2006年11月10日

Lonnie Liston Smith & the Cosmic Echoes 『Expansions』

コズミックで、スピリチュアルなジャズ・ファンク☆Lonnie Liston Smith & The Cosmic Echoes『Expansions』
Expansions
発表年:1975年
ez的ジャンル:コズミック・ジャズ・ファンク
気分は... :宇宙の神秘

昨日は、黒い水星が太陽の前を横切る「水星の日面通過」の日でしたね。
自分で観測する術もないので、TVで観て感動してやシタ。

次回日本で「水星の日面通過」が見れるのは26年後だとか。
改めて、宇宙の壮大さに一人感動し、コズミックな気分に...

音楽でコズミックと言えばLonnie Liston Smith...と強引にこじつけて(笑)、
クラブシーンでの人気作『Expansions』(1975年)を紹介しマ〜ス。

ジャズ・キーボード奏者Lonnie Liston Smithは、1960年代前半より音楽活動を開始し、Pharoah Sandersのグループへの参加やMiles Davisのレコーディング参加などを経て、1973年に自身のグループThe Cosmic Echoesを結成し、Flying Dutchmanレーベルより、『Astral Traveling』(1973年)を発表する。

その後、Flying Dutchmanより『Cosmic Funk』(1974年)、『Expansions』(1975年)、『Visions of a New World』(1975年)、『Reflections of a Golden Dream』(1976年)、『Renaissance』(1977年)といった後の人気作を発表する。

その後、Columbiaから『Loveland』(1978年)、『Exotic Mysteries』(1978年)、『A Song for the Children"』(1979年)、『Love is the Answer』(1980年)、Doctor Jazzから『Dreams of Tomorrow』(1983年)などの作品を発表していマス。

全体として、コズミックで、スピリチュアルで、リゾートで、癒し系のジャズ・ファンクというのが僕の印象かなぁ?

僕がLonnie Liston Smithの名を意識するようになったのは、90年代のレア・グルーヴ・ムーブメントの流れっす。以前に紹介したGangstarrGuruのプロジェクト『Jazzmatazz』(1993年)への参加の印象も強かったかなぁ。

ちなみに『Jazzmatazz』には、Lonnie以外にもDonald Byrd、Roy AyersというAcid Jazz、Rare Groove好きには、たまらんメンバーが参加していますね。

Lonnieの諸作の中で、最も人気が高いのが本作『Expansions』(1975年)なのでは?僕もこの作品を聴く回数が一番多いかなぁ?

何となく、この人って夏のイメージを抱く人がいるかもしれないけど、これからの寒い時期にも凍てついた心と身体を癒してくれる音楽だと思いマス。

全曲紹介しときヤス。

「Expansions」
レア・グルーヴ・クラシック。イカしたベースラインに、コズミックなキーボード、パーカッシブなリズム、浮遊感漂うボーカル...全てが見事に融合してサイコーのグルーヴ感を生み出していると思いマス。Scott Groovesのハウス・カヴァー(なんとRoy Ayersフィーチャー)や、Stetsasonic「Talkin' All That Jazz」などのサンプリング・ネタとしても有名ですね。

「Desert Nights」
このスピリチュアルな雰囲気はPharoah Sandersに通じるものがあるよね。

「Summer Days」
コズミック・ラテン・ジャズといった趣きのナンバー。案外ブラック・フィーリングなコクがあるよね。大好きな1曲。

「Voodoo Woman」
密かなスピリチュアル・ジャズの人気曲ですね。とても70年代とは思えない、90年代以降のクラブ・サウンドを予見したかのような1曲だよね。いやぁ、実にお見事☆

「Peace」
本作唯一のカヴァー。Horace Silverの作品を正統派ジャズ・バラードに仕上げていマス。

「Shadows」
白日夢のような妖しく、幻想的な雰囲気のナンバー。なんかヤバイ世界へトリップしちゃいそう?

