2007年02月22日

Faith Evans『Keep The Faith』

Biggieの死を乗り越えて発表されたミラクルな2nd☆Faith Evans『Keep The Faith』
Keep the Faith
発表年:1998年
ez的ジャンル:ファースト・レディ系R&B
気分は... :まさかバルサが...

昨日に続き、早起きしてUEFAチャンピオンズリーグ決勝ラウンドの4試合をTV観戦。

何と言っても目玉は「バルセロナ対リバプール」だったのですが、何とバルサがホームのカンプノウでまさかの1対2の敗戦。やっぱり、どこかチームがギクシャクしているような気がしマス。これでバルサはかなり苦しい立場になりましたね。

「ポルト対チェルシー」は1対1の引き分け。まぁ、チェルシーにとってはアウェーゴールをあげての引き分けは悪くないでしょう。「インテル対バレンシア」はバレンシアがよく追いついて2対2の引き分け。バレンシアはしてやったりですな。「ローマ対リヨン」は密かに期待していた試合だったんだけど、スコアレス・ドローの結果に多少ガックリきまシタ。

全体的に調子が下降気味のチームが多いのが気になりますねぇ。
まぁ、2ndレグでの巻き返しに期待しましょう。

さて、今回はR&B界のファースト・レディFaith Evansの2ndアルバム『Keep The Faith』(1998年)っす。

今でこそFaith Evansの作品がマイ・コレクションの中にしっかりラインナップされている僕だが、長らく聴かず嫌いでいたのがFaith Evansというシンガーだった。

その原因は、Faith自身というよりも、彼女を取り巻く環境にウサン臭さを感じていたためだと思いマス。

Faith Evansと聞くと、彼女の歌よりも、Sean "Puffy" Combs(現Diddy)のBad Boy Recordsおよび彼女の旦那だった故The Notorious B.I.G.を思い浮かべてしまうというのが当時の僕でシタ。そのため、シンガーとして見る以前に、彼女を取り巻くPuffyやBiggieのゴシップ・ネタのようなものにウンザリしていたという感じでしょうか。

とにかく、僕の場合、Puffy(Diddy)がどうもダメであり、Biggieについても2Pacとの一連のもめ事を冷ややかに視線で見ていた記憶がありマス。ちなみに、今でもBiggieと2PacのCDは1枚も持っていません。

そんな経緯でFaith Evansに本格派シンガーというイメージが湧かなかったし、第2のMary J. Bligeみたいな売り出され方にも抵抗感を持っていたかもしれませんな。“だったら、MJBを聴いていればいいじゃん!”というのが当時の僕のスタンスだったかなぁ。

なので、彼女の1stアルバム『Faith』(1995年)は、殆どスルー状態だったと記憶していマス。

この2nd『Keep The Faith』(1998年)も、夫Biggieの死を乗り越えた未亡人シンガーの新作ということで、かなり話題になったけど、それほど食指は動きませんでしたね。

シングルになった「Love Like This」は、大好きなChicネタということもあって、かなり印象に残ったけど、当時はアルバム購入までには至りませんでした。

僕が本作『Keep The Faith』をアルバム1枚を通してきちんと聴いたのは、、それから数年が経ったある時、中古CD屋で格安プライスの本作を見つけて購入したのがきっかけでシタ。

そして、聴いてみるとビックリ!かなりの胸キュン度に一発KOされてしまいまシタ。この時点でようやく自分がFaith Evansというシンガーに対して、誤ったイメージを持っていたことに気付き、慌てて『Faith』も購入した思い出があります。

その後、3rd『Faithfully』(2001年)、4th『First Lady』(2005年)といった作品を発表していますが、やっぱり僕的には本作『Keep The Faith』が一番好きですね!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Love Like This」
シングル・カットされ、全米ポップ・チャート第7位、全米R&Bチャート第2位となった大ヒット曲。Chic「Chic Cheer」の大ネタ使いが印象的ですよね。僕にとっては、それまで疎遠だったFaith Evansというアーティストへの興味を高めてくれた1曲です。当時の僕は大ネタ使いの曲にかなり抵抗感を持っていたのだけど、この曲はあまり気になりませんでしたね。むしろ、この曲のおかげでChic「Chic Cheer」がさらに好きになりまシタ。

「All Night Long」
Puff Daddy(現Diddy)をフィーチャーしたシングル曲。全米ポップ・チャート第9位、全米R&Bチャート第3位となりまシタ。Diddy大嫌いの僕もそんなことを忘れてしまう気持ちの良いグルーヴですな。Unlimited Touch「I Hear Music In The Streets」ネタ。

「Sunny Days」
「Love Like This」、「Keep the Faith」、「Lately I」と並ぶ僕のお気に入り曲。MJBに通じるグルーヴ感と、乾いた愁いを持った雰囲気のメロウネスがモロに僕好みっす。Al Johnson「I'm Back for More」ネタ。

「My First Love」
「No Way」
Faithのボーカリストとしての実力を堪能できるスロウ2曲。2曲共にKelly Priceが参加しており、ボーカル・アレンジ&バック・コーラスでの好サポートが光りマス。

「Anything You Need」
僕の胸キュン・メーターが一気にはね上がる1曲。今回、久々に聴いたけどやっぱりいいねぇ。自然と目がウルウル・モードになってきマス。

「Life Will Pass You By」
エレガントな雰囲気の哀愁感がなかなか魅力のミッド・チューン。Angela Bofill「Gotta Make it up to You」ネタ。

「Keep the Faith」
この曲も僕のお気に入り曲。軽いラテン・タッチのアコースティックなアレンジが僕好みっす。あとはタイトルからして、当時の彼女の状況を思えばグッときますよねぇ。この曲も聴いているうちに涙腺がウルウルきます。

「Never Gonna Let You Go」
Babyfaceの作曲&プロデュースによる全米R&Bチャート第1位に輝いた名曲。この曲が一番好きというファンの方も多いのでは?200%Babyface印の感動の1曲ですな。

「Caramel Kisses」
同じBad Boy Records所属の112をフィーチャーしたしんみり胸に響き渡るメロウ・チューン。

「Lately I」
このアルバムは僕の涙腺がウルウルする曲が多いんだけど、この曲もそうです。聴いているうちに、愛しの誰かに思いを馳せたくなる曲ですな。

こんな素晴らしいシンガーの作品を長らく聴かず嫌いでいた自分が恥ずかしいですな。
懺悔の意味も含めて、これからもこのアルバムを聴き続けることになると思いマス。
そして、Faithのまさに真実の歌が僕の心を揺さぶり続けてくれることでしょう。
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2007年02月21日

Curtis Mayfield『Curtis』

記念すべきCurtisの1stソロ。Curtis流ファンクの原点がココに!☆Curtis Mayfield『Curtis』
Curtis
発表年:1970年
ez的ジャンル:Curtis流ファンクの出発点
気分は... :いよいよCL決勝ラウンド!

サッカー・ファンにとっては楽しみなUEFAチャンピオンズリーグ決勝ラウンドが始まりましたね。

今朝は「セルティック対ミラン」を中心に「レアルマドリード対バイエルン」、「PSV対アーセナル」、「リール対マンチェスターU」の4試合を生放送でハシゴTV観戦していまシタ。

「セルティック対ミラン」は、ホームなので。俊輔のセルティックがもしかしたら...なんて期待したけど、やっぱりドローが精一杯でしたね。

「レアルマドリード対バイエルン」は、レアルは勝ちましたが、アウェー2ゴールで苦境に立たされましたね。やはり、後半の守備的戦術はスペインのチームには無理なのか?

「PSV対アーセナル」は、いくらアウェーとは言え、アーセナルは負けてはいけませんね。2ndレグでの奮起を期待しマス。

「リール対マンチェスターU」は、マンUが疑惑のゴール(?)で勝利をもぎ取りましたね。でも、リールはなかなか面白いチームだと思いまシタ。

さて、今回はCurtis Mayfield『Curtis』(1970年)っす。

本当はDonny Hathaway『Everything Is Everything』あたりにしようかなぁ!と思っていたのですが、サッカーCLリーグを観ていたら、Donnyの気分ではなくなったので変更しまシタ。

Curtisは『Curtis/Live!』(1971年)、『Superfly』(1972年)に続く3回目の登場となりマス。

本作『Curtis』は記念すべきCurtisの1stソロです。1968年にCurtisは自身のレーベルCurtomを設立し、まずは活動拠点を作った。そして、長年率いてきたImpressionsを離れ、ソロ・アーティストCurtis Mayfieldの記念すべきCurtisの1stソロとして発表したのが『Curtis』デス。

その後のCurtisサウンドの基本となる独特のクール・ファンクと憂いに充ちたバラードが既に確立されている点や、社会メッセージ性を強く打ち出している点で、まさにソロ・アーティストとしてのCurtisの原点に触れることができる作品だと思いマス。

あとはPaul Wellerファン必聴の名曲「Move on Up」が収録されているアルバムとしても有名ですね。「Move on Up」1曲狙いでも十分に元が取れるアルバムだと思いマス。

全曲紹介しときヤス。

「(Don't Worry) If There's a Hell Below, We're All Going to Go」
シングルカットもされたオープニング曲。「Move on Up」と並ぶ本作のハイライト曲ですね。ファルセット・ボイスで同胞へ呼びかけるストレートなメッセージ、延々と刻まれる16ビートのギター・カッティングと、高揚感をジワジワと高めるパーカッション、不穏な空気感を漂わすストリングス、それらを支える歪んだベースと、Curtis流のクールなファンクが見事に凝縮された1曲だと思いマス。

サンプリング・ネタとしても使われていますし、トリビュート・アルバム『A Tribute To Curtis Mayfield』に Narada Michael Waldenによるカヴァーが収録されていましたね。

「The Other Side of Town」
この上なく美しいイントロとダークで憂鬱なムードに包まれたCurtisの歌との対比が印象的な1曲。

「The Makings of You」
この曲も「The Other Side of Town」の流れを受けて、美しいストリングスで幕を開けます。実に崇高で胸打たれる、Curtisらしい味わい深い1曲だと思いマス。以前に紹介した『Curtis/Live!』のライブ・バージョンと合わせてどうぞ。

Curtis Mayfield制作のサントラ『Claudine』の中でGladys Knight & the Pipsがカヴァーしていますね。最近の話題で言えば、昨年発表されたMonicaのアルバム『The Makings of Me』のタイトルは、本曲から影響を受けたものでしたね。実際に同アルバム収録の「A Dozen Roses (You Remind Me) 」では本曲がサンプリングされていマス。あとはBlack-Ty(Tyrese)「Rose」でもサンプリングされていますね。そうそうAngie Stoneのバーションも忘れてはいけませんね。

「We the People Who Are Darker Than Blue」
ドラマチックな展開が魅力の1曲。切々と歌う前半から一転して、パーカッシブなリズムとワウワウ・ギターが響きわたる中盤のスリリングな展開がサイコーですな。そして美しいストリングと共に感動のエンディングへと向かいマス。

「Move on Up」
本作のハイライト。ニューソウル大好きの僕ですが、こんなにカッチョ良い曲はニューソウル広しと言えども、そうはお目にかかれないと思いますね。印象的なホーンセクションとパーカッシブな展開は、延々聴き続けたい極上グルーヴですな。

この曲と言えば、Paul WellerによるThe JamStyle Councilでのカヴァーですね。これらをきっかけに、このオリジナルやCurtis Mayfieldというアーティストに興味を持った方も多いのでは? Style CouncilでPaul兄貴がやりたかった1つの理想形がこの曲にあったのかもしれませんね。

最近ではKanye West「Touch The Sky」のサンプリング・ネタとしてお聴きの方も多いかもしれませんね。

「Miss Black America」
本作の隠れた名曲だと思いマス。不穏な空気が漂う曲や憂いのある曲などニューソウル的な楽曲が並ぶ中で、なんか心温まる1曲に仕上がっていますね。ホッと一息つける感じですな。

「Wild and Free」
流麗なストリングスとホーンセクションの鳴り具合の絡みが実にいいカンジですね。

「Give It Up」
ラストは体の芯にジワジワくる1曲。裏ジャケで子供達と戯れるCurtisの姿がオーバーラップしてきマス。

『Curtis/Live!』『Superfly』『Curtis』と初期のソロ作品が続いているので、次回のCurtis紹介時には中期以降の作品を取り上げますね!
posted by ez at 07:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月20日

Clifford Brown & Max Roach『Clifford Brown & Max Roach』

ブラウニーとローチの黄金コンビを堪能できる1枚☆Clifford Brown & Max Roach『Clifford Brown & Max Roach』
Clifford Brown & Max Roach
録音年:1954年、1955年
ez的ジャンル:天才トランペッター系ハードバップ
気分は... :言い訳せずにやりきろう!

2月も気付けばあと1週間強ですね。
ホント、今年は年明けからバタバタしっぱなしデス。

充実していると言えばそうなんだけど、やり残していることが山積みなのも事実。
特に、こういう時って小さな事を後回しにしがちだけど、後々その小さな事がボディーブローのようにジワジワ効いてくることが多い。忙しいからと言い訳せずに、何とかやりきってしまいたいものです。

さて、天才トランペッターClifford Brown(1930年-1956年)の『Study In Brown』(1955年)に続く2回目の登場っす。

ブラウニー(Clifford Brownの愛称)は、1954年に本ブログでも紹介したArt Blakey Quintetによる歴史的ライブ『A Night at Birdland』へ参加した後、西海岸へ趣きMax Roach(ds)と出会う。そして、歴史的な名コンボClifford Brown=Max Roach Quintetが誕生した。

このMax Roachとの双頭クインテットは、2年間足らずの間に数々の名演を録音し、我々に宝物の数々を残してくれましたね。

昔、あるジャズ関連の書籍を読んだ時、“Clifford Brownに限って言えば、とるに足りない作品というのは1枚もない!”と書いてあったのが実に印象的だった。

実質4年という短い活動期間の中で、常に輝き続けたブラウニー。ブラウニーの作品を聴いていると、その短い活動期間を悟っていたかのような密度の高さを感じますねぇ。

そんな作品の中から今回は『Clifford Brown & Max Roach』をセレクト。

メンバーは、Clifford Brown(tp)、Harold Land(ts)、Richie Powell(p)、George Morrow(b)、Max Roach(ds)というお馴染みの布陣デス。

流麗かつ温かみのあるブラウニーのトランペット、豪快で奔放なRoachのドラムに加え、コンボとしての充実ぶりを再認識できる1枚っす。特に、Harold Landがいい味出してま!

全曲紹介しときヤス。

「Delilah」
映画音楽の作曲家として有名なVictor Youngの作品。Delilahとは、旧約聖書の中の有名な物語である「Samson and Delilah(サムソンとデリラ)」のDelilahのことです。本バージョンは妖婦デリラらしいミステリアスでエキゾチックな雰囲気がいいですね。ブラウニーのソロは勿論良いですが、Harold LandのテナーとRichie Powellのピアノも実にハードバップらしく印象的です。Roachのマレットも忘れちゃいけませんね。

「Parisian Thoroughfare」
Bud Powell作品。『In Concert』にも収録されているグループの主要レパートリーの1曲ですね。全体的にパリの街並みのような小粋な雰囲気が大好きデス。スピーディーでスリリングな展開もいいですね。Roachのドラム・ソロがかなり来てマス。

「Blues Walk」
ブラウニーのオリジナル。個人的にはアルバムで一番好きな演奏デス。ブラウニーとHarold Landがカッチョ良すぎです!聴いているうちにテンションが上がってくる曲ですね。エキサイティング!の一言に尽きます。

「Daahoud」
ブラウニーのオリジナル。この名コンボの魅力をコンパクトに堪能できる1曲なのでは?Roachの豪快で奔放なドラム・ソロが目立ちますね。

「Joy Spring」
これもブラウニーのオリジナル。タイトルの通り、春の陽気のような軽やかで、楽しげな演奏が聴けマス。

「Jordu」
Duke Jordan作曲によるスタンダード。タイトルのJorduとはDukeのDuとJordanのJorを合わせたものなのだとか。『In Concert』にも収録されていますね。ブラウニーのソロを堪能できる1曲デス。

「What Am I Here For?」
Duke Ellington作品。とってもワクワクする演奏ですね。

さぁ、輝き続けるブラウニーからパワーをもらったところで、こちらも気合い入れて頑張ろうっと!
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2007年02月19日

Dayton『Feel The Music』

ボコーダー好きには絶対外せない1枚☆Dayton『Feel The Music』
Feel the Music
発表年:1983年
ez的ジャンル:オハイオ系Funk
気分は... :ファンクの名産地

なんか頭がスッキリしない日が続く。
体調が悪いと頭の回転も鈍くなっているのかもしれないね。

こんな時にはやっぱりブラコン/ファンクかなぁ。
と言うことで、今回は80年代前半に活躍したFunkグループDayton『Feel The Music』(1983年)っす。

Daytonは、その名の通り、オハイオ州デイトンで結成されたファンク・グループ。その中心人物Shawn Sandridge、Chris Jones、Dean Hummonsの3人は、同じオハイオの大型ファンク・グループSunのメンバーでした。

それにしてもオハイオというのは、Ohio Playersを筆頭に、SunSlaveZappDayton等々実に優秀なファンク・グループを続々と輩出したファンクの名産地ですね。

脱線しますが、小中学生の頃、アメフト好きの僕はアメリカのカレッジ・フットボールで何故かオハイオ州立大が一番好きで応援していた記憶がありマス。そんな関係で昔からオハイオという土地に何故か親近感を感じます。

グループは、『Dayton』(1980年)、『Cutie Pie』(1981年)、『Hot Fun』(1982年)、『Feel The Music』(1983年)、『This Time』(1985年)という5枚のアルバムを発表していマス。

そんな中で僕のダントツのお気に入りが4thアルバムとなる『Feel The Music』(1983年)っす。理由は簡単、僕にとっての超名曲「The Sound Of Music」が収録されているからデス。

この曲を聴くと、ブラコン/ファンクにのめり込み始めた頃のトキメキが甦ってきマス。

グループとしては、本作を前にメンバーチェンジおよびスリム化を断行したのと同時に、後にプロデューサーとして注目を集めることになるRahni Harrisがメンバーとして加入した影響が反映されたアルバムだと思いマス。

全体としては、程好く、アーバンでメロウでライトな感覚が魅力のファンク・アルバムだと思いマス。

全曲紹介しときやす。

「The Sound Of Music」
文句ナシのマイ・クラシック。僕が80年代前半のブラコン/ファンク系のコンピ・アルバムを編集できるとしたら、必ずこの曲を入れマス。イントロのコーラスを聴いただけで胸トキメキます。そして、ボコーダーのボーカルが始まった瞬間には昇天してしまいマス(笑)僕にとって、ボコーダー使いと言えば故Roger TroutmanがダントツN0.1な存在だけど、この曲に限ってはZappRogerの曲よりも好きかもしれません!Rogerにはないアーバンでスタイリッシュで爽やかなところに弱いのかもね!

「It Must Be Love」
シングルカットもされたアーバンなメロウ・チューン。80年代ブラコンにはツボの1曲なのでは?

「Out Tonight」
これも80年代らしいアーバン・ファンクですな。夜のドライブなんかにピッタリな1曲だよね。ほんのりトロピカルなテイストがあるのもグッド!

「So What」
ボコーダー使いのファンク。この曲は少しハードで粘り腰な感触がありますね。

「Love You Anyway」
「The Sound Of Music」と並ぶハイライト。Roger Troutmanが楽曲を提供し、プロデュースも手掛けていマス。Roger以外のZappファミリーも大挙参加していマス。さすがファンクの名産地デイトンのファンクの絆は深い強いですな。曲はモロにZappというかRogerらしい大サービス・エンターテイメント系のファンクに仕上がっていマス。

「Caught In The Middle」
アルバム唯一のスロウ。実にロマンティックな1曲に仕上がっていマス。

「Eyes」
Michael Jackson「Beat It」系のロック色の強い1曲。やっぱり時代的にこういった曲が必要だったのだろうか?

「Promise Me」
Mtumeあたりにも通じるアーバンなメロウ・グルーヴ。「The Sound Of Music」を除けば、この曲が一番お気に入りデス。

「Lookin' Up」
ラストはボーカル・グループ的なテイストが濃い1曲。なんかほのぼのする曲だねぇ。

僕にとっては、子供の頃にみたヒーロー物のアニメを観た時のような興奮をおぼえるアルバムっす。
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2007年02月18日

Primal Scream『Evil Heat』

いつまでも過激で刺激的な☆Primal Scream『Evil Heat』
Evil Heat
発表年:2002年
ez的ジャンル:サイケデリック・ダンス系ドラッギー・ロック
気分は... :脳内トロトロ...

Primal Screamの2回目の登場っす。

前回は90年代を代表する問題作となった『Screamadelica』(1991年)を紹介しました。今回は2002年に再び『Screamadelica』のような衝撃を与えてくれた快心作『Evil Heat』っす。

『Screamadelica』(1991年)以降、『Give Out But Don't Give Up』(1994年)ではスワンプ・ロック、『Vanishing Point』(1997年)ではダブに傾倒したBobby Gillespieが、『Xtrmntr』(2000年)で再び鋭角なメスを持ったデジタルでパンクなロック・サウンドで音楽シーンを切り裂いた。

その『Xtrmntr』の鋭さはそのままに、ジャーマン・テクノやサイケデリックなスパイスを効かせたアルバムが本作『Evil Heat』っす。

2000年代に入り、数えるほどしかロックの新作を聴かなくなった僕だが、Primal Scream(というかBobby Gillespie)の動向はとても気になる。以前にも書いたかもしれないけど、Bobby Gillespieには60年代を代表するカリスマDoorsJim Morrisonの姿をダブらせてしまいマス。なんか、とっても危ういカンジが刺激されるんだよねぇ。

思えば、最近のロック・ミュージシャンの中でBobby Gillespieほど雰囲気を持った人って、なかなか居ない気がするなぁ。あのヘロへロでダメダメだけど凄いぜぇ!カンジが個人的には大好きっす。

本作のプロデュースは、Two Lone Swordsmen (Andrew Weatherall and Keith Tenniswood)、サブメンバーでもあるMy Bloody ValentineのKevin Shields、Jagz Kooner☆『Screamadelica』好きは、やっぱりAndrew Weatherallに期待しちゃうし、Kevin Shieldsは本作の魅力であるサイケ感覚の仕掛人、Jagz Koonerには『Xtrmntr』の刺激を再び!ってカンジでしょうか。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Deep Hit Of Morning Sun」
ドープでラリラリ&ヘロへロなサイケデリック・ナンバー。Bobby曰く“過去最高の表現ができた一曲”♪確かにこのサイケ感覚は尋常じゃないよね!さすがKevin Shields、納得です。

「Miss Lucifer」
先行シングルにもなったパンクでアナーキーなデジタル・ロック。他のロック・バンドがこの手の曲をやると、違和感を感じることが多いんだけど、彼らが演るとピタッとハマるねぇ。Jagz Koonerプロデュース。

「Autobahn 66」
タイトルからも察しがつくように、KraftwerkやNEU!といったドイツのテクノ・グループを意識したナンバー。知らぬ間に、このサイケでテクノなループが脳内でグルグル回っている。中毒になる1曲ですな。

「Detroit」
Bobbyがかつて在籍していたグループJesus and Mary ChainのJim Reidをボーカルでフィーチャーした1曲。Kevin Shieldsプロデュースらしい怪しげでドープなサウンドに仕上がっていマス。

「Rise」
ご存知の通り、当初は「Bomb The Pentagon」というタイトルであったため、、9.11同時多発テロの発生と同時に物議をかもした1曲。その後歌詞の一部が変更され、タイトルも「Rise」と改められた。曲自体は、ノイジーだけどキャッチーなガレージ・ロック風の仕上がりっす。

「The Lord Is My Shotgun」
ゆったりとしたリズムの中で響き渡るノイジーなサウンドが印象的な曲。Robert Plantがハーモニカで参加していマス。

「Some Velvet Morning」
ボーカルにスーパーモデルKate Mossをフィーチャーしたことで話題となったナンバー。ちなみにこの曲のオリジナルはNancy Sinatra & Lee Hazlewoodっす。BobbyはKateのことを“若い頃のNicoみたい”と言っていたようだけど、Kateのど素人で刹那的なボーカルは確かにNicoみたいですな。チープなエレポップ・サウンドが哀愁感を増幅してくれマス。

「Skull X」
アルバム中一番ロックしている1曲。ラウドでノイジーな仕上がりが何ともカッチョ良いっす。やっぱり、こういったゴキゲンなナンバーも1、2曲聴きたいよねぇ!

「A Scanner Darkly」
映画『Blade Runner』の原作者Philip Kindred Dickの作品「A Scanner Darkly(暗闇のスキャナー)」にインスパイアされた曲なのだとか。「Autobahn 66」同様にジャーマン・テクノの影響が色濃く出た仕上がりになっていマス。

『Xtrmntr』『Evil Heat』の2枚は僕の固まった脳ミソをムース状にトロトロにする刺激を持った数少ない2000年代ロック・アルバムなのデス。
posted by ez at 00:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする