発表年:2006年
ez的ジャンル:ジャーマン系リアルソウル
気分は... :フム、フム、フム___φ(゚_゚)
今年の僕の音楽ライフを振り返ると、男性R&Bの新譜に心動くことが多かったね。
逆に、例年に比べて女性R&Bの新譜を聴く機会が少なかった。と言うより、女性R&Bの新譜でこれぞ!って作品があまり無かったというのが本音っす。
Beyonce、Monicaといった大物の新譜も出たけど、悪くはないが、僕の中では決定打というカンジまでには至っていないかなぁ。
去年は、Syleena Johnson『Chapter 3: The Flesh』をはじめ、数多くのお気に入り女性R&B作品があったんだけどねぇ。
そんな中、年の瀬も迫ってきたところで、なかなか気の利いた女性R&B作品を2枚ほど見つけた。それがJoy Denalane『Born & Raised』、Teresa Cook『Mamuze...and It Begins』の2枚。
Joy Denalaneはアフリカ系ドイツ人のR&Bシンガー、Teresa Cookはヴァージニア出身のR&Bシンガーです。2枚ともマイナー系の作品だけど、なかなか本格派R&B/Soulに仕上がっていると思いマス。
今回はJoy Denalane『Born & Raised』をセレクト。
前述の通り、ベルリンを拠点に活動するアフリカ系ドイツ人のR&Bシンガー。Common「Go」のリミックス・バージョンにもフィーチャーされていたので、そのあたりで名前を目にした方もいるかもしれませんね。本作『Born & Raised』は、デビュー・アルバム『Mamani』(2002年) に続く2枚目のアルバム。
僕は本作を何の予備知識もないままCDショップで試聴して、気に入って購入したが、ネットで情報収集するまでドイツ人によるR&Bアルバムなんて全然気付かなかったなぁ。全曲英語だし、Raekwon、Lupe Fiasco、Governorといったゲスト陣の顔ぶれから、てっきりマイナー系のR&Bアルバムくらいに思っていまシタ。
本作のメイン・プロデューサーはJoyの旦那様でもあるドイツ人アーティストMax Herreですが、本作のレコーディングはフィラデルフィアで行われおり、Junius Bervine、James Poyser、Jeff Bradshaw、Larry Goldなどのフィリー系ミュージシャンも多数参加しています。
全体的には70年代ソウル・フレイヴァー溢れるディープな1枚ってカンジでしょうか。と言いつつ、Hip-Hopテイストやネオソウルな曲もあり、結構幅広い層で支持されそうな間口の広さも感じマス。
騙されたと思って、一度聴いてみて下さい!
思わずニヤリのかなりイケてる1枚だと思いますよ♪
オススメ曲を紹介しときやす。
「Change」
大注目のラッパーLupe Fiascoをフィーチャーしたオープニング。初期のCommonの作品やKanye Westの師匠として知られるNo IDがプロデュースしていマス。The Impressions「I Want To Go Back」ネタのソウルフルなトラックがサイコーですな。Joyの力強いボーカルも印象的っす。
ちなみにLupe Fiascoのデビュー・アルバム『Food & Liquor』は、某雑誌で2006年のNo.1Hip-Hopアルバムに選出されていまシタ。
「Let Go」
シングルカット曲。実に僕好みのネオソウルな雰囲気がたまらん1曲。Sly, Slick and Wicked「Love's Gonna Pack Up」ネタ。CDショップの試聴で1曲目「Change」とこの曲の2曲を聴いて、歓喜のあまり軽くガッツポーズ!そのままCDを手に取り、レジに向かいまシタ。
「Be Real」
「7 Year Itch」
70年代にタイムスリップしたような小細工なしの直球ど真ん中のソウル・バラード2曲。ディープさがたまりません。
「Heaven Or Hell」
Raekwonをフィーチャー。この曲もソウル・フレイヴァーたっぷりの仕上がりっす。聴いていて、Joyの歌が耳から腹に落ちれくるカンジがいいよね。個人的には、90年代のMary J. BligeやLauryn Hillあたりと一緒に聴きたくなるなぁ。Syleena Johnsonのお父さんSyl Johnsonの「I Hate I Walked Away」、「Could I Be Fallin In Love」の2曲が使われていマス。
「One In A Million」
聴き込む中で、現在一番気に入っている曲がコレ。ジワジワと高揚感が高まり、ハートがポカポカ気分で暖かくなる曲だね。しかも、保温効果が高いカンジだね。Tavares「I Can't Go On Living Without You」ネタ。
「For The Love」
The 5th Dimention「Together Lets Find Love」ネタの哀愁感漂う1曲。
「Caught Up」
ノスタルジックな雰囲気が印象的な曲。Betty Lavette「Let Me Down Easy」ネタ。
「Start Over」
この曲も70年代ソウル・フレイヴァーだね。Atlantic/Stax系が好きな人は気に入る曲だと思いマス。Junius Bervineのオルガンがサイコーっす。
「Born & Raised」
アフリカ系ドイツ人として生まれたJoyのアイデンティティが反映された感動的なタイトル曲。Hip-Hop SoulやMary J. Bligeからの影響なども歌われていマス。
「Something Stirrin'Up」
今秋メジャー・デビュー作『Son Of Pain』を発表し、話題の本格派男性R&BシンガーGovernorをフィーチャー。このあたりのゲストのセンスもニクイね!かなりのディープな大人のデュエットってカンジですな。Rose Royce「Crying」ネタも使った抑制の効いたバックもいいカンジ。
「Soweto '76-'06」
デビュー・アルバム『Mamani』収録曲のリメイク。かなりカッチョ良いファンキー・チューンに仕上がっていマス。アフロ・ファンク・バンドDaktarisの「Eltshg Ibal Lasiti」が使われていマス。
「Sometimes Love」
ジャジーなネオソウル・テイストのバラード。しばらく余韻に浸っていたいカンジの1曲。
もう1枚のオススメのTeresa Cook『Mamuze...and It Begins』はジャジーでネオ・ソウルなアルバムっす。そのうち紹介しますね。