発表年:1968年
ez的ジャンル:ハード・ハンズ系ブーガルー
気分は... :まさにAcid!
久々にラテン・グルーヴを!ということでRay Barretto『Acid』(1968年)っす。
今年、NYサルサの名門レーベルFaniaの復刻CDが続々と発売され、入手困難だった名盤がいろいろゲットできた。
僕はフリークを気取るほど、ブーガルー、サルサに詳しいわけではないが、それなりにその分野のCDも持っており、ぜひマイ・コレクションに加えたい作品リストも頭の中にあったので、今回のFania復刻シリーズは食指が動かされた。ここ数年、こうしたラテン・グルーヴをまとめ買いすることは少なかったんだけど、今年は久々にまとめてゲッチュしました。
ただ、その割には本ブログで紹介する機会を逸していたので、これからボチボチ紹介していきマス。
その第1弾は、今年亡くなったラテン・グルーヴの帝王と呼ばれたコンガ奏者Ray BarrettoがFaniaに残した名盤『Acid』っす。
1929年ニューヨーク生まれのRay Barrettoは、1950年代後半からTito Puente楽団のメンバーとして、ラテン・ジャズ・シーンで活躍し、1960年代にはMongo Santamariaなどと共にラテン・ソウル作品で人気を集め、1970年代にはFania All Starsのメンバーとしても活躍した。また、ジャズ・ミュージシャンとの共演も多い。まさに、コンガという楽器の地位を確立し、ラテン・グルーヴを牽引し続けてきたミュージシャンであった。
今回紹介する『Acid』(1968年)は、いわゆるブーガルーの名盤と言われる作品である。ブーガルーは、1960年代に人気を博したラテンとR&B/Soul、ロックン・ロールなどが融合した、NYらしい混血性に満ちたラテン音楽のことである。こうしたブーガルーの流れを経て、1970年代前半にサルサ・ブームが到来する。
今日、ブーガルーをはじめとするラテン・グルーヴは、ラテン音楽ファンに加えて、クラブ系リスナーの人気も高い。本作『Acid』もDJから熱い支持を受ける1枚だと思います。
メンバーは、Ray Barretto(conga)、Roberto Rodriguez(tp)、Rene Lopez(tp)、Orestes Vilato(timbales)、Louis Cruz(p)、Big Daddy(b)、Adalberto Santiago(vo、bel)、Pete Bonet(vo、guiro)。プロデュースはHarvey Averne/Jerry Masucci。
全曲紹介しときヤス。
「Nuevo Barretto」
オープニングは、思わずハンドクラップしたくなるアゲアゲな曲。ラテンらしい盛り上がりがいいですな。
「Mercy, Mercy, Baby」
ブーガルーらしいゴッタ煮なカンジがいいカンジのナンバー。
「Acid」
クラブでも大人気のタイトル曲。Barrettoのハード・ハンズと呼ばれたカッチョ良いコンガを堪能できマス。Acidと聞くと、90年代Acidブームを思い浮かべる僕だけど、そのはるか昔にこんなAcidな演奏があったなんてスゴイよね。
今年出たLuisito Quintero『Percussion Maddnes』の中でカヴァーされています。これもなかなかの出来☆
「Deeper Shade of Soul」
Beatlesのカヴァーで有名なIsley Brothersのヒット曲「Twist & Shout」のラテン・バージョンって雰囲気の曲。途中、スタックスを代表するソウル・ヒットEddie Floyd「Knock on Wood」のフレーズも飛び出しマス。ミクスチャー・ロック・バンドUrban Dance Squadがカヴァーしていマス。
「Soul Drummers」
個人的には、この曲がベスト・トラックかなぁ。僕が求めるラテン・グルーヴのカッチョ良さにピタッと合致しマス。もっと長尺で聴きた〜い!
「Sola Te Dejare」
この曲はフツーにサルサだね。今回の復刻CDで購入したRuben Bladesあたりと一緒に聴きたくなる。
「Teacher of Love」
コレはゴー・ゴーなラテン・ナンバー。コメディ・タッチのスパイものB級映画あたりにピッタリなカンジ。この軽さが好きデス。
「Espiritu Libre」
この曲もAcidなナンバー。なんかワケのわからない凄みのある演奏だね。
第2弾はJoe Bataan『Riot!』、Willie Colon『El Malo』あたりかなぁ。