発表年:1981年
ez的ジャンル:エンタメ系P-Funk
気分は... :じゃあ、P-ファンク...って何よ!?
Zappのリーダー故Roger Troutman初のソロ・アルバム『The Many Facets of Roger』(1981年)っす。
昨日のJohn Lennonに続き、銃弾の前に悲運の最期を遂げたミュージシャンになってしまいまシタ(RogerはZappのメンバーだった実兄Larryに射殺された)。
以前にも書きましたが、Zapp及びRogerは僕が一番好きなFunkアーティストっす。
あのトーク・ボックスのミャア〜♪ミャア〜♪ボーカルを聴くたびに、脳ミソが溶けそうなエクスタシーを感じてしまいマス。
本作『The Many Facets of Roger』(1981年)は、僕が最初にRogerの名を認識した作品だった。同時に本作の邦題『P-ファンク...って何だ!?』で初めてP-Funkという言葉を知った。
そんなカンジでタイトルはかなりインパクトがあったが、当時の環境では肝心の音を聴く機会が殆どなく、そのまま音は聴けないままスルーしてしまった。僕が実際にZapp、Rogerのサウンドを聴くのは、名曲「Computer Love」を含む『The New Zapp IV U』(1985年)まで待たねばならなかった。
基本的にZapp/Roger絡みの作品は何でもオススメなのだが、Zapp/Roger初心者の方には、とりあえず本作『The Many Facets of Roger』(1981年)または以前に紹介したZappの2ndアルバム『Zapp II』(1982年)から入ることをオススメします。
多分、この2枚がZapp/Roger流ファンクの魅力を最もわかりやすく伝えてくれる2枚だと思いマス。
本作『The Many Facets of Roger』(1981年)は、前年発表したZappのデビューアルバム『Zapp』(1980年)の大ヒット(R&Bアルバムチャート第1位)およびシングルカットされた「More Bounce To The Ounce」(R&Bチャート第2位)の大ヒットの勢いに乗って発表されたRoger初のソロ・アルバムである。
『The Many Facets of Roger』を聴いて思うのは、Roger Troutmanという人のエンターティナーぶりの見事さだよね。まさにRoger流ファンクで絶対楽しませてやるという、大道芸人のようなサービス精神に溢れた1枚だと思いマス。
本作も『Zapp』に続き、R&Bアルバムチャートの第1位に輝く大ヒットなりました。まさにZapp/Roger旋風ってカンジだったんだろうね!
「I Heard It Through The Grapevine」、「So Ruff, So Tuff」、「Do It Roger」というサンプリング・ネタとしてもお馴染みの3曲が魅力の1枚デス。
全曲紹介しときヤス。
「I Heard It Through The Grapevine」
1967年のGladys Knight & the Pips、1968年のMarvin Gayeの大ヒット(共にR&BチャートNo.1、ポップチャートでも前者は第2位、後者は第1位)で知られる名曲のカヴァー(Norman Whitfieldの作品)。「悲しいうわさ」という邦題の方がピンと来るかもね!
このRogerバージョンもGladys、Marvin同様にR&BチャートNo.1になりまシタ(厳密にはシングルはPart Iという別バージョンですが。CDには両方収録)。ただし、本バージョンはカヴァーといっても、どこを切ってもRoger印のファンクに仕上がっていマス。
Black Sheep「Strobelite Honey (remix)」、DJ Quik「When You're A Gee」、Keith Murray「Bom Bom Zee」、2Pac「Holler If You Hear Me」、X-Clan「Funk Liberation」等のサンプリング・ネタにもなっていマス。
本曲は前述のGladys Knight & the Pips、Marvin Gaye以外にもTemptations、Average White Band、CCRなどの有名ミュージシャンがカヴァーしているので、いろいろ聴き比べるのも面白いかもしれませんね!
個人的には大好きだったUKの女性パンク/スカ・グループSlitsのダブ満載のカヴァーなんかもオススメっす。
「So Ruff, So Tuff」
トーク・ボックス、シャカシャカのカッティング・ギター、ハンドクラップというZapp/Rogerの三種の神器が揃ったZapp/Roger流ファンク全開のナンバー。Zapp「Dance Floor」あたりとセットで聴くとサイコーですな。
Beastie Boys「Hey Ladies」、Domino「Jam」、Ice Cube「How To Survive In South Central」、「My Summer Vacation」、「What Can I Do? (remix)」、そして何と言っても2pac(feat.Dr. Dre & Roger Troutman)「California Love」の元ネタとして有名ですね。
「A Chunk Of Sugar」
Roger流フュージョンといった趣きのインストナンバー。これもお得意のパターンですね。怒涛のファンク・チューンの合間に軽く一休みってカンジがいいですな。
「Do It Roger」
シングルにもなった人気曲(これもシングルは別バージョンですがCDには両方収録)。Rogerお得意のジャス・テイストなギター・プレイを堪能できるファンク・ナンバー。
2pac「Black Starry Night」、Ice Cube「Givin' Up the Nappy Dug Out」、Tam Tam「Do It Tam Tam」など元ネタ。
「Maxx Axe」
見落としがちだけど、なかなかオススメのファンク・ナンバー。80年代前半のエレクトリック・ファンクの魅力がよく出た1曲なのでは?
「Blue (A Tribute To The Blues)」
タイトルの通りブルース演ってマス。エレクトリック・ファンクと昔ながらのソウル、リズム&ブルースのマナーがうまく融合されているところもZapp/Rogerサウンドの魅力だと思いマス。
現在発売されているCDにはボーナス・トラックとして、「I Heard It Through The Grapevine」、「Do It Roger」のそれぞれシングル・バージョンと「Superman」の3曲が追加されていマス。
忘年会シーズンですが、なんかRogerってかなりのレパートリーの宴会芸とかやってくれそうなタイプだったに違いないと思うなぁ。