2006年11月20日

Tom Petty & The Heartbreakers『Hard Promises』

アメリカン・リリシズムを堪能できる1枚☆Tom Petty & The Heartbreakers『Hard Promises』
Hard Promises
発表年:1981年
ez的ジャンル:リリズム系アメリカン・ロック
気分は... :時の流れの中で...

本ブログでは、できる限り年代、ジャンルを幅広くカバーして作品を紹介できるように心掛けている。

その中で、実は一番セレクトに悩むのが80年代アメリカン・ロックだ。
僕自身、中学・高校と毎週全米Top40を熱心に聴き、80年代アメリカン・ロックをリアルタイムで体感し、それなりにレコードも持っているはずなのにねぇ...

僕が悩む理由は、本ブログで旧譜作品をセレクトする際に、“鮮度”という基準を大切にしているためだ。僕が言う“鮮度”とは、その作品を全く知らない今の10代、20代あたりの方が、その作品を聴いて、気に入る可能性があるか否かという基準なんだけど...

そうした基準で考えた場合、一番ビミョーに思えるのが、ヒット曲を中心とした80年代アメリカン・ロックのような気がするんだよね。個人的には、そのあたりの音楽が現時点の音楽シーンとの接点が一番希薄に感じられる。不思議なことに、70年代アメリカン・ロックには全然そんな気がしないんだけどねぇ。

特に80年代半ば以降の作品は、僕自身がロックからR&Bへ大きく軸をシフトさせていった時期とも重なり、余計にそんな思いが強いかなぁ。

あくまで主観として、現在の音楽シーンとのギャップが大きいと思えるというだけで、客観的に80年代アメリカン・ロックのクオリティが低いという意味ではありませんので、アメリカン・ロック・ファンの方は悪しからず。

さて、そんな中で今聴いてもフレッシュな印象を受ける80年代アメリカン・ロックTom Petty & The Heartbreakers『Hard Promises』(1981年)っす。

Tom Petty『Long After Dark』(1982年)に続く2回目の登場になりマス。

以前にも紹介したように、Tom PettyJackson BrowneBruce Springsteenと並ぶ僕のお気に入りアメリカン・ロック・アーティストだった。

Tom Petty & The Heartbreakersの作品の中では、出世作となった3rdアルバム『Damn The Torpedoes』(1979年)、本作4thアルバムとなる本作『Hard Promises』(1981年)、そして以前に紹介した5th『Long After Dark』(1982年)の3枚が、今でもよく聴く愛聴盤っす!

本作『Hard Promises』は、前作ほどハードにロックン・ロールしているわけではないが、その分メロディアスで憂いのあるナンバーもあって、アメリカン・リリシズム溢れる1枚になっていると思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Waiting」
アルバムからの1stシングル。メロディアスな雰囲気がたまらないミディアム・ナンバー。先に本作をアメリカン・リリシズム溢れる1枚と述べたが、まさにそんな空気を満喫できる1曲。昔レコードを聴きながら、♪イェイ、イェー♪イェイ、イェー♪と一緒に口ずさんだことを思い出す。

「Woman in Love (It's Not Me) 」
アルバムからの2ndシングル。クセのあるTom Pettyのボーカルには、こういった哀愁感漂うナンバーがよく似合う。Heartbreakersの演奏もイイ感じ。

「Nightwatchman」
骨太のミデゥアム・ロック。Bob Dylan風のTom Pettyのボーカルが印象的だね。前にも書いたが、僕は昔Bob Dylanのボーカルが苦手だったが、Tom Pettyを聴いているうちに、このボーカル・スタイルが好きになり、Bob Dylanも違和感聴けるようになった。

「Something Big」
ダークなムードがイイ感じのミディアム・ロック。Tom Pettyの場合、やっぱり陰のあるナンバーが魅力だよね。

「Kings Road」
「Thing About You」
疾走感溢れる抜けのいいロックン・ロール・ナンバー2曲。やっぱりこういったストレートなロックン・ロールを何曲か聴かないと、Tom Pettyを聴いた気分にならないよね。

「Letting You Go」
個人的にはアルバムで一番お気に入りのミディアム・ロック。この曲もレコードに合わせて、♪Whoa oh, whoa oh oh♪I'm having trouble♪Letting you go〜♪という部分をよく歌っていた記憶がある。

「Insider」
Fleetwood MacのStevie Nicksとのデュエット・ナンバー。この年に発表されたStevie Nicksの1stソロ『Bella Donna』からのシングル「Stop Dragging My Heart Around」でもデュエットしていましたね。個人的には、「Stop Dragging My Heart Around」よりもコチラの方がデュエットとしてハマっていると思う。実に味わい深いロック・バラード。

「You Can Still Change Your Mind」
アルバムのラストを飾るスケール感の大きなバラード。この曲はBrian Wilsonから影響を受けて作った曲らしい。そう言われれば、Beach Boys的なテイストを感じるよねぇ。この曲にもStevie Nicksが参加。

この間、自宅のレコード棚を眺めながら、自分がリアルタイムで聴いていた80年代の音楽と、今聴きたい80年代音楽とのギャップを思い切り感じてしまった。自分の音楽嗜好の変化を再認識しながら、時の流れをしみじみかみしめてしまったねぇ...
posted by ez at 00:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする