2006年08月21日

Miles Davis『Miles Ahead』

帝王Miles Davisが切望したGil Evansの再会☆Miles Davis『Miles Ahead』
Miles Ahead
録音年:1957年
ez的ジャンル:コラボ系オーケストラJazz
気分は... :Miles & Gilはサイコーですな!

今日は真夏のJazzが聴きたい気分っす。

そんな僕の気分にピッタリな1枚としてセレクトしたのがMiles Davis『Miles Ahead』(1957年)っす。

Jazz界の帝王Miles Davisの紹介も、『On The Corner』『Milestones』に続き3回目になりますね。

『Miles Ahead』と言えば、Milesの名を一躍有名にした名盤『The Birth of the Cool』(1949-50年)以来となる名アレンジャーGil Evansとの共演という話題になりますね。

何でも、Milesが独立レーベルのPrestigeから大手のColumbiaに移籍したのは、Gil Evans Orchestraとの共演を実現するためだったとか。なるほどオーケストラとの共演って、大人数だからゼニがかかるワケですな。

そして、この『Miles Ahead』(1957年)を皮切りに、『Porgy and Bess』(1958年)、『Sketches Of Spain』(1960年)という3枚の共演作を残した。本来であれば、オーケストラによるモード・ジャズの最高峰『Sketches Of Spain』あたりが代表作だとは思うけど、何故か僕が一番良く聴くのは『Miles Ahead』だ。

永遠のJazz初心者の僕にとっては、単純に『Miles Ahead』が一番聴きやすく、カッチョ良いんだよね。1曲が短く、かつ曲間も殆ど無く、全体がシームレスな感じで一気に聴けるところも好きかなぁ。

本作でMilesはトランペットではなくフリューゲルホルンを吹いている。楽器に詳しくない僕だが、このフリューゲルの音色がダイナミックなオーケストラの演奏と実にマッチしている気がしマス。

ソロはMilesのフリューゲルホルンだけであり、まさにMilesとGil Evansのディレクションによる10数名のホーンセクションを含むオーケストラとの共演というカンジっす。その意味では、本作の主役はMilesと言うよりもGil Evansなのかもね。

ある雑誌で小西康陽さんが「無人島に1枚だけ持っていきたいとしたら?」という企画で本作を挙げていたのを見て、とっても嬉しかったなぁ。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Springsville」
とにかく出だしのスリリングなカンジがメチャメチャ好きです。僕が『Miles Ahead』が好きな理由の大半は、この曲を聴きたいというものかも?この曲だけ延々リピートで聴いていても全然飽きないっす。オーケストラが前面に出てくる時の迫力ある演奏もサイコーっす。

「The Maids of Cadiz」
クラシックには全く疎い僕ですが、この曲はフランス・バレエ音楽の父Leo Delibesという人の歌曲なのだとか。全体に哀愁感が漂っていてイイ感じです。

「The Duke」
ピアニストDave Brubeckの作品。全体的に穏やかな感じだけど、盛り上がった時の厚みのあるサウンドは迫力ありますね。この立体的なメリハリのあるサウンドがこのアルバムの魅力かもね。

「My Ship」
Ira Gershwin作詞、Kurt Weill作曲のスタンダード。元々はミュージカル『Lady In The Dark』の挿入歌。全体的にソフトな仕上がりになっていマス。

「Miles Ahead」
実に優雅なムードのアレンジが印象的な曲。「My Ship」とセットで聴くといいカンジ!

「Blues for Pablo」
僕にはよくわからないが、スパニッシュの音階の曲なのだとか。後の『Sketches Of Spain』への序曲といったところでしょうか。

「New Rhumba」
ダイナミックなオーケストラの演奏を堪能できる曲。「Springsville」の次にスキかなぁ。この曲を大音量で聴くと、寝起きでも一発で頭の中がスッキリすると思いマス(笑)

「Lament」
J.J.Johnsonの作品。翳りのあるナイト・ムードなアレンジがMilesのイメージとピッタリですね。

「I Don't Wanna Be Kissed (By Anyone But You) 」
リラックス・モードの曲。ソロパートとオーケストラのメリハリ感がいいね!エンディングも印象的だなぁ☆

当初、このアルバムのジャケはヨット上の白人女性の写真のデザインだった。これに“何で黒人のアルバムに黒人の写真を使わず、白人のスケを使うんだ!”と激怒したMilesは、その後Miles自身が演奏する姿である現在のデザインへ変更したのだとか。

この件でレコード会社の人種差別的な姿勢に疑問を持つようになったMilesは、以降ジャケット・デザインへもこだわりを見せるようになる。
posted by ez at 00:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 1950年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする