2006年08月11日

Thelonious Monk『Thelonious Himself』

ジャズ史上最も偉大な個性をダイレクトに堪能できる作品☆Thelonious Monk『Thelonious Himself』
Thelonious Himself
録音年:1957年
ez的ジャンル:奇人系ユニーク・ジャズ・ピアノ
気分は... :個性って大事だよね☆

最近、“個性”について考えることが多い。

今の社会って、ブログのようなパーソナル・メディアが発達し、一人ひとりが個性を表現しやすい環境が整っている。一方で、その個性の表現に煩わしさを感じ、その部分を他人の知識・アイデアで代替してしまっている人も多いように思う。

別の他人の知識・アイデアの複製を否定するわけではない。他人の知識・データの複製なしに、すべてを表現できる人なんて、滅多にいないと思うしね。また、Web2.0みたいな流れで考えれば、知識・アイデアの複製(=共有)こそが、新たな創造の源泉といえるしね。

でも、Web2.0みたいな時代だからこそ、自分ならではの理念、価値観、視点、考え方を強く意識しないと没個性に陥りやすいのではと思いヤス。

さて、今回はジャズ史上最も個性的なミュージシャンと呼ばれるThelonious Monk(1920-1982年)☆

本ブログでは、Sonny Rollins『Sonny Rollins Vol.2』への参加で紹介しましたね。

その個性は彼の音楽のみならず、奇異な言動までおよび、一般には奇人変人のイメージが強いですよね。「Monk=修道僧」の意味から“ビ・バップの高僧”とも呼ばれたらしいけど、そんなイメージはないよね(笑)

僕がMonkの名を強く意識するようになったのは、1984年に発表されたHal WillnerによるMonkのトリビュート・アルバム『That's the Way I Feel Now: A Tribute to Thelonious Monk 』だったかな。

このアルバムには、Todd RundgrenDonald Fagen、Peter Framptonといった当時僕のお気に入りだったロック系アーティストも多数参加していた。そんな彼らが敬愛するジャズ・ピアニストってどんな人なんだろう?という興味が湧いた。

社会人になってからJazzを本格的に聴くようになってから、Monk作品も何枚か購入した。その前にジャズ・ピアニストとしては、Bill EvansBud PowellHerbie Hancockあたりの作品を聴いていたが、そうした後にMonkを聴いたら、確かにインパクトがあったよね。でも、それは決して好印象ではなかったけど(笑)

特に、Bill Evansの繊細でリリカルな世界の虜になっていた僕にとっては、Monkの独特のコードや不協和音、アクセントの強い演奏は、個性的ではあるが、決して頻繁に聴きたいアーティストではなかった。

でも、年月と共にそのクセのある演奏が何となく好きになってきたから不思議だよねぇ!そう言えば、子供の頃レバーのクセのある味が大キライだったんだけど、今では大好物になったなぁ...

個人的には、『Solo On Vogue』(1947-48年、1951-52年)、『Brilliant Corners』(1956年)、『Thelonious Himself』(1957年)、『Monk's Music』(1957年)、『Monk's Dream』(1962年)、『Solo Monk』(1965年)あたりがMonkを堪能できる作品ではと思いマス。

今回は、そんな中からピアノソロ作品『Thelonious Himself』(1957年)をセレクト。
オリジナル作品およびスタンダードをピアノソロで聴かせる本作は、ジャズというよりもMonkという芸術を聴いている気分になる。なんかとってもアートな雰囲気を持ったアルバムだ。

「April in Paris」
E.Y.Harburg作詞、Vernon Duke作曲のスタンダード。こうやってピアノソロで聴くと、Monkの奏でる音空間の奥行きを感じられるようでいいよね。

「(I Don't Stand) A Ghost of a Chance (With You)」
「ほのかな望み」の邦題で知られるB.Crosby/N.Washington作詞、V.Young作曲のスタンダード。Linda Ronstadtの『What's New』(1983年)にも収録されていましたね。何かアンハッピーな感じがMonkの演奏とピッタリなハマっている感じで好きですね。

「Functional」
Monkのオリジナル。Monkらしさ全開のナンバー。昔はこの調子っぱずれなカンジがダメだったんだけど、今はこれを聴かないとMonkを堪能している気がしない。

「I'm Getting Sentimental over You」
N.Washington作詞、G.Bassman作曲のスタンダード。Tommy Dorsey、Frank Sinatra、Bill Evansなんかも取り上げていますね。結構、スタンダードらしく演奏してマス(笑)

「I Should Care」
Sammy Cahn,/Axel Stordahl/Paul Weston作詞・作曲のスタンダード。Bud PowellBill Evansも取り上げているので、聴き比べるのも面白いかも?でも、こういった哀愁漂う曲ってMonkの不協和音がピタッとマッチする気がする。

「'Round Midnight」
誰も知っているMonk永遠の名曲。当初は「'Round About Midnight」のタイトルでしたが、 Barnie Hanighen が歌詞をつけた時に,どうしてもabout が入らなくて,削ってしまったのだとか。

やっぱり、この曲をMonk本人のピアノ・ソロで聞けるのはウレシイですね。特に、CD化の際に、OKテイクが出るまでの過程を記録した22分にも及ぶ「'Round Midnight (In Progress)」がボーナス・トラックが追加されており、モンク・ミュージックがクリエイトされるプロセスを聴けるのは実に興味深いですよね。

個人的にはMiles DavisやGerry Mulliganのバージョンも愛聴しますし、先日紹介したサックス奏者Dexter Gordonが主演した映画『Round Midnight』(1986年)を思い出してしまいマス。

「Monk's Mood」
これもMonkのオリジナル。この曲のみJohn Coltrane(ts)、Wilber Ware(b)が参加していマス。

ピアノ・ソロ作品だからこそ、モンク・ミュージックの本質部分がダイレクトに伝わってくる作品だと思いマス。

あとはMiles Davis好きとしては、1954年のクリスマスにおけるセッションでMilesとMonkの感情の対立がむき出しになった“喧嘩セッション”を収めた『Bags' Groove』あたりも興味深いですね。
posted by ez at 01:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 1950年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月10日

Raw Artistic Soul『What About Love』

この夏イチオシのハウス・アルバム☆Raw Artistic Soul『What About Love』
What About Love
発表年:2005年
ez的ジャンル:ラテン&ブラジリアン&アフロ系ハウス
気分は... :心地良くグルーヴ☆

The One Cultural Groove For Your Soul!

コレが今回紹介するRaw Artistic Soulのキャッチフレーズなのだそうだ。

確かに、Raw Artistic Soulの繰り出すハウス・ミュージックは、ラテン、ブラジリアン、スパニッシュ、アフロといった様々な音楽スタイルを取り入れながらも、心地良く、スタイリッシュかつソウルフルなグルーヴにまとめあげている。

Raw Artistic Soul(RAS)は、プロデューサー、リミキサーであり、パーカッション奏者でもあるPhil Kullmann率いる14人のミュージシャンから成る大所帯ユニット。メンバーの国籍もドイツ、イタリア、キューバ、エチオピア等多岐に渡っており、そんな多国籍軍がクリエイトするワン・グルーヴというのが魅力なのかもね。

本作『What About Love』はドイツの新レーベルGo Go Musicから昨年発売されていたが、日本では約1年遅れの今年7月に発売されまシタ。

ハウス好きの方の間では、注目のレーベルGo Go Musicからの作品であり、かつFrankie Knuckles、Ian Pooleyといった大物のプレイリストに入っているということで、昨年の時点から注目のユニットだったみたいです。

そんな事は全然知らなかった僕は、先月渋谷タワーへ行った時に、先日紹介したAnane『Louie Vega Presents Anane Selections』を購入した時に、何となく試聴して、一発で気に入ってしまい購入しまシタ。

それ以来、Anane『Louie Vega Presents Anane Selections』と並ぶ、この夏のヘビロテのハウス・アルバムになってマス。パーカッションをはじめとする生楽器と打ち込みサウンドのバランスが絶妙ですね。パーカッション大好きの僕にピッタリのアルバムっす。

オススメ曲を紹介しときやす。

「What About Love」
シングルにもなったブラジリアン・グルーヴなタイトル曲。パーカッシヴで涼しげなサマー・チューンに仕上がっていマス。オリジナル以外に、ストックホルムのDJユニットS.U.M.O.によるリミックスも収録されていマス。

「Kana」
これもシングルになっていたナンバー。ジャジー&アフロなカンジが独特の浮遊感を醸し出していマス。

「Corazon」
個人的には一番のお気に入り曲。ラテン・フレイヴァーの軽快なハウス・ナンバー。とってもスタイリッシュでキャッチーな仕上がりに大満足っす。今iPodで一番よく聴いている曲かも?

「Fela Brasil」
タイトルにあるFelaとは、アフロ・ミュージックのパイオニアFela Kutiのこと。アフロとブラジルがジャジーなテイストでまとめられているナンバー。まさにOne Cultural Grooveという表現がピッタリのナンバー。フルートの響きがいいカンジっす。

「Ra Soul Vibes」
スタイリッシュなアフロ・ハウス。パーカッシヴなんだけど、直線的なノリのアフロ・ハウスではなく、vibeを中心にジャジーなテイストで円やかに仕上がっているのがこのグループらしいかもね。Nuyorican Soulなんかの肌触りに近いかも?

「Flores Para Ti」
メランコリックなスパニッシュ・ギターが印象的なナンバー。スキャットもいいカンジ。僕が大好きな日本人アーティストLAVAあたりと一緒に聴きたくなるナンバー。

「Pa El Bembe」
これはモロにパーカッシブなグルーヴを堪能できるエスニック・ムードたっぷりのアフロ・ブラジリアンなナンバー。

「Felipes Dubstyle」
出だしが何となくMiles Davis「Milestones」に似ているジャジーなインスト。

「Nawella」
メロウ&パーカッシブなアフロ・ブラジリアン・グルーヴ。全体的にアフロとブラジリアンの掛け合わせたカンジの曲が多いかもね。

「Bathanga Vibes」
ラップもフィーチャーした軽快なアフロ・ハウス。90年代前半のワールド・ミュージックの流れでよく聴いていたアフリカン・ミュージックを思い出します。

「Buddhism」
夕暮れ時にピッタリなミディアム・チューン。スティール・ドラムの音色がトロピカル・ムードを盛り上げてくれマス。

本作で歓喜していたら、早くも新作アルバムがリリース予定なのだとか。『You Got Rhythm Too』というタイトルになる模様で、既に先行シングル「Zaab」がリリース済みです。こちらも楽しみですな☆
posted by ez at 00:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月09日

Larsen-Feiten Band『Larsen-Feiten Band』

ブルーアイド・ソウル+フュージョンのセンス抜群の1枚☆Larsen-Feiten Band『Larsen-Feiten Band』
ラーセン=フェイトン・バンド
発表年:1980年
ez的ジャンル:フルムーン系フュージョン
気分は... :今夜は気まぐれ?

今回紹介するLarsen-Feiten Bandは、学生の頃、“こういうアーティストを聴いているオレって、ホント音楽センス抜群!”なんて自己陶酔対象だったアーティストだ。

Larsen-Feiten Bandの歴史は、1970年代初旬のニューヨークでのNeil Larsen(key)とBuzzy Feiten(g)の偶然の出会いから始まる。

フロリダからNYへ出て来たNeilと、Paul Butterfield Blues Bandや先日紹介したRascalsのサポート経験を持つBuzzは意気投合し、NeilがBuzzのバンドに加入し、グループはその後Full Moonと名乗るようになり、1972年にはアルバム『Full Moon』を発表する。

今でこそ、『Full Moon』は名盤の声を上がるほどの評価を得ているが、当時としては早すぎたサウンドだったらしい。このため、Full Moonは消滅し、NeilとBuzzもそれぞれスタジオ・ミュージシャンの道を歩んでいった。

Neilは、その後フリーソウル・ファンにはお馴染み、僕もCDを愛聴するブルーアイド・ソウル・グループSoul Survivorsに参加後、心機一転西海岸に渡り、名プロデューサーTommy LiPumaの元でソロ・アルバム『Jungle Fever』(1978年)を発表した。

Neilはこの録音にBuzzを呼び、二人は再会する。その後Buzzのソロ作『High Gear』(1979年)へのNeilの参加を経て、二人はLarsen-Feiten Bandを結成する。

そして、本作『Larsen-Feiten Band』(1980年)を発表後、Full Moonの名前を復活させるべく、Full Moon featuring Neil Larsen & Buzz Feiten『Full Moon』(1982年)を発表した。

『Full Moon』、『Larsen-Feiten Band』、Full Moon featuring Neil Larsen & Buzz Feiten『Full Moon』の3枚共に愛聴盤だが、最初の1枚ということであれば、AORファンからも人気の高い『Larsen-Feiten Band』がオススメっす。

本作のメンバーは、NeilとBuzzに、Willie Weeks(b)、Art Rodriguez(ds)、Lenny Castro(per)を加えた5人組。プロデュースはTomy Ripuma。また、ホーンセクションではKim Hutchcroft、Larry Williams、Bill ReichenbachといったSeawind部隊が活躍していマ〜ス。

このアルバムの魅力は、西海岸らしいフュージョン・サウンドとR&B/ソウル、ロックのフィーリングの融合だと思いマス。

全8曲中6曲がボーカル入りなのが、AORファンに人気の理由だろうね。このキャッチーなサウンドは、フュージョン・ファンやAORファンのみならず、多くの人を魅了する1枚ですよ!

全曲紹介しときやす。

「Who'll Be The Fool Tonight」
「今夜は気まぐれ」の邦題で有名なAORファンにはお馴染みのナンバー。シングルカットされ、全米チャート29位のスマッシュヒットを記録した。

ソウルフルなBuzzのボーカルが魅力のキャッチーなミディアム・ナンバー。Seawind部隊のホーンが盛り上げてくれやす。

「Danger Zone」
ファンキーかつブルージーなサウンドが印象的なナンバー。フュージョン・グループというよりもブルー・アイド・ソウル的なロック・グループってカンジの仕上がりですな。

「Further Notice」
これは西海岸フュージョンらしいインスト・ナンバー。Neilのキーボードを堪能できマス。疾走感がいいですな。

「Over」
AORファンが好きそうなメロウなバラード。ソウルフルなBuzzのボーカルとロック寄りのサウンドは、Boz Scaggsっぽいかもね?

「She's Not In Love」
フュージョンらしい涼しげなサウンドが堪能できるナンバー。爽快で気持ちイイねぇ。

「Morning Star」
トロピカル・フレイヴァーのR&Bサウンドがカッチョ良いナンバー。とってもこのグループらしい1曲だと思いマス。

「Make It」
個人的にはアルバムで一番好きなナンバー。フュージョン&ディスコがうまくバランスしたグルーヴ感がいいよねっ!

「Aztec Legend」
ミステリアスなインスト・ナンバー。まさにアステカな雰囲気です???

本作のジャケ写真は、Rickie Lee Jones『Rickie Lee Jones』でも紹介したNorman Seeff。どうってことない写真のようだけど、NeilとBuzzの二人の表情がやけに印象的に残る。この一瞬の表情を逃さないのが一流なんだろうね。
posted by ez at 00:16| Comment(2) | TrackBack(1) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月08日

Grateful Dead『Workingman's Dead』

ヒッピー・ロック・バンドによるタル〜いカントリー・ロック☆Grateful Dead『Workingman's Dead』
Workingman's Dead
発表年:1970年
ez的ジャンル:ヒッピー系カントリー・ロック
気分は... :タルいよねぇ〜( ̄ェ ̄;)

いやぁ〜夏らしくなってきたのはウレシイですが、暑すぎるよねぇ(T〜T)

今回は、そんなクソ暑い日の昼間に聴きたくなるアルバムGrateful Dead『Workingman's Dead』(1970年)っす。

Jerry Garciaを中心にサンフランシスコで1965年に結成されたGrateful Deadは、Jefferson Airplane、Quicksilver Messenger Serviceと並ぶシスコを代表するサイケデリック・ロック・グループであり、60年代後半のヒッピー・ムーヴメントの中で、Grateful Deadのアシッドでドラッギーなトリップ・ミュージックは若者に熱狂的に受け入れられた。

1995年のJerry Garciaの死をもって、30年のバンドの歴史に終止符を打つ。その間デッド・ヘッズと呼ばれる熱狂的なファンを虜にし続けた、ヒッピーなライフスタイルと、フリーフォームな音楽スタイルは、我々日本人が考える以上にアメリカ人にとって、ミステリアスでユニークで偉大な存在だったのかもしれない。

僕が持っているGrateful Dead作品は、3rdアルバム『Aoxomoxoa』(1969年)、4thアルバム『Live/Dead』(1969年)、5thアルバム『Workingman's Dead』、6thアルバム『American Beauty』(1970年)の4枚。

サイケで、アシッドなトリップ・ミュージックを期待してGrateful Dead作品を購入したはずの僕だったが、意外にも今でもよく聴くのは、『Workingman's Dead』、『American Beauty』といったDead風カントリー・ロックを堪能できる2枚デス。

特に、今回紹介する『Workingman's Dead』のタル〜いカンジが僕は好きだね。クソ暑いの昼間に、ダラダラしながら聴くにはサイコーのアルバムっす。

Jerry GarciaがCSN&Y(Crosby,Stills,Nash & Young)をヒントに制作されたと言われる本作。僕は正直言ってCSN&Yって、聴いていてすぐに飽きちゃうんだけど、Dead風カントリー・ロックはユルユル、ダラダラな分、全然飽きがきません。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Uncle John's Band」
シングルにもんったアルバム中最も有名な曲。モロにCSN&Y風なハーモニーを聴ける曲だけど、テックス・メックス風のギターに、パーカッションという味付けが、とてもいいアクセントになっている。CSN&Yに興味がない僕でも楽しく聴けマス。

「High Time」
僕の大のお気に入り1曲目。ユルユル、ダラダラなカンジがサイコーっす。今で言うデザート(砂漠)・ロックってカンジの乾いた雰囲気がたまらんね。その意味ではCalexicoなんかと一緒に聴きたくなるねぇ。こんな音楽を聴きながら、ゆったり、のんびりハイ・タイムな生活を送っていたいよねぇ〜☆

「Dire Wolf」
ペダル・スティールによるルーツ・ミュージック的なアプローチのナンバー。ノンキな雰囲気な曲だけど、♪俺を殺さないでくれ、お願いだから殺さないでくれ♪という歌詞には強い反戦メッセージがこめられている。

「New Speedway Boogie」
ブルージーで不穏な空気が漂うナンバー。それもそのはず、この曲は1969年のRolling Stonesのフリーコンサートで起きた有名な“オルタモントの悲劇”にまつわるものである。

警備のヘルス・エンジェルスに黒人青年が殺されてしまったこのフリーコンサートをStones側に持ち込んだのはJerry Garciaだった。詳しくは知らないが、StonesのみならずDeadとしてもあの悲劇にケジメをつけたかったのかね?

「Black Peter」
僕の大のお気に入り2曲目。「High Time」同様、ユルユルに乾ききったデザート・ロック。この曲を聴きながら、昼間からビールを飲んでいると、実に気持ちがイイ。こんなにタル〜いカンジのサウンドって案外あるようでない気がする。まぁ、ゆっくり行こうや。

「Easy Wind」
ブルージーかつアーシーなムードが漂う1曲。Leon Russellあたりと一緒に聴きたいカンジ。

「Casey Jones」
ライブ・レパートリーとして有名な曲。ルーズな浮遊感がイイカンジ。実在した有名な蒸気機関士ケイシー・ジョーンズについて歌ったものらしい。

本作のカントリー・ロック路線をさらに推し進めた『American Beauty』もどうぞ!
posted by ez at 02:43| Comment(3) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月07日

Warren G『I Want It All』

暑気払いにピッタリなメロウHip-Hop☆Warren G『I Want It All』
I Want It All
発表年:1999年
ez的ジャンル:ウェッサイ系メロウ・G-Funk
気分は... :Hip-Hopで納涼(^ ^)V

昨年に新作『In the Mid-Nite Hour』を発表し、健在ぶりを示してくれたWarren G

僕はHip-Hopについては、名前がez(eastzonoの略)だからという訳ではないが、イーストコースト系のものを中心に聴いてきた傾向があり、ウェッサイ系のものを以外とリアルタイムでは聴いていなかったかもしれない。

そんなウェッサイ系の中で、Warren Gだけは、そのメロウネスたっぷりトラックが、メロメロ好きの僕にはたまらく、例外的によく聴いていた気がする。

Warren Gは、Hip-Hopファンはご存知のとおり、ロングビーチ出身のプロデューサー/ラッパーである。G-FunkのドンDr.Dreは異父兄弟の兄にあたる。10代の時に、Warren G、Nate Dogg、Snoop Doggの3人で組んでいたグループ213のデモ・テープが兄Dr.Dreに認めれれる。

そして、1994年にMichael McDonald「I Keep Forgettin'」ネタが印象的なシングル「Regulate」が大ヒットとし、シーンに名を轟かせる存在となった。

アルバムとしては、『Regulate...G-Funk Era』(1994年)、『Take a Look Over Your Shou』(1997年)、『I Want It All』(1999年)、『Return of the Regulator』(2001年)、『In the Mid-Nite Hour 』(2005年)の5枚の作品をリリース。213としても2004年にアルバム『The Hard Way』をリリスしている。

Warren Gの代表作と言えば、「Regulate」、「This D.J.」、「Do You See」という強力な3曲を含むデビューアルバム『Regulate...G-Funk Era』かもしれない。しかし、僕のイチオシは何と言っても、3rdアルバム『I Want It All』(1999年)だね。

理由は単純。Debarge「I Like It」ネタのタイトル曲「I Want It All」が収録されているからだ。本ブログで何度も公言している通りのDebarge「I Like It」中毒の僕にとって、欠かせない1曲だよね。

まぁ、それ以外にもメロウなトラックが揃っており、夏の夜に聴くHip-Hopとしてはピッタリの1枚だと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「I Want It All」
前述のDebarge「I Like It」ネタのタイトル曲。「I Like It」のイントロの切ないホーンセクション部分を演奏し直して、極上のメロウ・トラックに仕上げてくれまシタ。「I Like It」中毒者は必聴デス。Mack 10をフィーチャー。

「G-Spot」
これもDebarge「I Like It」好きには見逃せない曲。「I Like It」の作者の一人であり、オリジナル「I Like It」でラブリー・ボイスを聴かせてくれたDeBargeのリードボーカルEl DeBargeをフィーチャーしたナンバー。Mandrill「Gilly Hines」ネタのメロウ・トラックにのって、Elが相変わらずのラブリー・ボイスを披露してくれマス。

「Havin' Things」
Jermaine DupriとNate Doggをフィーチャーした人気の1曲。夏向けメロウ・トラックとNate Doggのキャッチーなボーカル部分がいいカンジっす。

「Dollars Make Sense」
「You Never Know」
Commodoresネタ2連発。 Kurupt、Crucial Conflictをフィーチャーした「Dollars Make Sense」は「Painted Pictures」ネタ。Snoop Dogg、Phats Bossi、Reel Tightをフューチャーした「You Never Know」は「Sweet Love」ネタ。そう言えば、本ブログでCommodoresは未紹介でしたね。そのうち、取り上げマ〜ス。

「My Momma (Ola Mae) 」
Donny Hathaway「Valdez in the Country」ネタのメロウ&スムースなトラックが気持ちイイ曲。兄Dr. Dre も「Lyrical Gangbang」で「Valdez in the Country」ネタを使っていましたね。Warren Gのママは、Dr. Dreのママでもあって...何かややこしい?

「Dope Beat」
Side Effect「Private World」ネタの涼しげなメロウ・チューン。

「If We Give You a Chance」
Slick RickとPhats Bossiをフィーチャーしたナンバー。Mizell兄弟Sky High ProductionネタであるGary Bartz「Music Is Yy Sanctuary」をサンプリング。ライトでクールなトラックがいいカンジっす。

「Game Don't Wait」
Nate Dogg、Snoop Doggをフィーチャーした213メンバー勢揃いのナンバー。暑気払いの打ち水のようなクールネスが魅力のナンバー。。

案外、213『The Hard Way』(2004年)あたりも夏向けアルバムとしていいかもね。そのうち紹介しマス。
posted by ez at 00:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がない ブログに表示されております。