発表年:1978年
ez的ジャンル:ボコーダー系メロウ・グルーヴ・フュージョン
気分は... :このジャケのHerbieはイケてないよね(笑)
今回は、Herbie Hancockがボコーダーを導入したポップでメロウなアルバム『Sunlight』(1978年)っす。
Herbieを紹介するのは60年代のメインストリーム・ジャズ作品『Speak Like A Child』(1968年)に続く2回目の紹介となりヤス。
1960年代から今日までJazz界の第一線で活躍し続けるピアニスト/サウンドクリエイターであるHerbie Hancock。ピアノ/キーボード奏者として、彼ほどの影響力を持ったJazzミュージシャンはいないかもしれませんね。
60年代におけるソロおよびMiles Davisクインテットにおけるメインストリーム・ジャズ作品、70年代におけるクロスオーバー/フュージョン作品、80年代前半のHip-Hop的アプローチといったように、メインストリーム・ジャズの伝統を受け継ぎつつ、時代を先取りするアプローチにも抜かりがない、実にバランス感覚に溢れたミュージシャンというのが僕のHerbie Hancockに対するイメージっす。
僕は特にHerbie Hancockファンというわけではないが、知らぬ間にコレクション枚数が増え、気付けばJazzピアノ/キーボード部門でコレクション枚数が最も多くなっていた。それだけHancock作品は外せないアルバムだらけということかもね?
さて、今回は70年代のクロスオーバー/フュージョン作品の中から最もお気に入りの1枚『Sunlight』(1978年)をセレクト。
名作『Headhunters』(1973年)からファンク寄りのクロスオーバー/フュージョン作品を発表してきたHerbieだったが、この『Sunlight』ではボコーダーを導入し、ボーカル・ナンバーを収録したことで、それまでの作品よりポップでメロウなグルーヴ感が気持ちいいフュージョン作品に仕上がっていマス。
Herbie以外のメンバーは、Wah Wah Watson(g)、Ray Parker, Jr(g)、Jaco Pastrius(b)、Paul Jackson(b)、Tony Williams(ds)、Leon Chancler(ds)、Bill Summers(per)、Raul Rekow(cong)、Benny Maupin(ss)等。特に「Good Question」におけるJaco Pastrius、Tony Williamsの参加は注目ですね!
ボコーダー好きの僕にとってはヨダレ出まくりの1枚っす。
全曲紹介しときやす。
「I Thought It Was You」
何と言っても本作といえばこの曲だよね。Herbie自身がボコーダーでボーカルを披露しているこのメロウ&グルーヴは、おそらく僕が最も頻繁に聴くHancock作品っす。イントロのメロメロなエレピの音色と気持ちイイ浮遊感が漂うボコーダー・ボーカルを聴くと、自然と胸がトキメいてきます。9分弱の長尺ナンバーだけど、もっとロングプレイで聴きたい曲デス。ちなみに作詞のJeffrey CohenはAretha Franklin「Freeway Of Love」なども手掛けた人っす。
あとは本曲がお好きな人は、本作の姉妹盤とも言えるアルバム笠井紀美子 with Herbie Hancock『Butterfly』(1979年)のカヴァーもオススメです。メンバーも本作と重なりますし、Herbieのボコーダーがこのカヴァーでも聴けます。
「Come Running to Me」
夏の夕暮れあたりに聴くとピッタリなカンジのフュージョンらしいナンバー。あまり出しゃばりすぎないボコーダーもイイ感じですな!作詞のAllee WillisはEarth,Wind & Fireの「September」、「Boogie Wonderland」 などの作品でもお馴染みの人ですね。本曲はSlum Village「Get Dis Money」のサンプリングネタにも使われていマス。
「Sunlight」
ボコーダー・ナンバー3曲中で、最もファンク色が強いタイトル・チューン。ファンキーながらもボコーダーで全体としては、かなりマイルドな印象に仕上がっていマス。
「No Means Yes」
南国気分のエキゾチック・サウンドと熱いファンク・サウンドが融合した不思議なジャズ・ファンク・チューン。
「Good Question」
前述のJaco Pastrius(b)、Tony Williams(ds)参加の注目曲。熱くフリーキーなラテン・グルーヴが展開されマス。張り詰めた緊張感一杯のスリリングな演奏は、アルバムの中では異質ですがインパクトありますね!
それにしてもこのジャケ写真のHerbieは怪しげで、全然イケてないよね(笑)