発表年:1999年
ez的ジャンル:セクシー系ネオ・ソウル
気分は... :男の色気って何よ!
“ねぇ、なんかオススメのアルバムない?”
“Rahsaan Patterson☆絶対いいから聴いて!”
こんな言葉で、今から5、6年前に何人もの人に強引にRahsaan Pattersonを聴かせていた時期がある。
当時の僕のイチオシがこのRahsaan Pattersonだった。
Rahsaan Pattersonは1973年NY生まれのR&Bシンガー/ソングライター。ちなみに彼の名前“Rahsaan”は超個性派ジャズ・サックス奏者Rahsaan Roland Kirkからとったものなのだとか。
母親は元女優、父親は音楽業界関係者という環境の中で、Rahsaan少年は子役としてディズニーのテレビ番組に4年間出演していた時期もあった。そんな彼の名が音楽シーンで注目されたのは、Brandyのデビューアルバム『Brandy』(1994年)からシングル・カットされ、R&BチャートNo.1に輝いた「Baby」の楽曲提供だろう(Kieth Crouch/Kipper Jonesとの共作)。
少し脱線すると、「Baby」を共作しているKipper Jonesも昔かなりハマったアーティストだ。彼がリードボーカルを努めていたグループTeaseの『Remember』(1988年)、Kipperのソロ『Ordinary Story』(1990年)は今でもよく聴く。
さて、Rahsaanに話を戻すと、1997年にデビューアルバム『Rahsaan Patterson』を発表し、その後1999年に2ndとなる本作『Love In Stereo』、2004年に3rdアルバム『After Hours』を発表している。
デビューアルバム『Rahsaan Patterson』を聴いた途端、D'Angelo、Eric Benet、Maxwellらと並ぶ才能を持った男性R&Bアーティストが登場したと思ったね。実際、デビュー当時は期待の新星として、かなり注目されていた気がする。しかし、その後1作ごとに地味になり、『After Hours』に至っては、イギリスのインディー・レーベルからの発売である。
商業的には必ずしも成功しているとは言い難いRahsaanであるが、作品自体は3作共に素晴らしい。基本的には3枚全てオススメですが、個人的なイチオシは今回紹介する2nd『Love In Stereo』(1999年)だ。
本作には今をときめく若き日のVan Huntがプロデューサー&ソングライターとして参加している(Van Huntは3rd『After Hours』にも参加)。以前、Eric Benetのエントリーの時にVan Huntとの類似性を指摘したが、サウンドの違いはあるにせよD'Angelo、Eric Benet、Maxwell、Van Huntは同じような雰囲気を持っていると思う。
全体的には、個性的なRahsaanのセクシー・ハイトーン・ボーカルとファンキーかつメロウな打ち込みサウンドのバランスがサイコーだね。個人的には、Rahsaanが男の色気をプンプン漂わせている点が本作の最大の魅力だと思いマス。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Treat You Like a Queen」
ファンキーなんだけど、アダルトな雰囲気がたまらん1曲。Rahsaanのハイトーン・ボーカルってセクシーかつ軽く変態チックなのがいいよね。
「Sure Boy」
出だしはSly Stoneっぽいけど、徐々にRahsaanらしい展開になっていきマス。ステキなメロディと危険な香りの同居具合いがいいよね。
「It's Alright Now」
これは典型的なニュークラシック・ソウルのバラード。この手のバラードって下手をすると単に甘いだけで飽きやすいんだけど、Rahsaanの個性的なボーカルが飽きの来ない作品にしていますね。
「Friend of Mine」
Van Huntプロデュース曲。美メロとファンキー・サウンドが見事に融合したVan Huntの才能を垣間見れる1曲。この頃からやはり只者ではなかったね!でも、当時はVan Huntなんて知らなかったから、Van Huntデビュー後にこの事実を知り、感動しまシタ。
「The Day」
完成度ではこの曲が一番かもね。ファンキーなグルーヴ感とコーラスの絡みがサイコーの1曲。Rahsaanならではのカッチョ良さを堪能できるね。
「It Ain't Love」
この曲も素晴らしいね。70年代ニューソウルと80年代のPrince殿下の変態ファンクと90年代のD'Angeloのクールネスを化学反応させたみたい!ってわかってもらえるかな。とにかく聴き応え十分の1曲。
「Humor」
「The Moment」
Van Huntプロデュース曲。「Humor」は(Sly Stone+Stevie Wonder)÷2といったカンジのジャズ・ファンク調のナンバー。「The Moment」は、Van Huntらしい1曲。ここでは打ち込みサウンドだけど、アコースティックな仕上がりで聴くと、もっとVan Huntらしさが実感できるのでは?
「So Right」
ジャズ・テイストのサウンド・プロダクションが素晴らしい1曲。
「Any Other Love」
実はアルバムで一番お気に入りの曲。ファンキーとメロウとアブノーマルがセクシーというフィルターでまとめられているカンジがたまりません。
「Get Here」
ハウス系プロデューサーとして有名なSteve "Silk" Hurleyがプロデュース。かなりクラブ・テイストなクール・サウンドになっています。エモーショナルな曲もいいけど、こういったクールなグルーヴにもRahsaanのボーカルってよくマッチするよね。
なお、国内盤にはBlow Monkeysの名曲「Diggin Your Scene」のカヴァーも収録されてマス。Blow MonkeysをカヴァーするR&BアーティストってあたりがRahsaanらしいよね。
実は今日は超ゴキゲン☆人間やっぱりポジティブが楽しいよね!