2006年08月26日

Sonic Youth『Goo』

オルタナ・ロックの雄Sonic Youthのメジャー第1弾アルバム☆Sonic Youth『Goo』
GOO
発表年:1990年
ez的ジャンル:オルタナ・ロックの先駆者
気分は... :スカッとするぜ!

今日はとっても、モヤモヤ気分なので、エッジが効いたノイジーなロックでスカッとしたい気分っす。

最近ではグルーヴ感やメロウネスを重視した音楽が僕の音楽ライフの中心であるが、たまにその反動でエッジの効いたノイジーな音楽も聴きたくなるんだよね。

そこでセレクトしてみたのがオルタナ・ロックの大御所Sonic Youthのメジャー第1作『Goo』デス。

正直、オルタナ/グランジ系の分野は明るくない。90年代初めの頃、R&B/Hip-Hop、ハウス/クラブ系の新譜購入に夢中だった僕が、リアルタイムでこれらのジャンルにのめり込んでいたということはない。

そんな僕でも、Sonic Youth『Goo』(1990年)、Nirvana『Nevermind』(1991年)、Pearl Jam『Ten』(1991年)あたりは、インパクトがあったし、今でもふと聴きたくなる。

Sonic Youthの代表作と言えば、ファンや評論家の間では、インディーズ時代のラスト作『Daydream Nation』(1988年)を推す人が多いのではと思うけど、ジャケのサウンドのカッチョ良さで、僕がファースト・チョイスするアルバムは『Goo』だ。

それまでは、地元ニューヨークやヨーロッパのアンダーグランド・シーンで知り人ぞ知る存在だったが、『Daydream Nation』で注目され、Geffenとメジャー契約を果たし、その第1弾アルバムとなったのが本作『Goo』である。

Sonic Youthのメジャー契約は、メジャーの言いなりになるのではなく、アーティストとしての自由を確保した上でのメジャー契約ということで、後続のアーティストにも大きな影響をもたらしたものであった。

個人的には、インディーズとメジャーをうまくバランスさせた音作りが、このアルバムの魅力ではと思いマス。メジャーとなりながらも、インディーズ時代と変わらないパンキッシュでアヴァンギャルドな音楽をデリバリーしてくれている。一方で、メジャーな分だけ多少わかりやすく、キャッチーになっているので、僕ようなロック離れが進行している人間も、ロックへ引き戻してくれる。

あと、僕がこのアルバムが好きなのは紅一点Kim Gordonの存在かも?ハードなサウンドにKimのクールなボーカルが実にマッチしている気がするなぁ。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Dirty Boots」
シングルにもなったこのオープニング・ナンバー。淡々とした序盤から、貯め込んだものを一気に吐き出す展開がなかなかスリリングだよね。僕はこのオープニングでこのアルバムはOKになりまシタ。

「Tunic (Song for Karen)」
タイトルのKarenとは、Carpentersの故Karen Carpenterのこと。ハードなイントロと物悲しいKimのボーカルが印象的ですな。

「Mary-Christ」
シンプルにパンクしているナンバー。ストレートな縦ノリがいいカンジ。

「Kool Thing」
Public EnemyのChuck Dをフィーチャーしたアルバムからの1stシングル。不穏な空気が流れまくっているカンジがスキ。

当時、最も政治的なHip-HopグループだったPublic Enemyのリーダーであり、過激なラップで人々を扇動していたChuck Dとオルタナ・ロックの先導者であるSonic Youthの組み合わせって、なかなか興味深かった。記憶が曖昧だが、僕が本作を購入するきっかけもPublic Enemyに興味があったからだったかもしれない。

「Mote」
ノイジーで疾走感のあるギター・サウンドがカッチョ良い曲。この手の曲で野暮ったくならないのがこのグループのカッチョ良さかもね。

「My Friend Goo」
Kimの魅力を堪能できる個人的にはイチオシの曲。Kimの下手くそで素っ気ないんだけど、キュートなボーカルが何ともたまりません。パンキッシュなサウンドもグッド☆

「Disappearer」
アルバムからの2ndシングル。前述のインディーズとメジャーのバランス感覚がうまくとれたナンバーだと思う。

「Titanium Expose」
緩急織り交ぜた展開がカッチョ良いナンバー。

本作の成功に続き、Sonic YouthはGeffenにNirvanaとの契約を強力にプッシュし、衝撃作『Nevermind』(1991年)の発表へとつながる。そして、グランジは大爆発したのだった...

そう言えば、NirvanaやPearl Jamもご無沙汰だけど久々に聴いてみようかなぁ。
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2006年08月25日

Joe Henderson『Page One』

クールで新感覚!Joe Hendersonの初リーダー作☆Joe Henderson『Page One』
Page One
録音年:1963年
ez的ジャンル:クール新主流派Jazz
気分は... :音楽の楽しみ方って?

タワーレコードを経営するMTSが経営破綻した。
日本のタワレコは、MTSから独立しているため影響はないとのことで一安心だけど...

今でこそ大型CDショップや輸入盤を扱う店なんて珍しくもないけど、僕が中・高校生の頃は、今のHMV、タワレコのような大型ショップは存在せず、近くで輸入レコードを扱う店もタワレコ(昔は小さい店舗ばかりだった)しかなく、随分と足繁く通った記憶がある。

当時はアーティスト別のインデックスなどなく、自分で1枚1枚タイトルとアーティスト名を追いかけながら、街のレコード屋さんには置いていない、洋楽の名盤や新譜を探す作業は実に楽しかったなぁ。

現在のネット上にアーティスト・作品情報が溢れ、作品自体もダウンロードできる時代は確かに便利であり、僕自身もその恩恵を受けている。

しかしながら、この環境は音楽を“消費”する感覚が強まり、アーティストや楽曲への思い入れが弱くなっていくような気がする。僕的には、音楽って聴くだけではなく、作品自体を自宅のレコード棚・CD棚に“ストック”しておく楽しみってあると思う。

このストックという行為こそが、楽曲、アーティストへの思い入れを強くするんじゃないかなぁ?ネット配信の音楽も確かにPC内にデータとしてストックされているが、あまりに素っ気無いストックの方法だから、思い入れまでには至らない気がする。

さて、今回はテナーサックス奏者Joe Hendersonの初リーダー作『Page One』(1963年)デス。

Joe Hendersonは、Dexter GordonPharoah Sandersと並ぶ僕のお気に入りのサックス奏者デス。Hendersonの作品を紹介するのは『Inner Urge』(1964年)に続き2枚目となりマス。

本作は、Hendersonの才能をいち早く認めていたベテランKenny Dorham(tp)のサポートのもとに録音されたHendersonの初リーダー作っす。メンバーは、Joe Henderson(ts)、Kenny Dorham(tp)、McCoy Tyner(p)、Butch Warren(b)、Pete La Roca(ds)。

何と言ってもKenny Dorham作の名曲「Blue Bossa」が有名ですね。Dorhamがこの名曲をHendersonの初リーダー作のために書き下ろしたというあたりに、DorhamのHendersonへの惚れ込み具合がわかるのではと思いマス。ちなみに、本作のライナーノーツもDorhamが書いており、かなり力入ってマス。

抑えた涼しげな演奏が何ともクールでカッチョ良い作品デス。

全曲紹介しときヤス。

「Blue Bossa」
前述のDorham作の名曲。タイトルの通り、哀愁漂うボッサ・ナンバー。いつ聴いても、心がクールダウンできる演奏で大好きっす。この力の抜け具合が何とも気持ちイイね!Henderson、Dorhamも良いですが、McCoy TynerのピアノとPete La Rocaのドラムが実にオシャレっす。

「La Mesha」
この曲もDorhamの作品。実に落ち着いたバラード・ナンバー。あまり入れ込みすぎていない抑えた演奏が何ともステキですな。

「Homestretch」
スリリングな演奏が魅力のHendersonのオリジナル。この曲の演奏のように、野暮ったくない、スタイリッシュなところがHendersonの魅力だと思いマス。

「Recorda Me」
「Blue Bossa」と同じテイストのHenderson作のボッサ・ナンバー。「Blue Bossa」アゲインってところですが、ある意味こっちの演奏の方がカッチョ良いかもね。

「Jinrikisha」
まずはタイトルが気になりますよね。人力車?そんなはずねぇよなぁ...なんて思っていましたが、人力車のようです。何でも兵役で日本に滞在していたことがあるHendersonがその思い出を曲にしたらしいっす。少しミステリアスな演奏が、Hendersonのイメージする日本なのか?

「Out Of The Night」
Henderson作の小粋なナンバー。深夜の隠れ家的なバーで一杯やりながら、聴きたくなるブルージーな雰囲気がたまりませんな。

本作は僕が購入した最初のJoe Henderson作品だが、購入のきっかけはジャケ買いっす。Blue Note作品である本作のジャケデザインは、もちろん本ブログでお馴染みのReid Milesっす。ホント、この構図が何ともカッチョ良いですな。
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2006年08月24日

Santana『Festival』

ラテン・ロックの雄の隠れた名盤☆Santana『Festival』
Festival
発表年:1976年
ez的ジャンル:チカーノ系ラテン・ロック
気分は... :アミーゴ!( ^^)/\(^^ )

今回は夏の間にどうしても紹介しておきたかったSantanaっす。

やっぱりラテン・ロックの雄Santanaは、秋や冬に紹介するよりも夏に紹介しないとね。

メキシコ生まれで、家族と共にサンフランシスコへ移住してきたCarlos Santanaが、 後にJourneyを結成するキーボード奏者Gregg Rolie らと1966年に結成したグループがSantanaの前身となるSantana Blues Bandである。

ラテン・コミュニティを中心に着実に人気を獲得していったバンドは、1968年にはグループ名をSantanaに改め、1969年に歴史的イベント、ウッドストックへの出演で、Santanaの名は全国区となり、ついには1969年にデビューアルバム『Santana』を発表した。

ウッドストックへの出演で既に噂のバンドになっていたため、このデビューアルバムは大ヒットし、ラテン・ロックというジャンルを確立する。それ後今日に至るまで絶大な人気を誇る息の長いグループですな。

最近の僕はSantanaよりも、その弟分的グループであるAzteca、Maloを聴く機会の方が多いかもしれない。

でも、よくCD棚を眺めてみると、SantanaのCDを10枚以上持っている。自分でも意識していなかったが、デビュー作から今回紹介する9thアルバム『Festival』までで、持っていないのは3枚組大作『Lotus』だけだ。なんだオレって案外Santana好きなんじゃん?

Santanaの作品からオススメの1枚を選ぶって難しいね。

一般的な評価から言えば、ラテン・ロックというジャンルを確立したデビュー作『Santana』(1969年)と2nd『Abraxas』(1970年)、スピリチャルな方向へ進んだ『Caravanserai』(1972年)、再びラテン・ロックへ原点回帰した『Amigos』(1976年)あたりが代表作だよね。

僕も昔はこれらの作品をよく聴いていた記憶がある。しかしながら、ここ10年位はSantanaを聴くならば、『Welcome』(1973年)、『Borboletta』(1974年)、『Festival』(1976年)といった評論家がB級作扱いするアルバムを好んで聴いている気がする。

そんな中から『Festival』(1976年)をセレクト。『Festival』は、ラテン・ロック路線へ立ち返り、久々のベスト10入りアルバムとなった『Amigos』に続く作品である。基本的には『Amigos』と同じ路線だけど、『Amigos』よりもマイルドでいろんな味が楽しめるってカンジかなぁ。

特に、Santanaのアルバムだと意識せずに聴くと、なかなかバラエティに富んだ飽きない1枚だと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Carnaval」
いきなり陽気なサンバのリズムのオープニング。サッカー・ブラジル代表セレソンのイメージにピッタリ!頑張れ闘将ドゥンガ新監督☆

「Let the Children Play」
Santanaらしいラテン・ナンバー。AztecaやMaloが好きな僕にとって、ラテン色強め、ロック色弱めのかなりストライクな曲。

「Jugando」
シンセも入ったラテン・ロック。「Carnaval」、「Let the Children Play」、「Jugando」はシームレスに続く組曲のような流れになっている。この流れが実にカッチョ良い。次作の『Moonflower』(1977年)にもこの3曲の流れのライブが収録されていマス。

「Give Me Love」
一転、アーバンソウル調の全然Santanaらしくないナンバー。このあたりがこのアルバムの好みの分かれ目かもね。AOR/アーバンソウル好きの僕は全然ウェルカムっす。

「Verao Vermelho」
スパニッシュなギターとブラジリアンなコーラスの不思議な組み合わせのナンバー。コーラスがとってもB級映画のテーマ曲っぽくていいです。

「Let the Music Set You Free」
ファンク・テイストのグルーヴ感がカッチョ良いナンバー。久々に聴いたけど、実にいいね。ウレシイ再発見だね☆

「Revelations」
『Amigos』収録の超有名曲「Europa(哀愁のヨーロッパ)」に続く、哀愁シリーズ第2弾「哀愁のボレロ」。僕はどうもこの哀愁シリーズが苦手(T_T)どちらかと言えば、田原俊彦「哀愁でいと」の方がスキ(笑)

「Reach Up」
ジャズ・ファンク調のSantanaらしくない曲。フリーソウル的な視点で聴くと、とってもいい曲かも?

「Try a Little Harder」
ラテン・ソウルなミディアム・チューン。この曲も今日的視点で聴くとイケてる曲だね。

「Maria Caracoles」
サンバ+メレンゲ調のナンバー。メレンゲってお菓子じゃなくて、ラテン音楽の方のメレンゲっす。今時メレンゲ聴く人なんて殆どいないのかな??

基本的にSantanaは夏向きだけど、秋の夜長にJohn MclaughlinとCarlos Santanaのコラボ『Love, Devotion, Surrender』やSantana『Welcome』(1973年)あたりで瞑想するっていう手もあるかもね!
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2006年08月23日

Pharrell『In My Mind』

ついに出たPharrellのソロ。賛否両論あなたはどっち?☆Pharrell『In My Mind』
In My Mind
発表年:2006年
ez的ジャンル:Neptunes系Hip-Hop/Neptunes
気分は... :長かったねぇ!

昨年から延期になっていたPharrell(Pharrell Williams)の初のソロ・アルバム『In My Mind』がやっと発売されましたね。

説明不要だとは思いますが、Pharrellと言えば、相棒のChad Hugoとのコンビによるスーパー・プロデューサー・チームThe Neptunes、二人に幼馴染みのShaeを加えたロック・テイストのHip-HopグループN.E.R.D、その他有名アーティスト作品への客演などでお馴染みですよね。

何となく2000年代に入ってから出てきた印象があるけど、本ブログでも紹介した1996年のSWV『New Beginning』にも参加しているから、もう10年選手なんだよね。PharrellもChadもあんまり年取らない顔してるよね。

別にNeptunes、N.E.R.Dのファンじゃないけど、ついつい彼らの関連のアルバムには手を出してしまう。だって、殆どハズレなしだからね。今回はJurassic 5『Feedback』を購入する目的でCDショップへ行ったら、しっかり、本作とChristina Aguilera『Back To Basics』を一緒に持ってレジへ向っていまシタ(笑)

さて、その『In My Mind』ですが、既に多くの方がブログその他でレビューされていますね。予想通りというか、賛否両論に分かれているみたいですが。

僕はHip-HopとR&Bのハーフ&ハーフな構成に結構満足していマス。できれば前半と後半という分け方ではなく、Hip-HopナンバーとR&Bナンバーが交互に聴ける構成の方が良かったなぁとは思うけど...

僕は以前から、PharrellにPrice殿下的なものを感じるんだけど、本作は特にそんな印象が強かったなぁ。トラック自体も80年代サウンドっぽいのが多かったしね。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Can I Have It Like That」
先行してシングルカットされていたナンバー。Gwen Stefaniをフィーチャーしていマス。重低音ベースラインの不穏なムードがいいカンジですな。

「How Does It Feel? 」
ホォ〜ッ、ホッ!という掛け声が印象的な曲だホォ〜ッ、ホッ!

「Raspy Shit」
耳から離れない中毒性のあるトラックがカッチョ良いね。

「You Can Do It Too」
快眠できそうな心地良いトラック。昼寝のお供によさそうだね(笑)後半の展開もスキ☆

「Keep It Playa」
Slim Thugをフィーチャー。このチープなカンジが逆にいいよね。シンプルなだけに実は奥深い?

「That Girl」
Snoop Doggをフィーチャーしたこの曲までがHip Hopパート。Hip Hopパートでは一番メロディアスでキャッチーかもね☆

「Angel」
ここからがR&Bパート。この曲はシングルカットされていたのでお馴染みですよね。変態チックなヘナヘナ・ファルセットがPharrellらしいですな。僕はやっぱりコレが聴きたいんだね。

「Young Girl/I Really Like You」
Jay-Zをフィーチャー。なんでこの2曲がセットになってるのかな?2曲共に80年代サウンド風のトラックがいいね。特に「I Really Like You」がいいね。

「Take It Off (Dim the Lights) 」
メロメロ好きの僕の好みにピッタリのメロウ・チューン。夏の終わりの夕暮れにピッタリなんじゃない☆初期Jam & Lewis風のポコポコ・リズムもいいね。

「Stay with Me」
続くこの曲もメロウ好きにはストライクですな。ClipseのPusha Tをフィーチャー。

「Baby」
Nellyをフィーチャー。この曲聴いていたら、Prince殿下の「When Doves Cry」が聴きたくなった。

「Number One」
Kanye Westフィーチャーの3rdシングル。最強タッグの曲が悪いわけないよねぇ。Pharrellらしい意外な曲展開もお気に入りっす☆

PV観て思うんだけど、Pharrellのスベスベ肌は見事だよね。男性エステのCMとか最適なんじゃない?
posted by ez at 09:02| Comment(4) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月22日

Dynasty『Adventures in the Land of Music』

さぁ、ソーラー王朝の音楽ランドを冒険しよう☆Dynasty『Adventures in the Land of Music』
Adventures in the Land of Music
発表年:1980年
ez的ジャンル:ソーラー系ファンク
気分は... :ソーラー王朝の隠し球└(^^*)┐ ┌(*^^)┘

80年代R&B/Funkを代表するレーベルSolar☆

LAらしいカラッと明るいダンス・サウンドは、今でも多くのR&B/Funkファンを虜にしていますよね。その意味では、残暑厳しい中に聴くダンス・ミュージックとしては、案外ハマっているのでは?

本ブログでもMidnight StarShalamarといったSolar出身のアーティストをこれまで紹介してきまシタ。

ということで、Solar出身アーティストの第3弾はDynastyっす。

Dynastyは、Shalamarのエントリーでも紹介したSolarの看板プロデューサーLeon Sylvers IIIが手掛けたグループ。最初はプロデューサーだったが、その後に正式にグループのメンバーにもなっていマス。

ShalamarMidnight Starといったアーティストはリアルタイムで聴いていたんだけど、Dynastyについては残念ながら聴き逃していまシタ。当時、それなりにマジメな中学・高校生だった僕がDynastyに辿り着くのは、かなり至難の技だったのではと思いマス。

僕がDynastyを最初に知ったは、90年代に入りフルーソウルを聴く中で3rdアルバム『Second Adventure』(1981年)収録の名曲「Here I Am」を聴いたのが最初だったかなぁ。

そして、僕をDynasty好きにした決定打がHip-HopグループCamp Lo「Luchini AKA This Is It」だ。90年代後半Hip-Hopの中でかなりお気に入りのアルバムがCamp Lo『Uptown Saturday Night』(1997年)であり、アルバム中でダントツで好きだった曲が「Luchini AKA This Is It」だった。そして、「Luchini AKA This Is It」でモロ使いされていたサンプリング・ネタこそがDynasty「Adventures in the Land of Music」である。

Solarのアーティストって、アーティスト名は知らなくても、この曲だけはみんな知ってる!ってカンジの勝負曲を持っているよね!Shalamarだったら「Night to Remember」Midnight Starだったら「Curious」とかね☆

そして、Dynastyの勝負曲が「Adventures in the Land of Music」だと思う。ホント、このイントロを聴いただけで僕はハッピー・ウキウキ気分になれてしまう。

「Adventures in the Land of Music」収録のオリジナル・アルバムが『Adventures in the Land of Music』(1980年)っす。これはデビューアルバム『Your Piece Of The Rock』(1979年)に続く2ndアルバム。

オススメ「Adventures in the Land of Music」は勿論だけど、それ以外にもいい曲が揃っていて、アルバム的にも本作がDynastyの最高傑作なのではと思いマス。実際、何種類かある彼らのベスト盤を見ても、どの盤も本作からのセレクトが最も多い構成になっていマス。

ソーラー王朝の隠し球的グループを楽しんでください!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Adventures in the Land of Music」
前述の永遠のクラシック・メロウ。アゲアゲ・ナンバーじゃないけど、場の雰囲気を一気にハッピーにしてくれるミラクルな何かを持った曲だよね。

前述のCamp Lo「Luchini AKA This Is It」以外にも本ブログで紹介したAngie Stone「Lover's Ghetto」をはじめ、 Brooke Valentine「Long As You Come Home」、Terri Walker「This is My Time」、Juice「I'm Into You」、Rashad「Sweet Mysery Remix」などでネタになっていマス。

ちなみにリリース当時はこの曲はシングル・カットされていません。90年代に入り、クラブDJやHip-Hopアーティストが再発見した名曲と言えるかもしれませんね。ホント、感謝!感謝!です。

「I've Just Begun To Love You」
アルバムからの1stシングル。これはSolarらしい陽気でハッピーなアゲアゲ・ファンク・ナンバー。Leon Sylversの手腕が光ってマス。Solarサウンドの魅力って、僕はいい意味でのビミョーなB級感だと思う。下町グルメみたいなカンジかな?この曲なんかまさに洋食屋さんのオムライスみたいな満足感がありマス。

「Do Me Right」
アルバムからの2ndシングル。「Adventures in the Land of Music」以外ならば、この曲が一番スキかなぁ。ディスコな曲調もいいし、みんなで大盛り上がりできそうな雰囲気がサイコー。80年代のR&B/Funkグループって、この男女混声ボーカルが何ともいいよね。

「Groove Control」
軽快なファンク・ナンバー。ファルセットで♪ぐる〜ぶ♪こんとろ〜る♪と一緒に歌いたくなりマス。EW&Fっぽいカリンバ風リズムや、この時点(1980年)でラップっぽいフレーズを聴けるのも興味深いよね。

「Something to Remember」
アルバムからの3rdシングル。最初はしょぼいバラードだなぁと思い、正直聴いているのが辛かった。なぜ、こんな曲がシングルカットされたんだろう?と思っていたが、何度か聴いているうち、このノスタルジックなカンジも案外悪くないと思えてきた。不思議?

他の作品ならば3rdアルバム『Second Adventure』(1981年)ですかね。アルバム全体の完成度は別としても、「Here I Am」、「Love In The Fast Lane」の2曲は素晴らしすぎっす。
posted by ez at 00:04| Comment(0) | TrackBack(1) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする