2007年01月31日

Chante Moore『Exposed』

今日はどうしても「Straight Up」を聴きたい!☆Chante Moore『Exposed』
エクスポーズド
発表年:2000年
ez的ジャンル:美貌&チャーミング・ボイス系女性R&B
気分は... :愛に裏切られても、愛を信じる!

今日は、何故だかChante Moore「Straight Up」をどうしても聴きたくなったので、同曲が収録されているアルバム『Exposed』(2000年)をセレクト。

Chante Mooreと言えば、最近は旦那様Kenny Lattimoreとのデュエット・アルバム『Things That Lovers Do』(2003年)、『Uncovered/Covered』(2006年)の印象が強いかもね。

特に、『Things That Lovers Do』は、本ブログでも紹介したKoffee Brown『Mars/Venus』(2001年)と並ぶ、僕の超お気に入り男女デュオのR&Bアルバムっす。ただし、裏ジャケに“これを聴くと妊娠するかも?”と書かれていたように、二人のアツアツぶりに少々妬けてくるんだけどねぇ(笑)

Chante Mooreは、1967年サンフランシスコ生まれ。L.A.でミュージカルに出演していたChanteに目を付けたのは、なんとアノEl DeBargeだったのだとか!そして、El DeBargeのマネージャーの仲介で、デビューのきっかけをつかみまシタ。

1992年に1stアルバム『Precious』でデビューし、その後は2nd『A Love Supreme』(1994年)、3rd『This Moment Is Mine』(1999年)、4th『Exposed』(2000年)とキャリアを重ねていきやシタ。

その後、同業シンガーとして、以前から面識のあったKenny Lattimoreの電撃ラブ攻勢にメロメロになってしまい(?)、ついに2002年1月1日、二人はジャマイカで挙式を迎えたのでありマス。その後、おしどり夫婦によるラブラブな活動は前述の通りっす。

でもって、僕がChante Mooreの作品の中から1枚選ぶとすれば、まだKennyと交際する前に発表された4thアルバムである本作『Exposed』(2000年)をイチオシ!

冒頭に書いたマイ・クラシックな1曲「Straight Up」収録というのも大きな要因だけど、全体の出来としても、チャーミングな声質が魅力のChante Mooreというシンガーの持ち味を見事に引き出している作品だと思いマス。

また、従来のミッド〜スロウ中心というイメージを覆す、アップ物も含めたバラエティに富んだ内容になっている点も本作の大きな魅力ですね。

プロデューサー陣も、Jermaine Dupri、先日紹介したDeitrick Haddon『7 Days』も手掛けていたTim & Bob、僕にとってはヨダレもののJam & Lewis、C. "Tricky" Stewertと有名どころが名を連ねていマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Straight Up」
Jermaine Dupriプロデュースのアルバムからの1stシングル。Chante Mooreの新境地を開いたセクシー&チャーミングなアップ・ナンバー。僕的には、この1曲だけでも本作を購入する価値アリだと思いマス。イントロを聴いただけで、心トキメキます。女性が絶対好きな曲だよね。

「Take Care Of Me」
Da Bratがフィーチャーしれた1曲。元々ChanteがDa Bratのファンだったのだとか。そんな流れで、これもJermaine Dupriプロデュースと思いきや、Tim & Bobが手掛けていマス。なかなか疾走感があるトラックがカッチョ良いですな。

「Go Ahead With All That」
この曲もJermaine Dupriプロデュース。この曲もキレのあるトラックと妖艶な雰囲気のChanteのボーカルの組み合わせがなかなかグッドっす。

「Bitter」
これはChanteらしい、しっとりとしたバラッド。歌詞はなかなか辛辣だけど、実に品のあるボーカルがたまりません。

「When It Comes To Me」
Tim & Bobプロデュースの気だるく、不穏な雰囲気が印象的な1曲。

「Better Than Making Love」
個人的には「Straight Up」と並ぶ本作のハイライト曲。Jam & Lewisがかなり胸キュン度の高いメロウネスたっぷりの1曲に仕上げてくれていマス。Jam & Lewis好きは完璧にハマる1曲ですな。

「Man」
ジャズ・テイストのなかなかオシャレな曲。実にエレガントな仕上がりだと思いマス。

「You Can't Leave Me」
C. "Tricky" Stewertプロデュース曲。妖艶でセクシーなChanteに出会うことができるミッド・チューン。

「Everything We Want」
聴き込むほどに好きになる美メロ・ナンバー。アルバム全体の中で埋もれがちだけど、個人的には結構ど真ん中な1曲。

「Love's Still Alright」
エンディングはJam & Lewisプロデュースによる大感動バラッド。愛に裏切られながらも、また誰かを愛すると力強く歌うChante...その後のKenny Lattimoreとの運命の出会いを踏まえると、かなり胸が熱くなるよねぇ。素敵なラブ・ストーリーを見終わったような感動で目がウルウルしてきそう(笑)

きっと、素敵な恋をしたい!と願っている人は本作を聴き、現在素敵な恋をしています!という方は『Things That Lovers Do』を聴くと良いのではと思いマス。
posted by ez at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月30日

Olivia Newton-John『Olivia's Greatest Hits, Vol. 2』

永遠のアイドル☆Olivia Newton-John『Olivia's Greatest Hits, Vol. 2』
Olivia's Greatest Hits, Vol. 2
発表年:1982年
ez的ジャンル:永遠のアイドル
気分は... :そよ風の誘惑?

さて、今回はオヤG世代の洋楽女性アイドルOlivia Newton-Johnの1970年代後半から1980年代前半のヒット曲を集めたオリジナル・ベスト盤『Olivia's Greatest Hits, Vol. 2』っす。

きっと30代後半以降の洋楽リスナーの方にとって、Olivia Newton-Johnは永遠のアイドル的な存在なのではと思いマス。

1948年イギリス生まれのOlivia Newton-Johnは、5歳の時ににオーストラリアに移住し、10代半ばからタレント活動を開始する。その後イギリスに渡り、1966年にデビュー。1971年の「If Not For You」のヒットで成功のチャンスをつかんだ。

ちなみに「If Not For You」は、元BeatlesのGeorge Harrisonの大ヒット・ソロ『All Things Must Pass』に収録されたBob Dylan作品のカヴァーっす。

その後、1970年代半ばにはアメリカへ渡り、スター街道をまっしぐらに進んでいった。そして、当時人気絶頂のJohn Travoltaと共演したミュージカル映画『Grease』(1978年)で、スーパースターの地位を確立する。さらには1980年の映画『Xanadu』への出演、1982年の全米年間チャートNo.1に輝いたシングル「Physical」の大ヒットなど、一時代を築いた。

洋楽を聴き始めた1970年代後半の頃、僕の周囲の洋楽好き中学生の間で、女性歌手については、Linda Ronstadt派とOlivia Newton-John派に分かれていた。

実はOliviaの爽やかな笑顔に魅了されていたのだが、仲間の前では“Linda Ronstadtに決まっているでしょ!”と素直になれなかった。洋楽通を気取るのであれば、Lindaと答えておいた方が通っぽいなんて計算が、頭の中で働いていたのだ。可愛くないガキだったね(笑)

当時を思い出してみると、Linda Ronstadtは、一人のアーティストとして作品をきちんと聴いていたけど、Oliviaの場合、音楽よりもビジュアルに魅了されていたことは事実でシタ。なので、1977年に発表されたオリジナル・ベストの第1弾『Olivia's Greatest Hits』は、今でも全然聴く気になりません。

でも、1982年に発表された本作『Olivia's Greatest Hits, Vol. 2』は違いマス。80年代に入ってからのヒット曲を中心に、今聴いてもキラキラ輝いているポップなナンバーが揃っていマス。

全曲紹介しときヤス。

「You're the One That I Want」
映画『Grease』(1978年)のサントラから、John Travoltaとデュエットした大ヒット曲(邦題「愛のデュエット」)。見事全米チャートNo.1に輝きまシタ。軽快なダンス・ナンバーとなっている曲自体は良かったんだけど、この時のケバいOliviaは正直オバサン臭くてキライだった。John Travoltaのボーカルも少しヘンだよね。僕は最初オカマが歌っているのかと思いました(笑)

「Hopelessly Devoted to You」
同じく『Grease』のサントラからのシングル・ヒット。全米チャート第3位のヒットとなりまシタ。いかにもオールディーズなバラードに仕上がっていマス。

「A Little More Love」
アルバム『Totally Hot』(1979年)からのシングル・カット曲。全米チャート第3位まで上昇しまシタ。翌年のNo.1ヒット「Magic」を少し予感させる作品ですな。

「Magic」
映画『Xanadu』(1980年)のサントラからのシングル・カットされ、全米チャートNo.1に輝いた大ヒット・シングル。個人的には、この曲からOliviaの音楽に興味を持つようになりまシタ。独特のポップな浮遊感がいいカンジですね。

「Xanadu」
『Xanadu』のタイトル曲。E.L.O(Electric Light Orchestra)と共演し、全米チャート第8位まで上がりまシタ。ポップ職人Jeff Lynneによる100%E.L.Oサウンドな曲に仕上がっていマス。

僕は昔はE.L.Oが好きだったんだけど、80年代のある時期からこの分厚いポップ・サウンドを少しクドイと思うようになった。なので、アルバム1枚聴くと、途中で飽きちゃうんだけど、こうやって1曲だけ聴くと、やっぱりいいねぇ。

「Suddenly」
これも『Xanadu』のサントラからのシングル・カット曲。Cliff Richardとデュエットしています。ロマンチックな大人のラブ・バラードに仕上がっていマス。かなり好きな1曲。

Cliff Richardは、かつては“イギリスのElvis Presley”と称されたほどの大スターであり、バックバンドのShadowsと共に、1950年代後半から60年代前半にかけて、イギリスの音楽シーンを席巻した人っす。この時期、1979年に「We Don't Talk Anymore (邦題:恋はこれっきり)」がアメリカで大ヒットし、再びCliffに注目が集まった時期でシタ。「We Don't Talk Anymore」は、今でもたまに聴きたくなる名曲。

「Physical」
アルバム『Physical』(1981年)からシングル・カットされたタイトル曲。全米チャート10週連続No.1という偉業を打ち立て、前述のように全米年間チャートNo.1にも輝いたOlivia最大のヒット。打ち込み系の軽快なダンス・サウンドは実にキャッチーでした。

でも、この曲はやっぱりPVだよね。ショートカットの髪型にレオタード姿のOliviaがセクシーを通り越して、かなりエロかったデス(笑)

「Make a Move on Me」
アルバム『Physical』(1981年)からの2ndシングル。全米チャート第5位のヒットとなりまシタ。個人的には、「Physical」以上にこのブラコン・テイストの曲が好きでした。実に妖艶なOliviaのボーカルを聴くことができマス。

「Heart Attack」
「Tied Up」
このベスト盤に合わせた新録の2曲。特に、「Heart Attack」は全米チャート第3位のヒットとなりまシタ。

Oliviaも来年で60歳になるんですね。信じられないなぁ。
posted by ez at 00:06| Comment(0) | TrackBack(1) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月29日

Dred Scott『Breakin' Combs』

早過ぎたジャジーHip-Hop☆Dred Scott『Breakin' Combs』
BREAKIN COMBS
発表年:1994年
ez的ジャンル:早過ぎたジャジーHip-Hop
気分は... :センス良過ぎ〜ぃ☆

今回は、Dred Scottが1994年に発表した早過ぎたジャジーHip-Hop作品『Breakin' Combs』(1994年)っす。

一昨年にリイシューされていたんだけど、何故かAmazonでは扱っていなかったので、なかなか紹介できずにいた作品っす。たまたまAmazonでも扱いがあったので、ようやく登場っす。

正直、Dred Scottのプロフィールについては全く知りません。唯一知っているのは女性R&BシンガーAdriana Evansの旦那さんだということのみっす。

Dred Scottを知らない人でも、Adriana Evansならば知っているという人も多いのでは?これまで旦那Dred Scottのサポートのもと、『Adriana Evans』(1997年)、『Nomadic』(2004年)と2枚のアルバムを発表していマス。

僕はこの2枚も大好きで愛試しています。1st『Adriana Evans』は清らかなネオ・ソウルに仕上がっていますし、2nd『Nomadic』はボッサ・テイストなんかもあって、爽快かつ大人のR&Bアルバムになってマス。

そう言えば、来月にはAdrianaの新作『El Camino』が発売されるみたいですね。勿論、プロデュースは旦那のDredです。

そんな夫婦二人三脚で活動するDred Scottの(多分)唯一のソロが本作『Breakin' Combs』(1994年)デス。

一言で言えば、心地良くジャジーなアルバムってカンジでしょうか。

『ezが選ぶ2006年の10枚』でもLushlife『Order Of Operations』Othello『Alive At The Assembly Line』The Good People『The Good People』とジャジー・テイストのアングラHip-Hopを3枚セレクトしたけど、そんなアプローチを10年以上前に具現化していたのが本作『Breakin' Combs』っす。

他のレビュー・サイトで発売当時日本でも大ブレイクみたいな記事を見かけたことがあったけど、1994年の発売当時の記憶として、一部のHip-Hopファンの間では高評価だったけど、大ブレイクした印象はないっす。僕自身もCDショップでたまたま試聴して購入し、周囲に薦めたものの、あまり相手にされなかったなぁ(笑)

当時の僕は全然そんな事知らなかったけど、Intelligent Hoodlum(=Tragedy Khadafi)の2ndアルバムをリリースしたことで有名になったレーベルTuff Breakからのデビューということで注目されたみたいですね。

とにかく、こんなに洗練されたHip-Hopが1994年に存在したということに驚かされます。その意味では、早過ぎたジャジーHip-Hop作品と言えるのでは?

オススメ曲を紹介しときやす。

「Back In The Day」
アルバム全体の完成度の高さを予感させるジャジー・テイストを満喫できるオープニング。ファンに人気の1曲ですね。この時期にもジャズ・テイストのHip-Hopは数多く存在したけど、こんなに“ジャジー”って表現が似合う作品は、そうはなかった気がしマス。The Headhunters「God Made Me Funky」ネタ。

「Duck Ya Head」
涼しげなフルートの音色が印象的な1曲。この曲なんて最新のアングラHip-Hopと言っても通用しようだよね。Funk, Inc.「Kool Is Back」ネタ。

「Can't Hold It Back」
個人的にはアルバムで一番のお気に入り曲っす。案外、男気のあるカッチョ良い1曲に仕上がっていマス。

「Check The Vibe」
奥方Adriana Evansをフィーチャーした1曲。「Back In The Day」と並ぶ本作のハイライトです。 これはとにかく気持ちいいトラック&気持ちいいAdrianaのボーカルに尽きます。

「The Story」
ハードボイルドなカンジのトラックがイカした1曲。クールなカッチョ良さが光りマス。

「Funky Rhythms」
レーベル・メイトTragedyをフィーチャーしたタイトル通りファンキーな1曲。

「Swingin' Fotr The Tree」
奥方Adriana Evansをフィーチャー。 スウィンギーなノリがいいよね。僕の主観だけど、このアルバムを聴いているとPharcydeを思い出すのは何故だろう。テイストは全然違うのにねぇ?

「Nutin' Ta Lose」
この曲も人気の1曲だよね。とても洗練されたカッチョ良さを実感できる1曲。

「Liar」
♪らいあ〜♪らいあ〜♪というフレーズが頭の中を何度もループするクセになる1曲。

「Rough E Nuff」
「My Mind Is Driftin'」
クールネス溢れるジャジー・トラックが印象的な2曲。

「They Don't Know」
この曲も「Can't Hold It Back」と並ぶ僕のお気に入り曲。P-Funkのグルーヴ感を思い切りジャジーにするとこんなカンジになるのでは?

「Frankie's Groove」
エンディングはジャジーな生音インスト曲。このオシャレ感覚は粋だねぇ〜!

なお、リイシュー盤には、Adrianaの2nd『Nomadic』収録の「Remember The Love」のラップ・バージョンなどおトクなボーナス・トラックが追加されていマス。

奥方Adriana Evansの作品も、そのうち紹介しますね。
posted by ez at 01:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月28日

Terry Callier『Occasional Rain』

90年代に突如再評価の高まった名作☆Terry Callier『Occasional Rain』
Occasional Rain
発表年:1972年
ez的ジャンル:ニューソウル系黒人シンガー・ソングライター
気分は... :信じる者は報われる...

今回は、90年代に入り突如再評価の高まった黒人シンガー・ソングライターTerry Callierっす。

Terry Callierは1941年シカゴ生まれ。1960年代半ばから本格的な音楽活動を開始する。John Coltraneの影響を受け、ジャズの要素を取り入れた独自のフォーク・スタイルを確立したが、成功のチャンスをつかめないまま60年代を過した。

1970年代に入ると、Dellsのヒット曲「The Love We Had Stays on My Mind」のソングライティングで注目を集めた。

これを契機に、Charles Stepneyプロデュースのもと、Cadetからジャズとフォークとソウルを見事に融合した『Occasional Rain』(1972年)、『What Color Is Love』(1973年)、『I Just Can't Help Myself』(1974年)という3枚の傑作アルバムを発表している。しかし、これら3枚も商業的成功には至らなかった。

結局、1970年代も不遇な時代を過したCallierは、1983年には音楽業界から離れ、コンピュータ・プログラマーとなってしまう。しかし、1990年代に入ると、Acid Jazzで沸くロンドンで突如Terry Callierの名が浮上し、再評価されたのでシタ。そして、日本でもフリー・ソウル系のリスナーを中心に絶大なる支持を獲得しまシタ。

特に、前述のCadetからの『Occasional Rain』(1972年)、『What Color Is Love』(1973年)、『I Just Can't Help Myself』(1974年)という3枚の作品に対する支持は高いですよね。僕もこの3枚には脱帽です。まさに“フリー・ソウル”という言葉がピッタリなカンジですよね。

今回はこの3枚の中から『Occasional Rain』(1972年)をセレクト。

タイトルの通り、雨の街のスナップが散りばめられたジャケが印象的ですよね。音の方も雨の日にピッタリなしっとりとした仕上がりになっていマス。

とってもピュアでスピリチュアルで内省的な音楽というのが、僕のTerry Callierに対する印象っす。あとは想像以上にボーカルがソウルフルでしたね。

本作が発表された1972年はニューソウル真っ盛りの時期だったけど、他のニューソウル系アーティストのように声高にメッセージを叫ぶというより、静かに、思いを込めて、力強く語りかけてくれるってカンジがTerry Callierらしいのではと思いマス。

なお、本作にはMinnie Ripertonがコーラスで参加し、あの天使のソプラノ・ボイスを聴かせてくれていマス。これもファンには嬉しい限りですね。

全曲Terry Callierのオリジナルっす。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Ordinary Joe」
多くのDJや若い音楽ファンの心をつかんだ永遠の名曲。ポップでノスタルジックなサウンドと、Callierのソウルフルなボーカルの相性が抜群っす。Hip-Hopファンにとっては、Nujabesによる、なんとTerry Callier本人をフィーチャーしたカヴァーも記憶に新しいところですね。

「Golden Circle」
じんわりと体が温まる胸にしみる1曲。わけもなく涙腺が緩んできて、聴き終わった頃は目がウルウルしてしまう。Donny Hathawayあたりにも通じる崇高さがあるよねぇ。

「Trance on Sedgewick Street」
シンガーソングライターらしい1曲。シンプルかつ淡々とした流れがなかなか味わい深いっす。

「Do You Finally Need a Friend」
この曲も感動が胸一杯に広がっていく曲だよね。Minnie Ripertonらのコーラス隊とCallierのボーカルの絡みがサイコーっす。ラブ・ストーリーの(雨の降る)クライマックス・シーンなんかにピッタリな気がします。

「Sweet Edie-D」
実にリラックスした雰囲気の1曲。ソウルフルな中にもポップな味わいがある小粋な仕上がりデス。

「Occasional Rain」
「Ordinary Joe」と共に音楽ファンのハートを射止めた静かなる名曲。フォーキーな味わいの中に漂う崇高さがたまりません。

「Blues for Marcus」
ブルージーなフォーキー・ソウル。力強いCallierのボーカルが印象的ですね。チェロが醸し出す荘厳なムードがいいカンジっす。

「Lean on Me」
Bill Withersのあの名曲とは同名異曲です。でも時期的にも同じ頃だし、とてもニューソウル的なところも共通しているので、セットで聴いてみるのもいいかもしれませんね。全体としては、スピリチュアルなテイストの実に感動的なナンバーに仕上がっていマス。

相当遠回りしたとはいえ、こうした素晴らしい音楽をクリエイトしていたアーティストが陽の目を見ることは嬉しいですね。信じる者は報われる!
posted by ez at 00:02| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月27日

The Beatles『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』

昔はロックの最高傑作と言えばコレでした☆The Beatles『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』
Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
発表年:1967年
ez的ジャンル:ロックの1つの金字塔
気分は... :俺やっぱり今もコレ大好きだわ...

The Beatlesの4回目の登場っす。

昨年11月にBeatlesのニューアルバムと称して、『Love』という作品が発表されまシタ。僕はこのアルバムに対しては、疑問符?×1,000,000くらいに納得できません。

中身が悪いと言うつもりはありません。過去の名曲を今日的なテイストで甦らせるマッシュ・アップ的手法は、むしろ面白いアイデアだと思いマス。

でも、あれをBeatles名義の作品として扱うのはマズイっす。
Beatlesの歴史を汚すだけだよね!

和の素材を使ってフランス人シェフが作った和テイストのフランス料理を“日本料理”と呼ぶのと同じだと思いマス。企画物アルバムとして出せば問題なかったのにね。

Beatlesをあまり聴いたことがない方には、アレは1つの余興で真のBeatlesではないことを理解して欲しいですね。Beatlesの真髄を体感するには、オリジナル・アルバムを聴くことが最短コースだと思いマス。

さて、『Rubber Soul』『Abbey Road』『Beatles For Sale』に続く4枚目のBeatlesオリジナル・アルバムの紹介としてセレクトしたのは、1967年発表の『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』です。

Beatlesファン、あるいは60年代〜70年代ロックが好きなリスナーの方にとっては言わずもがなの名盤ですね。若いリスナーの方のために説明すると、昔はポピュラー・ミュージックの頂点、ロックの最高傑作と言えば、このアルバムでした。

オールド・ファンの方からは、“昔だけじゃなくて、今でもそうじゃ!”と怒られそうですが、今の時代に“これがロックの最高傑作じゃ!”と言っているようだと、若者とはお友達になれないでしょう(笑)まぁ、そこまで価値観をゴリ押しせずに、もっと気楽なスタンスでオススメすればいいのでは?

きっと、若いリスナーの方には、60年代のロック作品ならば、本作よりもBeach Boys『Pet Sounds』Rolling Stones『Beggars Banquet』あたりの方がインパクトが大きいのでは? あるいは昔のロック名盤と言えば、Nirvana『Nevermind』Radiohead『OK Computer』あたりになってしまうのかもしれません(笑)

Bob Dylanが歌っていたように時代は変わるもんです。

それでも、『Sgt. Pepper's 〜』が素晴らしいアルバムであり、ロックをアートの域に押し上げた金字塔アルバムであることに変わりはありません。

シングル・ヒットを目玉に曲を寄せ集めるという従来のアルバムの概念を覆し、架空のバンドによるショウというコンセプトに基づき、ジャケット・アート、アルバム全体のストーリーなどが作られた、いわゆるコンセプト・アルバムというものを示したということが、このアルバムの最大の功績だと思いマス。本作を契機に、他のロック・アーティストもこれに習い、こぞってコンセプト・アルバムを発表することになりマス。

シングル・ヒットをアルバム・セールスに結び付けることが一番容易なアーティストであるBeatlesが、ヒット・シングルを含まないアルバムを発表したあたりに、相当のインパクトがあったのでは?

あとは、サイケデリックでフラワー・ムーヴメントだった1967年という時代の雰囲気を見事に音楽で表現しているあたりが魅力ですね!

今聴くと必ずしも最高な音楽ではないかもしれないけど、ロックの流れを決定的に変えたアルバムくらいのノリでオススメするのが、ちょうどいいのではと思いヤス。

全曲紹介しときヤス。

「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」
「With a Little Help from My Friends」
架空のバンドによるショウというアルバムのコンセプトを示したPaulによるタイトル曲。そのタイトル曲から切れ間無く続くのが、Ringoがボーカルをとる「With a Little Help from My Friends」。

Joe Cockerのカヴァーでも有名なこの曲は、まさにRingoのキャラにピッタリの曲だよね。RingoのボーカルとJohn & Paulのコーラスのやりとりが何とも微笑ましい名曲(でも当時はドラッグを連想させる曲として放送禁止になったのだとか)。

「Lucy in the Sky With Diamonds」
この曲もドラッグ・ソングということで放送禁止になったJohnの作品(タイトルの頭文字をとるとLSDになる)。John自身は生前そうした解釈を否定していましたが。でも、サウンド自体は明らかにサイケでドラッギーですよね。一方で、とても無垢な子供の心を見事に表現した名曲だと思いマス。個人的には、この曲を聴くたびに童心に戻りマス。この曲はElton Johnのカヴァーが有名ですね。

「Getting Better」
一番このアルバムにハマっていた中学の時、「Lovely Rita」と並んで大のお気に入りだった曲。単調なんだけど、飽きない何かがあるんだよね。インド・テイストのアレンジがいいスパイスになっていマス。

「Fixing a Hole」
「She's Leaving Home」
Paulによる2曲。「Fixing a Hole」はハープシコードと難解な歌詞が印象的な曲。「She's Leaving Home」は美しいバロックな1曲。昔はこの2曲あたりにアートを感じたりしていたんだけど、今聴くと多少インパクトに欠けるね。

「Being for the Benefit of Mr. Kite!」
Johnがサーカスの宣伝ポスターをモチーフに書き上げた曲。昔はあまり好きではなかったが、年を重ねるにつれてこの曲は好きになった。

「Within You Without You」
Georgeのインド音楽への傾倒が全面に出た作品。LPで言えばB面トップの曲なんだけど、昔はこの曲は聴かずに2曲目から聴いていまシタ(笑)。そんな僕が今ではシタールやタブラが入ったインド・テイストな音楽を好んで聴くようになっている。もちろん、この曲も今では大好きだ。わからないもんだね。

「When I'm Sixty-Four」
Paulらしいリラックスした1曲。正直、今聴くと退屈なカンジです(笑)

「Lovely Rita」
昔も今も変わらずアルバムで一番好きなのはこの曲。一般には、地味な扱いが多い曲なのですが。多分、この幻想的なコーラスにハマっているんだと思いマス。

「Good Morning Good Morning」
Johnらしいワケのわからん曲。あまり好きな曲でないのに、この曲を聴くと思わず♪グッド・モ〜ニング♪グッド・モ〜ニング♪グッド♪と叫んでいたなぁ。

「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise) 」
ショウの終わりを告げるこの曲でアルバムもいよいよエンディングへ突入デス。

「A Day in the Life」
そしてアルバムの最後を締めくくるのは、JohnとPaulの共作による大名曲。中学の頃は単にドラッギーな曲という程度の印象だったが、年を追うほど、僕の中でこの曲のインパクトは大きくなっている。人生の無常さ、不安感、開き直り...この曲を聴いていると、いろんな感情が僕の中を駆け巡る。まさに、このアルバムを象徴する1曲だと思いマス。

気付けば、いつものエントリーの2倍くらいのボリュームになっているね。

気楽なスタンスで聴きましょう!なんて偉そうに言いながら、実は僕自身未だにこのアルバムへの思いが強いのかもね。お恥ずかしい限りデスm(_ _)m
posted by ez at 00:03| Comment(2) | TrackBack(1) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする