年のカヴァーであり、見事R&BチャートでNo1に輝きまシタ。Dee Dee Bridgewaterもカヴァーしていますね。

「I'm Just a Kid (Don't Make Me Feel Like a Man)」
メロトロンの音色が印象的なフォーキーなJohn作のバラード。フォーキーで、幻想的な雰囲気なんだけど全体としては、しっかりソウルに仕上がっているから不思議だ。

「Abandoned Luncheonette」
Daryl作のソフトロック調のナンバー。ドラマチックな展開も含めて本作の中では異色のナンバーな感じがするけど、これも最後はソウル調になっているのが実に面白い。

「Everytime I Look at You」
実にファンキーな仕上がりのソウル・ナンバー。Darylのボーカルも含めて一番ブラック・ミュージックなサウンドかもね!最後のカントリー調のノリはご愛嬌かな?

本作の次の作品『War Babies』(1974年)では、大好きなTodd Rundgrenがプロデュースしている。ただし、Todd大先生のオーバープロデュース癖で、出来は???かな。Arif Mardinプロデュースの本作路線であと1、2枚聴きたかった気もしマス。
posted by ez at 00:42| Comment(6) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする