2006年07月22日

Daryl Hall & John Oates『Abandoned Luncheonette』

80年代最高のポップデュオの初期のアコースティックな名作☆Daryl Hall & John Oates『Abandoned Luncheonette』
Abandoned Luncheonette
発表年:1973年
ez的ジャンル:アコースティック・ブルー・アイド・ソウル
気分は... :心の赴くままに...

雨の日が続きますね。
本当に7月下旬なのか?って感じだよね。

今回はDaryl Hall & John Oatesの初期の名作『Abandoned Luncheonette』(1973年)です。

Hall & Oatesと言えば、1980年代に「Kiss On My Lis」、「Private Eyes」、「I Can't Go For That (No Can Do)」「Maneater」、「Say It Isn't So」、「Out Of Touch」といった大ヒットを連発し、80年代最高のポップデュオとして大活躍したグループですね。

アルバム単位での彼らの代表作と言えば、本ブログでも紹介した「Private Eyes」、「I Can't Go For That (No Can Do)」というNo1ヒット2曲を含む『Private Eyes』(1981年)だと思うけど、個人的にダントツで好きなアルバムは『Abandoned Luncheonette』だ。

80年代の諸作はリアルタイムで聴いていた僕だが、そうした流れとは全く別に、90年代前半のフリーソウルにハマっていった流れの中で出会ったアルバムが『Abandoned Luncheonette』である。

『Abandoned Luncheonette』は、1973年に発表された2ndアルバム。この前年にArif Mardinプロデュースにより、デビューアルバム『Whole Oats』を発表している。このデビュー作は、シンガーソングライター的な仕上がりで、彼らの持ち味であるブルー・アイド・ソウル的な側面はかなり控え目であり、セールス的にも成功作とは言えないものであった。

そうした反省から、よりブルー・アイド・ソウル的な作品を意識して制作されたのがこの『Abandoned Luncheonette』っす。やっぱりプロデューサーもAretha Franklinらを手掛けたArif Mardinなんだし、R&B路線に進んでもらわないと困るよね!

ということで、Arifが集めたメンツが、Hugh McCracken(g)、Richard Tee(key)、Gordon Edwards(b)、Rick Marotta(ds)Bernard Purdie(ds)、 Ralph MacDonald(per)といった豪華メンバー。

そして出来上がったのが、アコースティックな味わいのブルー・アイド・ソウル・アルバムである。80年代以降の大ヒット作のようなポップさには欠けるが、フォーキーな味わいと彼らのブルー・アイド・ソウルの遺伝子が見事に融合したアルバムだと思います。

オススメ曲を紹介しときやす。

「When the Morning Comes」
ブルー・アイド・ソウル的なアルバム全体の雰囲気を感じることができるオープニング。フォーキーなサウンドながらも、Daryl Hallのソウルフルなボーカルの魅力がうまく引き出された曲デス。KalapanaやFifth Dimensionといったアーティストによってカヴァーされていマス。

「Had I Known You Better Then」
John Oatesによるフォーキーなナンバー。純粋に曲がいいって感じだね。Johnの優しく柔らかいボーカルがいいカンジですな。

「Las Vegas Turnaround (The Stewardess Song)」
僕がHall & Oatesの全作品の中で一番好きな曲がコレ。このアコースティックなメロウ&グルーヴはフリーソウル・ファンにはたまらない心地良さだよね。DarylとJohnのボーカルの掛け合いもサイコー。Joe Farrellのテナーサックスも盛り上げてくれマス。アコースティック・ブルー・アイド・ソウルの名曲としてイチオシ☆

「She's Gone」
Hall & Oatesの初期代表曲の1つですね。彼らのブルー・アイド・ソウルの遺伝子が爆発したカンジのメロウでコクのあるソウル・バラード。リリース直後は不発だったが、1976年に再ヒットし、見事トップ10入りしまシタ☆

この曲を有名にするキッカケとなったのがソウルグループTavaresによる1974年のカヴァーであり、見事R&BチャートでNo1に輝きまシタ。Dee Dee Bridgewaterもカヴァーしていますね。

「I'm Just a Kid (Don't Make Me Feel Like a Man)」
メロトロンの音色が印象的なフォーキーなJohn作のバラード。フォーキーで、幻想的な雰囲気なんだけど全体としては、しっかりソウルに仕上がっているから不思議だ。

「Abandoned Luncheonette」
Daryl作のソフトロック調のナンバー。ドラマチックな展開も含めて本作の中では異色のナンバーな感じがするけど、これも最後はソウル調になっているのが実に面白い。

「Everytime I Look at You」
実にファンキーな仕上がりのソウル・ナンバー。Darylのボーカルも含めて一番ブラック・ミュージックなサウンドかもね!最後のカントリー調のノリはご愛嬌かな?

本作の次の作品『War Babies』(1974年)では、大好きなTodd Rundgrenがプロデュースしている。ただし、Todd大先生のオーバープロデュース癖で、出来は???かな。Arif Mardinプロデュースの本作路線であと1、2枚聴きたかった気もしマス。
posted by ez at 00:42| Comment(6) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする