2006年08月28日

Christina Aguilera『Back To Basics』

1920年〜40年代風最新ポップ・ミュージック☆Christina Aguilera『Back To Basics』
Back to Basics
発表年:2006年
ez的ジャンル:レトロ&モダン系ポップ・ミュージック
気分は... :ワ〜イPrimoプロデュースだ〜い☆

ビルボード・アルバム・チャートで初登場1位を獲得したChristina Aguileraの3rdアルバム『Back To Basics』

最近の新譜の中では、Pharrell『In My Mind』Jurassic 5『Feedback』と並ぶ僕のiPodヘビロテっす。

前にも書いたことがあるが、ここ数年の僕の音楽ライフで最も変わった点は、Christina AguileraやJennifer Lopez、Britney Spears、Beyonce、Ashantiなんかをフツーに聴くようになったことだと思う。

それまでの僕は、これらのポップ・アイコンの作品に手を出すこと自体にかなり抵抗があり、聴く前から賞味期限切れがすぐ来る消費型のポップ・ミュージックと決めつけていたフシがあった。同時に、大ヒット作みたいな作品を避けて、マイナー作品を通を気取って聴く傾向があった。要はええカッコしいだったんですな。

でもある時、そうしたポップスターへの偏見が自分の音楽ライフの幅を狭め、結果、自分の音楽センスのオヤジ化を一気に加速させていることに気づいた。それ以来改心し、ポップスターの作品も楽しんでいます。

その意味では、Christina Aguileraも前作『Stripped』(2002年)は、まだ僕のポップスター偏見期に発表された作品だったので、歓迎して(?)新作を聴くのは今回が初めてである。

でも、音楽以前に“彼女って、こんなにフェロモン・ムンムンの人だったっけ?”とビジュアルの印象がずいぶん変わった気がした。「Marilyn Monroe+Madonna」÷2ってカンジかなぁ。まぁ、デビューからもう約7年が経過し、アイドルから大人へと雰囲気が変わるのは当然なのですが...

「Marilyn Monroe+Madonna」÷2という印象は、音楽の方にも少なからず感じる。

『Back To Basics』というタイトルにもあるように、本作は1920年〜40年代のソウル、ジャズ、ブルースをモチーフにした作品が並ぶ。その意味で、ジャケのセクシーポーズを決めるChristinaの姿はMarilyn Monroe的である。一方で、そうした1920年〜40年代の素材をモチーフにしつつも、2006年型の最新ポップ・ミュージックとして聴かせてくれるあたりはMadonnaのようにも見える(音自体は全然違うけど)。

そんな最新型ポップ・ミュージックをクリエイトするChristinaのパートナーが、DJ Premier、Linda Perryといったプロデューサー陣。

何といってもDJ Premier(Primo)ですよね。Primoプロデュースを知った時点で、僕の本作購入は決定しまシタ。Guruと組んだ90年代最強のHip-HopユニットGang Starrや数々のプロデュース作で、我々を歓喜させ続けてくれたPrimoですが、最近はあまり目立った活動は見られなかったので、何ともウレシイ限りですね。

本作はボリューム満点2枚組。Disc1はPrimoプロデュース作を中心とした1920年〜40年代風最新ポップ・ミュージック。Disc2はLinda Perryプロデュース作を中心としたノスタルジック・ムードたっぷりの仕上がりっす。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Makes Me Wanna Pray」
Traffic「Glad」をサンプリングし、TrafficのリーダーだったSteve Winwoodがピアノ&ハモンドで参加というWinwoodファンである僕にはうれしいナンバー。それを反映してか、ブルージーでファンキーでコクのあるトラックがカッチョ良いっす。

「Back In The Day」
Primoのスクラッチがカッチョ良いナンバー。さまざまなアーティスト名が登場したりもする、先人達へのリスペクト・ナンバー。Don Costa Orchestra's「Charley」、Jimmy Castor Bunch「Troglodyte」をサンプリング。

「Ain't No Other Man」
アルバムからのリード・シングル。ここしばらく毎日最低4〜5回、多い日は10回以上はこの曲聴いていますね。ファンキーなホーンを中心に、まさにノスタルジックとモダンがうまく融合した最新型ポップに仕上がっていますよね。さすがPrimoですな。The Latin Blues Band「(I'll Be A) Happy Man」、The Soul Seven「The Cissy's Thang」をサンプリング。

「Understand」
「Slow Down Baby」
Christinaの雰囲気たっぷりのボーカルを堪能できる2曲。「Understand」は、Betty Harris「Nearer to You」(Allen Toussaintの名曲)がサンプリングされているイナたいトラックがいいカンジっす。「Slow Down Baby」は、Gladys Knight & The Pips「Window Raisin' Granny」、Tony Yayo fest. 50 Cent「So Seductive」がサンプリングされていマス。

「Oh Mother」
「On Our Way」
「Without You」
マジメ路線の正統派ポップスを聴かせてくれる3曲。「Oh Mother」は、40年代〜50年代頃のモノクロ映画をイメージさせる哀愁のナンバー。Les Choriste Bruno Coulais「Vois Sur Ton Chemin」をサンプリング。「On Our Way」はClaude Bolling「Sentimentale」という意外な(?)サンプリングネタ。「Without You」はMark Ronsonプロデュースの胸に染みる美しいバラード。バラード系では一番スキ。

「Still Dirrty」
「Thank You (Dedication To Fans...) 」
Primoプロデュースを堪能できる2曲。「Still Dirrty」は、「Ain't No Other Man」と並ぶ僕のお気に入りナンバー。このグルーヴ感はサイコーですな。「Thank You」は、「Can't Hold Us Down」、「Genie in a Bottle」といった自身のヒット曲と共にファンからのボイス・メールをサンプリングしたファンに捧げられたステキなナンバー。

ここまでがDisc1の曲っす。

「Candyman」
ここからはDisc2の曲。この曲は実にブギブギなナンバーっす。昔の米軍基地がある街の安酒場ってカンジ。
《追記》
本曲はAndrews Sistersが映画『Buck Privates』(1941年)の中で歌っていたブギウギ・スタンダード「Boogie Woogie Bugle Boy」からインスパイアされたもの。PVも映画シーンを模したものになっています。

「Nasty Naughty Boy」
「I Got Trouble」
昔のキャバレー・シンガーといった趣きのChristinaを聴けマス。

「Hurt」
切々と歌い上げる本格バラード。映画の主題歌っぽいよね。

Disc2は多少好みが分けれるかもしれませんね。僕的にはこの路線で1枚作る必要はなかったのでは?なんて思ってしまうのですが...
それでもDisc1には大満足なので、それだけでも買いだと思いマス。
posted by ez at 01:20| Comment(0) | TrackBack(1) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする