2006年11月25日

Cee-Lo『Cee-Lo Green... Is The Soul Machine』

身体もデカイが音楽もデカイ!☆Cee-Lo『Cee-Lo Green... Is The Soul Machine』
Cee-Lo Green... Is the Soul Machine
発表年:2004年
ez的ジャンル:巨漢系サウスHip-Hop
気分は... :さすがはソウル・マシーン☆

今回はCee-Loの2ndアルバム『Cee-Lo Green... Is The Soul Machine』(2004年)デス。

DJ Danger Mouseとの覆面ユニットGnarls Barkley「Crazy」の“予想外”大ヒットや、ベスト・アルバム『Closet Freak: The Best Of Cee-lo Green The Soul Machine』の発表と、その巨漢のみならず目立っていたCee-Lo☆

Gnarls Barkley「Crazy」は、好き嫌いに関わらず、よく聴ききまシタ(正確に言えば、PVでよく観たというカンジですが)。最初のこのユニットの実態を知らず、でもこの聴き覚えのある声は...なんて思っていたら、やっぱりCee-Lo☆その途端に急に愛着を感じてしまうミーハーな僕なのでシタ。

Cee-Lo(本名:Thomas Callaway)は、ダーティー・サウスを代表するHip-Hopグループであり、Goodie Mobのメンバーとしてデビュー。Outkast、Organized Noizeらと共にDungeon Familyの一員としてサウス・シーンを盛りあげた。その後、ソロ活動に転じ、1stアルバム『Cee-Lo Green and His Perfect Imperfections』(2002年)と2ndとなる本作『Cee-Lo Green... Is The Soul Machine』(2004年)を発表していマス。

僕の場合、あんまりサウス系のHip-Hopって得意じゃなくて、Outkastでさえちゃんと聴いたのはかなり遅かった。ましてや、Goodie Mobは殆ど聴いてもいなかったが、このCee-Loの2nd『Cee-Lo Green... Is The Soul Machine』はCDショップで試聴し、迷うこともなくスンナリ購入した記憶がある。

きっと、この人の場合、純粋にラッパーだけじゃなくて、ラッパー&シンガーってカンジが僕には合っているんだと思う。しかも、かなりソウル&ファンクがノリが強いから、オヤGリスナーに優しいHip-Hopってカンジかもね。

あとは、1stと比較して、セルフ・プロデュース曲が減り、Neptunes、Timbaland、Organized Noize、DJ Premierといった大物プロデューサーを迎えているあたりも、このアルバムをバラエティに富んだものにしていますな。

ホント、タイトル通りのソウル・マシーンな1枚デス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「The Art of Noise」
PharrellをフィーチャーしたNeptunesプロデュース曲。僕は試聴でこの曲を聴き、気に入って購入を決意した記憶がある。Cee-Loのアーシーな声質にマッチしたメロディアスでソウルな展開がいかにも僕好みっす。Guess Who「These Eyes」ネタ。

「I'll Be Around」
Timbaland参加&プロデュース曲。確かこの曲が1stシングルでしたね。バウンシーなビートが印象的な1曲。

「The One」
Jazze PhaとT.I.をフィーチャーした1曲。妖しげなファンキーさがたまりません。密かにお気に入りの1曲。Earth,Wind & Fire「Devotion」Public Enemy「Public Enemy No.1」ネタ。

「My Kind of People」
懐かしいMusical Youth「Pass the Dutchie」ネタのトラックが実に気持ちいい1曲。Jazze Pha & Menta Maloneをフィーチャー。

「Childz Play」
LudacrisをフィーチャーしたOrganized Noizeプロデュース作。タイトルの通り、子供の戯れのように楽しげな1曲。巨漢Cee-Loが子供のように戯れる姿を想像すると案外カワイイ感じかもね。

「I Am Selling Soul」
イナたいムードのアルバムの中で近未来的なエレガントかつスペイシーなトラックが異彩を放っている1曲。

「All Day Love Afair」
「When We Were Friends」
実にメロディアスでソウルフルな仕上がりが密かに大好きな2曲。案外、僕がCee-Loに期待しているのってこの路線かも?

「Evening News」
DJ Premierプロデュース曲。Chazzie & Sir Cognac the Conversationをフィーチャー。Primo先生の地味だけど懐の深いトラックはお見事!Cee-Loの個性的な声の魅力をうまく引き出していると思いマス。John Dankworth「Return From The Ashes (Theme)」ネタ。

「Scrap Metal」
Big Rube & G-RockをフィーチャーしたOrganized Noizeプロデュース作。Organized Noizeと言えば、Sleepy Brownのソロ・アルバムも最近のお気に入りなので、近々紹介しますね。

「Glockapella」
最初のアカペラが印象的な1曲。なかなか重量級のファンク・チューンに仕上がっていマス。Bar-Kays「Holy Ghost」ネタ。

「Let's Stay Together」
「The Art of Noise」に続き、PharrellをフィーチャーしたNeptunesプロデュース曲。最初タイトルからして、同名のAl Greenのアノ名曲かと思いまシタ。でも、Al Green「Let's Stay Together」と共通する雰囲気を持っているよね!

昨日、久々に国会図書館へ行った。以前に比べて、かなりシステマティックになって、使い勝手もよくなっておりビックリ!なんか何度も通っちゃいそう☆
posted by ez at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月24日

Weather Report『Black Market』

Jacoが初めて参加したWR作品☆Weather Report『Black Market』
Black Market
発表年:1976年
ez的ジャンル:フュージョン・グループ最高峰
気分は... :明日の天気は???

クロスオーバーのグループと聞いて、僕が真っ先に思い浮かべるのはCrusadersである。一方、フュージョン・グループと聞いて、まず思い浮かぶのはWeather Report(WR)である。

Weather Reportは、本ブログの400回目の記念エントリーで取り上げたMiles Davis『In A Silent Way』で大活躍だったJoe Zawinul(key)が同じくMiles門下生Wayne Shorter(ts)、プラハ生まれのMiroslav Vitous(b)、NY出身のAlphonse Mouzon(ds)と1970年に結成したグループだ。

Miles Davis『In A Silent Way』(1969年)、『Bitches Brew』(1969年)で開いたフュージョンの扉を、強力に推し進めていったグループがWeather Reportだった。その意味では、Weather Reportの登場は時代の要請だったのかもしれませんね。ZawinulとShorter以外のメンバーは交代を繰り返したが、天才ベーシストJaco Pastoriusが在籍していた時期が黄金時代と言われていマス。

僕の中学・高校の頃は、フュージョンがかなり盛り上がっていた時代だった。
高校の学園祭で一番盛り上がっていたバンドは、高中正義のコピーをやっていた連中だったような記憶がある。あと、音楽フリークを語る連中は、みんなカシオペアを聴いていたかなぁ(笑)

当時の僕は、どちらかと言えば、AOR的なフュージョンを好んでいたかなぁ。なので、Weather Reportもその凄さは雑誌の記事などで想像出来たが、実際にその音楽を聴く機会はFMラジオで聴いた程度だった。

僕がWeather Reportをきちんと聴くようになったのはCD時代になってからだ。特別思い入れがあったわけでは無かったが、Weather Reportを聴かずして、フュージョンを堪能出来ないだろうなぁ...程度の認識はあったので、とにかく一通り聴いてみようと思ったね。そんなカンジでWeather Reportの主だった作品はコレクションしてある。

マイ・コレクションの中では、Jaco Pastorius(Jacoは1982年にWRを脱退)在籍時の『Black Market』(1976年)、『Heavy Weather』(1977年)、『8:30』(1979年)、『Night Passage』(1980年)あたりを聴く頻度が多かったかなぁ。やっぱり、単純に1987年に亡くなった天才ベーシストJaco Pastoriusのプレイを聴きたいというのがホンネだったかも?

そのJacoが初めて参加したWeather Report作品が本作『Black Market』である。ただし、本作でJacoがベースを演奏しているのは「Cannon Ball」、「Barbary Coast」の2曲のみで、それ以外はAlphonso Johnsonがベースを担当しており、第1期WRから第2期WRへの橋渡し的な作品と言えるかもしれない。

一般には、この第2期WRの最高傑作としてJacoが全面参加した次作『Heavy Weather』(1977年)を挙げる人が多いと思う。でも、個人的には『Black Market』がWRを聴く時のファースト・チョイスになってしまっている。

開放的なんだけどミステリアスなアルバム全体のムードが好きなのかもしれない。

全曲紹介しときヤス。

「Black Market」
ジャケ写真のようなエキゾチックな楽園ムードが漂うポップなタイトル・ナンバー(Zawinul作品)。最後に雷鳴の音が響くあたりは、さすがWeather Report(笑)ちなみに本曲と次の「Cannon Ball」でドラムを叩いているのは後にR&Bヒットを連発した名プロデューサーNarada Michael Waldenです。

「Cannon Ball」
Jaco Pastorius参加作品。タイトルはZawinulが1975年に死去したサックス奏者Cannonball Adderleyに捧げた曲だ。ZawinulはかつてAdderleyのグループに参加していた。幻想的なムードの中でJacoの印象的なベースを堪能できマス。

「Gibraltar」
張り詰めた緊張感をエキゾチック・ムードを併せ持つグループを代表する1曲(Zawinul作品)。。多くの言語、文化がクロスオーバーする場所ジブラルタルはWeather Reportの音楽と合い通ずる部分があるかもね。

「Elegant People」
「Three Clowns」
Wayne Shorter作品の2曲。「Elegant People」もグループの代表曲の1つですね。まさにエレガントな1曲。Portishead「Strangers」なんかでサンプリングもされていマス。「Three Clowns」はミステリアスなカンジが印象的な1曲。

「Barbary Coast」
Jaco PastoriusのWR最初の作品。大きなクラクション音を合図にファンキーなリズムが展開される。まさに天才ベーシストのお披露目に相応しい1曲。ベースが主役ってカンジが楽しいっす。Freestyle Fellowship「Jupiter's Journey」でサンプリングされていマス。

「Herandnu」
ボーナス・トラックで追加されたAlphonso Johnson作品。これが案外良かったりする。Jacoばかりが注目されてしまうが、Alphonsoのベースもなかなかいいんじゃないかなぁ?

Jaco Pastoriusについては、『Jaco Pastorius(邦題:ジャコ・パストリアスの肖像)』(1976年)、『Word Of Mouth』(1980年)といったソロ作品も紹介したいですね。
posted by ez at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月23日

Rahsaan Patterson『Love In Stereo』

強引にでも聴かせたい!イチオシの1枚☆Rahsaan Patterson『Love In Stereo』
Love in Stereo
発表年:1999年
ez的ジャンル:セクシー系ネオ・ソウル
気分は... :男の色気って何よ!

“ねぇ、なんかオススメのアルバムない?”
“Rahsaan Patterson☆絶対いいから聴いて!”

こんな言葉で、今から5、6年前に何人もの人に強引にRahsaan Pattersonを聴かせていた時期がある。
当時の僕のイチオシがこのRahsaan Pattersonだった。

Rahsaan Pattersonは1973年NY生まれのR&Bシンガー/ソングライター。ちなみに彼の名前“Rahsaan”は超個性派ジャズ・サックス奏者Rahsaan Roland Kirkからとったものなのだとか。

母親は元女優、父親は音楽業界関係者という環境の中で、Rahsaan少年は子役としてディズニーのテレビ番組に4年間出演していた時期もあった。そんな彼の名が音楽シーンで注目されたのは、Brandyのデビューアルバム『Brandy』(1994年)からシングル・カットされ、R&BチャートNo.1に輝いた「Baby」の楽曲提供だろう(Kieth Crouch/Kipper Jonesとの共作)。

少し脱線すると、「Baby」を共作しているKipper Jonesも昔かなりハマったアーティストだ。彼がリードボーカルを努めていたグループTease『Remember』(1988年)、Kipperのソロ『Ordinary Story』(1990年)は今でもよく聴く。

さて、Rahsaanに話を戻すと、1997年にデビューアルバム『Rahsaan Patterson』を発表し、その後1999年に2ndとなる本作『Love In Stereo』、2004年に3rdアルバム『After Hours』を発表している。

デビューアルバム『Rahsaan Patterson』を聴いた途端、D'AngeloEric Benet、Maxwellらと並ぶ才能を持った男性R&Bアーティストが登場したと思ったね。実際、デビュー当時は期待の新星として、かなり注目されていた気がする。しかし、その後1作ごとに地味になり、『After Hours』に至っては、イギリスのインディー・レーベルからの発売である。

商業的には必ずしも成功しているとは言い難いRahsaanであるが、作品自体は3作共に素晴らしい。基本的には3枚全てオススメですが、個人的なイチオシは今回紹介する2nd『Love In Stereo』(1999年)だ。

本作には今をときめく若き日のVan Huntがプロデューサー&ソングライターとして参加している(Van Huntは3rd『After Hours』にも参加)。以前、Eric Benetのエントリーの時にVan Huntとの類似性を指摘したが、サウンドの違いはあるにせよD'AngeloEric Benet、Maxwell、Van Huntは同じような雰囲気を持っていると思う。

全体的には、個性的なRahsaanのセクシー・ハイトーン・ボーカルとファンキーかつメロウな打ち込みサウンドのバランスがサイコーだね。個人的には、Rahsaanが男の色気をプンプン漂わせている点が本作の最大の魅力だと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Treat You Like a Queen」
ファンキーなんだけど、アダルトな雰囲気がたまらん1曲。Rahsaanのハイトーン・ボーカルってセクシーかつ軽く変態チックなのがいいよね。

「Sure Boy」
出だしはSly Stoneっぽいけど、徐々にRahsaanらしい展開になっていきマス。ステキなメロディと危険な香りの同居具合いがいいよね。

「It's Alright Now」
これは典型的なニュークラシック・ソウルのバラード。この手のバラードって下手をすると単に甘いだけで飽きやすいんだけど、Rahsaanの個性的なボーカルが飽きの来ない作品にしていますね。

「Friend of Mine」
Van Huntプロデュース曲。美メロとファンキー・サウンドが見事に融合したVan Huntの才能を垣間見れる1曲。この頃からやはり只者ではなかったね!でも、当時はVan Huntなんて知らなかったから、Van Huntデビュー後にこの事実を知り、感動しまシタ。

「The Day」
完成度ではこの曲が一番かもね。ファンキーなグルーヴ感とコーラスの絡みがサイコーの1曲。Rahsaanならではのカッチョ良さを堪能できるね。

「It Ain't Love」
この曲も素晴らしいね。70年代ニューソウルと80年代のPrince殿下の変態ファンクと90年代のD'Angeloのクールネスを化学反応させたみたい!ってわかってもらえるかな。とにかく聴き応え十分の1曲。

「Humor」
「The Moment」
Van Huntプロデュース曲。「Humor」は(Sly StoneStevie Wonder)÷2といったカンジのジャズ・ファンク調のナンバー。「The Moment」は、Van Huntらしい1曲。ここでは打ち込みサウンドだけど、アコースティックな仕上がりで聴くと、もっとVan Huntらしさが実感できるのでは?

「So Right」
ジャズ・テイストのサウンド・プロダクションが素晴らしい1曲。

「Any Other Love」
実はアルバムで一番お気に入りの曲。ファンキーとメロウとアブノーマルがセクシーというフィルターでまとめられているカンジがたまりません。

「Get Here」
ハウス系プロデューサーとして有名なSteve "Silk" Hurleyがプロデュース。かなりクラブ・テイストなクール・サウンドになっています。エモーショナルな曲もいいけど、こういったクールなグルーヴにもRahsaanのボーカルってよくマッチするよね。

なお、国内盤にはBlow Monkeysの名曲「Diggin Your Scene」のカヴァーも収録されてマス。Blow MonkeysをカヴァーするR&BアーティストってあたりがRahsaanらしいよね。

実は今日は超ゴキゲン☆人間やっぱりポジティブが楽しいよね!
posted by ez at 00:26| Comment(4) | TrackBack(1) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月22日

The Who『A Quick One』

新作『Endless Wire』が発売されたけど...やっぱり聴くならコッチでしょ☆The Who『A Quick One』
Quick One (Happy Jack)
発表年:1966年
ez的ジャンル:ブリティッシュ・ビートの成長過程
気分は... :Pete、Roger、John、Keithの4人揃ってこそThe Who

The Whoの本ブログ3回目の登場っす。

週末にCDショップへ行くと、“The Whoの24年ぶりの新作”の文字が目に入った。新作は『Endless Wire』というタイトルらしい。

The Who好きを自認する僕ではあるが、この新作を購入することはないだろう。まぁ、Pete TownshendやRoger Daltreyの創作意欲に敬意を表すけどね。

やっぱり、僕にとってのThe Whoは、Pete Townshend(Guitar)、Roger Daltrey(Vocal)、John Entwistle(Bass)、Keith Moon(Drums)の4人が揃ったグループを表すネーミングなのだ。

その意味では、発売直後にKeith Moonが亡くなってしまった『Who Are You』(1978年)が僕にとってのThe Whoのラスト・アルバムだ。

その後の『Face Dances』(1981年)や『It's Hard』(1982年)もLPでは持っているが、CDで買い直すことはしなかった。残念ながら、The Whoの名を語る別のグループの作品にしか思えない。

新作を聴くぐらいならば、真のThe Whoを聴くべき!ということで、2ndアルバム『A Quick One』(1966年)っす。

これまで紹介してきた『Who's Next』(1971年)、『My Generation』(1965年)に比べると、地味な作品かもしれませんが、実にWhoらしさに溢れた作品だと思いマス。

先日、The Rolling Stones『December's Children (And Everybody's)』のエントリーで、初期Stonesのアルバムは、アメリカ発売とイギリス発売のもので内容が異なるのでややこしいという話をした。

初期のThe Whoの場合も同じような悩みがある。「I Can't Explain」、「Anyway, Anyhow, Anywhere」、「Happy Jack」、「Substitute」、「I'm a Boy」、「Magic Bus」などのヒット・シングルがオリジナル・アルバムには未収録なのだ。特に、デビュー作『My Generation』(1965年)発表後にマネジメント面でのトラブルに巻き込まれ、その影響も多分にあると思うんだけど...

なので、何らかのかたちで、これらのヒット・シングルを収めたベスト盤を購入しないと、コレクションが歯抜け状態になってしまう。僕の場合、オリジナルのベスト盤『Meaty Beaty Big And Bouncy』で補完したが、現在は内容、音質ともに充実した他のベスト盤があるので、そちらで補完する方がいいかもね。

そういったヒット・シングルという観点から、考えると本作は少し物足りなさが残るかもしれないけど、独自のR&Bカヴァー、わけわからんおふざけナンバー、後のロックオペラへの布石といったように、モッズ・バイブル的作品だったデビュー・アルバム『My Generation』からの成長ぶりを確認できることが魅力のアルバムっす。

なお、本作はアメリカでは『Happy Jack』のタイトルで、「(Love Is Like A) Heat Wave」が「Happy Jack」に差し替えられたかたちで発売されていマス。

全曲紹介しときヤス。

「Run Run Run」
オープニングはPete Townshend作のThe Whoらしいキャッチーなビート・ナンバー。このカッチョ良さは、BeatlesRolling StonesにはないWhoならではのものだね。当初、この曲は「The Cat」というタイトルで呼ばれていたのだとか。そう言われると、このビート感にピッタリのタイトルかもね!

「Boris the Spider」
John EntwistleがWhoで書いた最初の作品。不気味なカンジがJohnらしい。

「I Need You」
続いて、Keith MoonがWhoで書いた最初の作品。コレが意外なことに(?)実にイカした1曲なんだよね。なんかヒーローものアニメの主題歌とかにありそうなカンジ。Keithもやる時はやるじゃん!

「Whiskey Man」
これもJohn Entwistleの曲。この曲も実にキャッチーだね。Johnはカッチョ良いベースに加え、フレンチ・ホルンも吹き、張りきってマス。

「(Love Is Like A) Heat Wave」
本ブログでも紹介したMartha Reeves & The Vandellasの大ヒット曲のカヴァー。The Jamのカヴァー(アルバム『Setting Sons』収録)も有名ですね。詳しくは知らないけど、Jamのカヴァーはオリジナルというよりも、Whoの本バージョンの影響なのでは?

黒人音楽のカヴァーの観点から、BeatlesRolling Stones、Whoの3大グループを比較するのも面白いかもね!意外とロックン・ロールしているBeatles、ブルース・フィーリングのStones、モータウンなWhoっていうのが僕の単純なイメージなんだけど...

「Cobwebs and Strange」
Keith Moonによる破茶目茶インスト。コントのBGMにピッタリだよね。このおふざけぶりがKeithらしくて大好き!ドラム叩きまくっているしね☆

「Don't Look Away」
Pete Townshend作のカントリー・タッチのナンバー。正直、あんまりWhoらしくないよね。

「See My Way」
Roger Daltrey作品。Rogerのボーカルはサイコーだけど、コンポーザーとしての才能は....まぁご愛嬌ですな。

「So Sad About Us」
実はアルバム中一番のお気に入り曲。「Substitute」タイプのメロディアスなナンバー。Pete Townshendの本領発揮ってカンジだね!元々はPeteがMerseybeatsのために書いた曲。The Jamもカヴァーしてますよね(アルバム『Setting Sons』のCDボーナストラックとして収録)♪

「Quick One, While He's Away」
ラストを飾るタイトル曲はPete作の9分を超える組曲。後のロック・オペラの名作『Tommy』(1969年)への布石となった曲と言えるよね。

この曲で思い出すのは、Rolling Stonesが企画した幻のTVスペシャル『Rock And Roll Circus』での本曲の演奏の映像ですな。Stones、Whoに加え、John LennonEric Claptonなども参加した超豪華メンバーのTVスペシャルがオクラ入りになった理由の1つに、Whoの本曲の演奏があまりに素晴らしく、主役のStonesを食ってしまったためなんて噂もありましたよね。

以上のようにメンバー4人全員の作品が楽しめる作品になってマス。
また、CDにはボーナス・トラックとして、「Batman」、「Barbara Ann」、「In the City」、「Man With Money」などが収録されていヤス。
posted by ez at 00:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月21日

Jose Feliciano『And the Feeling's Good』

フリーソウル・クラシック「Golden Lady」収録☆Jose Feliciano『And the Feeling's Good』
アンド・ザ・フィーリングス・グッド
発表年:1974年
ez的ジャンル:ラテン・フォーキー・グルーヴ
気分は... :ホセ・メンドーサは偉大だった...

プエルトリコの盲目のギタリスト&シンガーJose Feliciano

Jose Felicianoの存在は昔から知っていたが、Doors「Light My Fire」のカヴァーし、グラミー賞を受賞した盲目のギタリスト&シンガーという程度の認識だったかなぁ。

同じ盲目のミュージシャンということで、ラテン・ミュージックのRay Charlesってイメージだったかなぁ。でも、実際にはRay Charlesよりも15歳も若いんだね。せめてラテン・ミュージックのStevie Wonderぐらいにしとかないとね(笑)

あとは国籍も自分の中で勝手にメキシコ人だと思い込んでいました。当時の僕の乏しい知識ではJose(ホセ)という名前から連想するのはメキシコ人だったもので(笑)きっと僕がこのような思い込みをするようになったのは、漫画『あしたのジョー』に出てきた偉大なメキシコ人王者ホセ・メンドーサの影響だと思いマス。

僕がJose Feliciano『And the Feeling's Good』(1974年)を購入した理由は、殆どの人と同じく、クラブで大人気となったフリーソウル・クラシック「Golden Lady」狙いっす。フリーソウルのコンピで知って以来、このStevie Wonderの名曲カヴァーの虜になってしまいまシタ。

なので、「Golden Lady」以外は正直あまり期待していなかった。
渡り鳥の演歌歌手のラテン版みたいなイメージがあったので、「Golden Lady」のみ例外で、全体としては哀愁のギター&ボーカルのアルバムを予想してまシタ。

でも、聴いてビックリ!こんなに全体を通じてグルーヴ感溢れるアルバムだとは思いませんでシタ。そもそもギター一本で弾き語りみたいな想像が間違いでシタ。

まさに“フリーソウル”な幅広い音楽性と、グルーヴ感溢れる仕上がりに大満足っす。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Hard Times in el Barrio」
初めて聴いた時に、そのカッチョ良さにぶったまげたフォーキー・グルーヴ。歌詞に♪Chico and the Man♪と出てくるので、この曲も「Chico and the Man」同様にTVシリーズの挿入歌だったのかなぁ(詳しくは知りません)?

「I've Got to Convince Myself」
Allen Toussaint作品のカヴァー。そのせいかニューオリンズ風のファンキーな仕上がり。

「You're No Good」
「悪いあなた」という邦題の方がピンと来るかもね。70年代ファンにはお馴染みのLinda Ronstadtのあのヒット曲です(『Heart Like a Wheel』収録)。そう言えば、Linda Ronstadt全然聴いていないなぁ。ウエスト・コースト・ロックの恋多き歌姫ってイメージだったよねぇ。懐かしい。

「Virgo」
ファンキー・ロックなインスト。この曲も再評価の高い1曲ですよね。でも、Jose Felicianoがこんなハードなロックを演奏するなんて全然想像できないよね。

「Golden Lady」
フリーソウル・クラシック。ご存知Stevie Wonder『Innervisions』(1973年)収録の名曲カヴァー。DJ達が飛びついたこのフォーキー・グルーヴ1曲だけでも本作を聴く価値アリだよね。

個人的には、オリジナルも『Innervisions』収録曲の中で一番のお気に入りなんだけど、このカヴァーもオリジナルに迫る傑作。同じ盲目のミュージシャン同士で以心伝心なのか、Felicianoはこの名曲を完全に自分のモノにしているカンジだよね。

「Stay With Me」
キャッチーで聴きやすい1曲。実に70年代らしい青春ポップに仕上がっています。

「Chico and the Man」
ラテン・フォーキーな人気の1曲。この曲は同名のTVシリーズの主題歌だったようです(詳しくは知りません)。ある意味、この曲あたりが一般的なJose Felicianoのイメージに近いかもね。ラテン・グルーヴ好きの方はJoe Bataanがカヴァーしていますね(アルバム『Afrofilipino』収録)。

「And the Feeling's Good」
Roberta Flack「Killing Me Softly With His Song」で有名なCharles Foxの作品。実に名曲ですな。元々の曲の良さと実にロマンティックなFelicianoのギターと味わい深いボーカルが加わって、極上の1曲に仕上がっていマス。Feliciano以外にもMarlena ShawRoberta FlacKのカヴァーも有名ですよね。さらには、先日紹介したLauryn Hill「To Zion」のネタにもなっていマス。

相変わらず、『のだめカンタービレ』は面白いねぇ。
のだめチャンの不思議モードのぶっ飛びぶりが実にいいよねぇ。
せちがない世の中だからこそ、こんな破茶目茶ドラマがd(^ ^*)グッ!
posted by ez at 00:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする