2006年11月30日

J.R. Bailey『Just Me'n You』

幻の名盤をようやくゲッチュ(^0^)v ブイッ☆J.R. Bailey『Just Me'n You』
Just Me N You
発表年:1974年
ez的ジャンル:ニューソウル的スウィート・ソウル
気分は... :幻の名盤をようやくゲッチュ(^0^)v ブイッ

今日は10年ぶりに再発され、よくやくゲッチュできた幻の名盤J.R. Bailey『Just Me'n You』(1974年)っす。

僕の場合、Marvin GayeStevie WonderCurtis MayfieldDonny HathawayLeroy HutsonRoberta Flack等に代表される70年代前半のニューソウル系の作品に対して、特別な思い入れがある。

洋楽を聴き始めてから約28年になる。その間、ジャンルの幅は広がり、音楽の嗜好もめまぐるしく変化してきたような気がする。そんな中で、昔から変わらず、コンスタントにお気に入りなジャンルが70年代前半のニューソウルである。ニューソウルの本質は、黒人の意識改革を訴えるメッセージを新しいサウンドで聴かせた点にあると思う。その意味では、厳密に言えば、僕はニューソウル的なサウンドが好きなのだと思う。

今回紹介するJ.R.Bailey『Just Me'n You』も、メッセージ性で考えればニューソウルと呼ぶのはビミョーかもしれない。ただし、サウンド的には実にニューソウル的な1枚である。

『Just Me'n You』は、フリーソウル・ファンやスウィート・ソウル・ファンの間では名盤の誉れ高い1枚ですね。10年前に小山田圭吾のTrattoriaから世界初CD化されたけど、廃盤となってからは幻の作品として再発が待ち望まれていましたね。

僕も前回の時に買いそびれたのをずっと後悔していたので、今回の再発は実にウレシイ限りっす。

全体的としては、Marvin Gaye『What's Going On』『I Want You』という2大名作を足して2で割ったようなスウィート・ソウルってカンジでしょうか。

J.R. Bailey自身がどういう人なのかはあまり詳しくないが、ライナーノーツによれば、1932年の生まれで、1950年代からCadillacs等数多くのドゥ・ワップ・グループに在籍していたらしい。

ライナーノーツで特に興味深かったのは、彼が在籍していたグループの1つであるHalosのメンバーとして、J.R. Baileyと共にAl Cleveland(Marvin Gaye「What's Going On」をMarvinと共作)が名を連ねていたことだ。

全曲紹介しときヤス。

「After Hours」
「Heaven on Earth」
まさにMarvin Gaye『What's Going On』的な2曲。2曲ともサウンドだけならば、『What's Going On』の中に収録されていても全然違和感がないカンジだよね。僕的にはこの2曲のみでかなり満足デス。

「Just Me 'N You」
このタイトル曲はMarvin Gaye『I Want You』的なセクシーなカンジがたまらない1曲。

「She Called Me」
スウィート・ソウル・ファンの間で大人気の1曲ですね。雷が鳴り響く中、彼女からの電話が....嵐の中タクシーを飛ばして彼女の部屋へ行き、そして...という展開自体がスウィート・ソウルですな。メロウネスなサウンドもグッドっす。

「Love, Love, Love」
Donny Hathawayの名作『Extension of a Man』に収録のアノ名曲です。案外Donnyのオリジナルだと勘違いしている人も多いような気がするけど、本バージョンがオリジナルっす。

「I'll Always Be Your Lover」
楽しげなムードに包まれたメロウ・ミディアム。フルートの調べがいいカンジっす。

「Cute as a Button」
「All Strung out Over You」
「Not Too Long Ago」
甘さたっぷりのスウィート・ソウル3曲。こういった作品が本来のJ.R.Baileyのような気もする。

「Everything I Want I See in You」
Curtis Mayfield的なグルーヴ感がカッチョ良い曲。

こんな作品に今でも出会うことができるから、ニューソウルの探求は飽きないねぇ。
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2006年11月29日

Simply Red『Life』

このスタイリッシュさは不変デス☆Simply Red『Life』
Life
発表年:1995年
ez的ジャンル:スタイリッシュ・ブルー・アイド・UKソウル
気分は... :きなこもち最中(僕のイチオシ・アイス)♪

久々に登場のSimply Redっす。

今回は以前に紹介した大ヒット4thアルバム『Stars』(1991年)に続く5thアルバム『Life』(1995年)☆

当時の僕にとってのSimply Redって、昔のAORのような音楽だったのかもしれない。

70年代後半から洋楽を聴き始めた僕が、80年代初めあたりまでオシャレだと思っていた音楽はAORだった。あのアーバンで大人な雰囲気に憧れたものだ。その後AORは衰退し、大学生になっていた僕がAORに代わるオシャレな大人の音楽として、80年代半ばからハマったのが、ブラック・コンテンポラリー(所謂ブラコン)だった。

そんな中、デビューアルバム『Picture Book』(1985年)と大ヒット・シングル「Holding Back The Years」でシーンに登場してきたのがSimply Redだった。当時はPaul Youngあたりと同じ系統のブルー・アイド・ソウルって印象だったかなぁ。

そして、2ndアルバム『Men And Women』(1987年)の発表直後の来日公演へ行った。音楽以上にリーダーMick Hucknallをはじめメンバー全員がPaul Smithのスーツに身を包んだビジュアルが印象的だった。その頃はまだ大物グループのオーラは全然なかったけど(笑)

僕がSimply RedにAOR的なものを感じるようになったのは、3rdアルバム『A New Flame』(1989年)あたりからかもしれない。この頃から、ブルー・アイド・ソウル的な要素と、UKらしい最新のスタイリッシュ・サウンドをうまく融合させ、新しい時代のオシャレなアーバン・ミュージックを確立したように思いマス。

そうしたSimply Redサウンドが大きな果実として実ったアルバムが以前に紹介した4thアルバム『Stars』(1991年)であり、その路線をさらに深めたのが本作『Life』(1995年)というところでしょうか。

案外、リアルタイムでスタイリッシュな印象を受けた作品って、賞味期限も短く、10年後くらいに聴くとキビしいものを感じるケースが多い。しかしながら、Simply Redのサウンド、特に『Stars』『Life』の2枚は今聴いても全然イケてると思う。

本作『Life』で唯一残念なのは、『Stars』でグループに参加していたGOTAこと屋敷豪太サンの名前がクレジットに見当らなかったことかなぁ。ただし、『Blue』(1998年)からはプロデュース・チームAGM (Andy Wright、Gota Yashiki、Mick Hucknall) として復帰してもらえたのでホッとしましたが...

ゲストとして、Sly & Robbie(Sly Dunbar、Robbie Shakespeare)、Bootsy Collins、Hugh Masekela等が参加していマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Fairground」
UKチャートで第1位になったアルバムからの1stシングル。何と言ってもThe Goodmen「Give It Up」ネタ(と言うよりもその元ネタのSergio Mendes「Fanfarra」ネタと言ったほうがいいのか?)も使ったサンバのリズムが印象的な1曲ですな。従来のSimply Redにはない新鮮なカンジがしたよね。今でも大好きで、頻繁に聴く1曲っす。

「Remembering the First Time」
アルバムからの2ndシングル。Simply Redらしいスタイリッシュな1曲。ただただカッチョ良いの一言。僕がSimply Redに期待するのは、このタイプの曲なので大満足っす。

「Never Never Love」
アルバムからの3rdシングル。これもSimply Redならではのメロウネスに溢れる1曲ですな。Mickのボーカルが何とも魅力的ですな。「Remembering the First Time」と本曲を聴くと、Simply Redの定番メニューってカンジでホッとする。

「We're in This Together」
アルバムからの4thシングル。個人的にはシングル向けの曲には思えないけど、順番としてバラード・タイプの曲をシングル・カットしたかったんだろうね。

「You Make Me Believe」
「Lives and Loves」
90年代のAORってカンジの2曲。AOR的な雰囲気と90年代のUKソウル的なテイストがうまく融合してるよね。

「So Many People」
シングル曲以外ならばこの曲が一番スキ☆ゆったりとした大きなウネリのメロウ・グルーヴなカンジがたまらなくいいね。晴れた日の朝にこの曲を聴くと実に気持ちいい。

「Hillside Avenue」
詳細なクレジットがないからわからないけど、多分Sly & Robbie参加のレゲエ・ナンバー。Sly & Robbieらしいカンジだよね。

「Out on the Range」
ブルー・アイド・UKソウルと呼びたくなる1曲。聴き込むほど味が出てくる1曲。

ミーハー的にSimply Redは好きなんだけど、冷静に振り返ると、『Stars』『Life』がSimply Redのピークだったような気がする。
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2006年11月28日

Duke Pearson『The Right Touch』

ロンドン・クラブ・ジャズ・シーンで大人気だった1枚☆Duke Pearson『The Right Touch』
Right Touch
録音年:1967年
ez的ジャンル:60年代アシッド・ジャズ
気分は... :あなたは楽しみ上手?

昨晩も『のだめカンタービレ』を観てハッピー気分...と言いたいところだが、今回はシリアスな展開で少し拍子抜け(> <)。。。僕としては、毎度のお馬鹿で破茶目茶な展開を期待しているんだけどねぇ(笑)

のだめチャンのように、いろんな場を楽しめる人と一緒にいると、こちらもハッピーになってくる。大事なことは、社交的な振る舞いや面白い話をすることよりも、相手と「楽しさ」を共有する気持ちだと思う。自分の楽しい気持ちと相手の楽しい気持ちをうまくシンクロさせようとする思いやりだよね。

こんなことを書くのも、最近「楽しみ下手」の人が多いと思う。しかも、自分だけ楽しめないならば、自業自得で構わないのだが、周囲の雰囲気まで最悪にしてしまう輩のなんと多いことか。そういった輩を見るにつけ、やっぱり人間は精神的なゆとりや心の豊かさが大切だと思う。

さて、今日は正統派ジャズ・ファンよりも、クラブ・ジャズ好きの方からの支持が高いと思われるジャズ・ミュージシャンDuke Pearsonの作品の中から『The Right Touch』(1967年)を紹介しマス。

Duke Pearson(1932-1980年)は、1959年にNYへ進出し、Donald Byrd『Fuego』のレコーディングに参加した。その後1960年代後半のBlue Noteでピアニスト/作・編曲家/プロデューサーとして活躍した。

なんて書きながら、僕がストレート・ジャズを聴き始めてからしばらくの間はDuke Pearsonの名を見ることは殆どなかった。ジャズを聴き始めの頃、何冊がジャズのディスク・ガイドを購入したが、そこでもDuke Pearsonの作品が取り上げられることはなかった。

僕も含めて多くの人がDuke Pearsonの名を知ったのは、90年代のロンドンのクラブ・ジャズ・シーン経由であろう。アシッド・ジャズ・ブームで沸いた90年代のロンドンで、クラブDJから絶大な人気を誇ったのがDuke Pearsonだった。

そんな流れで僕が購入したDuke Pearson作品は、『Wahoo!』(1964年)、『Sweet Honey Bee』(1966年)、『The Right Touch』(1967年)、『The Phantom』(1968年)の4枚。その中から刺激的な1曲「Chili Peppers」を含む『The Right Touch』をセレクト。

決して派手な作品ではないけど、全曲Pearsonのオリジナルで占められ、程よいホットな刺激とエレガントな香りがうまくバランスした1枚に仕上がっていマス。

メンバーは、Duke Pearson(p,、arr)、Freddie Hubbard(tp)、Stanley Turrentine(ts)、James Spaulding(as)、Jerry Dodgion(as、 fl)、Garnett Brown(tb)、Gene Taylor(b)、Grady Tate(ds)というなかなかの大所帯っす。

全曲紹介しときヤス。

「Chili Peppers」
クラブ・ジャズ・シーンで大人気だったラテン・フレイヴァーな1曲。まさにチリ・ペッパーのような刺激的な曲だけど、しつこさがなくライトな感覚がいいねっ。僕はなぜかこの曲を聴くと、一緒にLee Morgan「The Sidewinder」を聴きたくなるんだよね。

「Make It Good」
Pearsonの小粋なピアノが聴ける1曲。まさにRight Touchなカンジ☆

「My Love Waits (O Meu Amor Espera) 」
ボッサ・テイストの実にムーディーな1曲。作・編曲家としてのPearsonの才能を確認できる1曲かもね。僕の密かなオススメ曲っす。Freddie Hubbardのトランペット・ソロも雰囲気あってグッド♪

「Los Malos Hombres」
エキサイティングなラテン調ナンバー。クラブ・ジャズでウケるのが納得のアゲアゲな1曲ですな。

「Scrap Iron」
ブルージーなスロー・ナンバー。ブルースなんだけどエレガントな雰囲気があるのがいいねぇ。

「Rotary」
ちょっと風変わりな1曲。なんか全体的に不安定なカンジが逆に面白い気がします。

個人的には『Sweet Honey Bee』(1966年)もオススメ。クラブ・ジャズ好きの方は『The Phantom』(1968年)は、その方面からの評価が高い1枚っす。
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2006年11月27日

Carole King『Fantasy』

Carole Kingによるニューソウル(?)☆Carole King『Fantasy』
Fantasy
発表年:1973年
ez的ジャンル:白人SSWによるニューソウル的アプローチ
気分は... :僕ののファンタジーは...

永遠のメロディ・メイカーであり、シンガーソングライターの草分け的存在Carole King☆1年以上前に紹介した『Music』(1971年)以来の本ブログ登場っす。

今回は『Music』と並ぶ僕のお気に入り作品『Fantasy』(1973年)っす。

一般にCarole Kingの代表作と言えば、「You've Got A Friend」、「It's Too Late」という2大クラシック含む歴史的名盤『Tapestry』(1971年)だと思う。

『Tapestry』が素晴らしい作品で、洋楽好きのマストアイテムであるということに異論はない。『Tapestry』は、洋楽聴き始めの頃にJames Taylor『Sweet Baby James』(1970年)、『Mud Slide Slim and the Blue Horizon』(1971年)と3枚セットで、かなりレコードを聴いた記憶がある。

その反動からか、大人になってその3枚はあまり聴かなくなった。3枚ともCDで持っており、名盤という認識も持っているんだけどねぇ。学生時代に一生分聴いてしまったのかもしれないねぇ(笑)

そんな不滅の名盤『Tapestry』を脇に追いやって、僕が聴きたくなるCarole King作品が『Music』(1971年)と『Fantasy』(1973年)だ。

2枚とも『Tapestry』と比較して、よりR&B的な感覚の作品であるような気がする。そのあたりが僕がこの2枚を好む理由かもしれない。

特に、『Fantasy』はよく言われるように、ニューソウル的な雰囲気漂う1枚だ。当時のCaroleはDonny Hathawayにご執心で、周囲の人にDonny Hathawayのアルバムを配りまくっていたというエピソードは有名ですよね。

その影響は内容にも反映されており、David T. Walker(g)、Charles Larkey(b)、Harvey Mason(ds)、Bobbye Hall(per)、Tom Scott(sax)、 Ernie Watts(sax)等のメンツがバックを固め、ニューソウル的なジャズ/ソウル・テイストのサウンドを聴かせてくれマス。

そして、サウンドのみならず、社会メッセージ性の高い歌詞という面でもCarole Kingの新境地を開拓した1枚なのでは?

オススメ曲を紹介しときやす。

「Fantasy Beginning」
ファンタジーの始まり☆♪In fantasy I can be black or white♪a woman or a man♪という歌詞にCaroleの本作への思いが込められているのでは?

「You've Been Around Too Long」
まさにニューソウルなサウンドの1曲。Curtis Mayfield作品のグルーヴ感とDonny Hathaway作品の壮大なアレンジが合体したような1曲。Tom Scottらのホーン・セクションも実に印象的っす。閉じた世界からの開放を呼びかけるかる歌詞にも注目☆

「Directions」
Caroleらしい永遠のメロディ・メイカーとしての才能とニューソウル的なグルーヴ感がうまく融合し、ジャズ的サウンドでまとめられた佳作。

「That's How Things Go Down」
「Weekdays」
シンガーソングライターらしい『Tapestry』的な2曲。このタイプの作品は安心二重丸ってカンジでしょうか?特に「Weekdays」がいいね!

「Haywood」
ファンキー・グルーヴ。アルバム中一番ブラック・フィーリングに溢れた1曲かもね!このアルバムならではの1曲だと思いマス。

「Welfare Symphony」
ダイナミックな展開が魅力の1曲。クールな前半とドラマチックな後半のコントラストが楽しい1曲。後半はMarvin Gaye『What's Going On』的な雰囲気が好きだなぁ。

「You Light Up My Life」
しみじみ胸に染み渡ってくる1曲。このあたりのメロディはさすがですな。

「Corazon」
個人的には本作のハイライト曲だと思いマス。スパニッシュで歌われる掟破りの(?)ラテン・グルーヴ。この曲はLTG Exchangeのニューヨリカンなカヴァーがガラージ・クラシックとして超有名ですよね。僕もLTG Exchangeの方も大好きでよく聴きマス。

「Believe in Humanity」
ソウル・フィーリングに溢れた1曲。Marvin Gaye「Inner City Blues (Make Me Wanna Holler) 」あたりと一緒に聴きたくなるね。

残念ながらニューソウル路線は本作のみで終わってしまう。
個人的はあと1、2枚こんなCarole Kingを聴きたかったなぁ。
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2006年11月26日

Jody Watley『Larger Than Life』

80年代後半のJodyの勢いは凄かった!☆Jody Watley『Larger Than Life』
Larger Than Life
発表年:1989年
ez的ジャンル:バブリー系セクシー女性R&B
気分は... :懐かしや☆

男性R&BならばBobby Brown、女性R&BならばJody Watley
僕の中では、バブリーな80年代後半のR&Bを象徴する存在として、この2人の名前が思い浮かぶ。

個人的には大学を卒業し、社会人になった時期と、この2人が輝いていた時期がちょうど重なる。当時のJody Watleyって、今で言うBeyonceみたいな存在に僕の目には映ったかなぁ。

Jody Watleyは本ブログでも紹介したSolarを代表するR&BグループShalamarのメンバーとして、ダンス・クラシック「A Night To Remember」などのヒットを放っていた。

Shalamar脱退後1986年にソロ契約し、1987年にソロ・デビュー・アルバム『Jody Watley』を発表。「Looking for a New Love」、「Don't You Want Me」、「Some Kind of Lover」などのヒット・シングルを連発し、グラミー最優秀新人賞も受賞した。そして、その勢いを持って発表されたのが、2ndアルバムとなる本作『Larger Than Life』(1989年)である。

ただし、絶頂期のJodyを僕は素直には受け入れてはおらず、少し冷ややかな反応をしていたかも?

大ヒット作にのめり込むのは、商業主義に迎合すると、そういった作品を購入しないのが僕の音楽ライフだった。逆に、ムキになってShalamar時代の作品とか聴いていたんだよね。今考えると、くだらん抵抗なんだけどね。

そんなJodyの勢いも『Larger Than Life』までで、その後はダンス路線から、聴かせるシンガー路線へと変化した影響もあってか、『You Wanna Dance With Me?』(1991年)、『Intimacy』(1993年)、『Affection』(1995年)と1作ごとに地味になっていったカンジだったね。

でも、皮肉なことにそれらの作品がきっかけで、僕自身のソロ・アーティストJodyへの評価は上昇していった。今でも一番のお気に入りの作品は『You Wanna Dance With Me?』(1991年)だ。それと同時に前述のダンス路線の2作も素直に聴けるようになっていた。

ということで、トータルな視点で考えると、Jodyの代表作としては『Larger Than Life』(1989年)を最初に聴くべきと思い、紹介しマス。

プロデュースは私生活でもパートナーだったPrince一派出身のAndore Cymone。
実に80年代後半のバブリーな時代を見事にとらえたダンス・アルバムに仕上がっていマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Real Love」
本作と言えば、まずこの曲でしょ!ということでアルバムからの1stシングル。当時はガンガンかかりまくっていた1曲ですな。全米ポップチャート第1位、R&Bチャート第1位に輝いた大ヒット。実にバブリーなアゲアゲ・ナンバーってカンジがいいよね。まさに時代を象徴する1曲。

「Friends」
アルバムからの2ndシングル。この曲も全米ポップチャート第9位、R&Bチャート第3位まで上昇したヒット曲っす。注目はなんといってもEric B. & Rakimのフィーチャーですね。今でこそゲストラッパーをフィーチャーしたR&Bの楽曲なんて当たり前だけど、当時はまだ珍しい時代でシタ(笑)。

「Everything」
アルバムからの3rdシングル。当然ながら全米ポップチャート第4位、R&Bチャート第3位の大ヒットっす。ダンス・ナンバーだけではないというところを見せつけてくれるメロウネスたっぷりのスロー。

「What'cha Gonna Do for Me」
一瞬、本ブログでも紹介したChaka Khanのアノ大ヒット曲(オリジナルはAWB)と思うかもしれないけど、別の曲です。アチラは「What cha' Gonna Do For Me」、コチラは「What'cha Gonna Do for Me」とビミョーにタイトルも違いマス。中身はなかなかノリのいいファンクネス溢れる1曲っす。

「L.O.V.E.R.」
「Real Love」タイプのダンス・ナンバー。当時は素直でなかったが、ホントはこの手の曲だ大好きでたまらんかった。

「For Love's Sake」
Nile Rodgersばりのなかなかカッチョ良いギター・サウンドを聴かせてくれる1曲。

「Lifestyle」
Jam & Lewisあたりのクールネスに満ちたファンク・ナンバーと一緒に聴きたく1曲だね。

「Precious Love」
パーカッシブなラテン・グルーヴ。今回初めて知ったがパーカッションはあのPaulhino Da Costaだった。今日的にはこの曲なんかイケてるんじゃないかなぁ。

「Come into My Life」
オリエンタルなテイストがいいカンジな1曲。Jodyって見た目少しオリエンタルな雰囲気もあるよね。

Bobby BrownやJody Watleyを聴いていると、柄にもなくDCブランドに身を包み、バブリーに遊んでいたアノ時代が懐かしく思える。
posted by ez at 00:02| Comment(2) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする