発表年:1979年
ez的ジャンル:透明感ボーカル系ウエストコースト・ロック
気分は... :モヤモヤ気分を吹き飛ばしたい!
今夜は今イチすっきりしない。
特に目立った理由はないんだけど、なんかモヤモヤする。
こんなモヤモヤ気分を吹き飛ばしたいとセレクトしたのがL.Aから出てきた女性シンガーLeah Kunkelのデビュー・アルバム『Leah Kunkel』(1979年)っす。
Leah Kunkelは、名前から察しがつくかもしれませんが、ウエストコースト・ロックには欠かせない名うてのドラマーRuss Kunkelの奥さん(その後二人は別れたが)。であると同時に、60年代に「California Dreamin'」などのヒットを放ったThe Mamas & The Papasのメンバーだった故Cass Elliotの妹さんでもある。そう言われれば、ジャケ写真からもCassの面影を感じるよね。
Leah Kunkelのデビュー作は1979年発表の本作『Leah Kunkel』だが、我が家のCD棚にある作品を眺めると、大好きなJackson Browneのデビュー・アルバム『Jackson Browne』(1972年)収録の「From Silver Lake」のクレジットでLeah Kunkelの名を確認することができる。
また、AORファンに人気の高いNick DeCaro『Italian Graffiti』(1974年)のオープニング曲「Under The Jamaican Moon」のライターとして彼女の名前を確認できる(Leah KunkelとStephen Bishopの共作)。
僕自身はアルバムを持っていないがArt Garfunkel『Fate for Breakfast』(1978年)にも数曲バック・コーラスで参加している。
そのつながりか、本作の裏ジャケには、“Billy Holiday、Aretha Franklin、Janes Taylor、Linda Ronstadt...。彼らと並ぶ素晴らしいシンガー Leah Kunkelを聴いてください”とのArtのコメントが記されている。引き合いに出すシンガーたちの統一感の無さがテキトーっぽいが(笑)、かなりの期待度であることだけは伝わってくる。
Leah Kunkelを知ったのはフリー・ソウルのコンピっす。Karla Bonoff、Nicolette Larsonといったウエスト・コースト系の女性シンガーの作品が好みの僕としては、フリー・ソウルのコンピで出会った同じくウエスト・コースト系のLeah Kunkel、Valerie Carterといった女性シンガーは、すぐに気に入ってしまった。
さて、本作『Leah Kunkel』の内容ですが、Leah の独特の透明感があるボーカルが魅力のアルバムだと思いマス。
何か反省したり、悩んだり、不安だったり、悲しかったり、モヤモヤしたり...
そんな気分の時に、このアルバム聴くと、なんかホッとするだよね。
Leahのボーカルが、優しく僕の心を包んでくれる気がする。
また、旦那のRuss Kunkelを初めとするDanny Kortchmar、Craig Doerge、Lee Sklarというセッション・バンドThe Sectionのメンバーを中心に、Stephen Bishop、Jackson Browne、Andrew Gold、Rosemary Butler、Steve Lukather、Lenny Castroといったバック陣もメンツもなかなかですね。
プロデュースはRuss KunkelとVal Garayの二人が担当していマス。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Step Right Up」
AORファンにはお馴染みのPeter McCannの作品。このオープニング1曲だけでも、僕の心をかなり落ち着けてくれる。僕にとってはかなりの励ましソングっす。Steve Lukatherのギター・ソロも印象的ですな。Peter McCann自身のバーションは彼の2ndアルバム『One To One』(1979年)に収録されていマス。
「Under The Jamaican Moon」
先に述べたNick DeCaroへの提供曲。Nick DeCaroのバージョンはムーディーだが、Leah自身は案外クールな仕上がりっす。
「If I Could Build My Whole World Around You」
Marvin Gaye & Tammi Terrellの1967年のヒット曲のカヴァー。モータウン・ナンバーを見事にウエストコースト・サウンドで聴かせてくれマス。バック・コーラスのRosemary Butlerとの息もピッタリ!
「Down The Backstairs Of My Life」
しみじみと聴いてしまうバラード(Eric Mercury/William Smith作品)。Kenny Rankinもこの曲を取り上げていますね(アルバム『After the Roses』収録) 。
「Losing In Love」
軽くラテン・フレイヴァーのするポップ・ナンバー(Harlan Collins作品)。Jackson Browneのバック・ボーカルでの参加が僕には嬉しい限りっす。
「Step Out」
フリー・ソウル・ファンにはお馴染みの曲。僕もこの曲でLeah Kunkelのことを知りました。ウエスト・コーストならではのこのゆったりとしたテンポが大好きだなぁ。ちなみに本曲のオリジナルはお姉さんのCass ElliotがいたThe Mamas & The Papasっす。不思議とこの曲を聴くと、頑張ろう!という気持ちになる。
「Don't Leave These Goodbyes」
「Step Right Up」、「Step Out」と並ぶ僕のお気に入り曲(Jules Shear作品)。この甘酸っぱいカンジが僕にはたまりません。Craig Doergeのエレピが何ともステキですな。
「I've Got To Get A Message To You」
Bee Geesの1968年のヒット曲のカヴァー(邦題「獄中の手紙」)。僕はそれほど好きではないが有名曲なのでご紹介しておきマス。
「Fool At Heart」
Stephen Bishop作品。ストリングスのアレンジがいいカンジのバラード。Bishop自身のバージョン(アルバム『Bish』収録)もいいですね。
ちなみ現在発売されているCDは、本作『Leah Kunkel』と未CD化だった2nd『I Run With Trouble』との2in1というウレシイ超お得盤になっていマス。僕もそっちが欲しかったなぁ!
なんて書いているうちに、モヤモヤ気分も吹き飛んだようだ。
さすが僕にとっての励まし系アルバム!