2006年08月31日

Mona Lisa『11-20-79』

90年代女性R&Bの中で僕の密かな楽しみの1枚☆Mona Lisa『11-20-79』
Mona Lisa - 79-11-20
発表年:1996年
ez的ジャンル:クール&癒し系R&B
気分は... :もっと楽しく、優しく行こうよ!

昨日は午前中クライアントへ訪問した後、広尾の僕の密かなお楽しみ☆お気に入りの洋食屋さんでランチ(^ー^) その店に行くといつもは定番ポークジンジャーなんだけど、何故か今日はハンバーグをオーダー。

僕がハンバーグを外で食べるなんて年に数回程度なんだけど、今日はどうしてもハンバーグが食べたい気分になった。

洋食屋ならではの、気取らない正統派のハンバーグとうれしい目玉焼きのトッピングに思わずニンマリ。あと普段は殆ど食べないマカロニ・サラダがやけに美味い。

ゴチャゴチャしていた頭の中も、店を出るころにはスッキリ・モード☆やっぱり食は大事ですな。

さて、今回はハンバーグ目玉焼きのせのようなホッとする一品!Mona Lisa『11-20-79』(1996年)っす。

当時はそこそこ人気があったアルバムだったと思うけど、今となっては完全に忘れ去られているアルバムじゃないかなぁ。

でも、僕的にはこのアルバムがかなり名盤で、今でも、SWVBrownstoneBraxtonsあたりと並んで相当頻繁に聴く90年代R&Bアルバムだ。

基本的にはMary J. Blige以降の流れを汲むHip-HopモードのR&Bンなんだけど、あまり熱くなりすぎないクール&ライトな感覚がたまらなく好きだね。

本作以降全然その名前を聞かなかったが、一昨年出たCam'ron『Purple Haze』収録の「Girls」にMona Lisaがフューチャーされていた。Mona Lisaの参加とCyndi Lauperの名曲「Girls Just Wanna Have Fun」ネタであることで、すっかり「Girls」が気に入り、柄でもなくCam'ron『Purple Haze』を購入してしまいまシタ。

本作発表時、Mona Lisa嬢はまだ16歳だった。多分アルバム・タイトルは生年月日なんじゃないかな?でも、中身は全然16歳とは思えない、しっとり大人のムードですよ。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Just Wanna Please U」
本作のハイライトと言えるクラシック・ナンバー。本ブログの記念すべき第1回エントリーで取り上げたBobby Caldwell「What You Won't Do For Love(風のシルエット)」をモロ使い。原曲のメロウな雰囲気に、クールなグルーヴ感が加わって、言うことなしの出来っす。

「Where I Wanna Be」
これもクールなメロウ・グルーヴ。「Just Wanna Please U」とセットで聴くとバッチリっす。Phyllis Hyman「Children of the World」ネタ。

「Love U Enough」
A Tribe Called Quest(ATCQ)のAli(Ali Shaheed Muhammed)プロデュース。浮遊感のあるメロウ・グルーヴに仕上がっていマス。

「You Gave Me Love」
個人的には「Just Wanna Please U」と並ぶ名曲だと思うなぁ。本曲も含めて本作の曲って、サビの部分の歌詞がわりと憶えやすいので、そのあたりも親しみやすい要因かもね!

「Can't Be Wasting My Time」
Krs-One「MC's Act Like They Don't Know」ネタのミディアム・グルーヴ。そう言えば、Krs-OneやBoogie Down Productionsって本ブログではあまり登場しなかったですね。

「You Keep Leading Me On」
Isaac Hayes「Don't Let Me Be Lonely Tonight」ネタのスロー。切ないメロウ・トラックがいいカンジ。

「Our Time to Shine」
本ブログでも取り上げたAverage White Bandの名曲「A Love of Your Own」ネタ。ライブ仕立ての作りで盛り上がりマス。

「Crazy」
胸キュンの美メロ・スロー。胸の高鳴りが抑えられなくなりそうっす☆

「You Said」
本作を貫くクールネスを象徴するような1曲。このヒンヤリ感たっぷりのトラックで残暑厳しい日々を乗り切れそう!

最近、僕の周囲にはイラつきモードの人、お疲れモードの人が多い。
そんな人々に癒し薬として、ぜひスイセンしたい1枚っす。
みんな、人生楽しく、優しく生きようよ☆
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2006年08月30日

The Jimi Hendrix Experience『Electric Ladyland』

Jimi最後のオリジナル・スタジオ録音作☆The Jimi Hendrix Experience『Electric Ladyland』
Electric Ladyland
発表年:1968年
ez的ジャンル:実験的&革命的ロック
気分は... :地味あらへん!(;一一)

ロックの革命児であった天才ギタリストJimi Hendrix(1942-1970年)の紹介は、『Are You Experienced』(1967年)に続き2回目になりマス。

Experience時代の3枚のアルバム、『Are You Experienced』(1967年)、『Axis: Bold As Love』(1967年)、『Electric Ladyland』(1968年)のうち、個人的に一番のお気に入りは『Axis: Bold As Love』っす。

でも、ロック、ジャズ、ブルース、ソウル、ファンクといったさまざまな音楽を消化した“Jimi Hendrix”という独自の音楽を堪能できるという意味では、Jimi自身の初のセルフ・プロデュースとなった本作『Electric Ladyland』かもね?ギタリストではない僕が説明しても説得力ないかもれないけど(笑)

あとは今回掲載しているUS版のジャケではなくUK版オリジナルのまさにLadylandな女性達のヌード・ジャケのインパクトがあったよね。

本作では、Noel Redding(b)、Mitch Mitchell(ds)というExperienceのメンバーに加え、Steve Winwood、Dave Mason、Chris WoodといったTraffic部隊やBuddy Miles、Al Kooperなどのゲスト陣が多数参加している。そのあたりも、Jimiの音楽の幅を広げている大きな要因だと思いマス。

R&B/Hip-Hopを好んで聴くようになった今の嗜好で聴いても、新たなカッチョ良さを発見できるのがJimiの魅力だと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Have You Ever Been (To Electric Ladyland) 」
Curtis MayfieldばりのJimiのファルセットが聴けるタイトル・ナンバー。多くの人が例えるように、後のスーパースターPrince殿下登場の予兆がこの曲から感じられるよね。

「Crosstown Traffic」
この曲のカッチョ良さは格別だよね。キャッチーなハード・ロックだけど、今日的な視点で聴くとHip-Hop好きの人なんかも十分にしびれるナンバーじゃないかなぁ。スクラッチが入ってもハマる気がするよね。Dave Masonのコーラスも個人的には大好き。

「Voodoo Chile」
スタジオでのジャム・セッションを収めた15分にも及ぶブルース・ナンバー。Steve Winwood好きの僕には、Winwoodのオルガン・プレイも堪能できるのはウレシイ限り。

「Little Miss Strange」
本作の中で唯一殆どの評論家やファンから無視あるいは酷評され続けられているNoel Reddingの作品。確かに、本作に収録される必然は感じないけど、Jimi Hendrixという先入観抜きで聴けば、そんなにヒドイ曲だとは思わない。

「Come On (Let The Good Times Roll)」
Earl Kingのカヴァーであるこの曲はExperienceの3人によるレコーディングっす。Jimiのギターソロを堪能できる曲。

「Gypsy Eyes」
Jimiのお母さんのことを歌った曲らしい。とってもアシッドな雰囲気が好きですな。

「Burning of the Midnight Lamp」
1967年にUKでシングル・リリースされていたナンバー。そのせいかアルバム中では異質なナンバー。1967年らしい音だけどね。

「Rainy Day, Dream Away」
Buddy Miles参加のブルージーなナンバー。Experienceのメンバーとの録音とは異なるJimiの姿が印象的ですな。

「1983... (A Merman I Should Turn To Be)」
Jimi Hendrixの天才ぶり(?)を窺えるナンバー。後半の展開は僕のような凡人には消化しきれません。

「Still Raining, Still Dreaming」
「Rainy Day, Dream Away」と対のナンバー。おやべりで弁が立つワウワウ・ギターを堪能できマス。

「All Along the Watchtower」
Bob Dylanのカヴァー(オリジナルはアルバム『John Wesley Harding』収録)であり、シングルカットもされた。個人的にはアルバム中一番のお気に入り。DylanとJimiがこんなにマッチするとは意外だよね。Dave Masonが好サポート。

「Voodoo Child (Slight Return)」
ライブでお馴染みの曲。このスタジオ録音もなかなかパワーがあります。ロックとブラック・ミュージックが見事に融合した、まさにJimiの音楽の1つの集大成的なナンバーなのではと思いマス。D'AngeloがNYのElectric Ladylandスタジオで録音した傑作アルバム『Voodoo』(2000年)のタイトルは、この曲からインスパイアされているのでは?

ジャケ写真のJimiのように恍惚の世界へと誘ってくれるアルバムっす。

この作品を最後にExperienceは消滅し、Buddy MilesらとBand Of Gypsysを結成するが、結局スタジオ録音のオリジナル・アルバムを発表することなく、Jimiは1970年9月に旅立ってしまった。その意味でも本アルバムには感慨深いものがあります。
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2006年08月29日

Bill Withers『Menagerie』

名曲「Lovely Day」を含むクリスタルな1枚☆Bill Withers『Menagerie』
Menagerie
発表年:1977年
ez的ジャンル:クリスタル系アーバン・ソウル
気分は... :☆ラブリー☆

年に何度かたまらなくBill Withersが聴きたくなる夜がある。
何故だか、彼の歌を聴いていると、気持ちが穏やかになり、人に優しくなれる気がする。

僕がBill Withersという人のソロ作品に辿り着くまでは結構長い道のりだったかも?

僕がBill Withersの歌をリアルタイムで初めて聴いたのは、Grover Washington Jr.の大ヒット曲「Just the Two of Us」(1980年)だった。オシャレなクリスタル・サウンドと共に、Billの大人のボーカルを聴きながら、まだガキだった僕は大人のアーバン・ナイトに憧れたものだった。

次にBillに出会ったのは、大好きなRalph MacDonaldの1984年のアルバム『Universal Rhythm』(未CD化)。名曲「In The Name Of Love」にBillのボーカルがフューチャーされていた。「In The Name Of Love」については以前にRoberta Flackのバージョンを紹介したことがあるけど、このBillのボーカル・バージョンもRobertaバージョンに負けず劣らず大好きだった。

大学生になり、R&B/ブラック・コンテンポラリーにのめりこむようになり、当時流行っていたClub Nouveau「Lean on Me」(1986年)のオリジナルがBill Withersであることを知った。なんか意外なカンジがしたなぁ。

そして90年代に入り、フリーソウルの虜になった僕は、そのムーブメントの中で、ついにゲスト・ボーカルではないBill Withers名義の作品を聴くことができた。「Just the Two of Us」を聴いてから苦節十数年、やっと出会えました。

僕の中でアーバン/メロウ・ソウル系のボーカリストのイメージが強いBill Withersだが、元々はニューソウル系のアーティストなんですね。

彼の代表作と言えば、ニューソウル時代の「Lean on Me」、「Use Me」を含む『Still Bill』(1972年)か、アーバン/メロウ・ソウル系の本作『Menagerie』(1977年)あたりだと思う。

ということで、みんな大好き「Lovely Day」収録の『Menagerie』をセレクト。

本作はBill本人に加え、「Risin' To The Top」でお馴染み本ブログでも紹介したKeni Burkeなどもプロデューサーとして名を連ね、Ray Parker, Jr.、Keni Burke、Ralph McDonald、Russell Kunkelらのミュージシャンが参加していマス。このメンバーを見ただけでも、アーバン/メロウのいい香りがしてきますよねぇ。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Lovely Day」
GAPのCMでもお馴染みの名曲。R&BチャートでもTop10に入るヒットを記録していマス。この和み系グルーヴはいつ聴いても、ほんとラブリー気分になれますねぇ。Billとソウル・ファンにはお馴染みのソングライターSkip Scarboroughの共作ナンバーっす。

Soul System「It's Gonna Be A Lovely Day」、Wade Elliott、Sybil、Kirk Franklin「Gonna Be A Lovely Day」といったカヴァーや、Biz Markie「Friends」 、Harlem World「Minute Man」、DJ Jazzy Jeff & the Fresh Prince「Lovely Daze」、TWDY feat Too Short「Player's Holiday」、Twista「Sunshine」などの元ネタになっています。個人的には、Soul Systemによるハウス・カヴァー「It's Gonna Be A Lovely Day」を昔よく聴いていたなぁ。

「I Want To Spend The Night」
BillとKeni Burkeの共作ナンバー。どうしても「Lovely Day」が注目の本作だけど、僕のイチオシはこの曲。このメロウネスこそ、僕の大好きなBill Withersの世界である。ホント、恋人と二人だけの世界に浸ることのできる名曲だと思いマス。

「Tender Things」
「I Want To Spend The Night」の続編のようなナンバー。勿論「I Want To Spend The Night」同様大のお気に入りデス。この2曲を続けて聴けば、メロウ好きの人は極楽モードに突入すること間違いナシ。

「Lovely Night For Dancing」
Leon Wareを思わせるステキなアレンジが印象的なナンバー。この曲もKeni Burkeとの共作デス。

「Then You Smile At Me」
ストリングスも入ったニューソウルの名残りを感じるナンバー。

「She Wants To (Get On Down) 」
Keni Burke色が強く出たファンク・チューン。Keniのベースがいいカンジ。

「Wintertime」
Earth,Wind & Fire風のミディアム・ファンク。

「Let Me Be The One You Need」
Skip Scarboroughとの共作によるロマンチック・バラード。アーバン・ナイトの雰囲気たっぷりのオススメ曲っす。

僕の持っているCDにはボーナストラックとして、Kanye West「Roses」の元ネタ曲「Rosie」が収録されていマス。Harlem World、Twistaといったプロデュース曲で「Lovely Day」を使ったり、KanyeってかなりのBill Withers好きだと思うね。
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2006年08月28日

Christina Aguilera『Back To Basics』

1920年〜40年代風最新ポップ・ミュージック☆Christina Aguilera『Back To Basics』
Back to Basics
発表年:2006年
ez的ジャンル:レトロ&モダン系ポップ・ミュージック
気分は... :ワ〜イPrimoプロデュースだ〜い☆

ビルボード・アルバム・チャートで初登場1位を獲得したChristina Aguileraの3rdアルバム『Back To Basics』

最近の新譜の中では、Pharrell『In My Mind』Jurassic 5『Feedback』と並ぶ僕のiPodヘビロテっす。

前にも書いたことがあるが、ここ数年の僕の音楽ライフで最も変わった点は、Christina AguileraやJennifer Lopez、Britney Spears、Beyonce、Ashantiなんかをフツーに聴くようになったことだと思う。

それまでの僕は、これらのポップ・アイコンの作品に手を出すこと自体にかなり抵抗があり、聴く前から賞味期限切れがすぐ来る消費型のポップ・ミュージックと決めつけていたフシがあった。同時に、大ヒット作みたいな作品を避けて、マイナー作品を通を気取って聴く傾向があった。要はええカッコしいだったんですな。

でもある時、そうしたポップスターへの偏見が自分の音楽ライフの幅を狭め、結果、自分の音楽センスのオヤジ化を一気に加速させていることに気づいた。それ以来改心し、ポップスターの作品も楽しんでいます。

その意味では、Christina Aguileraも前作『Stripped』(2002年)は、まだ僕のポップスター偏見期に発表された作品だったので、歓迎して(?)新作を聴くのは今回が初めてである。

でも、音楽以前に“彼女って、こんなにフェロモン・ムンムンの人だったっけ?”とビジュアルの印象がずいぶん変わった気がした。「Marilyn Monroe+Madonna」÷2ってカンジかなぁ。まぁ、デビューからもう約7年が経過し、アイドルから大人へと雰囲気が変わるのは当然なのですが...

「Marilyn Monroe+Madonna」÷2という印象は、音楽の方にも少なからず感じる。

『Back To Basics』というタイトルにもあるように、本作は1920年〜40年代のソウル、ジャズ、ブルースをモチーフにした作品が並ぶ。その意味で、ジャケのセクシーポーズを決めるChristinaの姿はMarilyn Monroe的である。一方で、そうした1920年〜40年代の素材をモチーフにしつつも、2006年型の最新ポップ・ミュージックとして聴かせてくれるあたりはMadonnaのようにも見える(音自体は全然違うけど)。

そんな最新型ポップ・ミュージックをクリエイトするChristinaのパートナーが、DJ Premier、Linda Perryといったプロデューサー陣。

何といってもDJ Premier(Primo)ですよね。Primoプロデュースを知った時点で、僕の本作購入は決定しまシタ。Guruと組んだ90年代最強のHip-HopユニットGang Starrや数々のプロデュース作で、我々を歓喜させ続けてくれたPrimoですが、最近はあまり目立った活動は見られなかったので、何ともウレシイ限りですね。

本作はボリューム満点2枚組。Disc1はPrimoプロデュース作を中心とした1920年〜40年代風最新ポップ・ミュージック。Disc2はLinda Perryプロデュース作を中心としたノスタルジック・ムードたっぷりの仕上がりっす。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Makes Me Wanna Pray」
Traffic「Glad」をサンプリングし、TrafficのリーダーだったSteve Winwoodがピアノ&ハモンドで参加というWinwoodファンである僕にはうれしいナンバー。それを反映してか、ブルージーでファンキーでコクのあるトラックがカッチョ良いっす。

「Back In The Day」
Primoのスクラッチがカッチョ良いナンバー。さまざまなアーティスト名が登場したりもする、先人達へのリスペクト・ナンバー。Don Costa Orchestra's「Charley」、Jimmy Castor Bunch「Troglodyte」をサンプリング。

「Ain't No Other Man」
アルバムからのリード・シングル。ここしばらく毎日最低4〜5回、多い日は10回以上はこの曲聴いていますね。ファンキーなホーンを中心に、まさにノスタルジックとモダンがうまく融合した最新型ポップに仕上がっていますよね。さすがPrimoですな。The Latin Blues Band「(I'll Be A) Happy Man」、The Soul Seven「The Cissy's Thang」をサンプリング。

「Understand」
「Slow Down Baby」
Christinaの雰囲気たっぷりのボーカルを堪能できる2曲。「Understand」は、Betty Harris「Nearer to You」(Allen Toussaintの名曲)がサンプリングされているイナたいトラックがいいカンジっす。「Slow Down Baby」は、Gladys Knight & The Pips「Window Raisin' Granny」、Tony Yayo fest. 50 Cent「So Seductive」がサンプリングされていマス。

「Oh Mother」
「On Our Way」
「Without You」
マジメ路線の正統派ポップスを聴かせてくれる3曲。「Oh Mother」は、40年代〜50年代頃のモノクロ映画をイメージさせる哀愁のナンバー。Les Choriste Bruno Coulais「Vois Sur Ton Chemin」をサンプリング。「On Our Way」はClaude Bolling「Sentimentale」という意外な(?)サンプリングネタ。「Without You」はMark Ronsonプロデュースの胸に染みる美しいバラード。バラード系では一番スキ。

「Still Dirrty」
「Thank You (Dedication To Fans...) 」
Primoプロデュースを堪能できる2曲。「Still Dirrty」は、「Ain't No Other Man」と並ぶ僕のお気に入りナンバー。このグルーヴ感はサイコーですな。「Thank You」は、「Can't Hold Us Down」、「Genie in a Bottle」といった自身のヒット曲と共にファンからのボイス・メールをサンプリングしたファンに捧げられたステキなナンバー。

ここまでがDisc1の曲っす。

「Candyman」
ここからはDisc2の曲。この曲は実にブギブギなナンバーっす。昔の米軍基地がある街の安酒場ってカンジ。
《追記》
本曲はAndrews Sistersが映画『Buck Privates』(1941年)の中で歌っていたブギウギ・スタンダード「Boogie Woogie Bugle Boy」からインスパイアされたもの。PVも映画シーンを模したものになっています。

「Nasty Naughty Boy」
「I Got Trouble」
昔のキャバレー・シンガーといった趣きのChristinaを聴けマス。

「Hurt」
切々と歌い上げる本格バラード。映画の主題歌っぽいよね。

Disc2は多少好みが分けれるかもしれませんね。僕的にはこの路線で1枚作る必要はなかったのでは?なんて思ってしまうのですが...
それでもDisc1には大満足なので、それだけでも買いだと思いマス。
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2006年08月27日

Prince『Sign O' The Times』

僕が考える殿下の最高傑作☆Prince『Sign O' The Times』
Sign 'O' the Times
発表年:1987年
ez的ジャンル:殿下の最高傑作
気分は... :孤高の天才...

前作『Musicology』(2004年)、最新作『3121』(2006年)で復調の兆しの見えてきたPrince殿下。

個人的には、そんなPrince殿下の最高傑作は『Sign O' The Times』だと思う。80年代の殿下をリアルタイムで聴いていた方は、同じ想いの方が多いのではと思いマス。

以前に紹介した『1999』(1982年)でコアなファンのみならず一般音楽ファンの支持を獲得し、『Purple Rain』(1984年)でMichael Jackson並みの人気を得た頃までは、正直殿下のことを風変わりなポップ・スター程度にしか思っていなかった。

そんな殿下のことを天才クリエイターだと認識するターニング・ポイントとなった作品が『Around The World In A Day』 (1985年)だった。多くの人がそう評したように、僕もこの作品に、The Beatlesの名作アルバム『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』(1967年)をダブらせていた。

その後、『Parade』(1986年)を最後にバックバンドRevolutionを解散させ、殿下が再びマルチ・プレーヤーとしての才能をみせた作品が2枚組大作『Sign O' The Times』(1987年)である。Beatlesで言えば、『The Beatles(ホワイト・アルバム)』(1968年)みたいなアルバムかもね。

この作品を聴いて印象的だったのは、全体を覆う閉じられた雰囲気と、その小宇宙の中での贅肉をそぎ落としたようなシンプルながら自由に駆けめぐるサウンドだった。孤高のポップスターが、ついにその頂点を極めた作品に感じられたなぁ。

当時、この作品は間違いなく、10年後、20年後に振り返っても歴史的名盤として語り継がれていることは間違いないと確信し、そんな作品にリアルタイムで出会えた幸運にずいぶんと興奮していた記憶がある。

最近紹介したPharrell『In My Mind』を聴いていたら、密室的な雰囲気という意味で『Sign O' The Times』と同じ感触がしたなぁ。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Sign O' The Times」
1stシングルになもなったシングル・ナンバー。閉じた雰囲気の中でPrince流ファンクが繰り広げられる。このスカスカなカンジが何とも好きだなぁ。本ブログでも紹介したYoung Disciples「Get Yourself Together」の元ネタです。

「Housequake」
久々に聴いて、改めてカッチョ良さを再認識したファンク・ナンバー。エフェクトで声がより変態チックなハイトーンになっているのもいいよね。MC Hammer「They Put Me In The Mix」、Bomb the Bass「Beat Dis」、Levert「Rope-a-Dope Style」の元ネタ。

「The Ballad of Dorothy Parker」
一番のお気に入り曲。この密室的で物悲しく、儚いカンジが孤高の天才にピッタリだと思う。この曲の歌詞は、以前紹介したJoni Mitchell『Court And Spark』収録の「Help Me」の1節が引用されている。

De La Soul「Lovely How I Let My Mind Float」、Digital Underground「Wussup Wit The Luv」、Lords Of The Underground「Flow On (New Symphony)」の元ネタっす。

「Starfish and Coffee」
目覚まし時計の効果音が印象的なナンバー。一時期、朝起きたらまずこの曲を聴いていた記憶があある。殿下のポップ職人ぶりが発揮されたキャッチーなナンバー。Nice & Smooth「No Delayin'」の元ネタ。

「Hot Thing」
アシッドな雰囲気漂うファンク・チューン。中毒性のあるクセになるナンバー。Kipper Jones「Ordinary Story」、Chubb Rock & Howie Tee「Talkin' Loud, Ain't Sayin' Jack」の元ネタ。

「U Got the Look」
Sheena Eastonとのデュエットによるロック・チューン。アルバムからの3rdシングルにもなりました。ここでも声にエフェクトをかけて、変態ボイスの殿下を聴けマス。Sheila Eのパーカッションもイイ感じ。

「If I Was Your Girlfriend」
アルバムからの2ndシングル。何処となくSly Stone風のミディアム・ファンク。TLCのカヴァーをはじめ、Jay-Z「'03 Bonnie & Clyde」、Mobb Deep「Young Luv」、2Pac「Thugs Get Lonely Too」、Yo-Yo「Ain't Nobody」などの元ネタになっていますね。この曲も「The Ballad of Dorothy Parker」に続き、Joni Mitchellの名曲「All I Want」の歌詞を引用していマス。

「I Could Never Take the Place of Your Man」
アルバムからの4thシングル。ロック・テイストのストレートなポップ・チューン。

「It's Gonna Be a Beautiful Night」
この曲のみRevolutionを従えたパリでのライブ。アルバム全体の構成の中でこの曲のみ違和感があるけど、それを考慮しなければ楽しめるナンバー。

最近の若いリスナーの方にとって、Princeというアーティストはどのように映るのかね?

80年代のPrinceの絶頂期をリアルタイムで体験した人にとって、Princeはポップスターだった。それに対して、今の若い人から見るとPrinceはR&Bアーティストの一人なのだろうし、彼の過去の作品もR&B的な観点から聴いているように思う。この事自体は、ロックが洋楽の中心だった当時と、R&B/Hip-Hopが洋楽の中心である今日の状況を考えれば、自然な流れかもね。

そう考えると、『Around The World In A Day』 あたりはR&B的な観点から聴くと退屈な作品であるような気もする。むしろ、『Controversy』(1981年)、『1999』(1982年)あたりの方がハマるのかもね?
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