2006年10月21日

High Llamas『Buzzle Bee』

Sean O'Haganが作り出す不思議な音世界☆High Llamas『Buzzle Bee』
Buzzle Bee
発表年:2000年
ez的ジャンル:Pet Sound系音響ポップ
気分は... :田舎でのんびり...これって夢か???

以前にStereolabのエントリーの時にも書いたけど、今でも年に何回かStereolabHigh Llamasがとっても聴きたくなる日がある。

彼らの音楽は、ポストロックとかエレクトロニカとか音響派などと呼ばれていたが、スタイリッシュなStereolabとセンチメンタルなHigh Llamasをセットで聴くのが、なんか僕のお気に入りパターンだったなぁ。

High Llamasは、アイルランド出身のSean O'Haganを中心に1991年にロンドンで結成されたグループだ。1992年にデビュー・アルバム『Santa Barbara』を発表する。続く2nd『Gideon Gaye』(1994年)は、そのBeach Boy『Pet Sound』的な展開が大絶賛され、注目の存在となった。

その後、Stereolab、Tortoise、John McEntireらとの交流を経て、エレクトロニカ路線を強めていった。そんな流れの中で発表された『Cold And Bouncy』(1998年)、『Snowbug』(1999年)、『Buzzle Bee』(2000年)の3枚が僕のHigh Llamasお気に入りベスト3だ。

そんな中から、『Buzzle Bee』(2000年)をセレクト。よりシンプルでセンチメンタルなユルユルなサウンドなんだけど、屈折したひとヒネリは忘れず!ってカンジかな。

自らBrian WilsonCurt BoettcherMillennium等)の影響を公言しているSean O'Haganだけあって、その手の音楽が好きな人には、たまらん作品だと思いマス。

でも、その割にはBrian WilsonCurt Boettcher等の60年代ソフトロック好きの人が、High Llamasも好きでよく聴くってパターンは少ない気がする。僕の周辺だけかもしれないけど...

きっと、昔ながらのBeach Boysファンが、『Pet Sounds』Kanye WestをマッシュアップさせたLushlife『West Sounds』に辿り着かないのと同じパターンで、なかなかHigh Llamasまで辿り着かない人が多いのかもしれないですね。

ぜひ、Brian WilsonCurt Boettcherファンの方々に聴いて欲しいですね。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Passing Bell」
オープニングは和み系のほのぼのナンバー。脱力しまくりのユルユル・ソング。でも、High Llamasならでのポップ偏狂ぶりは忘れていません。

「Pat Mingus」
タイトルのMingusは、おそらくジャズ・ジャイアントの一人Charles Mingusのことらしい。実にストレンジでセンチメンタルなインスト・ナンバー。

「Get into the Galley Shop」
まさにBrian WilsonCurt Boettcher好きをうならせる傑作ポップだと思うなぁ。ノスタルジックかつ近未来的で、アメリカン・ポップなカンジだけどヨーロピアンで、でも最後にはのどかな田園風景が浮かんでくる...わけわかんないけどスゴイ曲っす。

「Switch Pavilion」
なんか童心に戻れるような、ピュアでドリーミーなインスト・ナンバー。Stereolabのボーカル故Mary Hansenのコーラスが子守唄のように心地良く聴こえてきます。ああ、夢心地...

「Tambourine Day」
この曲も不思議なフワフワ感に包まれたナンバー。何もない真っ白な空間をゆっくりと遊泳しているみたいなカンジ。

「New Broadway」
この曲も本領発揮の絶品だね。Sean O'Haganのポップワールド・フルコースといったカンジで大満足♪どこから食べたらいいのかわからないくらい、美味しいところだらけの作品ですな。

「Bobby's Court」
アコースティックでボッサなんだけど、気付けばHigh Llamasの世界へってカンジ。このあたりはStereolabの影響かもね!

先日エントリーしたXTC『Mummer』も含めて、こういった田舎ムードの偏狂ポップを欲している今の僕はかなりお疲れモードなのかもね。
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2006年10月20日

Patsy Gallant『Patsy!』

カナダの歌姫によるフリ−ソウルの人気盤☆Patsy Gallant『Patsy!』
Gallant, Patsy
発表年:1978年
ez的ジャンル:カナディアン・メロウグルーヴ/ポップ
気分は... :これはマニアックかなぁ?

昨日の期待して観たサッカーUEFAチャンピオンズ・リーグ「バルセロナ対チェルシー」だったけど、案外退屈な試合だったね。それでも、チェルシーのドログバ、エッシェンのアフリカの才能コンビは凄かったなぁ。バルサはやっぱりドログバと並ぶアフリカ最高のストライカーであるエトーの不在が痛かったよね。

バルサには、次回ホームのカンプノウでの再戦の時には、本来の攻撃サッカーを見せて欲しいものですな。

今回は、少しマニアックな1枚かもしれないPatsy Gallant『Patsy!』(1978年)っす。

Patsy Gallantは、1948年生まれ(1950年生まれとのリソースもあった)のカナダの女性シンガー。日本では、レア・グルーヴ、フリーソウルの流れで発掘された大穴シンガーのような扱いだが、本国カナダでは国民的ポップ歌手として、かなりの人気だったようデス。

その証拠に、Joni Mitchell、Neil Young、Robbie Robertson、Gino Vannelli、Anne Murray、Bryan Adams、Celine Dion、Alanis Morissette、Sarah McLachlan などの有名アーティストが受賞者に名を連ねるカナダ音楽業界で最も権威がある“カナダ版グラミー賞”ともいえるジュノー(Juno)賞を何度も受賞している。

日本にも第5回世界歌謡祭(懐かしい!)で来日したことがあるのだとか。ただ、予選敗退で本選には出場できなかったらしい。僕の場合、世界歌謡祭と聞くと、円広志、クリスタルキング、世良公則&ツイスト、アラジン、Tom・Catといった日本人歌手をすぐに思い浮かぶのですが...

Patsy Gallantに話を戻すと、偉そうに書いてきたけど、僕がPatsy Gallantの名を知ったのは、ご多分に漏れずカナディアン・フリーソウルという流れっす。

そのフリーソウルの人気盤として、オリジナルLPが中古市場でかなりの高額取引されていたのが本作『Patsy!』(1978年)デス。

レア・グルーヴ、フリーソウルといった側面が強調されやすい作品だけど、そうした作品以外にも、ディスコ・ブーム全盛期らしくディスコ・ナンバーや、AORナンバー、王道ポップスもありとなかなかバラエティに富んだ内容で楽しめます。唯一の欠点は、C級サスペンス映画のようなサイテーのジャケかな。

案外、AOR好きやポップ・ファンがハマるアルバムではないかと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「O Michel」
当時シングル・カットされたディスコ・ナンバー。サルソウル的なゴージャスなディスコ・サウンドと健康的な王道ポップが融合したカンジの曲。これはこれでかなり好きっす。

「It'll All Come Around」
「O Michel」とはかなり趣きの異なる、フリーソウル・シーンで大人気のファンキー・グルーヴ。確かに、この曲のソウルフルなカッチョ良さは格別だよね。完成度はアルバム中一番かもね。

「Slow Down」
ディスコ・ブーム時代らしい、ダンサブルなポップ・ナンバー。いかにもヒット狙いのプロダクションだが、案外悪くないかも?

「Let Me Free Your Love」
「Best Of The Woman In Me」
70年代女性ポップ・シンガーらしい2曲。「Let Me Free Your Love」はシリアス・ムードの漂うポップ・ロック。「Best Of The Woman In Me」はドラマチックな展開の胸キュン度の高いドリーミーなラブ・バラード。

「Lost You To L.A.」
ウエスト・コーストなムードたっぷりの感動のバラード。Patsyのシンガーとしての実力を堪能できマス。

「Party Baby」
アーバン・メロウなAORナンバー。個人的には、この曲が一番お気に入りだったりする。こうやって聴いているとPatsyのキュートなソプラノ・ボイスって、本ブログでも紹介した大好きなハワイアン・フュージョンのグループSeawindのリード・ボーカルPauline Wilsonあたりに通じるものがあるね。

「Te Caliente」
ロンドンのクラブ・シーンでこの高速スキャット・ブラジリアン・グルーヴが人気となったのが、本作が再注目されるきっかけとなった。ジャケの冴えない北米ムード(?)からは想像できないくらい南米モードのゴキゲンな1曲っす。秋になってもブラジリアン・フュージョンはいいですな。

「We'll Find A Way」
これは王道の爽やかシティ・ポップってかんじで、ポップス・ファンは思わずニッコリするナンバーだね(*^∇^*)

最近、脳に疲れを感じることが多い。大して頭を使っていないのに...何かヤバイ兆候かもね?脳年齢は相当高齢者かもしれない(>◇<)
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2006年10月19日

De La Soul『De La Soul Is Dead』

オトボケ3人組は永遠に死なず☆De La Soul『De La Soul Is Dead』
De La Soul Is Dead
発表年:1991年
ez的ジャンル:ユーモア系Hop-Hop
気分は... :チェルシーのGKは?

あと数時間後にサッカーUEFAチャンピオンズ・リーグ「バルセロナ対チェルシー」!
今のサッカー界でこれ以上面白い組み合わせはないよねっ☆

でも、チェルシーは、週末のプレミア・リーグでチェフ、クリチーニという1st、2ndのGKを負傷退場で失ってしまった。特に、僕が考える現在世界最高のGKチェフは頭蓋骨骨折で1年間はプレーが難しいらしい。

この危機的状況をチェルシーは乗り越えられるのか?
これも今日の試合の見所だね!

さて、Trugoy、Pos、Maseoの3人組De La Soulの2回目の登場っす。

以前のエントリーで書いた通り、僕が初めて購入したHip-HopのCDはDe La Soul『3 Feet High And Rising』(1989年)だった。

そこから『3 Feet High And Rising』のプロデューサーPrince Paul率いるStetsasonicを聴いたり、Native Tonguesの仲間であるJungle BrothersA Tribe Called Questへと手を伸ばし、それまで敬遠していたHip-Hopというジャンルに本格参入するようになった。

その影響で、今でもStetsasonicDe La SoulJungle BrothersA Tribe Called Questという4組のHip-Hopアーティストは、かなり特別の存在だなぁ。

逆に、当時はEazy-E、Dr,Dre、Ice CubeらのN.W.Aなんて絶対聴く気がしなかったなぁ。Hip-Hopという音楽ジャンルが一般に定着し始めたのが大学の頃で、前述の『3 Feet High And Rising』を購入した頃はもう社会人だった僕にとって、Public Enemy、Boogie Down Productionsあたり硬派ラップまでは何とか聴いたけど、さすがにギャングスタのN.W.Aは聴けなかったよね(笑)今ならフツーに聴くけどね!

さて、De La Soulに話を戻すと、デビュー作『3 Feet High And Rising』と並んで、今でもよく聴くのが2nd『De La Soul Is Dead』(1991年)だ。

『De La Soul Is Dead』は、今となっては『3 Feet High And Rising』ほど注目されることがない作品だし、実際それほど大ヒットした作品ではない。

しかし、「A Roller Skating Jam Named "Saturdays」「Ring Ring Ring (Ha Ha Hey) 」「Keepin' the Faith」といったクラシックを含むこの2ndは、De La Soul好きには絶対外せない1枚だと思いマス。

今でもこんなに楽しく、ユーモラスなHip-Hopって、そうは無いんじゃないかなぁ?

De La Soulは決して死んではイ・ナ・イ!

オススメ曲を紹介しときやす。

「A Roller Skating Jam Named "Saturdays"」
僕にとっては「Me Myself And I」と並んでDe La Soulを象徴するクラシック。ATCQのQ-Tip参加。Instant Funk「I Got My Mind Made Up」ネタのイントロを聴いただけで、ハッピーなウキウキ気分になる曲だよね。思わず夜遊びモードに変身してしまう(笑)女性ボーカルのVinia Mojicaもいいカンジ!

Instant Funk以外にもEarth, Wind & Fire「Shining Star」、Mighty Ryders「The Evil Vibrations」、Tower of Power「Ebony Jam」、Young-Holt Unlimiteds「Light My Fire」、Frankie Valli「Grease」、Chicago「Saturday in the Park」、Chic「Good Times」といったサンプリング・ネタをみただけでもヨダレものですな。

Sly & The Family Stone「I Want To Take You Higher」ネタの6:00 AM MixをはじめとするDavid Morales、Satoshi Tomiieらによるヒップ・ハウスなリミックスも当時好きでシタ。

「Ring Ring Ring (Ha Ha Hey) 」
この曲もクラシックですね。Honeydrippers「Impeach the President」、The JB's「Pass the Peas」、Whatnauts「Help is on the Way」という定番ネタによるファンキー・トラックでアゲアゲ・モードになること間違いナシ!

「Keepin' the Faith」
この曲も「A Roller Skating Jam Named "Saturdays」、「Ring Ring Ring (Ha Ha Hey) 」と並ぶクラシック。哀愁感とオトボケ感が相俟ったカンジが大好きっす!

印象的なBob James「Sign of the Times」ネタのイントロから、Aerosmith「Walk This Way」ネタのブレイク、Slave「Just a Touch of Love」ネタのベースラインが生み出すグルーヴ、さらにはBob Marley「Could You Be Loved」ネタとこの曲もトラックがサイコーですね。

「Talkin' Bout Hey Love」
タイトル通り、Stevie Wonder「Hey Love」ネタが印象的なほのぼのするナンバー。Serge Gainsbourg「Les Oubliettes」ネタも使っていマス。Ann Robertsのボーカルもチャーミング。

「My Brother's a Basehead」
De La Soulらしいオトボケ・ムードたっぷりの曲。Wayne Fontana & The Mindbenders「Game of Love」、Fat Boys「Stick Em」ネタ。

「Let, Let Me In」
この時期のNative Tongues一派にしかない雰囲気の曲だよね。個人的には、同じNative TanguesのJungle Brothersの大好きな曲「Feelin' Alright」あたりと一緒に聴きたくなりマス。El Dorados「At My Front Door」、Lowell Fulson「Tramp」ネタ。

「Millie Pulled a Pistol on Santa」
Funkadelic「Mommy, What's a Funkadelic?」、「I'll Stay」ネタのDe La Soulにしてはシリアスなムードの曲。

「Pass the Plugs」
大好きなEdna Wright「Oops Here I Go Again」ネタのイントロを聴いただけでO.Kな1曲。

「Shwingalokate」
この曲はDe La Soulにしてはキマリすぎだよね。こんなにDe La Soulがカッチョ良くていいのだろうか?One Way「Mr. Groove」、Parliament「Placebo Syndrome」「Flash Light」ネタ。

いや〜ぁ、やっぱり90年代前半までのNative Tongues関連作品はどれもミラクルだよね。
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2006年10月18日

XTC『Mummer』

秋にピッタリなフォーキーでヒネリの効いた英国ポップ☆XTC『Mummer』
Mummer
発表年:1983年
ez的ジャンル:屈折系UKポップ/ロック
気分は... :“ゆうこりん”なアルバム(意味不明?)

XTC『Oranges & Lemons』(1989年)に続き、2回目の登場になりマス。

『Oranges & Lemons』のエントリーにも書いたけど、80年代から90年代前半にかけてPaul WellerStyle Council含む)、XTCElvis Costelloの3アーティストは新アルバムが出れば、試聴もせずに購入するお気に入りUKロック・ベスト3だった。

そんな訳で、ひねくれポップ/ロックの代表格XTCの作品は、キホン的にどれもOKなんだけど、今の季節に一番聴きたいアルバムということで、『Mummer』(1983年)をセレクト。

この作品はXTCの作品の中でも、最も地味で売れなかったアルバムの1枚かもしれない。でも、発売当時から、このフォーキーで田園ポップの雰囲気が漂うアルバムをとても気に入っていた。

グループ的には、リーダーのAndy Partridgeが心身症を患い、1982年11月にライブ活動休止を宣言する。そして、レコーディングに専念したXTCが最初に制作に取り掛かった作品が本作『Mummer』である。

しかし、レコーディング途中にドラムのTerry Chambersが脱退しまう。Andy Partridge(g、vo)、Dave Gregory(g)、Colin Moulding(b、vo)の3人となってしまったグループは急遽セッション・ドラマーとしてPeter Phippsを迎え、制作を続けた。

Andy Partridgeの心身症、Terry Chambersの脱退という危機的状況下で奮起したのがColin Mouldingである。これまでもアクの強い毒気のある曲を書くAndyに対して、メロディアスでポップな作品を数多く提供してきたColinだが、『Mummer』ではそんなColinの個性が色濃く反映されている。『Mummer』が他のXTCのアルバムよりもソフトでマイルドな印象を受けるのは、そのためだ。

XTCならではの、ひねくれ具合は少ないけど、秋の夜長に聴くには、このフォーキーでマイルドな味わいは捨てがたいですな!

Colin色の強い“ゆうこりん”なアルバム(意味不明?)を堪能アレ!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Beating of Hearts」
英国ポップと中近東のアラビアン・テイストが合体したXTCらしいヒネリの効いたオープニング。『Oranges & Lemons』のオープニング・ナンバー「Garden Of Earthly Delights」 に通じるものがあるね。オリエンタルな幕開けがAndyの嗜好なのだろうか?

「Wonderland」
シングルにもなったColinの名曲。南国の情緒に満ちたのんびりムードの曲という印象が一般的だと思うけど、僕はこの曲を聴くと、いつも秋の夜長の虫たちが奏でるメロディを想像してしまう。

「Love on a Farmboy's Wages」
Andy作の牧歌的なフォーキー・チューン。Andy自身はこのアルバムをあまり気に入っていないようだが、しっかり、こんなステキな曲を提供していマス。

「Deliver Us from the Elements」
Colinによるミステリアスなナンバー。不気味でサイケだけどマイルドなカンジがColinらしいよね。

「Ladybird」
実はアルバムで一番好きなのがAndy作のこの曲。英国らしい曇り空ポップってカンジだよね。XTCに後期Beatlesのような英国ポップの玉手箱を期待する人は気に入る曲だと思いマス。

「In Loving Memory of a Name」
Colinの作品の中ではこの曲が一番のお気に入り。客観的に見れば完成度はダントツの曲かもね?ColinがColin星人パワーを発揮しまくっているストレンジでミラクルな英国ポップらしい1曲。

「Funk Pop a Roll」
アルバムのラストは、これぞAndy Partridge節ってカンジの弾けたポップでロックな1曲。溜まりに溜まったフラストレーションを一気に吐き出しているカンジで好きだなぁ。

また、CD化に際して追加されたボーナス・トラック6曲(全てAndyの作品)も個人的にはお気に入りっす。

次回XTCを紹介する時は、プロデューサーのTodd RundgrenとAndy Partridgeの衝突が生んだ傑作『Skylarking』(1986年)かなぁ?
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2006年10月17日

James Taylor『In The Pocket』

隣のお兄さんがスタイリッシュになった1枚☆James Taylor『In The Pocket』
In the Pocket
発表年:1976年
ez的ジャンル:隣のお兄さん系シンガーソングライター
気分は... :JTのCMはJTでしょ( ̄_ ̄)

秋になると、シンガーソングライターの作品をしみじみ聴きたくなりますねぇ。

そんな中、ふとTVを観たら、日本たばこ産業(JT)のCMで「Both Sides, Now」が流れていた。

シンガーソングライターJoni Mitchellを代表するこの名曲を聴きながら、“JTのCMなんだから、どうせならばJT(James Taylor)使えばいいのに...”なんて実にバカバカしいことを考えてしまった。

James Taylor(JT)と言えば、Carole Kingらと並び、70年初めのシンガーソングライター・ブームの立役者ですね。

僕も洋楽聴き始めの頃、JT『Sweet Baby James』(1970年)、『Mud Slide Slim and the Blue Horizon』(1971年)、Carole King『Tapestry』(1971年)というシンガーソングライター・ブームを象徴する3枚の大ヒットアルバムは、洋楽登竜門のような感覚でかなりレコードを聴いた記憶がある。

主役はロックのスーパースターではなく、隣にいそうなフツーのお兄さん、お姉さん...この普段着感覚こそがこれら名盤の魅力であろう。

そんな“隣のお兄さん”JTのアルバムの中から、一番お気に入りの作品『In The Pocket』(1976年)を紹介します。

一般には、前述の『Sweet Baby James』(1970年)、『Mud Slide Slim and the Blue Horizon』(1971年)に、『One Man Dog』(1972年)を加えた初期の3枚がJTを代表する作品だと思う。

でも、個人的には、『Gorilla』(1975年)、『In the Pocket』(1976年)、『JT』(1977年)という中期の3枚がダントツで好きだ。前述の初期の3枚が田舎の隣のお兄さんの素朴なアルバムだとすれば、これら中期の3枚は、そのお兄さんが都会に出てきて、少し洗練されてきたってカンジかな。

個人的には、フォーキーなサウンドをキホンにしつつも、ロック、R&B、ジャズ、ラテンといった多様な音楽をうまく取り入れたり、他人のカヴァーもうまく自分スタイルに仕上げる柔軟性を持っているところにJTという人の魅力があるように思いマス。

そんなJTの魅力が最もわかいやすいかたちで結実しているのが『In the Pocket』であるような気がします。

プロデューサーはRuss TitelmanとLenny Waronker。
本ブログで紹介したRickie Lee Jones『Rickie Lee Jones』なんかもプロデュースしている名コンビですよね。

参加ミュージシャンも、Peter Asher、Danny Kortchmar、Russ Kunkel、Craig Doerge、Leland Sklar、Art Garfunkel、Bonnie Raitt、Valerie Carter、David Crosby、Graham Nash、David Lindley 、Nick DeCaro、Willie Weeks、Ernie Watts、Michael Brecker、Waddy Wachtel、Jim Keltnerなど豪華メンバーっす。当時の奥さんCarly Simonも参加していヤス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Shower the People」
JTらしいほのぼのとしたラブ・ソング。奥方Carly Simonとの夫婦ハーモニーがラブラブっす。確かに愛の恵みがありそうだね。

「Junkie's Lament」
Art Garfunkelとのデュエット。Clarence McDonaldのフェンダーが実に心地良く響きマス。

「Money Machine」
のどかなイントロから一転して、ご機嫌なファンキー・グルーヴへ大変身!個人的にはこういったJTが大好き。

「Daddy's All Gone」
秋にピッタリな実に味わい深いナンバー。亡き父への想いがしみじみ歌われマス。

「Woman's Gotta Have It」
個人的には超イチオシのナンバー。Neville Brothersのレパートリーとしてもお馴染みのBobby Womackのカヴァーっす。フリーソウルなんかが好きな人にとっては、このメロウで心地良いグルーヴはサイコーだと思いますよ!

考えてみると、「You've Got A Friend」、「Handy man」、Carly Simonとのデュエット「Mockingbird」、「How Sweet It Is (To Be Loved by You) 」、「Mockingbird」とJTは案外カヴァー・ヒットが多い。先に僕が述べたJTの魅力はこのあたりに反映されている。

「Don't Be Sad 'Cause Your Sun Is Down」
Stevie Wonderとの共作ナンバー。Stevieはハーモニカでも参加していマス。秋の夕陽でも見ながら、まったり聴きたい美メロ・ナンバーっす。

「Nothing Like a Hundred Miles」
David Crosby、Graham Nash参加曲。CSNならぬCTN?素朴ながらも少し幻想的なムードを持ったフォーキーな1曲。

「Family Man」
これはJT流Little Featってカンジのファンキー・ロック・チューン。このあたりの曲をスンナリこなせるのもJTの柔軟性だね。個人的にはBonnie Raitt、Valerie Carterといった女性コーラス陣も嬉しい限り。

「Golden Moments」
静かで、ロマンチックで、力強いバラード。しみじみ噛みしめながら聴きたい1曲

なかなかJTの代表作として取り上げられることが少ない作品だけど、かなりキテる作品だと思いますよ。
posted by ez at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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