2006年08月06日

The Young Rascals『Groovin'』

名曲「Groovin'」を含む元祖ブルーアイド・ソウル・グループの名作☆The Young Rascals『Groovin'』
Groovin'
発表年:1967年
ez的ジャンル:元祖ブルーアイド・ソウル
気分は... :あらいぐまラスカル(・∇・ )エ?

皆さんは、白人によるソウル・ミュージックを表す“ブルーアイド・ソウル”と聞いて、どんなアーティストを思い浮かべますか?

僕の場合は、Righteous Brothers、Young Rascals、Hall & Oatesの3アーティストが思い浮かびマス。

特に、元祖ブルーアイド・ソウルという観点で言えば、Righteous BrothersとYoung Rascalsが第一人者ということになるのでは?

ということで、今回はThe Young Rascalsの代表作『Groovin'』(1967年)をセレクト。
本作には、「Good Lovin'」と並ぶ彼らの代表曲であり、全米チャートNo1ヒットとなった「Groovin'」が収録されていマス。

後にYoungがなくなり、単にRascalsと名乗るようになったYoung Rascalsについて、僕は長い間、「Good Lovin'」と「Groovin'」の2曲しか知らなかった。

僕の中では、Rascalsってアイドル的なグループだと勝手に思い込んでいたかなぁ。なんかラスカルと聞くと、懐かしの名作アニメ『あらいぐまラスカル』を真っ先に連想してしまい、そのイメージをそのままRascalsにも当てはめていたのかも?

音楽的にも、「Good Lovin'」、「Groovin'」の2曲から、このグループがブルーアイド・ソウルの第一人者で、玄人好みのアーティストなんて、全く想像がつかなかったね。

「Groovin'」なんて、完全にサマー・ソングの定番って印象が強いしね。Lovin' Spoonfulあたりと同じ括りのグッドタイム・ミュージックっていうのが、僕の中でのRascalsの位置づけだったかな?

なので、ブルーアイド・ソウルの第一人者としてのYoung Rascalsを、僕がきちんと認識するようになったのは、恥ずかしながら社会人になって、デビューアルバム『Good Lovin'』(1966年)、3rdアルバム『Groovin'』(1967年)をCDで購入してからっす。

1964年にニューヨークで結成されたYoung Rascalsは、Felix Cavaliere(key、vo)、Eddie Brigati(per、vo)、Gene Cornish(g、vo)、Dino Danelli(ds)の4人組。

黒人音楽専門だったアトランティック・レコードと初めて契約した白人ロック・グループとなる。そして、1966年に黒人ボーカル・グループOlympicsの小ヒット曲をカヴァーした「Good Lovin'」を、いきなり全米No1に送りこみ、注目されるようになった。

「Good Lovin'」を含むデビューアルバム『Good Lovin'』(1966年)は、カヴァー中心だけど、かなりファンキーでヒップな仕上がりっす。アルバム全体を聴けば、ロック・グループという括りよりも、R&Bグループという括りがしっくりくるのがよくわかりマス。

今回紹介する3rdアルバム『Groovin'』(1967年)は、全11曲中Stevie Wonderのカヴァー1曲を除けば、オリジナルで固められている。

単なるR&Bへの憧れではなく、R&Bをベースにポピュラー音楽史のターニング・ポイントとなった1967年という年のポップ感覚をうまく取り入れたアルバムであり、グループとして1つのピークに達した作品なのではと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Groovin'」
やはり、まずはこの曲ですね。全米ポップチャート第1位、全米R&Bチャート第3位となって説明不要の名曲。ピアノ、ハーモニカ、コンガのシンプルな伴奏を伴い、♪グルーヴィン〜オン・ア・サンデー・アフタヌ〜ン♪というFelixのボーカルを聴くと、誰もが懐かしい思いになりますよね!

ちなみに、この曲は一度全米No1から転落後、再度No1へ返り咲いたのだが、その時に争った曲がソウル史に輝くAretha Franklinの大ヒット「Respect」だったとか。このあたりからもブルーアイド・ソウルの第一人者と呼べるのでは?

その影響からかArethaは翌年出したアルバム『Lady Soul』の中で「Groovin'」をカヴァーしていマス。それ以外にもBooker T. & the MG's、Kenny Rankin、山下達郎など数多くのアーティストがカヴァーしていますね!

「Girl Like You」
先行シングルにもなった人気曲。Arif Mardinがオーケストラのアレンジを手掛けていマス。ポップでキャッチーな感覚が実にウレシイ1曲。

「How Can I Be Sure」
これもシングル曲。Arif Mardinによるフレンチ・テイストのアレンジが素敵な人気曲。映画のサントラなんかにピッタリなカンジだよね。

「A Place in the Sun」
本作唯一のカヴァー。オリジナルはStevie Wonderの1966年のヒット曲。Eddieのボーカルが何と言っても素晴らしいですね!Stevieファンも納得の出来なのでは?

「You Better Run」
R&Bフィーリングのロック・ナンバー。こういったハードなナンバーも悪くないよね。

「Find Somebody」
1967年サマー・オブ・ラブなカンジが漂うナンバー。サイケな雰囲気が好きだなぁ。

「I'm So Happy Now」
僕的にはCowsillsあたりと一緒に聴きたくなるソフトロック的なナンバーだね。これもArif Mardinの手腕かも☆

「Sueno」
これは異色のスパニッシュ・フレイヴァーのナンバー。この時代にスパニッシュなんて珍しいかもね。

「I Don't Love You Anymore」
「Groovin'」路線の懐メロ・ムード満点のナンバー。ぜひ「Groovin'」とセットで聴いて欲しい曲デス。

話が逸れるけど、本作でも素晴らしい仕事をしていた名プロデューサー、アレンジャーのArif Mardinが今年の6月に亡くなっていたんですね。本ブログでもAretha FranklinHall & OatesChaka KhanNorah JonesなどArifが手掛けた作品を数多く紹介してきただけに、とても残念デス。遅くなりましたが、ご冥福をお祈り申し上げます。
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2006年08月05日

Tahiti 80『Puzzle』

スッキリ、爽やか、でもヒネリも忘れないフレンチ・ポップ☆Tahiti 80『Puzzle』
Puzzle
発表年:2000年
ez的ジャンル:フレンチ系オシャレポップ
気分は... :スッキリ☆

昨晩、1つモヤモヤしていたことがクリアになりスッキリ☆
原因は僕自身のまさにイージー(ez)なミスが原因だったんだけど(-。-;
●●さんご迷惑をおかけしまシタm(_ _)m

ということで、今は和みたい気分なので、そんな気分にピッタリなTahiti 80『Puzzle』(2000年)をセレクト。

Tahiti 80と聞いて、懐かしく思う人も多いのでは?
このTahiti 80のデビューアルバムは、シングル「Heartbeat」と共に一時期かなり流行っていたよね。ボクも思わず流行につられて購入してしまった一人デス。

もう6年も前のアルバムになるんだね。こういうアルバムって流行が去って、全く聴かなくなり、CD棚の奥の方で長い冬眠生活ってパターンが多いんだけど、このアルバムは今でも夏になると聴きたくなる。実によく出来たポップ・アルバムだと思いマス。
*本国フランスでは1999年発表みたいだけど、世界デビューした2000年を発表年にしてありマス。

正直、Tahiti 80というグループについて僕はあまり詳しくは知らない。
知っているのは、歌詞は英語だけど、Xavier Boyerを中心にしたフランスのグループってことぐらいかな?

一言で言えば、日本人好みのオシャレポップの典型だよね。
ネオアコ、渋谷系、ソフトロックといったカテゴリーにピピッとくる人向けのサウンドですね。スタイリッシュだけども甘すぎず、涼しげで、心地良く、少しマニアックなポップ・サウンドってところでしょうか?

オススメ曲を紹介しときやす。

「Yellow Butterfly」
小洒落たギター・ポップのオープニング。少しヒネクレモードが入ったところがいいね。

「I.S.A.A.C.」
少しアシッドなテイストのナンバー。ポップ偏執狂の人が喜びそうな曲だね。

「Heartbeat」
Tahiti 80の名を一躍有名にしたシングルヒット。アルバムの中では一番ライトタッチなポップナンバー。いかにも日本人が好みそうな渋谷系ポップ・サウンドっす。

「Made First Never Forget」
これも日本人好みの青春ギター・ポップ。キャッチーさでは「Heartbeat」と並ぶナンバー。まさに夏向けの曲。

「Mr. Davis」
詳しく知らないけど、多分、KinksのRay Daviesについて歌ったものだと思う。まさにKinksを彷彿させる田園風ポップに仕上がっていマス。歌詞にRingo StarrCharlie Wattsといった名も登場しマス。

「Hey Joe」
Jimi Hendrixのあの名曲を意識しているのろうか?なんて思いながら聴いてみると全然違う雰囲気。ボクはこの曲を聴いて、何故かSpiral Lifeを聴きたくなった。

「Puzzle」
サイケ風味のパワーポップ・ナンバー。後半の60年代風の展開が好きだなぁ。

「Easy Way Out」
これは少しひねくれ系のポップ・ナンバー。こういったポップ偏執狂向けの曲をうまく織り交ぜるあたりがニクイねっ!

「Things Are Made to Last Forever」
甘く切ないポップ・ナンバー。これも夏向けの曲かもね。

多分、Tahiti 80のメンバーって60年代ロック好きの連中だね。Beatles、Beach Boys、ByrdsZombiesソフトロックなんかを結構聴いているんじゃないかなぁ?
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2006年08月04日

Cherrelle『High Priority』

Jam & Lewis屈指の名曲「Saturday Love」収録☆Cherrelle『High Priority』
High Priority
発表年:1985年
ez的ジャンル:Jam & Lewis系ブラコン
気分は... :さんでー、まんでー、ちゅーずでー...

久々にJam & Lewisプロデュース作品のご紹介を!
多分、Janet Jackson『Rhythm Nation 1814』(1989年)の投稿以来かな?

本ブログでは、『Rhythm Nation 1814』以外にもKaryn White『Ritual of Love』(1991年)、New Edition『Heart Break』(1988年)、Sounds of Blackness『The Evolution of Gospel』(1991年)、Alexander O'Neal『Hearsay』(1987年)といったJam & Lewisプロデュース作品を紹介してきまシタ。

今回紹介するCherrelle『High Priority』は1985年発表の作品なので、これまで紹介したJam & Lewisプロデュース作の中で一番昔のアルバムになりますね。

Jam & Lewisの1つの大きなターニング・ポイントになった年が1986年だと思う。
Force M.D.'s「Tender Love」、Human League「Human」といった大ヒットシングルや、Jam & Lewisがメジャーへの道を歩み始めたJanet Jacksonの大ヒットアルバム『Control』、そして個人的に初期Jam & Lewisの集大成アルバムと考えるS.O.S Band『Sands Of Time』といったJam & Lewisファンがヨダレ物の作品を続々とプロデュースしたのが1986年という年でシタ。

その意味では、本作Cherrelle『High Priority』は、Jam & Lewisがスーパープロデューサーになる前の作品っす。

Cherrelleと言えば、Alexander O'NealやS.O.S Bandと並ぶ、Jam & LewisのホームグラウンドTabuレ−ベル"の看板ア−ティストだった。Jam & Lewisファンの中には彼らがメジャーになる前のこれらのアーティストの作品に、特に思い入れが強い人も多いのでは?僕もそんな一人っす。

Alexander O'Neal『Hearsay』の記事でも書いたけど、MZA有明でライブを観た僕はとっては、特に思い出深い曲が本作収録の「Saturday Love」デス。きっと他の人が考える以上に僕的には名曲扱いしているかもしれません☆

80年代らしいアーバンで、バブリーで、ブラコンなカンジが魅力の作品っす。

今回記事投稿にあたりネットを見ていて初めて知ったんだけど、CherrelleってPebblesのいとこだったんですね。全然知らなかった。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Saturday Love」
このアルバムは何と言ってもAlexander O'Nealとのデュエットによるこの曲ですね。この曲を聴くと、アーバン・ナイトのオトナのラブソングって感じですよね。

♪Sunday,〜Monday,〜Tuesday,〜Wednesday〜Thursday,〜Friday〜Saturday love♪という部分を一緒に歌おうとして、そのスピードについていけず、途中で木曜あたりがいつも抜けてしまっていた記憶がありマス。

僕のJam & Lewisランキングの中でかなり上位にくる曲デス。夏の夜のドライブなんかに聴きたくなる曲だよね?

「You Look Good to Me」
Jam & Lewisらしい硬質なファンクを聴けるナンバー。例のどこか近未来チックな独特のファンク・サウンドを堪能できます。Cherrelleの元気なボーカルもいい感じデス。

「Artificial Heart」
80年代らしい懐かしさに満ちたファンク・ナンバー。ほのかにメロウなシンセ・サウンドが好きっす。

「New Love」
思わず、体を揺らしてしまうキャッチーなダンス・ナンバー。このあたりを聴いているとJanet Jacksonプロデュースの成功を予感させるものがありますね。

「Will You Satisfy?」
メロウネス漂うミッド・チューン。実はバキバキのファンク・ナンバーよりも、このあたりのメロディアスなナンバーが案外好きだったりする。

「Where Do I Run To」
超ボク好みの胸キュンの名バラード。本作の翌年に結婚するRandy Ranとのデュエット!Classic Exampleのカヴァーでもお馴染み!S.O.S Bandなんかもそうだったけど、そもそもボクがJam & Lewisにハマったきかっけは、こういった絶品の胸キュン・バラードの魅力にとりつかれたのが最初だった。

なんか学生時代を一気に思い出してしまいマス。当時、Jam & Lewisのバラードを聴くと、途端に気持ちが恋愛モードになり、大好きだった子に今すぐ会いたくなったりしたものだったなぁ。

この記事を書きながら、「Saturday Love」、「Where Do I Run To」、Force M.D.'s「Tender Love」、Human League「Human」の4曲をリピートで聴いていマス。思わず恋愛モードになって、誰かに電話してしまいそう(笑)...ヤバイ!
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2006年08月03日

Marvin Gaye『What's Going On』

愛は何処へいったの...ニューソウル永遠の名盤☆Marvin Gaye『What's Going On』
What's Going on
発表年:1971年
ez的ジャンル:社会派ニューソウル
気分は... :愛は何処へいったの...

今回はみんな大好きニューソウル永遠の名盤Marvin Gaye『What's Going On』(1971年)デス。

個人的には以前に紹介した『I Want You』(1976年)が一番好きなMarvinのアルバムだけど、音楽シーン全体に与えたインパクトやその後の影響を考えると、『What's Going On』ほど完璧なMarvin Gaye作品はないと思う。

僕は中学3年の時に『What's Going On』のLPを購入した。その当時、僕の中ではBeatlesのコンセプト・アルバム『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』(1967年)が洋楽の最高峰だった思っていた。実際、当時の殆どのロック雑誌にそのようなことが書いてあった。

そんな中で、初めて聴いた『What's Going On』は僕にはかなりの衝撃作だった。流れるような心地良いメロディーと、アルバム・ジャケットも示唆するベトナム戦争への反戦メッセージの歌詞の間に大きなギャップを感じたつつも、その社会性と全体の統一感に『Sgt. Pepper's〜』以上にコンセプチャルなものを感じたね。

ロック雑誌の代表格Rolling Stone誌は、かつて70年代のベスト・アルバムにロック・アルバムではなく、ソウル・アルバムである本作を選んだ。その後同誌が行った「偉大なアルバムベスト500」で本作は第6位に選ばれ、「最も偉大な500曲」でもシングル「What's Going On」が第5位に選ばれた。それほどこのアルバムの影響力は絶大だ。

単に社会的なコンセプト・アルバムというのみならず、制作過程においても、Marvin自らがプロデュースを行い、ライナーノーツを書くといった黒人の意識改革を訴えるニューソウル運動を率先したようなアルバムであった。

また、モータウンで初めて、Robert White(g)、Joe Messina(g)、Johnny Griffith(key)、Earl Van Dyke(key)、James Jamerson(b)、Chet Forest(ds)といったバック・ミュージシャンの名がクレジットされたアルバムとしても知られていますよね。

そういった面々と共に、Marvinの様々なボーカル・スタイルを重ねて織り成すメロウなボーカル・パートと浮遊感漂う心地良いグルーヴを生み出す演奏が相俟って、まさに至極のソウルを生み出した。

「What's Going On」、「Inner City Blues」、「Mercy Mercy Me」という3曲のR&BチャートNo1ヒットが強力だよね。でも、何より全体の流れが素晴らしいよね。ホント、吸い込まれるようなアルバムだよね。

全曲紹介しときやす。

「What's Going On」
誰もが心奪われる永遠の名曲(全米R&Bチャートで5週連続No1)。ベトナム戦争で死んでいった兄弟、それを嘆き悲しむ母親、戦争に加担したかもしれない父親に対して、♪愛こそにこの問題の解決法を見出そう♪と呼びかけたメッセージ・ソングである。まさに、ジャケットの雨に撃たれてたたずむMarvinの姿が音になったような曲だよね。

音楽的にも、ニューソウル的なスタイリッシュなグルーヴにのって、Marvinのスウィート・テナー、シャウト、ファルセットといった多様なボーカルの洪水が新たなサウンドの世界へ引き込んでくれる。まさに至極の1曲。

これだけの名曲なので、数多のカヴァーが存在しマス。主なところでは、Donny Hathaway、Quincy Jones、Herbie Mann、Barnard Pardy、El Chicano、David T.Walker、Cyndi Lauper、Richie Havens、Chris Jasper、Paul Weller、Ella Fitzgerald、Ray Barretto、Jesse Colin Young、Chaka Khan、Weldon Irvin、Los Lobos、Daryl Hall & John Oatesあたりがカヴァーしていますよね。

個人的には、Donny Hathaway、El Chicano、Weldon Irvinあたりのカヴァーをよく聴きマス。また、Speech、Mos Def、Geto Boys、Jungle Brothers、Keith Murray、Tone Locなどのアーティストがネタとして使っていますね。

「What's Happening Brother」
「What's Going On」のPart2といったカンジの曲。ストリングスや女性コーラスなどアレンジが素晴らしいよね。

「Flyin' High (In The Friendly Sky) 」
Marvinの官能ファルセットを堪能できるナンバー。でも歌詞は信仰心の厚い内容デス。

「Save the Children」
ジャズ的な展開がカッチョ良いナンバー。パーカッション好きの僕としてはとってもパーカッションが気になる曲でもある。本ブログで取り上げたMarlena ShawRegina BelleやBono(U2)といったアーティストがカヴァー。

「God Is Love」
「Mercy Mercy Me (The Ecology)」
2曲で1セットになっている曲。「God Is Love」は、まさに牧師の息子Marvinらしいナンバー。そう言えば、裏ジャケ写真のMarvinも牧師っぽいよね。この曲もジャズ的な演奏がいいカンジっす。

「Mercy Mercy Me」は時代を先取りするような環境問題を取り上げたナンバー。この時代でエコロジーを意識しているなんて、ある意味スゴイよねっ☆全米R&BチャートでNo1に輝いた名曲っす。確か、数年前トヨタのラウムのCMで使われていましたね。

「What's Going On」と並ぶ至極のグルーヴってカンジだよね☆個人的には「What's Going On」よりも「Mercy Mercy Me」の方がお気に入りっす。エンディングのモヤモヤ感もたまらないね!

「Mercy Mercy Me」は、Grover Washington,Jr.、Jesse Colin Young、Robert Palmer、Jon B.、Sounds of BlacknessMichael McDonaldなどがカヴァー。僕は「God Is Love」とセットのSounds of Blacknessのカヴァーがお気に入りデス。

「Right On」
アルバムの中で隠れがちだけど、ラテン・フレイヴァーのカッチョ良いグルーヴ。若いリスナーの人が今時の耳で聴くと、このラテン・グルーヴなんか案外人気があるんじゃないかなぁ。

「Wholy Holy」
深く胸に響くバラード。Marvinの歌唱力を堪能できる曲ですね。

「Inner City Blues (Make Me Wanna Holler) 」
アルバムのラストはこれまた全米R&BチャートでNo1に輝いた名曲。都市における黒人の現状を鋭くえぐったメッセージ・ソング。不気味なほとどのクールで乾いたサウンドが、問題の深刻さを物語っているようだよね。

この曲もカヴァー多数。Chi-Lites、Phil Upchurch、Grover Washington Jr.、The Impressions、Brian Auger's Oblivion Express、Working Week、Angela Winbush、Nona Gaye、Doc Powell、Etta Jamesあたり主なところ。

個人的には、Brian Auger's Oblivion ExpressとMarvinの娘Nona Gayeのカヴァーをよく聴きヤス。また、Coolio、Ralph Tresvant、Ice Cube、MC Solaarなどのネタにもなっていますね。

本作発表から35年が経った今も、中東では戦乱が続き、地球環境問題は深刻化し、W杯決勝ジダン頭突き事件のように人種差別も解決されているとは言い難い。

みんなこのアルバムを聴いて、愛を持ってさまざまな問題を解決しよう!
ラブ&ピースV(^0^)V
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2006年08月02日

Dexter Gordon『Gettin' Around』

夏の夜明けにオススメのジャズ☆Dexter Gordon『Gettin' Around』
ゲッティン・アラウンド
録音年:1965年
ez的ジャンル:骨太系メインストリーム・ジャズ
気分は... :夜明けとともに...

先日、NHKで恐竜と人間を含む哺乳類の進化を扱っていた番組を観た。

恐竜という巨大かつ強力な支配者がいる中で、哺乳類が生き残ってこれたのは、恐竜のように自らの体を大型化せず、かつ昼ではなく夜に活動の場を見出したかららしい。

僕は昔から夜中になると頭が冴えてくるタイプの人だ。
特に、今のように自由人となり、他の人に比べて時間的な制約が少ない立場になってからは、深夜0時を過ぎから明け方5時くらいまでが一番仕事が捗るかもしれない。

他人が寝てる間に活動していると思うとなんかとっても得した気分になる。実際は、その分他人が活動している間に寝ているから同じなんだけどねぇ...(-。-;

でも、先のTV番組を観ながら、改めて自分の夜間活動に喜びを感じてしまうのでした...

今回紹介するDexter Gordon『Gettin' Around』(1965年)も、そんな僕の夏の夜間活動のBGMにぴったりなアルバムだと思いマス。

Dexter Gordon(1923-1990年)と言えば、ワン・アンド・オンリーの存在感が魅力のテナー・サックス奏者。そんな彼の豪快なブロウを堪能できる代表作として、以前に『Our Man In Paris』(1963年)を紹介しましたね。

『Our Man In Paris』と比較すると、『Gettin' Around』はDexterにしてはかなりライトタッチな作品かもしれない。でも、その軽さとほのかにもの寂しいカンジが、夏の夜中や明け方に聴くととっても気持ちイイ。逆に、仕事中に聴くと、気持ちよすぎて、マッタリしてしまう危険性もあるんだけどねぇ。

メンバーは、Dexter Gordon(ts)、Bobby Hutcherson(vib)、Barry Harris(p)、Bob Cranshaw(b)、Billy Higgins(ds)っす。特に、Bobby Hutchersonの参加がウレシイですね。

ジャケは、本ブログではお馴染みのアートディレクターReid Milesによるものです。この構図が何とも素晴らしいですね。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Manha de Carnaval」
このアルバムといばまずはこの曲でしょう。昔のジャズ喫茶の定番曲だったとか。今の時代に聴いても、気だるいボサノバのリズムとDexterの哀愁のサックスは実にいいカンジだと思います。僕がこのアルバムを聴きたくなるのも、まずは「Manha de Carnaval」が聴きたいという衝動がきっかけになることが多いっす。

「カーニバルの朝」という邦題のこの曲は、フランス映画『Orfeu Negro(黒いオルフェ)』の主題歌です(作詞Antonio Maria、作曲Luiz Bonfa)。Dexter以外にもPaul Desmond、Gerry Mulliganといったアーティストの演奏も有名ですね。

「Who Can I Turn To (When Nobody Needs Me) 」
Leslie Bricusse、Anthony Newley の作詞・作曲のスタンダード・ナンバー。Tony Bennettのヒットで有名なこの曲は、本ブログで人気のBill Evansも演奏していますよね。全体的に抑えた演奏が、神に運命の導きを乞うこの曲の雰囲気にピッタリっす。Dexterの優しく包み込むようなブロウとBobby Hutchersonの一音一音が胸に染みるヴァイブの音色が好きですね。

「Shiny Stockings」
Count Basieで有名なスタンダード。リラックスした軽快な演奏がくつろげマス。

「Everybody's Somebody's Fool」
Connie Francisの大ヒットで有名なスタンダード。明け方に聴くと、実に心が落ち着き、穏やかな気持ちになれる味わい深いバラードっす。ちなみにAretha Franklinファンの方は、Arethaのアルバム『So Damn Happy』(2003年)収録のJam & Lewisプロデュース曲とは同名異曲デス。

「Le Coiffeur」
Dexterのオリジナル曲。軽快でチャーミングな演奏が印象的っす。

「Very Saxily Yours」
CD化に伴い新たに追加された曲。くつろげるカンジの演奏がいいですね。

僕のような本格派ジャズ・ファンじゃないけど、それなりにジャズも聴くという人に向いたアルバムかもしれません。

普段ジャズを聴かない人にとっても、ライトで聴きやすいこの作品がDexter Gordon入門編としてはいいかもしれませんね。
posted by ez at 04:40| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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