2006年07月21日

Taj Mahal『The Natch'l Blues』

Stonesも惚れたセピア色のブルース☆Taj Mahal『The Natch'l Blues』♪
The Natch'l Blues
発表年:1968年
ez的ジャンル:黒人ブルース・リヴァイバリスト
気分は... :この渋みわかるかな?

Taj Mahalという名を聞いて、どのくらいの人が反応してくれるのかな?

知っている人は、Rolling Stonesの幻のTVスペシャル映像『Rock And Roll Circus』でTaj Mahalを初めて観て、聴いたという人が多いのでは?僕もそのパターンっす。

Rolling Stones以外にも、John Lennon、Eric Clapton、The Who等豪華ゲストが出演したこのスペシャルなショーで唯一アメリカから参加していたアーティストがTaj Mahalだった。

そのスペシャル映像の中で、ガウチョ(カウボーイ)・ファッションに身を包み、実にファンキーでスリリングな演奏を奏でるTajの姿は、結構インパクトがあった。

基本的にはブルースのカテゴリーだと思うんだけど、黒人にも関わらず、コアなブルース・ファンからは純粋なブルース・ミュージシャンではなく、ブルース・リヴァイバリストとして位置づけられていたらしい。

かつて組んでいたグループRising SonsもRy Cooderなど白人ミュージシャンから構成されており、ますますコアなブルース・ファンからそのような見方をされがちだったのかもね?

1970年代に入ってからのレゲエ、カリブ、アフリカなど多様な音楽スタイルを取り入れた方向を観れば、確かに純粋なブルース・ミュージシャンというカンジはしないよね。

僕が持っているTajの作品は、『Taj Mahal』(1968年)、『The Natch'l Blues』(1968年)、『Giant Step』(1969年)、『Mo' Roots』(1974年)、『Evolution』(1977年)、『Music Fuh Ya' (Music Para Tu) 』(1977年)の6枚。

そんな中から。今回は激シブの2nd『The Natch'l Blues』をご紹介しマス。

デビュー作『Taj Mahal』では、Ry Cooder、Jesse Ed DavisといったかつてのRising Sonsの仲間を従え、ゴキゲンなブルース・ロックを演奏を披露していまシタ。

特に、このアルバムに収録された「Statesboro Blues」を聴きまくったDuane Allmanが、The Allman Brothers Bandでカヴァーし、名演を残したことは有名ですよね。

そんな派手めの1stに比べると、この2nd『The Natch'l Blues』は激シブってイメージかな?アコースティックな味わいの演奏が多く、それが今聴くとシックリきたりする。

メンバーはJesse Ed Davis(g)、Gary Gilmore(b)、Chuck Blackwell(ds)といった『Rock And Roll Circus』参加メンバーに加え、Al Kooperもピアノで参加していマス。

真夜中にバーボンでも飲みながら、こんなセピア色の激シブ・ブルースを聴いていると、一人静かに至福のひとときを過せるかも?

オススメ曲を紹介しときやす。

「Good Morning Miss Brown」
この枯れたアコースティックの音色が実に味わい深いオープニング。アルバム・タイトルの通り、実に自然なブルースを土臭く奏でていヤス。

「Corrina」
これも深いコクのあるアーシーなナンバー。なんかLittle FeatThe Bandあたりも一緒に聴きたくなるね。

「I Ain't Gonna Let Nobody Steal My Jellyroll」
余裕たっぷりのユルユル感が実にカッチョ良いナンバー。僕的には、この手の曲が一番ブルースを聴いている気分に浸れるかも?

「Done Change My Way of Living」
これは聴くたびにクセになる中毒性のあるナンバー。Jesseのギターを堪能できマス。

「She Caught the Katy And Left Me a Mule to Ride」
Blues Brothersもカヴァーしたことでも有名なナンバー。Tajのハープがいいカンジ☆

「You Don't Miss Your Water ('Til You Well Runs Dry) 」
Tajのソウルフルなボーカルが味わい深いナンバー。Al Kooperの哀愁のピアノが雰囲気を盛り上げてくれマス。

「Ain't That a Lot of Love」
ラストは『Rock And Roll Circus』でも披露したゴキゲンなナンバー。この曲だけ突出してファンキーっす。

『Beggars Banquet』あたりのStonesが好きな人は、そのあたりとリンクさせながら聴くと味わい倍増のアルバムですね。

実はこのアルバムのジャケには2種類ある。僕はどっちがオリジナルだか知らないが、僕が持っているのコチラ。発売中のCDなどを見ると、コチラの方がマイナーみたいだけど、見た目もコチラが全然カッチョ良い!

70年代に入ってからの多様な音楽スタイルを取り入れた懐の深いアルバムも楽しいですよ。今思うと、このあたりの多様性ってRy Cooderって通じるね!気付くのが遅かったけどなかなか興味深いですな。
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2006年07月20日

Betty Boo『Boomania』

アメコミの世界から飛び出してきたエキゾチック美人☆Betty Boo『Boomania』
Boomania
発表年:1990年
ez的ジャンル:アメコミ系UKダンスポップ
気分は... :“何となく”の感性がスキだなぁ☆

最近、オトコとオンナの感覚の違いを意識することが多い。
今さらながら、女性の感覚・感性にとても興味がある。

よく言われることだが、女性はオトコよりも右脳が発達しており、そのため直感や感受性に優れている。このため、左脳ばかり使って、理詰めで行動を起こそうとするオトコに対して、女性は感情の赴くままに赴くままに何となく行動することが多い。

オトコとオンナの衝突やケンカは、このお互いの感覚の違いを理解できていないことに起因することも多い。一方で、この理解できない感覚の違いこそが、互いに惹かれあう大きな要因なのかもしれない。

よく考えてみると、僕は女性の行動の“何となく”の部分が結構スキだったりする。ワガママな女性に振り回されるのを案外楽しんでいるタイプかもしれない。勿論、相手にもよるけどね(笑)

さて、今回はそのキュートな魅力で世のオトコどもを振り回しそうな勢いだったBetty Booのアルバム『Boomania』(1990年)の紹介です。

僕の中では、先に書いたキュートなワガママ女性のイメージと、このアルバムのテイストが“何となく”ぴったり一致しマス。

『Boomania』は、英国とマレーシアのハーフのエキゾチック美人Betty Booのデビューアルバムだ。ジャケそのまんまのアメコミ風キャラが、ビジュアル的にも、サウンド的にも統一されており、かなりしたたかな戦略のもとに制作されたアルバムだと思う。

サウンド的には当時のHip-Hop/ハウス的なサウンドを思い切りキャッチーにしたものであり、単純にポップなダンスミュージックとして楽しむことできる。当時、Deee-Lite『World Clique』(1990年)あたりとセットでよく聴いていた記憶がありマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Where Are You Baby?」
Betty Booと言えば、シングルカットされたこの曲のイメージが強いかな?キュートなBetty嬢のボーカルとポップでダンサブルなサウンドは、僕にとって永遠のクラシックナンバーっす。僕的には勝手にキュートなワガママ女性登場のテーマ・ソングになってマス。野宮真貴サンのボーカルでピチカートファイヴが演奏すると、サウンド的にもビジュアル的にもピッタリなカンジだよね。

「Hey DJ/I Can't Dance (To That Music You're Playing) 」
Martha Reeves & The Vandellasの1968年のスマッシュ・ヒット「I Can't Dance To That Music, You're Playin'」をベースにしたヒップハウスなナンバー。Martha Reeves & The Vandellasの記事投稿でも書いたように、僕はこのオリジナルがかなり好きなので、勿論この曲も文句なしに気に入りまシタ。

「Boo Is Booming」
「Boo's Boogie」
このあたりの曲にハマるとかなりのBooマニアかも?とっても80年代後半から90年頭ならではのヒップハウスな音だよね。

「Valentine's Day」
どっかで聴いてたことがあるようなメロディをパッチワークしたような安易さが漂う曲だけど、まぁ純粋に楽しめマス。

「Doin' the Do」
これもシングルカットされたナンバー。Deee-Liteあたりと一緒に聴きたくなるナンバーだよね。ポップでキャッチーなんだけど実にスタイリッシュな感覚でまとめられているところがスキだなぁ。

「Don't Know What to Do」
Betty嬢のウィスパー・ボイスとドリーミーなダンスポップ・サウンドがユラめくナンバー。Betty嬢のエキゾチックなキャラをうまくサウンドに表現したカンジですな。

「Mumbo Jumbo」
少しラテン風味のポップナンバー。何でもアリのUKダンスミュージックらしい曲だね。そう言えば、Norman CookのBeats Internationalの1stアルバム『Let Them Eat Bingo』も同じ1990年の作品だったね。当時の僕はこういった音に飢えていたのかも?

1992年のアルバム『Grrr! It's Betty Boo』を最後にシーンからすっかり消えていたBetty Booだったが、今年に入り長年の沈黙を破り、なんとBlurのベーシストAlex JamesとのユニットWigwamとしてシングルを発表した。あのキュートな魅力は健在なのだろうか?
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2006年07月19日

Donell Jones『Journey Of A Gemini』

メロメロ好きの僕を虜にするオトナのR&B☆Donell Jones『Journey Of A Gemini』
Journey of a Gemini
発表年:2006年
ez的ジャンル:オトナのR&B
気分は... :雨の恵比寿で...

昨日は、恵比寿のカフェで3時間ほど過していまシタ。
かなりマッタリ系のカフェなんだけど、マッタリすることなく、脳内にいろんな刺激やヒントを得られた有意義なひとときでシタ。

さて、今回はそんな雨の恵比寿に似合いそうなDonell Jonesの4thアルバム『Journey Of A Gemini』っす。

シカゴ出身のDonell Jonesは、1994年のUsher「Think Of You」の作品提供が認められて、LA Ried、BabyfaceのLA Faceより1996年にデビューアルバム『My Heart』を発表した。個人的には、Stevie Wonder『Songs In The Key Of Life』収録の大好きなナンバー「Knocks Me Off My Feet」のカヴァーが気に入りやシタ。

その後、TLCのLeft Eyeをフューチャーした大ヒットナンバー「U Know What's Up」収録の2nd『Where I Wanna Be』(1999年)、3rd『Life Goes On』(2002年)といった作品を発表してきたDonellの最新作が『Journey Of A Gemini』っす。

詳しく知らないけど、何度も発売延期され、ようやく今回発売にこぎつけたみたいですな。ファンにとっては、行列に並んでから喰らうラーメンのように、嫌が上でも美味さ倍増かもね!

僕はそんな事情は全く知らず、渋谷タワーの4FR&Bコーナーで、このジャケにつられ試聴し、冒頭の3曲を聴き、べぇりぃい・ぐっど!ということで毎度の衝動買いをした次第っす。

数ヶ月前にAvant『Director』にかなりハマったので、同タイプの男性R&Bを探していたんだけど、そんなニーズにピッタリの1枚っす。

プロデューサー陣には、Underdogs、Tim & Bob、Ryan Leslie、Mike Cityなどを起用し、Jermaine Dupri、UGKのBun Bといったゲストが参加していマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Special Girl」
小粋に響くホーンセクションが印象的なスロー。セクシーな女性バックコーラスも艶やかでいいカンジっす。

「Better Start Talking」
Jermaine Dupriのラップをフィーチャーした先行シングル。切ない音色のピアノのループが何ともイイです。噂のプロデューサーRyan Leslieの手腕が光りますな!

「I'm Gonna Be」
Tim & Bobプロデュースのアーバン・メロウなミディアム。オトナR&Bならではの出来映えに、個人的には一番のお気に入りっす。Clipseのラップをフューチャーした別バージョンも収録されていマス。

「My Apology」
「Can’t Wait」
メロメロ好きの僕にとってはヤバすぎるロマンティックなバラード2曲。共に切なさと愛しさで胸が高鳴るカンジがたまりません☆

「Cry」
ドラマチックな展開のスケール感の大きいバラード。Daryl Hall & John Oates「Sara Smile」ネタ。

「Ooh Na Na」
Underdogsプロデュースのこのスローもヤバイね。何より曲がいいね!90年代前半あたりの雰囲気も僕好み。

「Feelin' You」
Tim & BobプロデュースのDaedelus「Experience」ネタのストレンジなトラックがとても新鮮なナンバー。

「Lust Or Love」
これもかなり好きなMike Cityプロデュースのメロウ・グルーヴ。アーバンでクリスタルなモードがAOR好きオヤジのハートを鷲づかみにしてくれヤス。

「If U Want」
UGKのBun BをフィーチャーしたRyan Leslieプロデュース曲。オトナが童心に戻ったようなプリティなトラックがクセになるね。Minnie Riperton「Inside My Love」ネタ。

「Cuttin' Me Off」
Underdogsプロデュースらしいキャッチーな胸キュン・ナンバー。ホント、Underdogsは僕の胸キュン・センサーにいつもピピッと来ま〜す!

発売延期の間に出されたサンプラーEPには、The Notorious B.I.G.「Dead Wrong」ネタの曲をはじめ、本アルバム未収録の曲が数曲収録されていたみたいですね。ぜひ聴いてみたいなぁ。
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2006年07月18日

Alessi『Long Time Friends』

BillyとBobbyの双子によるそよ風のAOR☆Alessi『Long Time Friends』
そよ風にくちづけ
発表年:1982年
ez的ジャンル:そよ風系AOR
気分は... :潮の香りが懐かしい☆

子供の頃、半年ほどであったが茅ヶ崎に住んでいたことがある。
今でこそ茅ヶ崎と聞いて、サザン、湘南、オシャレみたいなイメージがあるかもしれないけど、当時はとっても地味な街なカンジがしたなぁ。

家が海のそばだったので、隣の家の犬の朝晩のお散歩にお供しながら(今思うとその家の方は大迷惑だったと思うけど)、毎日のように湘南の海を眺めていた。海を眺めながら、ワケのわからないことをデコとメメという2匹のワンちゃんに話かけていた記憶があるなぁ。

そんな湘南の海の風景を思い出すと、このBillyとBobbyのAlessiという双子グループが聴きたくなる。ハイトーン・ボーカル&コーラスとロマンティックなAORサウンドが、僕の心に爽やかな潮の香りを運んでくれる気分になる。

僕が持っているアルバムは『Alessi』(1976年)、『All For A Reason』(1977年)、『Long Time Friends』(1982年)の3枚。頻繁に聴くアルバムは『Alessi』だけれども、AORアルバムとしてオススメ作品は『Long Time Friends』(1982年)かもね。

『Long Time Friends』はAlessiの5thアルバムである。
AORファンにとってウレシイのは、プロデュースが“南から来た男”ことChristopher Crossである点だよね。さらにはQuincy JonesがExecutive Producer としてクレジットされている。

参加ミュージシャンも、Steve Lukather、Jeff PorcaroといったToto勢、Michael Omartian、Lenny Castro、Larry Carlton、Tom Scott、Ernie Watts、Patti Austin等の豪華メンバーである。

結果として、Alessiは本作も含めてヒットに恵まれず、商業的な成功を収めることはなかった。でも、未だにAORファンはAlessiの名を聞いて心ときめかす。AORファンにとっては、売れなかったことが逆に彼らへの愛着を深いものにするのかもしれない。不思議だよね。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Jagged Edge」
アルバム全体の清涼感を象徴するオープニング・ナンバー。このソーダ水のような爽やかさこそがAlessiの魅力だよね。この1曲を聴いただけでもプロデューサーChristopher Crossの起用は大正解だと思うね。

「You Got The Way」
これもAORらしい展開のロマンティックなミディアム・ナンバー。渚のラブソングってカンジが好きだね!

「Rise Up」
AORっぽさはないけど、アルバムで一番思い入れがある曲。その理由は、このAlessiのオリジナルに先駆けて、Peter Framptonがこの曲をカヴァーし、そのバージョンが大のお気に入りだったためだ。

ちなみにFramptonバージョンはアルバム『Breaking All the Rules』(1981年)に収録されていマス。話が逸れますが、『Breaking All the Rules』はメチャいいアルバムですよ!本作同様にSteve Lukather、Jeff PorcaroといったToto勢が参加しており、特にLukatherファンは彼のギターを堪能できる要チェック作だと思いますよ。Framptonと言えば、大ヒット作『Frampton Comes Alive!』(1976年)あたりも紹介しないといけませんな!

「I'm Gonna Tell Her Tonight」
AORならではの甘酸っぱいメロウネスを堪能できるバラード。ハイトーン・ボーカルが実に映えますな。

「Put Away Your Love」
本作からのシングルカットされ、最高位71位を記録したナンバー。メロウ&グルーヴな曲のクオリティは、「そよ風にくちずけ」という邦題がピッタリなトップ10ヒット・クラスの出来ばえなのにね。チャート・アクションに関係なく、AORファンはチェキラッチョな1曲だと思いマス。

「What A Way To Go」
Patti Austinとのデュエット・ナンバー。この切ないカンジが、青春時代の思い出を走馬灯のようによみがえらせマス。Ernie Wattsのサックス・ソロがロマンティックです。

「How Long, How Much」
これも哀愁ボーカルが胸にしみるバラード。Larry Carltonのギターソロが哀愁モードを増幅させてくれマス。

「Long Time Friends」
ひと夏の青春物語の終わりを告げるようなエンディング・テーマ。しんみりしますな。

これだけのメンツで、これだけクオリティの高い作品を発表して、ヒットしなければ、ある意味が諦めがつくような気もするね!
posted by ez at 00:48| Comment(3) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月17日

George Duke『A Brazilian Love Affair』

夏は一家に1枚ブラジリアン・グルーヴをぜひ☆George Duke『A Brazilian Love Affair』
A Brazilian Love Affair
発表年:1979年
ez的ジャンル:パパイヤ鈴木系(?)ブラジリアン・フュージョン
気分は... :まいう〜!

今回は夏の定番アイテムの1枚George Duke『A Brazilian Love Affair』デス。

ジャズ/フュージョン界で活躍するキーボード奏者//プロデューサーであるGeorge Dukeは、1966年に初リーダー作『George Duke Quartet』を発表、1970年代前半にはCannonball Adderley、Quincy Jonesのグループや、ロック界の鬼才Frank Zappaなどのサポートも行った。その後Billy Cobhamとの活動で注目を集め、70年代後半からはクロスオーバー/フュージョン路線の作品を発表する。

僕にとってGeorge Dukeと聞いて、真っ先に思い浮かべるのはダンス・クラシック「Shine On」(1982年)だ。学生時代の知人の女の子がこの曲が大スキで、よく♪シャイ〜ン、シャイ〜ン・オ〜ン♪と口ずさんでいたので、その影響で僕もこの曲が知らぬ間にスキになっていたなぁ。

本当は「Shine On」収録のアルバム『Dream On』(1982年)を紹介しようと思ったけど、夏なので彼の作品中もっともサマーな作品『A Brazilian Love Affair』をセレクト。

『A Brazilian Love Affair』は、George Dukeが1979年4月にがブラジルに乗り込み、ブラジルのミュージシャンとの共演の中で制作された作品である。

多くの人が何度も使っているネタだと思うけど、やぱりジャケ写真のイメージの通り、フュージョン界のパパイヤ鈴木と言いたくなるね!特に『Dream On』を持っている方は、あの裏ジャケの少しニヤけた表情は、まさにパパイヤが“まいう〜!”と言っている姿にソックリだよね。

ちなみに、もう一人の“まいう〜!”石ちゃんは、ウチの近所に住んでいて、よく見かける。近所のドトールで、たまたま石ちゃんが隣の席に座り、アイスコーヒーを瞬く間に一気飲みして立ち去っていった姿に、ミョ〜な感動を覚えた記憶がある。

肝心の『A Brazilian Love Affair』だが、今日のブラジリアン・グルーヴ人気を予感していたかのように、今聴いても全然古さを感じないし、Milton Nascimento、Airto Moreira、Simone、Flora Purim、Toninho等といったメンバーとの共演は、ブラジリアン・ムードをたっぷり満喫できる大満足作だと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Brazilian Love Affair」
Shakatak、The Latin Projectのカヴァーや様々なリミックスなどクラブ・シーンでお馴染みのブラジリアン・グルーヴですね。Earth,Wind & Fire好きの人にはピッタリの曲(本曲のギターはEW&FのRoland Bautista )。

Bob James「Take Me to the Mardi Gras」をもっと軽快にしたようなAirtoのパーカッションがイイ感じ。何より暑苦しい見た目と全然違う(?)Dukeの爽やかなPhilip Baileyばりのファルセット・ボーカルが魅力的です。

「Summer Breezin'」
アコースティックなボッサ・ナンバー。ToninhoのボッサなアコギとDukeのジャズ・ファンクなキーボードのバランス具合がなかなか絶妙デス。

「Cravo E Canela」
僕の一番のお気に入り曲。Milton Nascimentoの作品デ〜ス。Frola Purimをはじめとする至極のスキャット・コーラス部隊がサイコーっす。サウンドも、サッカーのブラジル代表ロビーニョのようなブラジル100%な感じがとっても好きっす。

「Brazilian Sugar」
コレもFlora Purimのボーカルをフューチャーしたナンバー。陽気で軽快なサウンドは、暑気払いにはピッタリな感じ。Raul De Souzaのトロンボーンが印象的デス。

「Sugar Loaf Mountain」
これはLAフュージョン+EW&Fといった感じのファンキーなナンバー。ここでもRoland Bautistaのギターがカッチョ良いし、ファンキーなホーン部隊も盛り上げてくれマス。そして、ティンバレスを担当するのは、後にPrince殿下のバックアップで人気者となったSheila E.っす。

「Love Reborn」
真夏のオアシスのようなヒンヤリ納涼ナンバー。こういったフュージョン・サウンドも夏らしいよね。George Dukeも参加したFlora Purim『Butterfly Dreams』(1973年)収録のヴォーカル・ヴァージョンもグッド!

「Up from the Sea It Arose and Ate Rio in One Swift Bite」
気分はリオの海岸?といった趣のサンバのリズムが実に気持ちいいブラジリアン・グルーヴ。「Cravo E Canela」と並んで好きなナンバー。Dukeのピアノ・ソロも実にゴキゲンですな。

「I Need You Now」
Simonneのボーカルをフューチャーした味わい深いMPB的ナンバー。Simonneのドスの効いた(?)ボーカルは懐かしいですな。一時期、彼女の『Corpo E Alma』(1985年)をよく聴いていた記憶がありマス。

「Ao Que Vai Nascer」
最後はMilton Nascimentoの作品。彼らしいブラジルの大地のような生命力溢れる歌を披露してくれマス。後半のドラマチックな展開もイイ感じです。

殆ど捨て曲ナシの夏の定番。ブラジリアン・グルーヴ好きのご家庭にはぜひ☆
posted by ez at 00:32| Comment(4) | TrackBack(1) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする