2006年12月26日

Ronnie Wood『Now Look』

このアルバムを聴けば、RonnieがRolling Stonesにもたらしたものがわかるのでは?☆Ronnie Wood『Now Look』
Now Look
発表年:1975年
ez的ジャンル:(Faces+Stones)×ニューソウル
気分は... :さらば、そしてありがとうJB(‐‐)†

本エントリー直前に“ゴッドファーザー・オブ・ソウル”James Brown(JB)死去のニュースを知った。本ブログでも長年紹介するのを忘れていて、今月初めにやっとエントリーしたばかりだった。虫の知らせだったのかもしれないね。
享年73歳。謹んでご冥福をお祈り致します。

さて、今日はRolling StonesのギタリストRon Woodのソロ・アルバム『Now Look』っす。

我が家のCDコレクションには、Rolling Stonesの大半のオリジナル・アルバムは揃っている。しかし、メンバーのソロ・アルバムは無いに等しい。

Mick Jaggerのソロは正直欲しいと思わない。Keith Richardsのソロは買いそびれたまま。Bill WymanCharlie Wattsのアルバムに手を伸ばすほどのStonesマニアでもない。

そんな中、唯一メンバーのソロ・アルバムとして持っているのがRon Woodの2ndソロ・アルバム『Now Look』(1975年)だ。まぁ、本作はRonnieがStonesに加入する直前の作品なんだけどね。

以前にStones作品のエントリーでも書いたが、客観的にStonesを代表するアルバムは、『Beggars Banquet』(1968年)、『Let It Bleed』(1969年)、『Sticky Fingers』(1971年)、『Exile on Main St.』(1972年)の4枚が彼らのキャリアのハイライトだと思う。個人的にもこれらのアルバムは今でも頻繁に聴く。

しかし、現在のブラック・ミュージック寄りの僕の音楽嗜好に最も合致するアルバムは、本ブログで一番最初に紹介したStones作品である『Black And Blue』(1976年)のような気がする。

『Black And Blue』は、ブラック・フィーリングという点ではそれまでのStones作品と共通しているが、サウンドから土臭さが薄まり、よりスタイリッシュな方向へ進んだ点で従来の作品と大きく異なっていると思う。

この方向転換に大きな役割を果たしたのがRonnieことRon Woodの存在のような気がする。

Ron Woodは、ロック・ファンの方はご存知の通り、60年代後半Jeff Beck Groupでベーシストとして活動し、その後Jeff Beck Groupの同僚だったRod Stewartと共にFacesへギタリストとして加入し、そのFaces解散と共にStonesに加入した。

本作『Now Look』は、そのFaces解散〜Stones加入というビミョーな時期の直前にレコーディングされたRonnie2枚目のソロ・アルバムである。

プロデュースは、Ronnie自身とFacesの盟友Ian McLagan、そしてR&B/Soulファンにはお馴染み“The Last Soul Man”Bobby Womackが担当している。

メンバーは、Ian McLaganKenny JonesというFaces勢に、Keith Richardsに脱退したばかりのMick TaylorというStones人脈、さらには1stソロ『I've Got My Own Album to Do』(1974年)にも参加していたAndy NewmarkWillie Weeksという職人系リズム・セクション、そしてBobby Womack等々なかなかの豪華メンバーだ。

この『Now Look』で聴けるサウンドは、スタイリッシュにまとめられたブラック・フィーリングに溢れたロックだ。このサウンドの延長線上にStonesの『Black And Blue』(1976年)があると思う。実際、Ronnieが『Black And Blue』の収録に関わったのは3曲程度だが、それ以外の間接的な部分でも大きく影響を与えているように思いマス。

全曲紹介しときやす。

「I Got Lost When I Found You」
RonnieとBobby Womackの共作曲。ニューソウル・テイストのロック・ナンバーに仕上がっています。エレピの浮遊感とソリッドなリズムがいいカンジっす。

「Big Bayou」
「Breathe on Me」
アーシー&ダウン・トゥ・アースな2曲。「Big Bayou」はSwampwaterのカヴァー。Rod Stewartも本作の翌年(1976年)に発表したアルバム『A Night on the Town』でこの曲をカヴァーしていますね。「Breathe on Me」はRonnieのオリジナル。Keith Richardsが例のコーラスで盛り上げてくれマス。

「If You Don't Want My Love (Give It Back) 」
個人的には、一番のお気に入りの曲(Bobby Womackの作品)。このスタイリッシュかつクールなグルーヴ感こそが本作の真髄だと思いマス。まさにStones『Black And Blue』へ直結する1曲なのでは?

「I Can Say She's Allright」
この曲もBobby Womack作品。ソリッドなロックとソウルが絶妙にバランスした1曲だと思いマス。ソウル・アーティストとの共演で思い切りブルーアイド・ソウルするのではなく、しっかりロックしていることころがRonnieらしいのかもね。このソウルフルなギタープレイはカッチョ良いねぇ。

「Caribbean Boogie」
開放的なカリビアンなナンバー。この開放感は『Black And Blue』収録のStones初のレゲエ・ナンバー「Cherry Oh Baby」に影響を与えているのでは?

「Now Look」
ルーズな雰囲気が魅力の1曲。ギタープレイをたっぷり堪能できマス。

「Sweet Baby Mine」
この曲も僕のお気に入りの1曲。余裕たっぷりのスタイリッシュかつソウルフルなミディアム・チューンは『Black And Blue』に収録されていても全然違和感がないよね。

「I Can't Stand the Rain」
Ann Peeblesのヒットで有名なMemphis soulの名曲のカヴァー。ブルージーでアーシーなサウンドなんだけど、Stonesよりもスマートなカンジがこのアルバムらしいかも?

「It's Unholy」
ブルースでスワンプでニューソウルという独特のムードを持ったナンバー。RonnieとMick TaylorというStonesの新旧ギタリストの絡みが実に興味深いよね。

「I Got a Feeling」
ラストはBobby Womack、Ian McLaganらの共作によるラスト・ソウル・マンなナンバー。Bobbyの女性コーラス隊The Womack Sistersもディープな雰囲気たっぷりでいいカンジっす。

本作『Now Look』Stones『Black And Blue』をセット聴くとかなり楽しめると思いますよ。

2枚共にStonesファン以外の方、特にR&B/Soulファンの方にもオススメの作品っす。
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2006年12月25日

Jewel『Cut 'N' Polished』

僕の今年のクリスマス・プレゼント☆Jewel『Cut 'N' Polished』
CUT 'N' POLISHED
発表年:1982年
ez的ジャンル:マイナー系ブラコン
気分は... :メリー・クリスマス☆

僕は毎年自分自身へのクリスマス・プレゼントとしてCDを数枚購入する。
新譜ではなく、買いそびれていた旧譜を購入するのがお決まりのパターンっす。まぁ、JazzやR&B/Soul系の作品が多いんだけどね。

で、今年自分へのご褒美として購入したのは、John Valenti『Anything You Want』Heaven Sent『Greatest Love Story』Jewel『Cut 'N' Polished』という3枚。

いずれもその方面が好きな方にはマストな作品かもしれませんね。John ValentiはAOR/ブルーアイド・ソウルの超レア名盤、Heaven Sentはレア・グルーヴ謎の名盤、Jewelはブラコン好きにはたまらないB級名盤ってカンジかなぁ。

その中から今回はJewel『Cut 'N' Polished』(1982年)をセレクト。
このグループ名、作品名でピンと来る方は、R&B/Soul通の方でしょうね。

本作がR&B/Soul通の間で評判になった最も大きな要因は、R&B/Soulファンの間で根強い支持を集めるディスク・ガイド『U.S.Black Disk Guide』(鈴木啓志著)で紹介されていたためだと思いマス。

正直、情報が決定的に少ないのでグループの詳細については僕も殆ど知らないのですが、Jewelはマイナーソウル系の7人組ボーカルル&インスト・グループで本作が唯一のアルバムのようっす。まぁ、昔で言うブラコン系のアルバムっす。

まずはグループ名に因んで、全面に宝石を持ってきた、安易かつチープかつベタなジャケがたまりませんね!80年代ブラコン・アルバムってジャケがダサいほど、音が期待できるなんて勝手に思っているので(笑)

レコーディング場所もイリノイ州のローカル・スタジオみたいでマイナー感の匂いがプンプンするのも何とも僕好みですな!

肝心の音の方はと言えば、アーバン・メロウな気持ち良さを徹底追求したEarth,Wind & Fireフォロワーってカンジでしょうか。EW&Fの影響大って感じ丸出しなんだけど、そんな事どうでもいいと思うほど、とにかく心地良いのがグッド!ボーカル・グループとして、リードボーカルやコーラスワークがしっかりしているところがミソかもね。

80年代ブラコンらしいファンク・ナンバーもいいけど、個人的にはメロウ&スウィート系の曲にかなりヤラれまシタ。

やっぱりブラコンはいいねぇ!

全曲紹介しときやす。

「Gotta Make It Better」
80年代ブラコンらしいファンク・ナンバー。お行儀のいいP-Funkってカンジのノリかな。

「We Cannot Say Good-Bye」
EW&F「After The Love Is Gone」を彷彿させるメロウ・スロー。ここまで徹底してればEW&Fファンも納得するのでは(笑)

「Song Of Life」
アーバン・ナイトなこみ上げ系メロウ・グルーヴ。「After The Love Is Gone」に続き、この曲の途中は完璧EW&F「Fantasy」パターンっす。

「Rhythms Of Home (Majai)」
シリアス・ムード漂うアレンジが印象的なミディアム・チューン。この曲もコーラスはEW&F風。

「You're So Jealous」
個人的には一番お気に入りのメロウ・グルーヴ。メロウ好きのハートを鷲掴みにする曲だよね。胸キュン度高いっす。

「Something You Should Know」
スウィート・ソウル・ファンは歓喜する絶品スロー。EW&Fの影響丸出しだけど、ボーカル・グループとしての魅力が堪能できる1曲っす。

「Soon You'll See The Way」
ソウル・テイストが満喫できる1曲。気の利いたコーラスワークが絶品っす。さりげにお気に入りの1曲。

「Jewel's Groove」
この曲はCon Funk Shun風やね。80年代ブラコンにしかないアーバンなグルーヴ感がサイコー☆

ホント、ブラコン大好きの僕には嬉しいクリスマス・プレゼントとなりまシタ\(^-^)/ワ〜イ

今回購入した残りの2枚John Valenti『Anything You Want』Heaven Sent『Greatest Love Story』も近々紹介したいと思いマス。
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2006年12月24日

Miles Davis『'Round About Midnight』

こんな作品で淡々とイヴを過すのもいいのでは?☆Miles Davis『'Round About Midnight』
'Round About Midnight
録音年:1955年、1956年
ez的ジャンル:Milesのハードバップ絶頂期
気分は... :クリスマス・イヴですね!

いよいよクリスマス・イヴですね。

僕の場合、先日のSounds of Blacknessのエントリーでも書いた通り、感謝したり、祈ったり、願ったりする日がクリスマスだと思っているので、特別浮かれ気分でもないんですけどね。

なので、気分的には淡々とした音楽が聴きたい感じかな。
ということでMiles Davis『'Round About Midnight』をセレクト☆

本ブログ最多登場の帝王Milesは、『On The Corner』(1972年)、『Milestones』(1958年)、『Miles Ahead』(1957年)、『In A Silent Way』(1969年)に続き5回目の登場となりマス。

本作『'Round About Midnight』は、Milesが独立レーベルのPrestigeから大手のColumbiaへの移籍第1弾アルバムとなった作品っす。録音は1955年、1956年、発売は1957年となってマス。これはPrestigeとの契約が残っていたため、こっそり録音だけしておき、Prestigeとの契約が切れるのを待って、即発売という感じだったみたいですね。録音時期は有名なマラソン・セッションの時期とも重なっており、Prestigeに残されたこれらの作品と聴き比べるのも面白いかもしれませんね。

本作は、Miles Davis(tp)、John Coltrane(ts)、Red Garland(p)、Paul Chambers(b)、Philly Joe Jones(ds)というオリジナル・クインテットの最初の録音としても有名ですね。

Milesの長いキャリアの中でハードバップ期の代表作である本作は、僕のMilesコレクションの中でもわりと最初の頃に購入した記憶がある。ジャケのクールなMilesの姿とそのタイトルにつられて購入したカンジだったかなぁ。何せ僕がJazzに興味を持つきっかけとなったのが大学生の時に観たDexter Gordon主演の映画『Round Midnight』(1986年)だったもので。

この作品と言えば、やっぱりMilesのミュート・トランペットの印象が強いよね。永遠のジャズ初心者の僕にミュート・トランペットの美学を教えてくれたのがこの作品のように思いマス。この作品を聴くまではミュートって何かふん詰まりな音だなぁなんて思っていた大バカ者でしたので(笑)

ジャズ初心者の方も、聴きやすく、ハードバップ・ジャズの魅力をわかりやすく伝えてくれる作品だと思いマス。
だからこそ永遠のジャズ初心者の僕が気に入るのかもね?

全曲紹介しときやす。

「'Round Midnight」
本作と言えば、このタイトル曲ですね。Thelonious Monkによる永遠の名曲。以前に紹介したMonk自身のバーションも聴いて欲しいですが、この曲を名曲に押し上げたのはMilesの演奏があったからかもしれませんね。

とにかくMilesのミュートのクールなカッチョ良さといったらたまりませんな。この演奏を聴くと、北方謙三あたりのハードボイルドの世界をすぐに思い浮かべてしまいマス。アレンジもグッドなのですが、これは元々Gil Evansがオーケストラ用に書いたものをMilesが拝借したらしいっす。

Monkのエントリーの時にも書きましたが、当初は「'Round About Midnight」のタイトルでしたが、 Barnie Hanighen が歌詞をつけた時に,どうしてもabout が入らなくて,削ってしまい、「'Round Midnight」となりまシタ。

「Ah-Leu-Cha」
Charlie Parkerの作品。この演奏こそがオリジナル・クインテットの最初の録音曲みたいっす。多少そのあたりのギクシャク感があるのかもしれませんが。MilesとGarlandのソロが好きデス。

「All of You」
Cole Porterの名曲ですね。ここでのクインテットは実に品格のあるエレガントな演奏を聴かせてくれるのがウレシイですね。Milesは『My Funny Valentine』(1964年)でも本曲を取り上げています。個人的にはBill Evans Trioによる演奏(アルバム『Sunday At The Village Vanguard』収録)も愛聴していマス。

「Bye Bye Blackbird」
作詞Mort Dixson、作曲Ray Hendersonによるスタンダード。この曲もMilesの本バージョンによってスタンダードになったと言えるかもしれませんね。Milesの余裕たっぷりの気取ったミュート、Coltraneの気まじめなテナー、Garlandのムード満点のピアノといろいろ楽しめるカンジが好きですね。特にGarlandがこの曲がお気に入りなのか、自身のリーダー作でも何度か本曲を取り上げていマス。

「Tadd's Delight」
かつてMilesとも活動したピアニストTadd Dameronの作品。全体としてこざっぱりとしたカンジが好きですね。特に最初のMilesとColtraneのユニゾンがいいカンジ。

「Dear Old Stockholm」
Stan Getzの演奏で有名なスウェーデン民謡ですね(原曲は「Ack Varmeland Du Skona」、「Warmland」で表記されることも)。Milesは本バージョン以前にもBlue NoteでJ.J.Johnson、Jackie McLeanらと本曲を録音していマス。この曲のメランコリックなムードをMilesは気に入ったのでしょうか?

僕が持っているCDにはオリジナルの6曲しか収録されていませんが、最近のCDはボーナス・トラック4曲が追加されていマス。
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2006年12月23日

Heavy D. & The Boyz『Peaceful Journey』

懐かしの「ダンス甲子園」のアノ曲も入ってます☆Heavy D. & The Boyz『Peaceful Journey』
Peaceful Journey
発表年:1991年
ez的ジャンル:へヴィー級(?)Hip-Hop
気分は... :懐かしさだけじゃないよ!

今回は懐かし感一杯のHip-HopアルバムHeavy D. & The Boyz『Peaceful Journey』(1991年)っす。

ホントこのアルバムは懐かしいね。
当時はガンガン聴いていたけど、正直ここ5〜6年一度も聴いたことがなかった。
何となく、今聴いてもチープなカンジかなぁ?なんて勝手に思い込んでいたんだよね。

数週間前に自宅のCD棚のHip-Hopコーナーを整理していたら、久々にこのジャケを見つけた。特別聴きたいと思ったわけでもなかったが、こんな時でなければ長い間聴きそうにないと思い、聴いてみたら予想以上にキテしまった。このアルバムのキャッチーさに15年前に簡単にタイムスリップしてしまいまシタ。

Heavy D. & The Boyzは、巨漢MCのHeavy D. を中心に、DJのEddie F.、ダンサーのG-Wiz、Trouble T-Royの4人組ユニットとして結成された。

1987年に1stアルバム『Living Large』 、1989年に2ndアルバム『Big Tyme』を発表し、順調に活動を続けていたが、1990年のツアー中にT-Royが事故死した。この苦難を乗り越えて、残った3人で発表した3rdアルバムが本作『Peaceful Journey』(1991年)っす。

ジャケ写真のメンバー3人が祈る姿は当然ながら亡きT-Royへの哀悼っす。

このように書くと、シリアスで神妙なアルバムのような印象を受けるかもしれませんね。でも、本作の印象はとにかくキャッチー!の一言に尽きるね。この聴きやすさは、それまでHip-Hopを敬遠していた人やHip-Hopと縁遠かった人にも受け入れられたと思いマス。案外、本作あたりがきっかけでHip-Hopも聴くようになったR&Bリスナーの方とか多いんじゃないかなぁ?結果として、本作はグループ最大のヒット作となりまシタ。

僕がこの作品を購入した最も大きな決め手は単純にTeddy Riley絡みの作品だったからっす(安易だねぇ!)。Aaron HallやJohnny Gillの参加なんていうのも魅力だったかも?

それらの以外にも本作にはMarley Marl、Pete RockC.L.Smooth、Big Daddy Kane、Kool G.Rap、Grand Puba、Q-TipといったHip-Hop勢や当時まだJodeciのメンバーだったK-Ci & JoJoといった豪華メンバーが参加していマス。当時の僕は知識不足でこのメンバーの豪華さがよく認識できていなかったけどね(笑)

全体の印象としてはTeddy Rileyプロデュースの「Now That We Found Love」「Is It Good to You」という2曲のインパクトが強烈すぎるね。この2曲はHip-HopというよりもフツーにNew Jack Swing(NJS)の曲だもんね。

当時はそれほど有名ではなかったPete Rockも頑張っていマス。ちなみにPete RockはHeavy D.の血縁であり、ある意味Heavy D.にチャンスをもらったおかげで今日の地位を築いたと言えるのでは?

懐かしいだけでは終わらないクラシックアルバムだと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Now That We Found Love」
Teddy RileyプロデュースのNJS☆と言うよりも“『たけしの元気が出るTV』の「ダンス甲子園」のアノ曲”と説明した方がみんなピンとくるかもね!Teddy Riley好きにはこのハネハネ具合がたまりませんんね。さらにGuyからTeddyのみならずAaron Hallもボーカルで参加していマス。

ちなみ本曲はオリジナルではなく、O'jaysのカヴァーっす。この曲についてはThird World、 Sean Paulもカヴァーしていますよね。

「Is It Good to You」
Teddy Rileyプロデュースのもう1曲。Junior「Mama Used To Say」をサンプリングし、女性ボーカル(Tammy Lucas)をフィーチャーしたメロディアスなNJSに仕上がっていマス。

本曲はこの後、本バージョンと同じくTammy LucasをフィーチャーするかたちでTeddy Riley自身がリメイクし、2Pacが出演していた映画『Juice』のサントラに収録されていマス。その他Elisha La'Verneもカヴァーしていますね。

Teddy Rileyファンの中にはこのTeddy自身のバージョンをTeddy作品のフェイバリットに挙げる人も結構いるんじゃないかなぁ?

「Don't Curse」
Teddy Rileyプロデュースの2曲以外でハイライトと言えるのはこの曲なのでは?Pete Rockプロデュースのポッセカット。Booker T. & The MG's「Hip-Hug-Her」ネタのトラックに乗せて、Heavy D.、Kool G.Rap、Grand Puba、C.L.Smooth、Big Daddy Kane、Pete RockQ-Tipと豪華なメンバーが次々とラップをかましてくれマス。

「Peaceful Journey」
亡きT-Royへ捧げたタイトル曲。当時JodeciのメンバーだったK-Ci & JoJoが参加し、まさにピースフルなカンジのボーカルを聴かせてくれマス。Jacksons「This Place Hotel」(リリース当時のタイトル「Heartbreak Hotel」)ネタ。

「Let It Rain」
Pete Rockプロデュース曲。Persuaders「You Musta Put Something in Your Love」ネタのトラックがサイコーですな。早くもPete Rockが才能の片鱗を見せてくれていマス。

「The Lover's Got What U Need」
Marley Marlプロデュース曲。今回聴き直してみて、密かに一番気に入っているのがこの曲。Diana Ross「Love Hangover」をネタにMarley Marlがいい仕事ぶり。

「Letter to the Future」
Pete Rockがプロデュースし、Johnny Gillがボーカルで参加していマス。楽しく、キュートなトラックがいいカンジですな。

「Swinging With da Hevster」
Marley Marlプロデュースのオールドスクール・テイストがとってもカッチョ良い1曲。Donald Byrd and The Blackbyrds「Rock Creek Park」ネタ。

「Body and Mind」
ラガマフィンな仕上がりの1曲。アルバムの中でいいアクセントになっているのでは?

体調の方はやや持ち直してきたけど、まだ本調子にはほど遠い。イヴまでには復調したいものですな。
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2006年12月22日

Toto『Toto』

僕が洋楽を聴き始めた頃、周囲で一番人気があったグループ☆Toto『Toto』
宇宙の騎士
発表年:1978年
ez的ジャンル:腕利きスタジオ・ミュージシャン系ロック
気分は... :ウ〜ン困った(・へ・;)

今、ここ数日で結論を出さねばならないことで困っていマス。
まぁ、プライベートなことなので、自分の気持ちがYes or Noで判断すればいいことなんだけど...

こんな時はスカッとするアメリカン・ロックでも聴いてみよう!
そう言えば、このブログの記事投稿を振り返ってみると、僕が洋楽を聴き始めた頃の王道のアメリカン・ロックが少ないかもね。

僕が洋楽を聴き始めた頃のアメリカン・ロックの大物グループと言えば、EaglesDoobie Brothersあたりが両巨頭だったかなぁ。Doobiesは本ブログでも紹介したけど、Eaglesは未紹介でしたね。ちなみにEaglesはオリジナル・アルバムは殆ど持っているし、別に紹介しない大義もないので、そのうち紹介しますね。でも、冬に紹介するグループじゃないよね(笑)

それ以外だとBostonも良く聴いたなぁ。特に『Don't Look Back』(1978年)ね!あとはReo Speedwagon『Hi Infidelity』(1981年)あたりもかなりお気に入りでシタ。

逆に売れていたけど、苦手だったのがJourneyStyxあたりのグループ。僕にはクドすぎたね。甘いだけで全然美味しくない大味なスイーツみたいなカンジだったかなぁ。この印象は今も変わらない。

なんてツラツラ書いてきましたが、僕が洋楽を聴き始めた頃、僕の周囲の洋楽好きの間でダントツの人気だったのがTotoでシタ。

Totoはご存知の通り、Boz Scaggsの『Silk Degrees』(1976年)のレコーディングに参加していたDavid Paich(key)、Jeff Porcaro(ds)、David Hungate(b)が意気投合し、そこにSteve Lukather(g)、Steve Porcaro(key)、Bobby Kimball(vo)が加わり結成されたグループ。

腕利きスタジオ・ミュージシャンが作った激シブのスーパーグループというのがデビュー当時のTotoの印象だったかなぁ。特にBoz Scaggs絡みということで大人向けのロック・グループというイメージが当時中学生の僕にはあったかなぁ。

そんな予備知識があったので、「Totoを聴いている=通好み」みたいな図式が僕ら洋楽好き中学生にはあったかもしれないね。

僕が好きなTotoの作品はデビューアルバム『Toto』(1978年)と2ndアルバム『Hydra』(1979年)の2枚。この2枚は今でもたまに聴く。

逆に見事にコケた3rdアルバム『Turn Back』(1981年)や最も商業的成功を収めた4thアルバム『Toto IV』(1982年)あたりは今は聴きたいとあまり思わないかも?『Toto IV』は前述のJourney、Styxあたりと同じで、少しクドいカンジで胃もたれ気味の印象を受けマス。

ということで今日はデビューアルバム『Toto』(1978年)を紹介します。

久々で通しで全曲聴いてみたけど、捨て曲ナシのよく出来た作品だと改めて感心してしまいまシタ。すっかりロック離れの進んだ僕のような人間でも、珍しく(?)胸ときめくアメリカン・ロックっす。

きっと、後期Doobie Brothersと同じで、正統派ウエストコースト・ロックとAORテイストが絶妙のバランスでブレンドされているあたりが僕のツボなのだと思いマス。Totoの方がもっとロックしているけどね。

全曲紹介しときやす。

「Child's Anthem」
オープニングはインスト。昔のプロレスラーの入場曲みたいだよね。

「I'll Supply the Love」
シングルカットされた歯切れのいいハードポップ。ダイナミックでノリのいい演奏に、Bobbyのハイトーン・ボーカル等々Totoらしさに溢れた1曲。

「Georgy Porgy」
ある意味最も有名なTotoの曲。シングルカットもされまシタ。ピアノのイントロが印象的なAORナンバーっす。Steve Lukatherのボーカルもいいカンジっす。ちなみにバック・ボーカルは「Got To Be Real」でお馴染みのCheryl Lynnです。

Eric Benet、Side Effectのカヴァーや、Joe「All Or Nothing (Poor Georgie Porgie Remix)」 、Booty Brown「Dorothy (Poor Dorothy Mix) 」 、MC Lyte「Poor Georgie」などのサンプリング・ネタなどでR&B/Hip-Hopファンにもお馴染みですよね。

「Manuela Run」
キャッチーなミッド・ロック・チューン。『Toto IV』収録の大ヒット曲「Africa」のプロトタイプみたいな曲だね。

「You Are the Flower」
Bobby Kimballの作品。全体的に少し妖しげなカンジがいいカンジの曲。

「Girl Goodbye」
ハードなドライブ感がたまらん1曲。本来ならば、今の僕はこのタイプの曲はイモ臭いカンジがして受け入れないんだけど、この曲は何故か平気みたいデス。

「Takin' It Back」
Steve PorcaroがボーカルをとるAORテイストのナンバー。同じSteveだからなのか、Steve Lukatherと声質が似ているよね。

「Rockmaker」
個人的には昔から軽快かつ爽快なロック・ナンバーが一番のお気に入り。昔からこの曲を聴くとウキウキ気分になる。David Paichのソングライティングの才能を垣間見れますな。

「Hold the Line」
全米Top5に入った大ヒット・シングル曲。僕とTotoの出会いはこの曲のPVだった。激シブの大人のミディアム・ロックというのが当時の印象だったね。

「Angela」
Steve Lukatherがボーカルのドラマチックなバラード。

本作ほどヒットしなかったけど、2nd『Hydra』(1979年)もオススメっす。
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