発表年:1978年
ez的ジャンル:NY系シンガーソングライター
気分は... :This is my life!
今年7月に日本初上陸したブロードウェイ・ミュージカル『Movin' Out』や、8年ぶりの来日公演で盛り上がっているBilly Joel☆
でも、来日公演のCMに出てくるBilly Joelを観ていると、もはや僕が熱狂していたBilly Joelとは別のアーティストのように思えて、少し寂しい気がする。
正直、僕が熱狂したBilly Joelは、『Songs In The Attic』(1981年)ぐらいまでだったね。『Nylon Curtain』(1982年)を聴いて、“もう僕が求めるBillyじゃない”と思い、それまで続けていた新作購入を止めた。大ヒットした『Innocent Man』(1983年) も悪くはなかったが、手元に欲しいとまでは思わなかったなぁ。
やっぱり僕にとってのBilly Joelは『The Stranger』(1977年)と『52nd Street』(1978年)の2枚に尽きる。今では数え切れないほどに膨れ上がった僕の洋楽コレクションの最初の数枚に数えられる思い出深い2枚だ。ホント、この2枚に出会わなかったら、僕の人生は、こんなに洋楽バカな道を辿っていなかったかもしれない。
今回紹介する『52nd Street』は、グラミー賞の最優秀アルバム、最優秀男性歌手賞を受賞し、前作『The Stranger』でブレイクした人気を不動のものにした作品だ。
日本では美しいバラード「Honesty」が大人気となったが、当時の僕は第1弾シングル「My Life」ばかり聴いていたなぁ。当時中学1年だった僕はこの曲の対訳を読みながら、生まれて初めて人生というものが、切り拓くものであり、決断するものだなんて意識したような記憶がある。
Billy Joelに育てられ、Beatlesをはじめとするロック史の探求に没頭し、Jackson Browneで成長したというのが僕の思春期だったかもね。
どうしても僕にとっての永遠のラブソング「Just the Way You Are」が収録されている分、『The Stranger』の方が今でも聴く回数は多いのだが、『52nd Street』にも年何回かは思わず手が伸びる。最近は、若い頃にあまり意識しなかった、このアルバムのジャジーとは異なる、ジャズな雰囲気がとても気に入っている。
実は今日はマイ・バースデー☆初めて「My Life」を聴いてから、もう28年も経ってしまった。俺は自分の人生を切り拓き、決断してきたのだろうか?
全曲紹介しときヤス。
「Big Shot」
アルバムからの2ndシングルとなったロック・ナンバー。最初、『The Stranger』の続編イメージで聴いた僕は、このパンチのあるサウンドに多少戸惑いがあったなぁ。当時はかなりハードなサウンドに聴こえたけど、今聴くとちょうどいい塩梅だね。
「Honesty」
ひたすら美しいバラード。ウブな中学生だった僕にとって、♪誠実とはまことに淋しい言葉だ...♪という歌詞に、なんか複雑なものを感じたね。“やはり、生きるということは大変なのかなぁ”なんて漠然と思っていたかもね。だからこそ、誠実に生きていたいとも思った。果たして、今の僕はどうなんだろうか?David Spinozzaがギターで参加していマス。若いリスナー方は、Jay-Z feat.Memphis Bleek「From Marcy to Hollywood」の元ネタとして聴いているかも?
「My Life」
全米トップ3に入る大ヒットとなったアルバムからの1stシングル。このピアノのイントロを聴いただけで、青春時代の思い出が脳裏を駆け巡ってくる。「Just the Way You Are」と並ぶ僕の永遠の青春ソング☆後半の♪I still belong〜don't get me wrong〜♪部分の力みまくりボーカル部分をよくマネしていた記憶がある。当時は全く気付かなかったけどChicagoのPeter Cetera、Donnie Dacusがバックコーラスで参加していマス。このコーラスもよくマネしたなぁ。
「Zanzibar」
Freddie Hubbard(tp)、Mike Mainieri(vib)参加のジャズ・ムード満点のナンバー。昔以上に今聴くとグッとくる1曲。特にFreddie Hubbardのトランペット・ソロが抜群にカッチョ良い。この好印象の影響が未だにFreddie Hubbardという名前に敏感に反応させられる。モハメド・アリ、ヤンキースなどが歌詞に出てくるが楽しい。
「Stiletto」
この曲も当時はあまり好きではなかったが、今はかなり好きな曲。タイトル通りサクッと切れ味鋭いカンジがたまりません。Kool G Rap「Road to Riches」などの元ネタ。
「Rosalinda's Eyes」
現時点であればこのラテン・フレイヴァーな曲が一番スキ。僕的には「Get It Right the First Time」(『The Stranger』収録)、「Rosalinda's Eyes
」、「Don't Ask Me Why」(『Glass Houses』収録)という3大ラテン・フレイヴァー・ソングをセットで聴くのが大のお気に入りっす。大好きなパーカッション奏者Ralph MacDonaldやギターのHugh McCrackenが参加。Krs-One「Mortal Thought」の元ネタでもありマス。
「Half a Mile Away」
ブラス・ロック・テイストのナンバー。このビミョーにイモ臭いカンジが案外良かったりする(笑)
「Until the Night」
重厚壮大なナンバー。重大な決断をしたい時なんか、この曲をBGMにするとなんか決意が湧き出てくるカンジだよね。後半の♪While they're closing it down〜♪から展開は特に感動的だよね。自分がドラマの主人公のような錯覚に陥りそう??
「52nd Street」
アルバムのエンディングと言うよりも、大感動「Until the Night」のクールダウンってカンジの余韻を楽しむナンバー。ソウルフルな雰囲気がなかなかシブイ。
だんだん誕生日を迎えるのがコワイ年齢になってきた。そう考えると今のBillyの姿も仕方ないか...