発表年:1968年
ez的ジャンル:カンタベリー・ロック
気分は... :のだめカンタービレ・ロック???
この間、月9ドラマ『のだめカンタービレ』を観ていたら、急に「カンタービレ」から「カンタベリー」という言葉を連想してしまった。
そう言えば、カンタベリー・ロックってあったよなぁ...なんて思いながら、CD棚からカンタベリー派の代表であるSoft Machine、Caravanのアルバムを久々に引っ張り出してみた。
ちなみにカンタベリー・ロックとは、イギリスのカンタベリー出身者を中心とするプログレ・ロック系のバンド、ミュージシャンの作品をさす言葉っす。
そんな中からSoft Machineの1stアルバム『The Soft Machine』(1968年)をセレクト。ここ数年はあまり聴いていなかったが、一時期かなりハマったアルバムだ。
Soft Machineは、Daevid Allen、Kevin Ayers、Mike Ratledge、Robert Wyattの4人によって結成されたグループだ。グループ名はウィリアム・バロウズの小説のタイトルから命名されらもので、Ratledgeが直接バロウズに電話して、使用許可をもらったそうだ。
そして、デビュー作となった本作『The Soft Machine』(1968年)発表時には、Kevin Ayers、Mike Ratledge、Robert Wyattのトリオになっていた。その後も目まぐるしくメンバー・チェンジを繰り返しながら、独自のジャズ・ロックを生み出していった。
僕がSoft Machineの作品を聴くきっかけは、Robert Wyattへの興味だった。Elvis Costelloファンだった僕は名曲「Shipbuilding」で下半身不随のシンガーであるWyattの存在を知り、Wyattのソロ・アルバムを聴くようになった。“世界一悲しげな歌声”と称された寂しげなボーカルに逆に猛烈なエネルギーを感じたなぁ。
そのうち、Wyattが下半身不随になる以前はドラマーであることを知り、彼がドラムを叩いていたSoft Machineを聴いてみたくなった。ちなみに、Wyattが下半身不随になったのは、Soft Machine脱退後に、パーティー会場の5階から転落したことによる。
そんな流れで聴いたのが『The Soft Machine』である。先に書いたように、即興演奏によるジャズ・ロックの印象が強いグループだが、このデビュー・アルバムはサイケデリックな雰囲気のアルバムに仕上がっている。
プロデューサーはJimi Hendrix作品でお馴染みの元AnimalsのChas Chandler。ちなみにSoft MachineはJimi Hendrixの前座を務めており、Jimiと交流があった。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Hope for Happiness」
このオープニング曲を聴いて、このアルバムが一発で好きになったなぁ。実に、UKらしいサイケデリック・サウンドってカンジだよね。Ratledgeのオルガンが実にイカしているよねぇ〜♪
「Joy of a Toy」
穏やかだけど、危ないほのぼのムードのトリップ・ミュージックってカンジかな。後半の盛り上がりもいいねぇ。
「Why Am I So Short?」
タイトルの通り1分40秒にも満たない短いナンバーだけど、これが実にカッチョ良い。
「So Boot If at All」
「Why Am I So Short?」からシームレスに続く曲。サイケとロックとジャズがごちゃ混ぜになってカンジがSoft Machineらしいのでは?個人的にはWyattのドラミングを堪能できるのでウレシイですな。
「Save Yourself」
キャッチーにまとまったポップ・サイケな1曲。
「We Did It Again」
Kinks「You Really Got Me」みたいなフレーズでグイグイ押しまくる印象的な曲。
「Why Are We Sleeping?」
ドラマチックな展開がロック・オペラを思い出させるね。そう言えば、ロック・オペラの代表作The Who『Tommy』も同じ1968年だったよね。
本作以外のSoft Machineの作品であれば『Third』かなぁ。でも、オリジナルはLP2枚組で全4曲という構成なので、案外全部聴くには忍耐が必要かも?
Soft Machineとは全然違う雰囲気ですが、Robert Wyattのソロ・アルバムも紹介したいですね。人生について、いろいろと考えさせられマス。