「My Love」
この曲も超大好き☆実にロマンチックなメロウ・グルーヴ。Lonnieの実弟Donaldの下手ウマ・ボーカルが実に癒し系なカンジでいいっす♪

本作以外で僕がよく聴くのは、『Visions of a New World』(1975年)、『Reflections of a Golden Dream』(1976年)、『Loveland』(1978年)あたりっす。

そう言えば、今日(10日)の午前02:00-08:00はSeesaaのサーバー・メンテで本ブログが閲覧できません。
ご迷惑をお掛けしますが、ご了承下さいm(_ _)m
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2006年11月09日

Beck『Odelay』

その才能を見せつけたメジャー第2作☆Beck『Odelay』
Odelay
発表年:1996年
ez的ジャンル:Hip-Hop世代のダウン・トゥ・アース系ロック
気分は... :ダサ格好いい!

今回は新作『Information』も好調なBeck『Odelay』(1996年)っす。

Beckって特別好きなアーティストという意識はないのだが、気付くとメジャー第1作『Mellow Gold』(1994年)以来しっかり聴き続けている。

Beckの名を一躍有名にした大ヒット・シングル「Loser」は、いろんな意味でインパクトがあったよね。フォーク+ブルース+Hip-Hopなサウンドと共に、♪オレは負け犬〜♪と歌う様は、格好いいんだか悪いんだか、よくわからんけど、へんてこりんな新しい感覚の音楽ってカンジがしたなぁ。

Beck本人曰く、“「Loser」はラッパーになりきれない自分自身を半分茶化した曲”なのだとか。でも、この曲の“予想外”大ヒットで、負け犬どころか見事メジャー契約に成功してしまった。

メジャー第1作となった『Mellow Gold』(1994年)は、どこか物珍しさで聴いていた記憶がある。最初はBeckに対してまがいものっぽい印象を持っていたのも事実だ。そんな僕がBeckの才能を思い知らされたカンジがしたのは本作『Odelay』(1996年)だった。

本作では、Dust Brothersをプロデューサーに迎えていマス。本ブログではDust Brothersプロデュース作として、Beastie Boys『Paul's Boutique』を以前に紹介していますね。

Dust Brothersを迎えたことによって、サンプリング・サウンドが強化されたと同時に、『Mellow Gold』以上にフォーク、ブルース、ロックン・ロール、Hip-Hop、R&B、ジャズ、テックス・メックス、ボサノヴァなど実に多様な音楽がゴチャ混ぜ状態になっているのが本作の特徴だと思いマス。

きっと僕にとってのBeckは、Hip-Hop世代によるダウン・トゥ・アースな音楽って位置づけなんだと思う。
なんかリラックスしたい時に、脱力系で土臭く、ダサ格好いいけど、いかがわしいBeckの音楽ってハマるんだよね!

「Devils Haircut」「New Pollution」「Where It's At」といったヒット曲をはじめ、バラエティに富んだナンバーが揃っていマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Devils Haircut」
Dust Brothersらしいサウンド・プロダクションがBeckの無愛想なボーカルと実にマッチしたナンバー。全体的にラウドな雰囲気も大好き!Them「Out of Sight」、Bernard Purdie「Soul Drums」ネタ。

「Hotwax」
アーシーでファンキーなミッド・チューン。途中で「Jingle Bells(ジングルベル)」のメロディが聴こえるのも楽しいよね。Bernard Purdie「Song for Aretha」、Monk Higgins & the Specialites「Up on the Hill」ネタ。

「Lord Only Knows」
Beck流カントリー・ロックなナンバー。70年前後のRolling Stonesあたりの雰囲気を彷彿させるね。Mike Millius「Lookout for Lucy」ネタ

「New Pollution」
Beck独特のダサ格好いいHip-Hopサウンドが堪能できる“らしい”1曲。メルヘンチックなイントロも印象的ですね。Joe Thomas「Venus」ネタ。

「Derelict」
妖しげなエスニック・テイスト溢れるナンバー。タブラのリズムにジワジワとヤラれてしまいマス。

「Jack-Ass」
ThemによるBob Dylanのカヴァー「It's All Over Now Baby Blue」をサンプリングしたトラックが印象的なナンバー。

「Where It's At」
完成度ではこの曲が一番じゃないかなぁ。アーシーな土臭さとスペイシーな近未来感の組み合わせがとっても面白い。Mantronix「Needle To The Groove」ネタ

「Minus」
ハード・コアな疾走感がイイ感じですな。

「Sissyneck」
ダウン・トゥ・アースなHip-Hop感覚が何ともジャスト・フィットな1曲。Dick Hyman「The Moog and Me」ネタ。

「Readymade」
淡々として前半から後半は意表を突いてボッサな展開となり、Almeida, Laurindo & the Bossa Nova All Starsによるボサノヴァの名曲「Desafinado」(Nara Leaoのバージョンが有名ですね)をサンプリングしていマス。

「High 5 (Rock the Catskills) 」
アーシーで、ロックで、テクノで、Hip-Hopで...説明するのに困ってしまうゴッタ煮ナンバー。Rasputin's Stash「Mr.Cool」ネタ。

本作の成功でBeckは1997年度グラミー賞でベスト男性ヴォーカル・パフォーマンス、ベスト・オルタナティヴ・ミュージック・パフォーマンスの2部門を受賞まシタ。
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2006年11月08日

Sergio Mendes & Brasil'66『Look Around』

和傘が風情あるよねぇ☆Sergio Mendes & Brasil'66『Look Around』
Look Around
発表年:1968年
ez的ジャンル:ソフト・ロック系ボッサ・ポップ
気分は... :小洒落た気分でカフェ・ランチ...

6日の『SMAP×SMAP』を観たら、 Sergio Mendesがゲスト出演し、「Mais Que Nada」を歌っていた。

そう言えば、9月後半に来日公演してましたよね。
Sergio Mendes Meets Hip-Hopといった趣きのBlack Eyed Peasプロデュースによる久々の新作『Timeless』で完全復活したカンジですな。

『Timeless』は、春先かなり聴いた新作アルバムの1枚なんだけど、何故か本ブログでは紹介するタイミングを逸してしまいまシタ。
あの手のアルバムは旬の時期に聴くべきアルバムなので、本ブログでは断念するしかないかな?

その代わりに、僕の最も好きなSergio Mendes作品であるSergio Mendes & Brasil '66『Look Around』(1968年)を紹介しマス。

Sergio Mendesの作品は、Herb Alpertが設立したA&Mレコードから発表したBrasil'66の『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil'66』(1966年)、『Equinox』(1967年)、『Look Around』(1968年)、『Fool On The Hill』(1968年)の4枚に尽きるというが僕の個人的な感想っす。この4枚は、ブラジル音楽と当時のポップスが見事に融合した極上のポップ・ミュージックだと思いマス。

『Sergio Mendes』(1982年)、『Brasileiro』(1992年)あたりも好きなのですが、聴く頻度は圧倒的に前述の4枚が多いっす。

この4枚の中で、特に好きなのが本作『Look Around』(1968年)デス。本ブログでは、先に『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil'66』(1966年)を紹介しましたが、Sergio Mendesとの出会いの1曲はやはり「Mais Que Nada」かなぁと思ったので。

『Look Around』は、特にソフト・ロックという文脈で考えると、一番ツボなアルバムな気がします。

あとはこのオリエンタルなジャケが好きかなぁ。これって和傘ですよね?

オススメ曲を紹介しときやす。

「With a Little Help from My Friends」
Beatles『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』収録のRingoのボーカルでお馴染みの名曲ですね。あとはJoe Cockerのカヴァーも有名ですね。Ringoのほのぼの感も、Joe Cockerの熱唱も好きですが、個人的には、サラっと小ざっぱりしたソフト・ロックの本バーションが一番好きかなぁ。
http://www.youtube.com/watch?v=bURqyvpTrdk

「Roda」
Gilberto GilとJoao Augustoの作品。オシャレなボッサ・ソフト・ロックってカンジかな。自由が丘でカフェ・ランチする時にでも聴きたいかなぁ。

「Like a Lover」
今の時期にピッタリなアレンジがとってもドラマチックでロマンティックなナンバー。ムード満点ですなぁ。

「The Frog」
『Timeless』にもQ-TipWill.I.Amをフィーチャーしたバージョンが収録されていたナンバー。『ヒキガエル』という邦題が何かスゴイよねぇ。

「Tristeza (Goodbye Sadness) 」
僕の本作での一番のお気に入り曲。実にサウダージなサンバですよね。都会育ちの僕でも故郷への郷愁感が湧いてくるねぇ。Haroldo LoboとNiltinhoの作品デス。

「Look of Love」
Dusty Springfieldが1967年にヒットさせたBurt Bacharach作品。007シリーズのパロディ作品『Casino Royal』の主題歌っす。本作は全米チャートにおけるBrasil'66のシングル最高位(第4位)を記録していマス。本ブログでは以前にDelfonicsによるスウィート・ソウルなカヴァーを紹介しましたね!

「Batucada (The Beat) 」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valleの作品。Walter Wanderleyのヒットでも知られる名曲ですね。Brasil'66らしい軽快でオシャレなボッサ・ナンバーに仕上がっていマス。

「Look Around」
Sergio Mendes/A.Bergman/M.Bergmanの作品。Mendesのリズミックなピアノが小粋ですな。

昨晩は火鍋を食してきまシタ。
脳まで響く辛さで、酔っ払いなのに頭脳明晰っす。
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2006年11月07日

Common『Like Water For Chocolate』

僕の中でのCommonの最高傑作はコレ☆Common『Like Water For Chocolate』
Like Water For Chocolate
発表年:2000年
ez的ジャンル:Soulquarians系Hip-Hop
気分は... :2000年以降最高のHip-Hopアルバムなんじゃない?

シカゴ出身の知性派ラッパーCommonの2回目の登場っす。

本ブログの立ち上げ間もない、3回目のエントリーで6thアルバム『Be』(2005年)を取り上げた。『Be』は多分2005年に最も多く聴いたHip-Hopアルバムだったと思うし、本ブログの2005年のマイ・ベスト10に選んだほど、気に入っている。何処となくニューソウルな感覚がとっても気に入っているアルバムだ。

でも、僕にとってCommonの最高傑作は何と言っても、4thアルバム『Like Water For Chocolate』(2000年)だ。この作品はCommonどころか、2000年以降、僕が聴いてきた数多のHip-Hopアルバムの中でも最高峰の1枚だと思う。

以前に僕が選ぶ2000年代最高傑作R&BアルバムとしてD'Angelo『Voodoo』をあげた。本作はその『Voodoo』の制作メンバーがプロデュース集団Soulquariansを中心にかなり重なっている。

D'Angelo、?uestlove(The Roots)、James Poyser、故Jay Dee(J Dilla)といったSoulquariansのメンバー、DJ Premierなどがプロデューサーとして名を連ね、Roy Hargrove、Rhazel、Black Thought、Slum Village、Mos Def、Cee-Lo、Monie Love, MC Lyte、Bilal、Jill Scott、Vinia Mojica、Femi Kutiらが参加していマス。

それにしても、この年(2000年)にSoulquariansが届けてくれた3枚のアルバム、D'Angelo『Voodoo』Erykah Badu『Mama's Gun』、そして本作『Like Water For Chocolate』はホントにミラクルな作品だよね。2006年の現段階でも、この3枚に肩を並べるR&B/Hip-Hopアルバムって、数えるほどしかないような気がする。

このアルバムの凄さは、「The Light」「The 6th Sense」の2曲を聴けば、一発でわかると思いマス。特に、「The Light」は今は亡きJay Dee(J Dilla)の手掛けた曲の中で一番好きかも?

ちなみに『Like Water For Chocolate』というタイトルは、Laura Esquivelによって書かれ、映画化もされたメキシコの小説のタイトルから引用したものなのだとか。日本では映画のタイトルは『赤い薔薇ソースの伝説』となっている。なんかピンと来ないよね。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Time Travelin' (A Tribute to Fela) 」
オープニングはタイトル通り、アフロ・ビートのパイオニアだった故Fela Kutiへのトリビュート・ソング。Felaの息子Femi KutiとVinia Mojicaがフィーチャーされていマス。静かなる覚醒といた趣のアフロ・グルーヴなトラックに、ボコーダー処理されたCommonのラップがカッチョ良く乗っかってくる。Roy Hargroveのトランペットも実にクール。いきなり、かなり実験的な作品かもね。

「Cold Blooded」
Rhazel、Black ThoughtというThe Roots勢をフィーチャー。?estloveによるタイトなリズムとD'Angeloのクラビネットによる独特のグルーヴ感は、D'Angelo『Voodoo』にも通じるよね。Parliament「Funkin' for Fun」ネタ。

「Dooinit」
Common、腰抜けラッパーをメッタ斬り!といった内容の曲。Jay Deeによる抑えたシンプルなトラックが、Common節を際立たせてくれマス。Dwele「Keep On」のサンプリング・ソース。

「The Light」
先に書いた本作のハイライト。個人的には故Jay Deeの手掛けた作品の中でベスト。Bobby Caldwell「Open Your Eyes」を見事に解体し、再構築してくれマス。どう切り取っても「Open Your Eyes」なんだけど、単なるモロ使いではない、Jay Deeの職人技が見事です。オリジナルとは別の美しさが滲み出てくるトラックだと思いマス。必ず職人の一手間を加える江戸前寿司ってカンジかなぁ♪

「Funky for You」
Bilal、Jill Scottというネオ・フィリーを代表するシンガー2人をフィーチャーしたファンキーなミディアム。Jill Scottはこの年デビューアルバム『Who Is Jill Scott?』を発表している。

「The Question」
Mos DefとNative TonguesファミリーのMonie Loveをフィーチャー。ジャジーでクールなトラックはA Tribe Called Questっぽいかもね。

「The 6th Sense」
Primo先生(DJ Premier)プロデュースのヒット・シングル。文句ナシの1曲っす。ライムにもあるように、まさにソウルのこもったHip-Hopミュージックてカンジだよね。♪オレはHip-HopのMorpheus(映画『Matrix』の主人公)、インチキなラップを暴いていく♪といったあたりにCommonのスタンスがよく窺えるよね。Primo先生の擦りも冴えてマス。Mobb Deep「Allustrious」の声ネタが使われていマス。

「Nag Champa (Afrodisiac for the World) 」
「Thelonius」
Slum Village勢参加の2曲。「Nag Champa (Afrodisiac for the World) 」は、心地良い浮遊感でフワフワ気分なトラックが大好き!続く「Thelonius」では、♪オレはTheloniousなスーパーMC♪と主張します。Thelonious=Thelonious Monkだと思うんだけど、どういう意味なのかね?

「Payback Is a Grandmother」
James Brown「The Payback」ネタのファンクなナンバー。

「Geto Heaven Part Two」
「Geto Heaven」のPart2。Family Standの同名曲を引用しています。「The Light」、「The 6th Sense」に次ぐオススメ曲。Commonのライム、D'Angeloのファイルセット・ボイス、?estloveのリズムが見事に三位一体となり、これぞSoulquarians!な1曲に仕上がっていマス。

「A Song for Assata」
Cee-Loをフィーチャーしたネオ・ソウルなナンバー。この曲のグルーヴのカッチョ良さもたまりませんな。

今回、『Be』のエントリーを久々に見たら、まだブログ立ち上げたばかりだったせいか、ずいぶん手抜きなエントリーで恥ずかしくなってきた。

本エントリーを投稿後、そちらも少し内容追加・修正しておきマス。
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2006年11月06日

Lou Reed『Transformer』

退廃的で、耽美な背徳ロック☆Lou Reed『Transformer』
Transformer
発表年:1972年
ez的ジャンル:グラム系退廃ロック
気分は... :カミング・アウト...

Lou Reedのソロ作品の中で最もお気に入りの作品『Transformer』(1972年)デス。

Lou Reed絡みでは、約1年前にThe Velvet Undergroundのデビュー作『The Velvet Underground & Nico』を紹介して以来になりマス。

今なお多くの音楽ファンに影響を与え続けるアンダーグランドのカリスマ・バンドであったThe Velvet Underground

その中心人物であったLou Reedであったが、Velvet Undergroundの4thアルバムにしてラスト・アルバムとなった『Loaded』(1970年)の発表を前にグループを脱退してしまった。

その後、音楽活動から離れ、詩人として朗読活動などを行っていたが、周囲からの説得に促され、1972年にソロ第1作『Lou Reed』を発表する。

それに続く2ndアルバムとして発表されたのが、Lou Reedのソロ・アーティストとしての地位を確立した『Transformer』(1972年)である。

プロデュースはDavid BowieMick Ronson。元々Velvet Undergroundの熱烈なファンであったというBowieとの出会いは、Lou Reedに幸運をもたらしたようだ。当時、Bowieは不滅の名盤『Ziggy Stardust』を発表した直後でノリにノッていた時期だったしね。

Lou Reed本来のストリート・ロッカーとしての資質と、Bowieのグラム・ロック的な要素が見事に融合して、実に退廃的で耽美な傑作として結実したのが本作であると思う。

このあたりはジャケにもよく反映されていると思う。Louの無愛想なボーカルと、そのシンプルすぎるサウンドは、色で言えば実にモノトーンの世界である。そこにBowieというグラム界のスターが妖しく艶やかなイエローを加えることで、時代の空気を反映した退廃的な世界観の創出に見事に成功しているってカンジでしょうか?

表ジャケ以上に裏ジャケがインパクトがあるよね。女装した下着姿の男と、それを見て興奮するマッチョ男...実に倒錯した世界だ。これは、自身がゲイで、ドラッグ常習者で、SM体験者であることをカミング・アウトした歌詞の内容を実によく反映したものだと思いマス。

僕はゲイでも、ドラッグ常習者でも、SM体験者でもないが、世の中の様々なタブー・ストーリーを淡々と歌うLou Reedの音楽に何故か癒される。

個人的には、今の時代にシンクロしている作品だと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Vicious」
背徳のロックン・ロール・ナンバー。まさにLou Reedにピッタリなオープニング・ナンバーだと思いマス。

「Andy's Chest」
「アンディ(・ウォーホール)の胸」なんて考えただけでキモイよね(笑)

「Perfect Day」
ドラッグをキメたPerfect Dayについて歌った名曲。あまりに美しいサウンドが、逆に虚しく響いてきマス。Duran Duranがカヴァーしたり、映画『Trainspotting』(1996年)のサントラにも収録されていたので、ご存知の方も多い曲なのでは?

「Walk on the Wild Side」
Lou Reedの代表曲であり、本作のハイライト。全米チャート、全英チャートで共にヒットしました。Herbie Flowersの印象的なベースに乗って、淡々と歌われるLou Reedのボーカルを最初に聴いた時には、静かなるインパクトがあったよね。

僕の大好きなA Tribe Called Questが「Can't I Kick It」で、他にもMC.Jr.Cas「Wild Side」などでサンプリングしているけど、改めて聴くと、演奏もボーカルもHip-Hopの登場を予感させる曲ですな。

「Satellite of Love」
この曲もLou Reedを代表する美しいナンバーですね。ドラマチックで少しスペイシーな雰囲気はBowieらしいかもね。映画『Velvet Goldmine』のサントラにも収録されていマス。

「Wagon Wheel」
当時全盛期だったT.Rexの「Telegram Sam」あたりを彷彿させるエレクトリック・ブギな1曲。

「I'm So Free」
モータウン+グラム・ロックといったテイストのナンバー。Martha Reeves & The Vandellas「(Love Is Like A) Heat Wave」あたりと一緒に聴くと面白いかも?

本作以外であれば、『Berlin』(1973年)、『The Blue Mask』(1982年)、『New York』(1989年)あたりが僕のオススメっす。

このジャケをずっと眺めていたら、Louの姿がウエンツ瑛士に見えてきた。なんか似てない???
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