発表年:1972年
ez的ジャンル:ラテン&カントリー&レイドバック系ロック
気分は... :ウズウズ...
今回はStephen Stills『Manassas』(1972年)っす。
*本作は便宜上Stephen Stills『Manassas』となっているが、実際はStephen Stills & Manassasというグループの1stアルバム。
Buffalo Springfield、Mike Bloomfield/Al Kooperとのスーパーセッション、CSN&Y、そしてソロ活動と華々しい経歴を持つミュージシャンであるStephen Stills。
僕はBuffalo Springfield『Again』(1968年) 、Mike Bloomfield/Al Kooper/Stephen Stills『Super Session』(1968年)、Stephen Stills『Stephen Stills』(1970年)あたりは好きで今でもよく聴く。でも、どうもCSN&Yだけは苦手なんだよね。一応、代表作『Deja Vu』(1970年)も持っているが、多分10年以上聴いたことがないと思う。
そんなStephen Stillsの長いキャリアの中で、僕の一番のお気に入りはManassas時代だ。
Manassasは、Stephen StillsとFlying Burrito BrothersのメンバーだったChris Hillmanが意気投合したことがきっかけで結成されたグループである。メンバーはStephen Stills(vo、g、key他)、Chris Hillman(vo、g)、Dallas Taylor(ds) 、Paul Harris (key)、Fuzzy Samuels(b)、Al Perkins(g、vo)、Joe Lala(per、vo)の7名。
レイドバック・ムードの中で、ロックン・ロール、カントリー/ブルーグラス、ブルース、スワンプ、ラテンなど様々なサウンドが展開されてマス。
特に、僕がManassas時代に惹かれるのは、このグループが結構ラテン・グルーヴのナンバーを取り上げているからだと思う。その意味では、Joe Lalaの参加あたりの影響が大きいのかも?逆にChris Hillmanとの融合によるカントリー/ブルーグラス・フレイヴァーは僕にとってはどうでもいい要素だ。
本作のオリジナルはLP2枚組であり、A-Dの各面に「The Raven(A面)」、「The Wilderness(B面)」、「Consider(C面)」、「Rock & Roll Is Here To Stay(D面)」というサブタイトルが冠されている。
大雑把に言えば、
The Raven(A面):ロック+ラテン
The Wilderness(B面):カントリー/ブルーグラス
Consider(C面):ポップ
Rock & Roll Is Here To Stay(D面):ロック
といったカンジでしょうか?
基本的には、A面、C面、D面が僕の興味の中心デス。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Song of Love」
The Raven(A面)のオープニングは、小気味の良いスワンプ調のロック・ナンバー。実にゴキゲンっす。
「Rock & Roll Crazies/Cuban Bluegrass」
アーシーなロック・ナンバー「Rock & Roll Crazies」とラテン・ナンバー「Cuban Bluegrass」のメドレー。ラテン好きの僕的には「Cuban Bluegrass」に注目ですな。でも、なんでこのラテン・グルーヴなノリがブルーグラスなんだろう?でも、「Cuban Bluegrass」というタイトルは、このグループの持つ音楽的多様性をうまく表現しているかもね!
「Anyway」
パーカッシブなグルーヴが展開される僕好みのナンバー。アーシー&ラテンな雰囲気がなんかとってもいいね!
「Both of Us (Bound to Lose) 」
ラテン・フレイヴァーの哀愁グルーヴ。Santana、Azteca、Maloあたりが好きな人は気に入るのでは?
「Jesus Gave Love Away for Free」
「Colorado」
「So Begins the Task」
The Wilderness(B面)の3曲。僕はモロにカントリー/ブルーグラスなナンバーは駄目なので、カントリー・ロックな3曲をセレクト。このあたりはそれぞれ味わい深いデス。
「It Doesn't Matter」
Consider(C面)の1曲目は、哀愁のラテン・ロック・ナンバー。続けて、Steely Dan「Do It Again」とか聴きたくなるねぇ!
「Move Around」
ムーグ・シンセサイザーを導入した、フォーキーな味わいの幻想的なナンバー。とってもユラユラしたカンジが好きだなぁ。
「Right Now」
この曲からRock & Roll Is Here To Stay(D面)。初期Doobie Brothersを思わせるグルーヴィーなロック・ナンバー。
「Treasure (Take One)」
8分を超す大作。前半のラテン・グルーヴ、後半のジャム・セッション風のギター・バトルなど実に聴きどころ満載の1曲デス。
「Blues Man」
ラストは弾き語りによるフォーキーなブルース・ナンバー。
ちなみにこのアルバムは、Jimi Hendrix、Duane Allman、Al Wilson(Canned Heat) という相次いで死去した3人のギタリストへ捧げられている。
続くManassasの2ndアルバム『Down the Road』(1973年)もオススメっす。人気曲「Isn't It About Time」をはじめ、DJ的視点から再評価のあるアルバムですね。