発表年:1982年
ez的ジャンル:そよ風系AOR
気分は... :潮の香りが懐かしい☆
子供の頃、半年ほどであったが茅ヶ崎に住んでいたことがある。
今でこそ茅ヶ崎と聞いて、サザン、湘南、オシャレみたいなイメージがあるかもしれないけど、当時はとっても地味な街なカンジがしたなぁ。
家が海のそばだったので、隣の家の犬の朝晩のお散歩にお供しながら(今思うとその家の方は大迷惑だったと思うけど)、毎日のように湘南の海を眺めていた。海を眺めながら、ワケのわからないことをデコとメメという2匹のワンちゃんに話かけていた記憶があるなぁ。
そんな湘南の海の風景を思い出すと、このBillyとBobbyのAlessiという双子グループが聴きたくなる。ハイトーン・ボーカル&コーラスとロマンティックなAORサウンドが、僕の心に爽やかな潮の香りを運んでくれる気分になる。
僕が持っているアルバムは『Alessi』(1976年)、『All For A Reason』(1977年)、『Long Time Friends』(1982年)の3枚。頻繁に聴くアルバムは『Alessi』だけれども、AORアルバムとしてオススメ作品は『Long Time Friends』(1982年)かもね。
『Long Time Friends』はAlessiの5thアルバムである。
AORファンにとってウレシイのは、プロデュースが“南から来た男”ことChristopher Crossである点だよね。さらにはQuincy JonesがExecutive Producer としてクレジットされている。
参加ミュージシャンも、Steve Lukather、Jeff PorcaroといったToto勢、Michael Omartian、Lenny Castro、Larry Carlton、Tom Scott、Ernie Watts、Patti Austin等の豪華メンバーである。
結果として、Alessiは本作も含めてヒットに恵まれず、商業的な成功を収めることはなかった。でも、未だにAORファンはAlessiの名を聞いて心ときめかす。AORファンにとっては、売れなかったことが逆に彼らへの愛着を深いものにするのかもしれない。不思議だよね。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Jagged Edge」
アルバム全体の清涼感を象徴するオープニング・ナンバー。このソーダ水のような爽やかさこそがAlessiの魅力だよね。この1曲を聴いただけでもプロデューサーChristopher Crossの起用は大正解だと思うね。
「You Got The Way」
これもAORらしい展開のロマンティックなミディアム・ナンバー。渚のラブソングってカンジが好きだね!
「Rise Up」
AORっぽさはないけど、アルバムで一番思い入れがある曲。その理由は、このAlessiのオリジナルに先駆けて、Peter Framptonがこの曲をカヴァーし、そのバージョンが大のお気に入りだったためだ。
ちなみにFramptonバージョンはアルバム『Breaking All the Rules』(1981年)に収録されていマス。話が逸れますが、『Breaking All the Rules』はメチャいいアルバムですよ!本作同様にSteve Lukather、Jeff PorcaroといったToto勢が参加しており、特にLukatherファンは彼のギターを堪能できる要チェック作だと思いますよ。Framptonと言えば、大ヒット作『Frampton Comes Alive!』(1976年)あたりも紹介しないといけませんな!
「I'm Gonna Tell Her Tonight」
AORならではの甘酸っぱいメロウネスを堪能できるバラード。ハイトーン・ボーカルが実に映えますな。
「Put Away Your Love」
本作からのシングルカットされ、最高位71位を記録したナンバー。メロウ&グルーヴな曲のクオリティは、「そよ風にくちずけ」という邦題がピッタリなトップ10ヒット・クラスの出来ばえなのにね。チャート・アクションに関係なく、AORファンはチェキラッチョな1曲だと思いマス。
「What A Way To Go」
Patti Austinとのデュエット・ナンバー。この切ないカンジが、青春時代の思い出を走馬灯のようによみがえらせマス。Ernie Wattsのサックス・ソロがロマンティックです。
「How Long, How Much」
これも哀愁ボーカルが胸にしみるバラード。Larry Carltonのギターソロが哀愁モードを増幅させてくれマス。
「Long Time Friends」
ひと夏の青春物語の終わりを告げるようなエンディング・テーマ。しんみりしますな。
これだけのメンツで、これだけクオリティの高い作品を発表して、ヒットしなければ、ある意味が諦めがつくような気もするね!