
発表年:1982年
ez的ジャンル:ヒネリ系ネオアコ
気分は... :夏の終わりに...
今日から9月、残暑厳しいから全然そんな気になれないけど!
特別な夏の思い出があったわけではないけど、それでも夏の終わりってなんか寂しいよね。
そんな夏の終わりの余韻を味わうアルバムとして、Orange Juice『You Can't Hide Your Love Forever』(1982年)をセレクト☆少し前のお盆特別企画2☆『動物ジャケット集めてみましたぁ!』でも紹介した作品デス。
Orange Juiceは、Edwyn Collinsを中心にUKのグラスゴーで1977年に結成されたNu-Sonicsというパンク・バンドがその前身である。その後、グループ名をOrange Juiceと改名すると同時に、その音楽性もスコティッシュらしいギター・ポップへと路線変更していった。
Aztec CameraもいたPostcardというインディーズ・レーベルで4枚のシングルを発表後に、大手のPolydorへ移籍し、発表された1stアルバムが本作『You Can't Hide Your Love Forever』っす。
今ではオリジナル・ネオアコの名作といった扱いで、かなりの評価の高い『You Can't Hide Your Love Forever』だけど、当時はあまり話題にならなかったアルバムだったように思う。
以前紹介したWeekend、Aztec Camera、Tracey Thorn、Ben Watt、Everything But the Girl(EBTG)あたりをリアルタイムで聴き、ネオアコの虜になった僕だったけど、それらのアーティストと同じ流れでOrange Juiceを聴いていた人って、あまりいなかったんじゃないかなぁ?
僕の記憶では、リアルタイムでOrange Juiceというグループ名を認識するようになったのは、2ndアルバム『Rip It Up』(1982年)発表後だったと思う。しかも、『Rip It Up』の『キ・ラ・メ・キ・トゥモロー』という邦題から、第2次ブリティッシュ・インヴェンションの流れで出てきた、3流アイドル・ポップ・バンドだと勝手に思い込んでいたかなぁ。
それが90年代に入り、Orange Juiceが元祖ネオアコ・グループのように扱われ始めてビックリ!慌てて、本作のCDを入手した記憶がある。でも、ネオアコというジャンルから、爽やかさ、清涼感をイメージする人が多い中、本作『You Can't Hide Your Love Forever』の少しヒネリが入ったトーンってどうなのかね。結構、好き/嫌いがハッキリ分かれるタイプの作品かも?
個人的には、ジャケのイメージとは全然違う、この垢抜けないカンジが8月の終わりの海岸の寂しさのようで好きだなぁ。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Falling and Laughing」
Postcard時代のデビュー・シングルの再録。キャッチーなサウンドとEdwynの憂いを持つ暗めのボーカルがうまく融合して、ホロ苦チョコみたいなギター・ポップに仕上がっている。
「Wan Light」
青臭さがプンプンするネオアコらしいナンバー。ホーンセクションなんかの使い方がかなりSoul/R&Bテイストなのが面白いね。
「Dying Day」
完成度という点ではこの曲が一番かもね。確かに、この曲を聴けばネオアコの名作という評価も納得できるね。
「L.O.V.E. Love」
アルバムからの1stシングル。意外にもオリジナルではなく、Al Greenの1975年のヒット曲のカヴァー。このアルバムって、よく聴くと結構Soul/R&Bテイストに溢れていることに気付く。
「Satellite City」
この曲もかなりSoul/R&Bテイスト。後期Jamの「Absolute Beginners」なんかのノリに近いかもね。久々に聴いたら、ヤケにカッチョ良いね。
「Three Cheers for Our Side」
60年代モータウン・サウンドと哀愁ネオアコが交互に登場するようなスリリングな展開が魅力のナンバー。女性コーラスもいいカンジ。
「Felicity」
アルバムからの2ndシングル。正統派ギターポップっす。ネオアコ好きを安心させてくれるナンバー。
「In a Nutshell」
夏の終わりにピッタリのアコースティック・ナンバー。名残り惜しい余韻がいいカンジ。
今回数年ぶりに聴いて、こんなにSoul/R&Bテイスト強かったっけ?と意外な再発見をした気がしまシタ。