2007年01月19日

Soul Coughing『Ruby Vroom』

アヴァンギャルドなけだるさがたまりません☆Soul Coughing『Ruby Vroom』
Ruby Vroom
発表年:1994年
ez的ジャンル:アヴァンギャルド系オルタナ・ロック
気分は... :このけだるさは...

昨日は朝3時頃まで飲んで帰宅後、そのままずっと仕事をしていたので、夕方にはガス欠になってしまい、今はけだるくボーッとした状態っす(× ×)。。。

そんな倦怠ムードにピッタリな作品が、NYらしいアヴァンギャルドなグループSoul Coughingのデビュー・アルバム『Ruby Vroom』(1994年)っす。

Soul Coughingは、1992年頃NYでM.Doughty(vo、g)、Yuval Gabay(ds)、 Sebastian Steinberg(b)、Mark De Gli Antoni(key)の4人が結成したグループっす。詳しいことは知らないけど、前衛的なNYのジャズ・クラブKnitting Factoryとつながりがあるみたいですね。

生演奏とサンプラーを組み合わせ、ロック、ジャズ、Hip-Hop、現代音楽などさまざまな音楽をミクスチャーしたサウンドは、当時実にユニークに感じたなぁ。また、ボーカルのM.Doughtyのラップのような、ポエトリー・リーディングのような、けだるいボーカルも実に印象的でしたな。

Soul Coughingの音楽って、さまざまな音楽スタイルをミクスチャーしているという点で、同じ1994年にデビュー作を発表したG. LoveBeckあたりを引き合いに出されることが多い。個人的な印象で言えば、Knitting Factory絡みのせいかG. LoveBeckよりもアヴァンギャルドかつジャズ色が強い印象があるかなぁ。Beckあたりのダウン・トゥ・アースなカンジはないよね。

あとは、本作のジャケそのままに近未来的だけどノスタルジックという独特な雰囲気がいいですな。

いずれにしても、Soul Coughing『Ruby Vroom』Beck『Mellow Gold』G. Love & Special Sauce『G. Love & Special Sauce』の3枚は、アメリカン・ロックの新しい流れを予感させてくれまシタ。

あと忘れていけないのは、本作を傑作たらしめている大きな要素であるプロデューサーTchad Blakeの存在ですな。この頃のTchad BlakeはMitchell Froomとのコンビでノリまくっていたからね。本作と同じ1994年にMitchell FroomやLos LobosのメンバーとLatin Playboysを結成し、アルバム『Latin Playboys』を発表していマス。コチラもオススメ作っす。

久々に『Ruby Vroom』を聴いたけど、全体的にウッドベースの音がメチャメチャ格好いいのに改めて感心してしまいまシタ。
案外、アヴァンギャルドなジャズって視点から聴いてみるのも面白いかも?

オススメ曲を紹介しときやす。

「Is Chicago, Is Not Chicago」
ジャジーでグルーヴィーでアヴァンギャルドなSoul Coughingらしいオルタナ・ロックなオープニング。キャッチーながらもダークなカンジがいいですな。

「Sugar Free Jazz」
哀愁感たっぷりの1曲。サンプラーが実に効果的に使われていマス。M. Doughtyのつぶやくようなボーカルも曲調にピッタリ!

「Casiotone Nation」
ウッドベースが目茶カッチョ良いグループを代表する1曲。僕もこの曲が一番好きデス。とってもアヴァンギャルドなムードがたまりません。

「Bus to Beelzebub」
実験的な雰囲気のナンバー。わけわかんないカンジがクセになる1曲。

「Screenwriter's Blues」
この曲はボーカルと言うよりもポエトリー・リーディングですな。

「Moonsammy」
G. Love & Special Sauceあたりに通じるカッチョ良さを持つミクスチャー・ロックな曲。

「City of Motors」
けだるくダークなカンジが印象的な1曲。個人的には、この曲のようにジャズ色が強い曲が好きだなぁ。

「Uh, Zoom Zip」
近未来的だけどノスタルジックという雰囲気を象徴するような1曲。

「Down to This」
Andrews Sisters「Don't Sit Under the Apple Tree」をサンプリングしたノスタルジックな女性コーラスが印象的な1曲。「Casiotone Nation」と並ぶお気に入り曲っす。

「Mr. Bitterness」
ハウス・テイストな仕上がりのアルバム中でも異彩を放っている曲。

結局グループは2000年に解散してしまった。
本作以降、2nd『Irresistible Bliss』(1996年)、3rd『El Oso』(1998年)を発表したが、本作を超える出来ではないように思う。あまりに傑作な1stを作ってしまうと、それ以降はかなりのプレッシャーなのかもね?
posted by ez at 00:39| Comment(0) | TrackBack(3) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする